01. 2013年4月13日 15:23:53
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TPP、米国内で日本歓迎の声…車産業は警戒 【ワシントン=岡田章裕】日本の環太平洋経済連携協定(TPP)交渉参加に向けた日米間の事前協議が12日に決着したのを受け、米国内では議会や産業界から歓迎の声が相次いだ。 一方で、自動車産業を中心に、製造業や労働組合などからは、日本への警戒や懸念を表明する声明も出ている。
通商問題を管轄する上院財政委員会のマックス・ボーカス委員長は「米国のモノやサービスの輸出にとって、極めて大きな市場が広がる」と期待感を示した。日本市場が一段と開かれることに、米国のコメ産業や金融界なども歓迎の声明を発表した。 これに対し、米自動車大手で構成する米自動車政策会議(AAPC)は声明で「日本は先進国で最も閉鎖的な市場。公正で開かれた貿易に関心がないのは明白だ」と批判。米政府が日本の交渉参加を認めたことに「衝撃だ。政府に再考を求める」とけん制した。 (2013年4月13日14時57分 読売新聞) TPP参加の日米合意受け、米自動車業界から反対の声 2013年 04月 13日 08:19 JST [東京/ワシントン 12日 ロイター] 環太平洋連携協定(TPP)交渉参加に向けた日米の事前交渉が12日に決着したことについて、米政府内から歓迎の声が上がる一方、自動車業界からは反対の声が相次いだ。
マイク・フローマン大統領次席補佐官(国際経済担当)は記者団に対し「日本がTPP交渉に参加し、同協定の高い基準に貢献することは、米国、および環太平洋連携全体の利にかなう。多角的貿易構造そのものにも貢献する」と述べた。 フローマン氏は、世界第3位の経済規模を持ち、米国の第4位の貿易相手国である日本がTPP交渉に参加することで、TPPは最終的に世界的な生産活動の約40%、世界貿易の3分の1を占めることになるとしている。 今回の合意では、米国が輸入車に設けている関税をTPP交渉の最も長い段階的な引き下げ期間で撤廃するとし、最大限後ろ倒しすることとした。日本が輸入する車の安全基準などに関する自動車協議はTPP交渉と並行して行う。 保険、衛生植物検疫などの非関税措置も並行協議とし、これらの協議の結果についてはTPP発効時に実施する。また、日本には一定の農産品、米国には一定の工業品といったセンシティビティがあることを認識するとした。 米通商代表部(USTR)のマランティス代表代行は、日本が自国の自動車や保険市場へのアクセスに対する米側の懸念に対処する「行動と合意の強力なパッケージ」に同意したとし、「現在のTPP交渉参加国の合意や、関連する米国内の手続き完了が必要だが、日本のTPP交渉参加を歓迎したい」との声明を発表。 また、「拘束力のある紛争解決合意の対象となる形で交渉する、初めての機会が得られることになる」とも述べた。 米国商工会議所、日米の主要企業で構成する日米ビジネス・ラウンド・テーブルも日本の交渉参加を歓迎する姿勢を示している。 一方、自動車業界では、フォード・モーター(F.N)が日本の交渉参加を阻止に向けて動くなど、これまでも反対姿勢を強めていた。 交渉参加合意を受け米国自動車通商政策評議会(AAPC)のブラント会長は、「米自動車業界の競争力を損ない、米自動車産業の雇用を脅かす通商政策を米政府が受け入れたことに衝撃を受けている」とする声明を発表。「オバマ政権に再考を促したい」とした。 米自動車産業の集積地を抱えるミシガン州選出の議員からも反対の声が相次いでいる。 同州選出のキャンプ下院歳入委員長(共和党)は、日本が米国の自動車産業、保険産業に加え米国の農産品に対して長年維持してきた障壁に対処するとの「確固たる保証」を得られない限りは日本のTPP交渉参加を承認しないとの立場を示した。 下院歳入委員会の民主党トップのレビン議員は、この日の合意は「日本がTPPに参加するために十分な条件となるものではない」とし、今後、日本の参加に一段と厳しい条件を付けるよう要請すると述べた。 米国が日本の参加に同意するには、議会での手続きが90日間必要となる。さらに、日本のTPP交渉への参加には他の参加11カ国の同意が必要。11カ国はカナダ、米国、メキシコ、ペルー、チリ、ニュージーランド、オーストラリア、シンガポール、マレーシア、ベトナム、ブルネイだが、現時点でペルー、オーストラリア、ニュージーランド、カナダからは日本の参加の承認は得られていない。
