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http://zai.diamond.jp/articles/-/144721
■米ドル/円は100円の大台に乗りそうで乗らない
円売りトレンドはオーバーシュートの状況が続いている。
今朝(4月12日朝)、米ドル/円がつけた 99.95円の高値は、100円の心理的大台の達成に等しい・・・米ドル/円が100円の大台を突破してもまったくサプライズではなかろう。
それどころか、GS(ゴールドマン・サックス)を始め、ウォール街から早くも120円、125円、130円といったターゲットが次々出されている状況において、 直近の米ドル/円の値動きは鈍すぎると感じる市場参加者は多いのではないかと思う。
また、今週月曜日(4月8日)に窓開けして上昇してから、いつ100円の大台を突破してもおかしくない状況のなか現時点でなお、それを達成していない状況に、いらだちさえ感じている。
何しろ、「黒田砲」が撃ちまくられていたにもかかわらず、100円の心理的大台に乗らない。そのこと自体、心理面における一種の「マイナス材料」とさえ映る。
ましてや、外部環境にも恵まれている状況である。
というのは、米株高に追随する日本株の高騰がリスク志向を強め、ドルインデックスの頭打ちによるクロス円 の上値追いも支援材料となるからだ。
米ドル/円は100円の心理的大台に乗ってしかるべきであり、乗らない理由が見つからないように見える。
■100円に乗る乗らないにかかわらず、近く修正があるはず
しかし、マーケットの値動きがすべて正しいという前提で話を進めていくと、得られる答も1つしかない。
すなわち、 日銀の緩和強化による円安効果はすでに今のレートに十分織り込まれており、短期スパンに限っては、さらなる円売りモメンタムの強化は期待できないのではないかと思う。
よりシンプルかつ本質的に言えば、マーケット自体が誰よりも賢く、かつ先見性を持っているのであるから、マーケットがおかしいと思った時点で、それは、そう思う者自身がおかしくなっている証拠となる。
市場参加者の思惑は、マーケット自体のシグナルには勝てないからだ。
★したがって、本日4月12日(金)か、来週(4月15日〜)前半に米ドル/円が 100円の大台に乗るかどうかは別にして、ここまでの円売りスピードが速すぎた分、そろそろ修正が来ると悟った方が良いと思う。
仮に100円の大台に乗せたとしても、さらなる上値余地があるというよりも、いったんロング筋の利食いのサインとして利用されるだろう。
★つまり、わずかなpipsの差しかないが、米ドル/円がいったん100円の節目に乗せてからではなく、乗せないで調整を行う可能性の方が大きい。
■米ドル/円が調整を行うとする理由は「時間」にあり
では、なぜ米ドル/円がスピード修正しなければならないか。
前述の理由以外に、やはり 時間の概念が重要になってくる。言い換えれば、時間が経つにつれ、米ドル/円がさらなる上値を追うモメンタムが低下してくるから、調整する可能性が大きくなるわけだ。
チャートに示しているように、2007年高値から2011年10月安値まで米ドル/円は大きく下げてきた。 同下落波のなかで、2008年高値からきれいな下落ウェッジ型というフォーメーションを形成していた。 テクニカルアナリシスの原則では、 下落ウェッジというフォーメーションは上放れしやすく、また上放れした場合、反騰のスピードが速い とされている。足元の値動きから考えても、同原則はかなり納得できるものであろう。実際、同下落ウェッジの抵抗ラインをブレイクしたのは2012年の2月で、そこから米ドル高・円安の基調を構築していた。
★「アベクロ」効果などと言われる足元の円安は、 単純に言えば、2012年2月の上放れが点灯した強気サインの継続で、米ドルの強気変動は安倍さんの出番が決まる前にとっくに決定されていたのだ。
ゆえに、いくら「アベクロ」効果といえども、大きなトレンドの一環としての位置づけにすぎず、これをむやみに過大評価すべきでないことは自明の理だ。
■米ドル/円は約1年のサイクルで天井を打っている
この見方では、もう1つ注目のポイントとして浮上してくる箇所がある。つまり、前述の下落ウェッジの上放れは2012年2月に達成されたにもかかわらず、なぜ同年3月にていったん頭打ちし、同9月までだらだらと値を下げていたか、である。
この謎が解ければ、足元の米ドル/円が置かれている状況を理解できる。
結論から申し上げると、それは、頭打ちのリズム、すなわち サイクルが決定要素として作用しているからだ。
下落ウェッジ内における トップからトップへ数えたサイクルはほぼ1年単位であることに気がつけば、2012年3月でいったんトップアウトしていることに納得できるだろう。
単純計算すると、2011年4月高値から1年が経過していたから、いったんトップアウトの時期がきたわけだ。
■桜のようにいったん散る運命にある米ドル/円
ここでまた、もう1つ重要なヒントが得られた。
すなわち、下落ウェッジの上放れをもって米ドル/円はブル(上昇)トレンドに転換したが、変動リスクは下落ウェッジ内と変わっていない。少なくとも 同下落ウェッジが完全打破されるまで、このリズム(サイクル)は続く公算が高い。
ここまで書くと、もう余計な説明はいらないだろう。
★4月の中旬に入っている 米ドル/円、いくらきれいに見えても、桜のようにいったん散る運命にある。この意味では、米ドル/円が100円の大台乗せるか乗せないかは問題ではなく、 問題は、いったん頭打ちした後の調整幅にあるのではないかと思う。相場の次の一手はいかに。(抜粋)
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