01. 2013年4月12日 13:53:55
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情報BOX:日銀緩和に関する海外当局者の発言 2013年 04月 12日 08:41 JST [東京 12日 ロイター] 日銀による大胆な金融緩和に関する海外当局者の発言は以下の通り。 ◎国際通貨基金(IMF)のウェルネル西半球局長(11日) (9日のインタビューで) 中南米市場での円建て資金の規模はドル建て資金ほど大きくなく、日銀の金融緩和による影響はFRBの量的緩和ほどでない可能性。 「日本の金融緩和の影響があることは明白だが検証する必要がある」 (米国の緩和策は、非常に緩やかなペースでの出口戦略がすでに協議されており)「日銀とFRBの政策は異なる段階にあり、(影響が)相殺される」 ◎国際通貨基金(IMF)のラガルド専務理事(10日) 日本は成長の勢いに弾みをつけるため、一段と金融緩和に頼る必要がある。 日銀の大胆な緩和強化策は「前向きな一歩」。 (日本の財政について)「ますます持続不可能となっているようだ」「日本は明確で信頼の置ける中期的な財政再建策の策定が必要。景気活性化に向け、包括的な構造改革に着手すべき」 ◎米連邦準備理事会(FRB)のバーナンキ議長(8日) 「大半の主要先進国は緩和的な金融政策を実施している。差し引きすると相互に建設的だ」 ◎スペインのラホイ首相(8日) (日銀の追加緩和に関連する質問に)「世界の他の中央銀行と同等の権限をECBに持たせるべきか検討する必要がある」「欧州にも他の国にあるような機関が存在してしかるべきだ」 ◎韓国の玄オ錫企画財政相(8日) デフレ脱却に向けた日本の積極的な金融緩和は当然。成功を期待する ただ、このような量的緩和の波及効果を世界レベルで協議する必要がある。 来週ワシントンで開催される国際通貨基金(IMF)と世界銀行の総会の合間に麻生太郎財務相と日本の金融緩和による影響について協議する予定だ。 ◎国際通貨基金(IMF)のラガルド専務理事(7日) 「非伝統的措置を含む金融政策は、先進国を支援し、ひいては世界経済を支援してきた。日本銀行が先日発表した改革は、この方向において新たな歓迎されるステップだ」 ◎シンガポールのターマン・シャンムガラトナム副首相兼財務相(5日) 「日本が経済をリフレできることが、だれにとっても利益だ。これは挑戦で、日本は新たなアプローチを試みている。日本が成功することがアジアの利益」 ◎タイ中銀のポンペン副総裁(5日) 「緩和マネーはまずその国に行き渡り、その後、一部が他の国に向かうもの」 「日本はわれわれの競争相手ではない。タイから日本への輸出は主に食品や生活必需品。もし日本が自信を深め、消費が盛り上がれば、われわれにとってプラス」 ◎欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁(4日) 「為替相場はECBの政策目標ではない。為替相場は成長や物価安定にとり重要」 ◎ドイツのショイブレ財務相(4日) 日本は構造改革の必要性を認識している、と指摘。 「金融・経済の変革の代わりに金融政策が用いられるのであれば、われわれは誤った道を進んでいることになる」 ◎フランスのモスコビシ経済・財務相(4日) 「為替相場は長期的に経済のファンダメンタルズを反映すべきと確信している」 各国政府は景気を人為的に支えることを控えるべきであり、為替に関する問題は20カ国・地域(G20)の枠組みで協議すべきと指摘。 ◎米アトランタ地区連銀のロックハート総裁(4日) 「日本が過去長年にわたりデフレ期を行き来し、成長に対するデフレとインフレの剣の刃の上で止まっている状況は、世界環境において健全な要素とは言えない。従って一段と積極的な措置を講じる用意を整えることは、それが機能するならば、間違いなくすべてにとって助けとなる」 米連邦準備理事会(FRB)の規模を上回る日銀の緩和強化策により、世界の中銀が行っている積極的な金融緩和にもう1つの要素が加わり、先進国の3主要中銀の中でECBの緩和度合いが最も低くなった、と指摘。 (日銀緩和が)「どのように機能するか、またどの程度の効果があるのかを語るのは時期尚早」 ◎米シカゴ地区連銀のエバンズ総裁(4日) (日銀緩和は)「極めて積極的」 「海外のすべての中銀が、国内経済が持つ潜在的な力強さを最大に引き出せる政策を採用できるよう望んでいる。なぜなら全世界が必要としているからだ」 1国だけで世界経済のエンジン役を務めることはできない、と指摘。 ◎米ダラス地区連銀のフィッシャー総裁(4日) (日銀緩和は)「他の誰も承認、もしくは否定する立場にはない」 「日銀は日銀自体の考えに従って政策を運営するべきだ」 ただ、日銀による積極的な緩和策により、FRBが資産買い入れ策を継続させるよう圧力を受けるべきではない、と指摘。 ◎米カンザスシティー地区連銀のジョージ総裁(4日) 日本経済の力強い成長は世界経済見通しに影響を及ぼす、と指摘。日銀緩和についてのコメントは控える。 「中銀がすべての問題を解決すると期待するべきではない。中銀は構造的な問題には対処できない」 ◎イエレン米FRB副議長(4日) 「デフレ脱却に向け積極的な手段を取ることは理解できることだ」 ◎カナダのフレアティ財務相の報道官(4日) 「カナダは日本の経済成長を促進する努力を支持する」 日本政府は「財政・金融政策の意図を非常に明確に示してきた」と指摘。4日の発表はその計画を行動に移したことを示すものとの認識示す。 http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPTYE93A08C20130411?rpc=188
主要中銀の緩和策、過度なリスクテイクにつながらず=IMF報告 2013年 04月 12日 06:55 JST [ワシントン 11日 ロイター] 国際通貨基金(IMF)は11日、世界の主要中央銀行による超低金利政策や大規模な国債買い入れ策が、投資家による過度なリスクテイクにつながっている証拠は見られないとする報告書を発表した。
ただ、こうした問題は水面下で膨らみつつある可能性もあると警告した。 IMFは最新の国際金融安定報告書(GFSR)で、先進国の中銀は過去数年間にわたり過去に例を見ない規模の金融刺激策を実施してきたが、こうした措置が引き揚げられる際、金融安定に対する脅威となる恐れがあると指摘。 各国中銀は現時点でまだ金融政策を変更するべきではないとしながらも、増大する可能性のあるリスクを注視し続ける必要があるとの認識を示した。 IMFの金融資本市場局の主査を務めるローラ・コドレス氏は、「今のところは問題はないが、中銀が非標準的な措置を導入することで稼ぐことができた時間を生産的に利用しない場合、将来のある時点で一連の金融不安が再び発生する恐れがある」と述べた。 その上で、「景気回復の足取りはまだぜい弱であることから、現在の政策スタンスは適切だ。緩和措置の引き揚げが間近に迫っていることを示す兆候はない」との見方を示した。 IMFは報告書で、中銀による積極的な刺激策は2007─09年の金融危機の影響の緩和に効果があったと指摘。 ただ、緩和措置の引き揚げによる最大のリスクとして、特に長期金利の予想外の急速な上昇が挙げられるとし、中銀は金融市場と緊密に対話をしながら徐々に引き揚げる必要があるとの立場を示した。 また、金融引き締めの過程で中銀は市中から過剰流動性を引き揚げるため、銀行の資金調達が困難になる恐れもあると指摘した。
