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株式日記と経済展望
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昨年七月に行われた「ブラック企業大賞2012」では、ワタミ、
ウェザーニューズ、すき家(ゼンショー)などがノミネートされた。
2013年4月16日 火曜日
◆「ブラック企業」はこうして見極めろ! 森健
http://hon.bunshun.jp/articles/-/1405
徹底的な隷属と監視で支配
?東京六大学の1つを卒業し、上田さん(仮名)がアパレル商社のA社に入社したのは2011年4月のことだった。就活を始めた2009年は、ちょうど前年のリーマンショックの影響で企業の採用枠が急減した直後。大手はどこを受けても弾かれた。上田さんは理系だったが、興味があったアパレル業界を中心に活動。そんな中、順調に選考が進んだのがA社だった。
「知名度もなく、規模も小さかったが、だからこそできることもある」
?そう前向きに判断した。面接時間が1回2時間に及ぶなど、やや気にかかる点もあったが、内定の出たA社に就職した。
?だが、入社してすぐそんな想像は甘かったことを思い知らされた。社長は普段から両足を机の上に投げ出して指示をし、何かと言えば怒鳴りあげる人物だった。
?上田さんは先輩の営業見習いとして同行するようになったが、次第に社長から理不尽な仕打ちを受けるようになった。
「社長と一緒に衣料資材を遠方の倉庫に取りに行った際、帰ってからその倉庫に忘れ物をしたことに気づいた。その途端、社長からみぞおちを思い切り蹴りあげられました」
?入社前に給与は営業手当込の25万円とされたが、半年間は17万円に据え置かれた。朝は9時出社で退社は11時、休みは日曜のみ。時間外労働の残業手当は退職まで1度も払われることはなかった。同期入社の5人のうち3人は3カ月以内で辞めた。
?社長からの言葉や肉体的な暴力は日常的に行われるようになった。仕事の仕方も教えないのに、上田さんの仕事に不十分なことがあれば「バカヤロウ」と怒鳴られ、機嫌が悪いときには「お前の目つきが悪い」と殴られた。
?なにより精神的に追い詰められたのは、土日もプライベートがない徹底的な隷属と監視だった。
「日曜の朝ようやく休めると思っていると、携帯で『いまから来い』と呼び出される。行ってみると、私用の買い物の付き合いで『駐車場代を支払いたくないから、車内で待っていろ』という用件だった。また、週末の予定を聞かれ、友人との用事があると答えると『いますぐ電話しろ』と目の前で友人に電話させられ、変更を強制されたこともよくありました」
?限界が訪れたのは1年半後の昨年9月だった。3発拳で殴られたのち、実家に帰って調べ物をさせられていたが、その日中に調査を終えることが不可能なことがわかり、電話で社長に報告した。その途端、電話ごしにまた激しく怒鳴られた。直後、上田さんは過呼吸に陥り、泣き崩れた。
?驚いた両親はそこで初めて息子がどんな状況で働いているかを知った。親の強い勧めで週明けに会社に退職の意志を伝えた。退職はできたが、その月の給与は支払われなかった。
?暴力、パワハラ、長時間労働、公私の区別のない拘束……。取材の際、具体的な思い出を話そうとすること自体が苦痛だと上田さんは語った。典型的なトラウマ(心的外傷)だった。
?労働問題に詳しい笹山尚人弁護士によると、上田さんのケースは明らかな違法だと指摘する。
「上田さんのケースでは、土日の区別なく働かせていることが問題。労働基準法35条で『毎週少くとも1回の休日を与えなければならない』と規定している。業務ではなく、私用で社員を使っていることも雇用契約に反している。もちろん、暴力やパワハラはもってのほかです」(中略)
ブラック企業を見極めるには
『ブラック企業』(文春新書)の著書もあり、若者の労働環境を調査するNPO「POSSE」の今野晴貴代表は、これまで多数のブラック企業に関する相談を受けてきた。その経験からいくつかの傾向が挙げられるという。大別すると、「大量採用」「選別」「使い捨て」「無秩序」だ。
「もともとの社員数に比べて、それと同じくらいの新入社員を採用する『大量採用』は、裏を返せばそれだけ辞める社員も多いということ。そのために、会社に残るのが厳しいくらいのパワハラで『選別』したり、異常な長時間労働で酷使させて『使い捨て』する。あるいは、一部の上司がパワハラや暴力など『無秩序』な労務管理で精神的に追い詰めていく」(今野氏)
?POSSEへの相談件数は2011年度は350件ほどだったが、2012年度はその約3倍の1000件を超すことは確実だという。相談内容も08年までは残業代の不払いなどが中心だったが、09年以降は無秩序なパワハラや長時間労働など、明らかに使い潰す方向に傾いた。
