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金融円滑法が3月31日をもって時間切れになってしまった。
やはり単なる企業の延命法になってしまった。
政府がまともな経済政策をしないから、せっかくの倒産引き伸ばし法が単なる借金の延命にしかならなかったのだ。
この法に対して本来倒産する企業を延命させたとする考え方は、デフレという物を理解していない暴言である。
特に小泉時代にデフレは供給過剰であるとして、バッタバッタ中小零細企業を潰したが、それがどうなったであろうか。
なんら新規参入がなく、新陳代謝がなされず、ただ一方的に経済が縮小しただけであった。名目GDPが全く伸びず、既に500兆円を切っている。急速に日本は衰退したのである。
なぜならデフレ下では新陳代謝が起きないからだ。
倒産企業が増えても新規参入がなく、経済が縮小を続けるだけなのである。このことが分からない人達が再び何の反省もなく、と言うより、反省する能力すらないのであろうが、再び同じことをしようとしている。
政府は、この金融円滑法を施行している間に、企業を延命させている間に景気を回復させなければならなかったのだ。それを怠ったのである。これもデフレの解消の仕方を知らないからと言った方が正解だろう。
金融円滑法で生きながらえていた企業の大量倒産が出れば、1千兆円からなる日本の借金を返す担い手失うことになる。それは日本の破綻であると同時に、日本が工業的産業基盤を失うことを意味し、発展途上国化することになる。
それ故おいそれと、借金会社を倒産に追い込むことはできない。できるだけ救わなければ、日本の産業は崩壊し、先進工業国ではなくなるだろう。
そのためには、消費者の購買力増やす算段をすべきなのである。これを怠ったが為に金融円滑法などの猶予策が、意味を持たなくなっているのだ。
(デフレ解消の船中八策参照)
デフレ下ではなぜ新陳代謝が行われないのか。
新規参入がないのか。スクラップばかりで、ビルドがないのか。
デフレ下の企業の倒産や廃業は単なる消費の枯渇分であるからだ。消費の不足した分だけ倒産廃業するのである。デフレ下では、消費額に供給量を合わせているからだ。(デフレ・インフレの一般理論参照http://www.eonet.ne.jp/~hitokotonusi)
それ故、倒産した企業の供給分が他の企業に回ることはない。
私は小さな会社を経営しているが、実際、バブル以降、同業者が倒産しても一向にその会社の仕事が回ってこない。それ以前の倒産では、必ず忙しくなったものである。他社の倒産は自社の繁栄であった。
しかし現在は、他社の倒産は、自社の売上が全く変わらず、連鎖による加工業者、協力会社の消滅により、
仕入れ先がなくなったり、生産できない商品がでる始末だ。
正常な経済状態であれば、消費者の資金が市場から流出したり、減少することはなく、企業が消費者の需要動向に合わせられなかった事による企業の販売不振や放漫が倒産の主な原因である。
それ故、消費者の購買力は変わらないため、倒産した企業の生産量が他の企業に回ったり、倒産した企業の消費者の需要分を見込んで新規参入がなされる。
このため古い需要への対応している企業を淘汰し、新企業の参入を図ることが重要な経済行動となる。
そのためいたずらに旧来企業の延命を図ることは慎まなければならない。
しかしこのようなことは、飽くまでも正常な経済での事象であり、デフレ下では全く通用しないことである。
デフレは、市場の消費に対する資金量が生産量に比べ著しく少なくなっているため、消費額が生産額を決める。消費額が少なくなれば、生産量が少なくならざる負えないのである。(http://www.eonet.ne.jp/~hitokotonusiデフレ・インフレの一般理論参照)
そのためデフレ下の倒産や廃業は、消費の枯渇分であり、その需要を見込んだ新規参入は起こらない。
それどころか、企業の倒産や廃業は、失業者を生み、所得の低下を生じさせ、消費のさらなる減少を起こさせる。それに伴いさらなる企業の倒産廃業が続くのである。
その結果、1千兆円を越える借金の担い手である企業がどんどん減っていくことになる。
よく日本人一人頭約700万からの借金をもっているなどという統計が出るが、多数の企業の倒産は、企業一社辺りの借金の返済額がどんどん増えていることになる。
借金の返済は、民間企業以外にできない。この繁栄以外に道はない。
デフレ下の倒産は、消費枯渇が原因による悲惨な倒産であり、新規参入の起こらない、経済の縮小に過ぎないのであり、そのため新陳代謝が進むというような安易な考えではいけない。
それ故政府が力ずくで企業淘汰を進めてはならない。
飽くまでも企業の売上を伸ばす算段を取らなければならないのである。
デフレ下の企業の倒産は、消費の増加に対してなんら対策を取らなかった政府の責任である。
バブルの崩壊から現在まで、借金を返せず、金融円滑法などを受け、生きながらえている企業は、かつての地方の有力企業が多く、その倒産は、地方経済に大きな影響を与える。
その倒産は、地場産業の瓦解、地域産業の消滅につながり2度と回復することはないだろう。デフレの倒産を安易に思ってはいけない。新陳代謝を促すなどというのは暴論である。
特にここで強調したいのは、設備過剰、在庫過剰、供給過剰などと言ったデフレに対する間違った認識を持った経済学者が、自由主義的な新陳代謝論を持ちだし、設備、在庫、供給を担う企業を大量淘汰させたのは、痛恨の極みである。
さらなる自由化による競争を促し、余計に早く日本を貧困化させて行くだけなのである。
デフレ下の企業淘汰には際限が無い。企業を潰しても潰しても、それに連れて消費が減少し、いつまで経っても、設備過剰、在庫過剰、供給過剰がなくならないのだ。
さらにそれに加えて行われようとしている金融の自由化やTPPなどの自由化は、デフレ国家になんらよい影響はない。
デフレの行き着く先は、産業基盤の崩壊であり、賃金が新興国と同じになっても、その時には、産業がなくなり、対抗することはできないということだ。
デフレは市場の資金不足からくる、消費の不足、借金の過剰が根本問題なのである。在庫過剰、設備過剰、供給過剰ではない。
デフレの購買不足を供給過剰と取る限り、供給を減らせば減らすほど、企業を淘汰するほど、経済が縮小して行くのである。
この間違った認識が、いまだに日本をデフレから立ち直れない元凶である。その間違った認識からくる政策が、金融円滑法などの企業の延命策を無意味にしてしまったのである。
デフレの解消方法は、消費不足を少しでも補う事が肝要である。(デフレ解消の船中八策参照)
小泉時代の間違った経済政策が、再び我が国を潰しにかかっている。円安による輸出が名目GDPを増やしたが為に、景気がよくなったと勘違いした輩が、正しい認識をせずに、夢をもう一度と動き始めている。
日本には、こんなぼんくらに付き合っている時間もお金も、経済市場も、もはや残されていない。
政策転換を早くせよ。
デフレは簡単に直る。
一言主。
http://www.eonet.ne.jp/~hitokotonusi
http://blog.so-net.ne.jp/siawaseninarou
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