IMF:米国の13年成長予想を1.7%に下げ−強制歳出削減で 4月11日(ブルームバーグ):国際通貨基金(IMF)の世界経済見通し(WEO)草案によると、2013年の米国の経済成長予想は強制歳出削減を理由に引き下げられた。ブルームバーグがWEO草案を入手した。 IMF理事会に先週提出されたWEO草案では、今年の米国の国内総生産(GDP)伸び率は1.7%と、従来予想の2%から下方修正された。草案は今月16日の公表前に修正される可能性がある。 WEO草案は、先月発動した米国の自動的な歳出削減が一時的に消費を抑制すると予測した。世界の経済成長予想は3.4%と、1月時点の3.5%から小幅修正。ユーロ圏の成長はマイナス0.2%の予想で変わらず。欧州債務危機への対処で政策当局者が直面する課題にイタリア選挙に端を発した不透明性が加わったとした。日本は1.5%と、1月時点の1.2%から上方修正された。 草案は「先進国の回復に向けた道のりはまだ平坦ではないだろう」とし、「経済活動が弱い状態で2012年が終わり、もたつく形で13年が始まったことは、まだかなりのブレーキがかかっていることを浮き彫りにするものだ」と指摘した。 また、世界経済にとって最大の脅威の2つであるユーロ圏崩壊と米国の急激な財政引き締めはこの半年間に「回避に成功」したとも記した。 草案は「競争的な通貨安をめぐる不満は誇張されているようだ」とし、「現段階では主要通貨が中期のファンダメンタルズ(基礎的諸条件)から大きく逸脱していることはなさそうだ」と分析している。 原題:IMF Trims U.S. Growth Outlook in Draft Report CitingFiscal Cuts(抜粋) 記事に関する記者への問い合わせ先:Rio de Janeiro Joshua Goodman jgoodman19@bloomberg.net 記事についてのエディターへの問い合わせ先:Chris Wellisz cwellisz@bloomberg.net 更新日時: 2013/04/12 09:21 JST EAL TIME ECONOMICS 2013年 4月 12日 13:00 JST 低金利、MMF売りのリスク高める恐れ=IMF報告書
日本株は反落、円安足踏みと短期過熱を警戒−輸出、金融売り 4月12日(ブルームバーグ):午前の東京株式相場は反落し、TOPIXは8日ぶりに下げた。為替の円安が1ドル=100円を前に足踏みしているほか、短期急騰による相場の過熱が警戒され、自動車や機械など輸出関連株、金融株など直近の上げが目立っていた業種が安い。その他金融は東証1部33業種の下落率トップ。 TOPIX の午前終値は前日比4.02ポイント(0.4%)安の1143.27、日経平均株価 は108円72銭(0.8%)安の1万3440円44銭。 みずほ投信投資顧問の江尻昌彦シニアファンドマネジャーは、「今の一番大きな問題はこのラリーが継続できるかどうかだ」と話し、「日本経済への大きな変化はまだない。金融緩和はやりやすいが、本当に経済を変えるのは難しい」との認識を示した。 11日のニューヨーク為替市場では、日本銀行の金融緩和策を受け、高利回り資産を求める動きが続くとの観測から一時1ドル=99円95銭と、4年ぶりの円安水準となった。ただ、8日に99円台に突入したものの、その後は100円を前に足踏み。きょう午前の東京市場では、99円40銭台を付けるなど急速な円安傾向は一服している。 「この数日間、円が対ドルでの100円が抜けそうで抜けない。100円の壁が厚いと意識されると、株式市場も上げ一服で反応しやすくなる」と、野村証券投資情報部の若生寿一エクイティ・マーケット・ストラテジストは言う。 バブル期しのぐ上方乖離 TOPIXは前日、昨年1月以来の7連騰を記録。また、日経平均の25日移動平均線からの上方乖離(かいり)はきのう時点で8.2%と、目先過熱を示す5%を上回った。投資家の長期売買コストを示す200日線からは36.8%上方に乖離し、急ピッチの上昇に対する警戒はきょうの相場の重しだった。 岡三証券投資戦略部の石黒英之日本株式戦略グループ長によると、「日経平均の200日移動平均線からの上方乖離がバブル時代も経験していない過去最高となっている」という。異次元の相場に入っているとしながらも、「きょうは海外投資家の買い注文も一服していることから、利益確定売りが出ている」と、同氏は話した。 業種別33指数 はその他金融、食料品、証券・商品先物取引、倉庫・運輸、機械、その他製品、精密、陸運、輸送用機器など21業種が下落。