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誰のための金融政策なんですかね?
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http://jp.wsj.com/article/SB10001424127887323462004578407453164835368.html
日本の資金が外債に流入―欧米国債利回り低下
By MIN ZENG AND CYNTHIA LIN
日銀が先週決定した金融緩和策の影響が世界の債券市場に及んでいる。投資家は利回りの高い商品を求めて動き回り、米国や欧州では国債利回りが低下した。
フランスでは5日、国債需要の高まり価格が上昇(利回りは低下)、10年物と30年物の国債利回りは過去最低を更新した。ドイツ連邦債30年物利回りは昨年7月以来最低となった。英国の30年債利回りは昨年8月以来、最低水準を記録した。
米国では5日発表の3月の雇用統計が予想を下回ったことから、国債需要が一層強まった。10年物と30年物の米国債利回りは4カ月ぶりの低水準となった。
日銀の金融緩和策の目玉の1つは国債の買い入れの増額。日銀は毎月の新規国債発行額の約7割に相当する国債を買い入れることになり、投資家に衝撃が走った。
日銀の発表を受けて、日本の国債価格は上昇、長期債は0%近辺の史上最低利回りを更新した。年金基金から保険会社、個人に至るまで日本の投資家は現在、より高い利回りを求めて外国債を買っている。
CIBCワールド・マーケッツ・ジャパンで資本市場取引担当エグゼクティブ・ディレクターの大江一明氏によると、ほとんどの機関投資家は「中央銀行には逆らうな」という格言に従って、外国の資産や米国債に資金をシフトさせているという。
BNPパリバ(ニューヨーク)の国債取引部門のトップを務めるケヴィン・ウォルター氏は5日のアジア取引時間には、今年第1四半期には静かだった日本の投資家が大量に10年物と30年物の米国債を買ったという。
米国みずほ証券(ニューヨーク)の国債トレーダーのリチャード・ブライアント氏は日本時間の4日夜、同社では「10人以上の日本の資産運用担当者」が米国債を買っていたと述べた。円建て商品以外にはあまり手を出さない新たな市場参加者もいたという。
買いが集まったのは償還期間が最長の30年国債だ。5日の30年米国債利回りは2.867%で、日本の30年国債の利回り(1.2%)よりはるかに高い。日本の年金基金や生保は長期債務に見合う信用力の高い資産を必要としているため、米国債に引きつけられている。
資金のほとんどは米国債など格付けが最上位の証券に流れ込んでいるが、リスクの高いスペインやイタリアの国債の利回りも低下した。スペインやイタリアの財政は不安だが、利回りは魅力的で、日本の投資家にとっては分散投資の対象となっている、と一部の市場関係者は指摘している。
日本の投資家が目を付けている投資先は他にもある。RBSセキュリティーズ(コネティカット州スタンフォード)の米国債ストラテジー部門のトップ、ウィリアム・オドネル氏は日銀の金融緩和策で日本の株価が上昇したことから、一部の日本の投資家は日本国債から株に乗り換える可能性があると話した。
しかし、為替の動きを見ると、海外投資のほうが有利だ。ドルとユーロが対円相場で上昇し続ければ、海外の債券のほうが円換算での利回りは高い。今年に入ってから円は対ドルで12%以上、対ユーロで10%以上下落している。
インベスコ投信投資顧問の社長兼最高経営責任者(CEO)のアレックス・サトウ氏は年金に加え、個人投資家も海外に目を向けているという。「円安がさらに進むと考えているのではれば、海外の国債への投資を増やすいい機会だ」とサトウ氏は話している。
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