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http://jp.reuters.com/article/jpeconomy/idJPTYE93804L20130409?pageNumber=2&virtualBrandChannel=0
[東京 9日 ロイター] 安倍晋三首相のブレーンで内閣官房参与を務める浜田宏一米エール大名誉教授は9日、ロイターとのインタビューに応じ、日銀の黒田東彦新体制が打ち出した大胆な金融緩和政策などを受けて景気に明るい兆しが見え始めている中、その動きを確実なものにするためにも、政府が2014年4月から予定している消費税率の引き上げを1年先送りすることも選択肢との認識を示した。
黒田日銀による大規模緩和を受けて、為替市場では円安が加速しているが、1ドル=100円程度の円安は競争力からみて「妥当な水準」と語った。概要は以下の通り。
──日銀の黒田新体制が打ち出した「量的・質的金融緩和」の評価は。
「金利ではなく、ハイパワードマネー(マネタリーベース)を操作するというのは、そうした政策を主張する人からみても非常に驚きだったかも知れず、日銀が採用したのは画期的。さらに、これまでお金の交換に等しかった短期国債の買いオペが長期国債に及んだのは大きな進歩だ」
──今回の緩和策によって2%の物価目標を2年程度で達成することは可能か。
「金融政策が資産市場に効くことはわかっていたが、白川(方明前総裁)体制では(金融緩和)を出し惜しみしていたため、(効果が)わからなかった。現在は想定以上に円安、株高が進み、資産に関しては実験済みとなった」
「(2%の物価目標を)2年で達成できるかはわからない。財・サービスや消費、投資、雇用などにどれだけ的確に早く(効果が)及ぶかがこれからの問題だ。経済が回復してくれれば、1%に越したことはない。過剰設備を解消し、失業率も次第に改善し、有効求人倍率も1より大きな地域が増える状態が望ましい」
──景気の先行きは引き続き不確実性が強い状況ということか。
「来年4月に消費税を上げても大丈夫かは、今後をみてみないとわからない。安全策として1年くらい延ばすのもいいのではないか。せっかく上がりかけた景気が増税でぽしゃってしまう例は、日本の歴史だけでなく、世界の歴史にもある。ブレーキをかけて歳入(税収)の上昇が止まれば、消費税は率を上げただけで、何のためにもならない。財政の大盤振る舞いをしない限り、輸出業者からの儲けが国庫に入ってくるので、それを財政に使わずに貯める方向でいいと思う」
──仮に追加緩和が必要になった場合、日銀に手段はあるのか。
「例えば国債をすべて買い切るつもりでやってもいい。REIT(不動産投資信託)やETF(上場投資信託)はいくら買ってもいい。その他の手段も考えられる」
「問題は行き過ぎた場合にうまく止められないと、引き締めなどで(政策が)ギクシャクする。行き過ぎないよう、なだらかに収めることができれば名人芸だ。しかし、日本経済全体を行き過ぎたインフレに導くようになった場合、今まで金融を拡張し続けてきたので、引き締めることは悪いことではない」
──金融緩和策を受けて市場では円安がさらに進行している。
「いくらにすべきとは今の立場では言えないが、(1ドル=)100円程度はリーマン危機前後の状態とあまり変わっていない。学者風に言えば、実質為替レートなど競争力の指標から妥当な水準だと思う。株価も為替も長期的にみて妥当な水準から振れることは当然ある。今のトレンドがすぐに止まるかはわからないが、大きな行き過ぎやその反動で上下することも当然、起こり得る」
◆量的緩和効果は消費増税で台無し
http://tamurah.iza.ne.jp/blog/entry/3042147/
英国の失敗教訓に…
政府はこのほど、2014年4月と15年10月予定の消費増税時に、商品やサービスの増税分の価格転嫁を促す特別措置法案を閣議決定した。大手スーパーなどによる「消費税還元セール」を禁止するなど、「お上」である各省庁が商取引に介入するという、中国もびっくりするような社会主義手法である。
消費需要が低迷するデフレ下での消費増税自体が無理なのだが、日経新聞に至っては3月25日付の社説で特別措置法の早期成立を国会に催促する始末だ。自由な経済原則をねじ曲げることを何とも思わず、自身の権限拡大に走る財務官僚べったりのメディアには、同業ながら怒りを禁じえない。
「アベノミクス」の考え方に沿う黒田東彦(はるひこ)日銀総裁体制がスタートし、「大胆な金融緩和」を実行するだろうから、脱デフレと景気回復の道筋ができるはず。だから予定通り消費増税しても大丈夫だという声が自民党内からも聞こえるが、安易すぎるのではないか。
消費増税でつい最近、大失敗した前例がある。英国は2011年1月から付加価値税(消費税に相当)率17・5%を20%に引き上げた。すると、08年9月のリーマン・ショック後の不況から立ち直りかけていた景気がたちまち悪化し、実質経済成長率はゼロ%台まで落ち込んだ。中央銀行であるイングランド銀行(BOE)は急遽、お札を継続的に大量発行する量的緩和(QE)政策を再開し、資産をリーマン前に比べて4倍以上、しかも同じQE政策をとっている米国を上回る速度で増やしている。
実質経済成長率とQEの推移・・・付加価値増税まではイングランド銀行資産の増加の効き目が出て、成長率が上昇していた。ところが、付加価値税増税実施後は、効力が薄れ、BOEがいくらお札を刷って資産を積み増しても成長率は下がる一方なのである。
日本も英国も家計消費が国内総生産(GDP)の約6割を占める。英国は12年夏のロンドン五輪で消費景気の拡大が期待されたが、見事に空振りに終わった。
日本の場合、1997年度に消費税率を3%から5%に引き上げたあと景気が急激に落ち込み、98年度から慢性デフレ局面にはまってしまった。増税前の駆け込み消費で需要を先食いする結果、増税後は消費が細る。そこにアジア通貨危機という外需の縮小が重なった。
英国もギリシャ、イタリアなどユーロ圏の政府債務危機の余波が消費増税に伴う需要減にのしかかった。英国の輸出はGDPの約3割を占め、日本の同14%より高水準である。輸出競争力挽回のためにもQEによって通貨ポンドを押し下げようとしているが、ドルやユーロ札も刷られるので、さほど下がらない。
日本も黒田日銀が無制限の量的緩和を検討中だが、市場はそれを折り込んで円は下げ止まる傾向が見え始めている。安倍晋三首相は英国を教訓に、消費増税実施時期を再検討すべきではないか。(4・5日夕刊フジ)
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