その他金融や証券、輸送用機器、陸運、機械はきのうまでのTOPIX7連騰中の上昇率上位に入っており、売り対象になりやすかった。半面、電気・ガス、海運、保険、不動産、パルプ・紙など12業種は高い。 ゴールドマン証はTOPIX目標上げ 午前は反落したが、市場では中期的な上昇トレンドに影響はないとの見方が多い。ゴールドマン・サックス証券では、日本株の主要株価指数の目標値を引き上げた。日本銀行の脱デフレに向けたレジーム・チェンジ(体制転換)や業績改善などが要因。金融緩和効果による株価の先高期待の強さはきょうの業種別の動きにも出て、緩和恩恵業種の不動産株は安く始まった後に上昇転換した。不動産については、クレディ・スイス証券が業界判断を「オーバーウエート」に上げる材料もあった。 東証1部の売買高は概算で25億3331万株、売買代金は2兆429億円。値上がり銘柄数は519、値下がりは1051。ブルームバーグ・データの試算によると、きょうの取引開始時に算出された日経225オプション4月限の特別清算値(SQ)は1万3608円19銭と、11日の日経平均終値1万3549円16銭を59円3銭上回った。 記事についての記者への問い合わせ先:東京 長谷川敏郎 thasegawa6@bloomberg.net 記事についてのエディターへの問い合わせ先:Nick Gentle ngentle2@bloomberg.net 更新日時: 2013/04/12 12:05 JST
教職員共済:13年度のリート投資は初の海外、過熱化国内は当面見送り 4月12日(ブルームバーグ):教職員向けに年金や生命保険を手掛ける教職員共済生活協同組合(教職員共済)は、今年度からリスク資産の運用対象として、海外の不動産投資信託(REIT)に投資する方針だ。アベノミクスで過熱化した国内REITは割高として、当面は買い増しを見送り、安定運用を求めて海外へ投資対象を拡大する。 教職員共済資産運用部の樋口徹部長が11日、ブルームバーグ・ニュースの取材で明らかにした。同氏は13年度中に「50億−60億円程度を海外REITに投資するつもりだ」と述べた。 同氏は、その理由として米国やオーストラリア、英国などの「海外REITは日本と違って過熱感がない」と指摘するとともに、「配当が比較的高いうえ、世界的な景気回復に伴う不動産価格の上昇が見込まれる」など、割安である点を挙げた。 大和証券投資信託が公表したS&Pのデータによると、年初来の上昇率(9日現在)が日本が47.1%であるのに対し、米国11.6%、英国1.9%、豪州7.6%にとどまっている。 同共済はリスク資産運用に関して、2012年度から国内と海外のREIT、ヘッジファンドの3分野にそれぞれ最大120億円の運用枠を設定したが、海外REITの運用実績はなく、実行すれば初めて。 J−REIT 一方、日本版不動産投資信託(J−REIT )について、樋口氏は、配当原資のオフィス賃料の上昇がまだ見えていないとした上で、日銀による買い入れもあって、「実態以上に買われて高くなっている」と指摘。同共済は12年度第4四半期(13年1−3月)に50億円規模で投資したが、今年度は市場動向を見ながら慎重に検討する考えだという。 東証REIT指数は昨年12月の衆院選での自民党勝利以降、上昇ピッチが加速。特に日銀が4日の政策決定会合で、J−REITの買い増しなど大規模な資金供給策を決定したのを受け、翌5日には一時、5年ぶり高値を付けた。これに伴い配当利回り (11日時点は3.03%)は低下しており、同氏は「不動産商品としてのリスクプレミアムを考慮すると4%以上必要」と投資妙味の低下を指摘した。 同共済は6000億円規模の運用資産のうち、約1000億円をリスク資産に振り向け、年3−5%の運用収益を目指している。残りの約5000億円は共済金の支払いニーズに重点を置き、元本と一定の利率が保証されている生保一般勘定や満期保有債券での安定した運用を継続する。 更新日時: 2013/04/12 10:12 JST
