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人々は陰謀説が好きだと思う。例えば有名なのはケネディ大統領の暗殺だ。オズワルドが犯人ということになっているけれども、本当の犯人はオズワルドではなく、軍産複合体の意を受けた政府が主犯であるという説がある。
最近暴落で大きな話題となった金について、King World Newsとのインタビューで、以前財務副長官を務めた(レーガン政権時代)ポール・クレッグ・ロバーツ氏は、こんなことを語っている
金の大幅下落は演出されたものだ。4月の始めから起きていたことだが、「ヘッジファンドや機関投資家が金を大きく売却してくるから、今のうちに売っておきましょう」、と証券会社や先物業者は個人投資家たちに声をかけていた。こんな状況の中で、ゴールドマンサックスは金の売りを推奨し、明らかに何か重要なことが起きている。
要するに、政府はドルの将来を心配しているのだ。超量的緩和で世の中はドルで溢れ、国際決済の方法としてドルを拒否する国々も存在する。現在起きていることは、ドルの交換価値が脅かされていることだ。ドルが崩れてしまえば、連銀は金利をコントロールすることが不可能になり、これは米国債の暴落、株の暴落、そして大手銀行の倒産を引き起こす。演出された金の大幅下落は米政府の必死な対策であり、「資金の避難場所として安全なのは金ではなくドルだ」、ということを人々の頭に植え付けようとしているわけだ。
更に、米政府はドルの地位を守るために日本政府に圧力をかけ超量的緩和政策を実施させた。もちろん、欧州中央銀行にも追加量的緩和を働きかけ、ドルの安泰を図っている。
ドルの交換価値が下がってしまえば米国に海外から入ってくる物の値段が上昇する。国内にインフレが起きてしまえば、連銀はゼロ金利政策を続けることができなくなってしまう。「金は資金の安全な避難場所」、という通念を崩壊させ、更に「ドルが資金の安全な避難場所」、という考え方を確立させることで連銀のゼロ金利政策を継続させようとしているわけだ。
なるほど、前財務副長官の言うことだから、ひょっとすると本当かもしれない、と思ってしまう。さて、金価格を暴落させた犯人扱いされているゴールドマンサックスは、最近こんなことを発表している。先ず、ニュースのヘッドラインを見てほしい。
Forget gold! Natural gas is the new safe haven: Goldman(ゴールドマンサックス:金は無視!資金の安全な新避難場所は天然ガス)
記事を要約するとこうなる。
過去5年間、ゴールドマンサックスは金の買いと天然ガスの空売りを勧めてきた。しかし、最近この状況は大きく逆転し、ゴールドマンサックスは現在天然ガスの買い、そして金の売りを推奨している。「シェール革命が米国経済に大きく貢献していることを考えると、天然ガスと米国経済が資金の安全な新避難場所だ。」(鎌田傳)
◆金価格急落は長期株高の予兆である
http://blogos.com/article/60726/?axis=g:2
・金急落は「インフレ到来論」「ブラックスワン論」の破綻を示唆
金価格が急落している。現代資本主義100年の歴史の中で3度目の金ブームは終わった公算が強い。どのレベルの金価格が妥当なのか、相場感が失われている。金のコスト、金の需給等、通常の財の価格分析手法が役に立たない。それも当然である。金価格の長期変動は、@経済危機のぼっ発と深化、回復というファンダメンタルズ、A危機に対応した新通貨レジームの登場と定着、という2要因の相克によって決定されてきたからである。そして、@、Aを歴史的に検証していくと、金価格下落は、経済繁栄と長期株高の予兆という結論に至る。
今回の金価格急落は二つの悲観論の論理破綻を示唆していると考えられる。第一の破綻は「インフレ到来論」である。金価格下落が、中国経済の急減速、資源価格の低下とともに起こり、長期金利の低下とも連動している事で、インフレ到来を予測する議論は説得力を失った。そしてそうした投資ポジションを取ってきた投資家(例えばジョン・ポールソン)に多大な損失をもたらしている。