「買い手市場で企業側が有利になり、新卒という労働市場の価値が下がった。そこにブラック企業はつけこんだわけです」(同前)
?従来、若者の卒業後の離職率は中学・高校・大学の比率から「七五三」と言われ、その比率は今も昔も変わっていない。だが、その内実は5年ほど前と大きく異なると今野氏は言う。
「08年頃までの離職はスキルアップや転職など前向きだった。ところが、リーマンショック以後は、これ以上会社に残れないという望みのない離職。質がまったく変わっているんです」(後略)
(私のコメント)
会社組織における年功序列主義と能力主義には一長一短があり、年功序列では組織に忠誠的だが能力が劣る人材が社長になり、能力主義だと能力は優秀だがライバル企業にスカウトされて社長になるといった事も起こりうる。日本企業は年功序列主義で新卒一括採用から始まる。それに愛して欧米社会では能力主義だから、欠員が出来れば他社からスカウトして採用する。
製造業では経験がものを言うから年功序列でも機能はするのでしょうが、サービス業では経験よりも臨機応変な能力が要求される。ユニクロがブラック企業として槍玉に上がるのは新卒社員に定着率に低さからであり、新卒社員を全員幹部候補生としてしごいたら多くの社員が耐え切れずに辞めていくだろう。
はたして新卒一括採用の中から優れた社長や経営幹部を育て上げる事は可能なのだろうか? 最近の日本企業に見られるアグレッシブな動きが見られなくなって来たのは、年功序列社会であり社員構成が高齢化して新規事業に取り組めなくなってきたからだろう。社長も年功でなった社長では任期を無事に過ごす事に精一杯で、新規事業への投資が出来なくなってしまうからだろう。
私自身も会社勤めを長い間してきたが、年功序列社会では有能な若い社員を潰してしまう。無能な社員と一律に昇進するのでは伸びる能力も生かされなくて企業幹部としての経験も若いうちから積むことができない。私自身は資金を貯めて独立起業したが、サラリーマン社会と中小零細企業の経営者とでは全く文化が異なる。
経営者になれば何から何まで自分ひとりで決めなければならないが、サラリーマンでは何から何まで上司の判断を仰がなければならない。あるいは徹底した業務のマニュアル化でその通りにしているだけでいいが、会社の経営者になると自分でマニュアルを作らなければならない。このように文化の違う中で一括採用した社員の中からグローバルリーダーを育てる事は、非効率だし社員は3年足らずで五割が辞めていくような結果になってしまう。
社長が次世代の社長を育てるには、幹部候補をいったん子会社などの経営を任せて実績を上げた者の中から選ぶ方法が取られるようになって来ましたが、子会社を沢山持つ大企業に限られる。しかしそれでも上手く行くとは限らない。
日銀などでも白川日銀前総裁は日銀出身者ですが、従来からの日銀政策から脱却する事ができなかった。そこで外部から黒田氏が新しく日銀総裁になったことで政策の転換が出来るようになった。組織内でグローバルリーダーを育てる事自体に無理があるのではないだろうか。
会社の社長と従業員とでは全く文化が異なり、従業員は上から言われた事をやっていればいいが、社長は重役会議でも10人の重役のうち10人とも反対するような事業に、実行を決断できるような人材でなければならない。他の会社と同じような事をやってれば価格競争に巻き込まれて会社は衰退している。
日本の電気産業は、未だにテレビ部門とパソコン部門と携帯部門とデジカメ部門に別れた事業体制となっているが、これではアップルのアイフォーンを作る事ができない。それぞれの事業部門がばらばらのソフトを開発して縦割り組織を崩せない。それに対してアップルのアイフォーンもアイパッドも同じOSソフトで動かしている。
最近ではブラック企業と呼ばれるところが業績を伸ばしているのは、従業員を酷使して使い捨てるからだろう。年功賃金体系なら新入社員は安く使えるし3年で辞めてくれれば年功賃金も安くて済む。ところが日本の家電産業は社員の世代構成が高齢化して平均年齢が40代の会社では業績が停滞するのは当然のことなのだろう。
このような時代になれば、社員の意識も年功序列意識も捨てて、独立起業を目指していかなければブラック企業に使い捨てられて体を壊して一生を棒に振ることになるかもしれない。昔のように新卒で大企業に就職すれば定年まで安泰な会社はない。地方公務員もいずれはリストラの嵐が吹き荒れるだろう。しかし学校では相変わらず一流大学を出て大企業志向が強い。しかしそれらの大企業もブラック化している。
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