豪首相:政府の緊縮財政姿勢で中銀に利下げ余地 4月12日(ブルームバーグ):ギラード豪首相は11日、同国の製造業者が持続的な豪ドル高への対応に努める中で、政府の緊縮財政の姿勢で同国中銀に利下げ余地があるとの見解を明らかにした。 同首相(51)はシドニーの首相オフィスでブルームバーグのインタビューに応じ「現在の政府の財政ポジションによって」オーストラリア準備銀行(中央銀行、RBA)の利下げの「余地が少なくなっているとは思わない」とした上で、「われわれは歳出の抑制を続けており」徐々に財政黒字へと向かうだろうと語った。5月14日には来年度(13年7月−14年6月)予算が発表される。 ギラード首相は「ニューノーマル(新たな標準)」となった豪ドル高に直面する中で技術革新と生産性向上を図る企業を支援していく方針を表明。好調な資源部門と低調なそれ以外の分野という、いわゆる「二速経済」となっている豪経済は、現在は前者が成長を押し上げているものの、将来的にはアジアの中流階級拡大に伴い経済の多様化が可能になるだろうと述べた。 同首相は「豪州の資源国としての成功と、世界的な金融危機を乗り切り力強さを増したことにより、著しい豪ドル高がもたらされている」と述べ、「これがニューノーマルであり、製造業などの分野で企業を圧迫している」と説明した。 原題:Gillard Says 2013-14 Budget Allows Scope for RBA Rate Cuts(1)(抜粋) 記事に関する記者への問い合わせ先:ニューヨーク Matt Winkler mwinkler@bloomberg.net;Canberra Jason Scott jscott14@bloomberg.net 記事についてのエディターへの問い合わせ先:Rosalind Mathieson rmathieson3@bloomberg.net 更新日時: 2013/04/12 09:55 JST
焦点:ECBがデフレの脅威に直面、新たな非伝統的政策の実施も 2013年 04月 12日 12:16 JST [フランクフルト 11日 ロイター] 強力なインフレファイターだったドイツ連銀を範とする欧州中央銀行(ECB)は、物価上昇率が徐々に低下したり、場合によってはマイナスに沈む事態を心配することには慣れていない。
ECB当局者らはデフレの脅威はないと強調するが、物価上昇率が2%弱という目標から次第に下離れしていることは、痛いほど分かっている。 ギリシャのインフレ率が3月、マイナスに転じたことが懸念を浮き彫りにした。今のところユーロ圏内でそうしたケースはギリシャ一国だが、増税の影響を差し引くと他のユーロ圏周縁国でも物価上昇圧力は弱い。 ポルトガルの物価上昇率は前年比0.5%前後。しかしノルデアのアナリスト、Holger Sandte氏が税金の影響をならしたベースで試算した消費者物価上昇率はわずか0.3%となった。スペインは0.7%だという。 Sandte氏は「これら諸国の景気後退、失業率の上昇、財政緊縮策に照らせば、年内に少なくとも数カ月間、物価上昇率がマイナスになっても驚くには当たらない」と話す。Sandte氏を含め、ここ数日で多くのアナリストがデフレのリスクについてリポートを出した。 フランスでさえ、3月のインフレ率は1.1%に鈍化した。 折しも日銀はデフレ脱却を目指し大胆な金融緩和に踏み出した。ECBは人々のインフレ予想が物価目標の前後にしっかりアンカー(固定)されていると認識しており、日銀の真似をするつもりはない。 一方、10年物の物価連動債に織り込まれた予想インフレ率はドイツ、フランスともに2%弱で、デフレスパイラル懸念を反映していない。 しかしECBは周縁国の需要低迷という問題を警戒している。米債券運用会社パシフィック・インベストメント・マネジメント・カンパニー(PIMCO)のアンドルー・ボサムワース氏は「現在の失業率と今後の財政政策を見ると、今も厳しい環境だが今後も一層厳しくなりそうだ。これは今後のデフレリスクを指し示している」と述べた。 <非常に注意深く見守る> ECBは11日発表した月報で、年後半に向けユーロ圏の景気が徐々に回復に向かうとの予想をあらためて示した。しかし今後の見通しは下振れリスクの方が強いとし、経済指標を「非常に注意深く」見守るとした。 「非常に注意深く見守る」という文言は、トリシェ前ECB総裁が将来の政策変更を知らせる際に使った「暗号」だ。もっとも当時は2カ月先の金利引き上げの予告に使われることが多かったが。 ECB当局者らも、物価圧力の減退を受けて政策変更に動く可能性について、ヒントを示している。クーレ専務理事は5日、物価上昇率が目標をさらに大きく下回る恐れがあるため物価動向を注視すると述べた。 ECBの金融政策の2つの柱である経済と金融分析の両方が、弱さを示している。 経済については、アスムセン専務理事が9日、1、2カ月前に比べて年後半の下振れリスクが高まったと述べた。またECBは今月の政策声明で、金融面の拡大は低調だとの認識を示した。 多くのユーロ圏諸国で間接税を一段と引き上げる動きが限られていることも、インフレ率抑制要因となる。 クレディ・スイスのアナリストらは「デフレに向けた漂流」と題したリポートで、物価上昇圧力の後退により、ECBが比較的積極的でない金融政策を貫くことは難しくなったと指摘。「ドラギ総裁が記者会見で示唆したように、ECBが新たな非伝統的政策を実施する確率は高いように見える」と論じた。 ECBの主要政策金利は過去最低の0.75%だが、世界の主要中央銀行の中では最も高い。しかしECBは、金利低下の恩恵がユーロ圏のすみずみまで行き渡っていないことを懸念し、他の選択肢を検討している。 ドラギ総裁は先週の会見で、国債購入や約1年前に導入した期間3年の流動性供給オペ(LTRO)のような資金供給策など、利下げではない新たな「非伝統的政策」に踏み切る余地があると述べていた。 (Paul Carrel記者) EU財務相理事会、キプロス支援策や脱税対策が焦点に 2013年 04月 12日 12:43 JST [ダブリン 12日 ロイター] 12─13日にダブリンで開催される欧州連合(EU)財務相理事会は、キプロス支援策による悪影響の波及阻止を目指すとともに、オーストリアに対し、銀行秘密規則を緩和するよう圧力をかける見通し。
ルクセンブルクは今週、2015年から外国口座の詳細を当該EU政府と共有することを決定した。これによりオーストリアを除くすべての加盟国が外国口座の情報を当該国の政府に提供することとなり、オーストリアに同様の措置を求める圧力が強まるとみられる。 議長国アイルランドは、EU財務相理事会は主要5カ国が示した脱税対策での協力関係強化案について協議すると明らかにした。 ドイツは銀行秘密に反対する姿勢を示しており、会合ではショイブレ財務相と、銀行秘密を断固として保持する方針を示しているオーストリアのフェクター財務相との間で率直な議論が交わされる可能性がある。 EU財務相はまた、混乱を招いたキプロス支援策について協議する。キプロスは当初70億ユーロを拠出し、EUと国際通貨基金(IMF)が100億ユーロの支援を提供することとなっていたが、ロイターなどが入手した文書によると、支援規模は230億ユーロに拡大し、キプロスはこのうち130億ユーロを拠出するという。 これに加え、キプロスは4億ユーロ相当の金準備を売却する見通しであるほか、法人税率とキャピタルゲイン税率の引き上げが必要となる。 キプロスとEU、IMFはプログラムの詳細についてすでに合意しているものの、フィンランドのウルピライネン財務相は10日、微調整される可能性があると述べた。 ダブリンでの会合は非公式会合で、まず12日にユーロ圏財務相会合が開かれ、その後EU財務相理事会が13日まで行われる。いかなる決定事項も見込まれていないが、会合はスロベニアの問題やユーロ圏「銀行同盟」構想の推進方法に関する検討・議論の場にもなる見通し。
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