第二の悲観論は、あらゆる事象を悲観的将来に結びつけたがる「ブラックスワン論」で、論者(PIMCOのモハメド・エラリアン氏等)は、金価格の下落こそ、デフレ懸念の進行、経済困難の深刻化という主張を正当化する証拠と見ているようである。それに対して、かねてより悲観論の論理矛盾を指摘してきた筆者は、金価格の下落こそ通貨の信認の高まりであり、「インフレ到来論」のみならず「ブラックスワン論」という悲観論にとっても誤りである証拠と主張したい。「マネー量の増大とマネー信認の高まり」により、株価上昇の必要十分条件が整ったとは考える方が説得力がある。リスクテイカーにとって、鬼に金棒の環境が整ったと言える。
・金、通貨レジーム、株価、実体経済の明白な因果関連
金価格の歴史を検証すると以下の3点の仮説(因果関連=法則性)が成り立つと考える。
@金価格は金融経済危機の下で新通貨レジームが登場し、通貨供給量(期待)が高まった時に上昇してきた。今回もQEを催促する形で金価格の急騰が続いた。
A金価格の上昇は通貨供給によって増大した購買力が、一時的に金に滞留したことによって起こった。しかし、新通貨レジームの信頼が高まり将来展望が明るくなると、金に滞留していた購買力は先ず高リスク金融資産に、次いで投資・消費へと移転し、金価格は急落過程に入る。つまり金価格下落は、持続成長軌道が確立されつつあることの傍証と言える。
B株価は危機が深化し新金融レジームが定着するまで不振(暴落と停滞)が続いてきた。つまり金価格上昇している間は株価は低迷していた。しかし新金融レジームが機能するようになると購買力の金から株への移転が起こり、長期株高が開始された。
・注目されるべき今年と1982年との類似性
以上3点において、1982年と2013年との類似性が指摘される。@2年前ピークアウトした金価格が急落を開始、A株価が長期低迷の後史上最高値を更新、B物価下落と長期金利の低下、である。1982年はまさにNYダウ工業株が1000ドル台から1万ドルへと上昇する入口にあった。今回もそうなるであろうか、確かではないが可能性は十分にあると言える。
・金価格とドル信認は無関係、ドル相場は需給で動く
金の上昇をドル不安と性急に結論づける見方もある。確かにそうした側面があることは否定できない。しかしリーマンショック時もギリシャ・欧州通貨不安の現在も、流動性の危機が高まると逆にドルが強くなり金は売られている。有事の金ならぬ有事のドルこそ健在であり、投資家が好む流動性のラストリゾートはドル紙幣であることが奇しくも証明された形となった。金は発行体の無い通貨であるので破綻リスクなし(=ソブリンリスクなし)と指摘される場合がある。しかし、金は今や通貨ではなく投資家は1980年代の暴落も経験している。「金は破たんリスクのない通貨」という見方は、人々がドル廃貨、金本位復権という期待(=幻想)にとらわれている下でのみ成り立つ議論と言える。
米国ドルのベースマネー供給が著増した時に需給要因からドル相場が下落する場面は見られた。しかしそれがドル不安かと言えば事情は逆である。むしろ危機進行の下では、@最後の支払い手段(currency of last resort)としてドル選好の高まり、Aドル金利の低下、が起こっているのである。金上昇とドルに対する信認は全く無関係と言って良いのではないか。
・金の値上がりは吉兆である可能性
このように見てくると、今日までの金価格の値上がりの原因は通説的理解であるインフレでもドル不安でもなく、単純に米国のマネー供給増大化に連動したに過ぎない、と言える。このマネー供給の増加がその後に何をもたらすかは、簡単には結論は下せない。ただ過去の経験則は、金価格上昇=マネー供給増加はその後の信用創造と経済繁栄、長期株高に帰結したと言える。そうした中でマネー供給の新たなメカニズムの萌芽がみられるのかもしれない。私の直感でいえば、それは市場中心のマネー創造「市場本位制」のようなものになるのではないか。あるいはドルがより透明かつ効率的な通貨市場に立脚することとなり、新たな「ドル本位制」の強化をもたらすのではないだろうか。@金本位制下の下での金を裏付けとした通貨供給、A管理通貨制の下での国債(ソブリン債)を裏付けとした通貨供給、に続き、Bキャッシュフロー資産を裏付けとする通貨供給、である。量的金融緩和QEはそうした通貨新時代の萌芽と見ることはできないだろうか。(武者陵司)
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