TPP日米合意、自動車対策が不十分−業界団体など懸念表明 4月12日(ブルームバーグ):米国のミシガン州選出議員や自動車業界団体は、日本の環太平洋経済連携協定(TPP)交渉参加に向けた日米の事前協議について、自動車関税の取り扱い含めた日米合意に懸念を表明した。 下院歳入委員会の民主党トップであるサンダー・レビン議員は12日、記者団との電話会議で、「日本のTPP交渉参加の条件としてこの合意内容は全く不十分だ」と言明。日米合意には日本が海外の競争相手に自動車市場をさらに開放することを示す具体的な措置が十分取られていないと批判した。 フォード・モーター やゼネラル・モーターズ (GM)など米自動車メーカーが加盟する業界団体は、自動車の輸入を制限したり円安を促す日本の政策が貿易上不当な優位性を同国に与えていると指摘した。 原題:Lawmakers Say U.S.-Japan Deal on Cars Inadequate for TradePact(抜粋) 記事に関する記者への問い合わせ先:Washington Brian Wingfield bwingfield3@bloomberg.net 記事についてのエディターへの問い合わせ先:Jon Morgan jmorgan97@bloomberg.net 更新日時: 2013/04/13 10:56 JST 【主張】TPP日米合意 攻めの姿勢で国益広げよ 2013.4.13 03:06 環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)の交渉参加に向けた日米の事前協議が最終決着した。
米側の事後手続きの関係で日本の交渉への正式参加は早くても7月となる。政府は最大限の国益を確保するため、しっかりと「攻めの交渉姿勢」を貫いてほしい。 安倍晋三首相は「一日も早く参加し、交渉を主導していきたい」と意欲を示した。 関税撤廃の例外品目の獲得などが日本にとっては重要な課題だ。海外市場の活力を取り込むTPPへの参加は、国内の規制緩和の契機になる。 成長戦略の柱として農業の国際競争力の強化は不可欠で、交渉とあわせ、国内対策も強化していく必要がある。 日米協議では、日本側が政府の間接出資する、かんぽ生命保険の新事業を凍結するほか、簡単な手続きで海外から輸入できる自動車台数の拡大でも合意した。農産物などの関税撤廃には慎重な品目があることも盛り込まれた。 年内妥結を目指すTPPの日程は窮屈だ。日本が交渉に参加する最大のハードルは越えたが、米側は議会への通告期間が90日かかる。交渉日数は限られており、厳しいスケジュールの中で交渉をこなさなければならない。 交渉過程では、日本の農産品の関税撤廃や引き下げも浮上し、TPP交渉への批判が高まる事態なども予想される。だが、「守る」ばかりが国益ではない。 政府の試算ではTPP参加で農林水産業の生産額は3兆円減る一方、工業製品の輸出増や消費の拡大なども見込め、日本全体では国内総生産(GDP)を3兆円以上増やすとされている。 これは関税撤廃だけの試算だ。TPPはサービスや投資の自由化なども交渉対象で、もっと大きな経済効果が期待できる。 今後の農業対策にしても、農地の集約化と経営規模の拡大などを通じ、実効性のある農業の強化を図らなければならない。 1993年にウルグアイ・ラウンドでコメ市場の部分開放が決まった際、6兆円の農業対策を講じながら、多くは農村整備などの公共事業に充てた愚は繰り返してはなるまい。 日本経済の活性化につなげるためにも政府は国内対策とともに交渉を牽引(けんいん)し、実のある妥結を目指してほしい。
TPP“果実”得る戦略不可欠 日米合意代償に車・保険で譲歩 2013.4.12 21:57 政府は環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)交渉参加に向けた事前協議で米国の同意を得る代わりに自動車や保険分野で譲歩を迫られた。日本にとって、自動車産業への恩恵が限定されるほか、日本郵政の上場計画に影響を及ぼしかねない。政府はTPP参加による輸出拡大などで実質国内総生産(GDP)が3兆2千億円増えると試算するが、今回の合意内容の影響をどこまで抑えられるかが、TPP参加に伴う経済的果実の大きさを左右する。
