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「消費税還元セール」禁止に反発したファーストリテイリングの柳井正会長兼社長
「消費税還元セール」禁止に反対! アベノミクスに水差す悪法
http://www.zakzak.co.jp/economy/ecn-news/news/20130418/ecn1304180713004-n1.htm
2013.04.18 経済快説 山崎元 夕刊フジ
ファーストリテイリング社の柳井正会長兼社長は、2014年4月に予定される消費税増税後も、「ユニクロ」などの店頭価格を据え置く方針を示した。同じ売り上げに対して納めるべき税金が増えるのだから、実質的な値下げだ。
ファーストリテイリング社以外では、小売り大手、イオンの岡田元也社長も、価格転嫁を顧客が受け入れるかどうかに対して懐疑的であり、税率引き上げ後も価格を据え置く方針を示唆している。
一方、政府は、「消費税還元セール」を禁止する特別措置法案を国会に提出している。12日には、甘利明経済再生相が「消費税は納めるもので、還元するものではない」と述べ、法案に理解を求めた。
交渉力の強い大手小売業者が価格転嫁を見送って実質値下げを行った場合、中小企業が多い商品を納入する業者に対して価格引き下げ圧力が掛かり、彼らが税率引き上げ分を価格転嫁しにくくなる心配があるから、という理屈らしい。
最終的に、ユニクロやイオンの価格据え置きがどう解釈されるのかは分からないが、この問題に関しては、政府ではなく、ユニクロやイオンの側が100%正しい。
たとえば、イオンが消費税率5%の下で「990円」で売っている商品を、8%の際に2・85%(1・08÷1・05=1・0285)アップの1018円で売ったら、消費者はどう感じるだろうか。事情は理解するかもしれないが、購買意欲をそそられなくなる消費者がかなりいるだろう。当然、イオンの売上数量が減ることになるから、必然的にこの商品の納入業者に対する発注が減り、この業者の売り上げは減る。
この場合、「990円」を維持して利益率の低下を我慢する方が、イオンと納入業者両方にとって、ストレートに価格転嫁する状況よりもマシだろう。
いずれのケースも、川上・川下両方の小売業者にとって消費税率の引き上げは圧迫要因になるわけだが、税率引き上げ後も、価格を据え置くという自由はあっていい。
そして、この場合の経営上のマイナスを少しでもカバーするために、消費者にアピールできる有力なオプションが「消費税還元セール」であり、政府がこのオプションを小売業者から取り上げるというのが、今回の悪法の目指すところだ。
景気に対して与える影響もマイナスのはずであるから、アベノミクスの効果にも水を差しかねない。理解力のない中小企業に対する人気取りを狙ったのかもしれないが、まったく愚かな法案だ。
自民党にいい知恵を授けよう。デフレ脱却と参院選を有利に戦うための両方の目的で、安倍晋三首相の判断として、消費税率の引き上げ自体を1年先送りし、それを理由にこの悪法を引っ込めるといい。経済政策としても適切なので、一石二鳥だ。(経済評論家・山崎元)
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