□ □ 事前協議の最大の焦点だった自動車では、米国側の関税撤廃を先送りする。日本の参加を米議会が認めやすくするため、政治力の強い米自動車業界の意向に配慮した。 日本にとって、TPP参加で最も恩恵が期待されるのが自動車産業だ。米国のほか、参加国内では輸入車関税がカナダで6・1%、ニュージーランドで最大10%と高水準で、TPPで関税がなくなれば輸出拡大が見込めるためだ。 だが、米国の関税維持を認めたことで、ほかの参加国も関税撤廃を渋る恐れがある。すでに日本に対してオーストラリアが経済連携協定(EPA)交渉で、関税撤廃の猶予を求めており、GDP押し上げ効果は限定的となりかねない。 □ □ 保険では政府が全額出資する日本郵政傘下のかんぽ生命保険が資金調達などで有利な立場にあるとして、米国側が「民間企業と競争条件が対等ではない」と批判。米保険会社が日本で約8割のシェアを持つがん保険などへの参入を制限するよう求めてきた。 事前協議では、かんぽ生命と民間企業の公平な競争を確保することで一致。麻生太郎金融担当相は12日の会見で、かんぽ生命のがん保険など新商品の申請を「適正な競争条件が確立されるまで認可しない。(認可まで)数年かかる」と事実上凍結する考えを示した。 ただ、日本郵政が掲げる平成27年秋までの株式上場は投資家に訴える新規事業への参入が不可欠で、このままでは計画の見直しは避けられない。 米国が基準緩和を求める「食の安全」では協議を本交渉に持ち越した。日本側は着色料など添加物が健康に影響を与えないよう厳しい基準を維持する構えだが、「日本の基準を緩やかにするよう求める圧力が強まり、国民の健康が脅かされる恐れがある」(日本消費者連盟の共同代表の山浦康明氏)との不安も強い。 通商政策が専門の米ブランダイス大のペトリ教授は日本にとってTPP参加は関税撤廃だけでなく、投資の自由化などで、10兆円の経済効果があると試算する。TPPの果実を最大限勝ち取るには、攻守両面の周到な戦略が必要になる。 © 2013 The Sankei Shimbun & Sankei Digital TPP 全加盟国同意が先 日本参加で米通商代表部 2013年4月13日 夕刊
【ワシントン=竹内洋一】米通商代表部(USTR)のマランティス代表代行は十二日、環太平洋連携協定(TPP)をめぐる日本との事前協議決着を受けた電話記者会見で、日本の参加承認に向けた議会通知は全参加国の同意が条件になるとの認識を示した。 マランティス氏は議会通知の時期について「臆測するのは時期尚早」と指摘。その上で「ほかの参加国が日本との二国間協議を終える必要がある。その後に十一の加盟国が日本の参加で意見を一致させなければならない」と述べた。 米政府が、議会通知の条件を示したことで、日本が七月に交渉に参加できるかどうかは、日本の参加を未承認のカナダ、オーストラリア、ニュージーランドとの事前協議の決着時期次第になった。 米政府は、新たな通商交渉を開始する九十日前に議会に通知するルールになっている。日本が七月に交渉に参加するには、遅くとも四月下旬までの議会通知が必要になる。 最新記事 米、円安進行をけん制 為替報告書「通貨切り下げ監視」(4月13日 夕刊) TPP 全加盟国同意が先 日本参加で米通商代表部(4月13日 夕刊) 金融支援返済 EU、7年延長 ポルトガルなど(4月13日 夕刊) NY円上昇 98円台前半(4月13日 夕刊) 焦る首相 譲歩重ね TPP事前協議 日米合意(4月13日 朝刊) 農・車 依然根強い離脱論(4月13日 朝刊) 還元セール禁止「とんでもない」 流通各社トップ 客離れ懸念(4月13日 朝刊) ダイエー6店閉鎖 志木など イオン電子マネー導入(4月13日 朝刊) かんぽ新商品数年凍結 TPP事前協議、米に配慮 財務相(4月12日 夕刊) 関税340万円撤廃なら… 外国産競走馬が席巻?(4月12日 朝刊) http://www.tokyo-np.co.jp/article/economics/news/CK2013041302000236.html |