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3月に国家主席に就任した中国の習近平国家主席。経済の崩壊危機で笑っていられなくなるかもしれない(AP
中国経済“大失速”反日暴動で外資系脱出! 巨額債務の「時限爆弾」も
http://www.zakzak.co.jp/society/foreign/news/20130404/frn1304041811001-n1.htm
2013.04.04 夕刊フジ
中国の習近平国家主席体制が始動したばかりだが、屋台骨を支える経済の「安定成長」路線に危険な兆候がみられる。主要企業の業績は悪化し、過剰投資のツケで債務は拡大、「反日暴動」をはじめとする外資イジメもエスカレートし、「世界の工場」の座も危うい。ここにきて鳥インフルエンザ感染問題も影を落とす。中国の存在感拡大のほぼ唯一の源泉だった成長経済が崩壊すれば、習体制も権力の基盤を失いかねない。
1日に発表された、3月の景況感を示す製造業購買担当者指数(PMI)は4カ月ぶりに改善。今月発表の1〜3月の国内総生産(GDP)も「8%成長」への回復が予想されるなど、習体制のスタートを祝うかのような“良い数字”が並ぶ。
ただ、個別の状況をみると、かなり様相が異なる。太陽電池最大手の尚徳電力(サンテックパワー)が破綻したことは記憶に新しいが、世界第5位の携帯電話機メーカー、中興通訊(ZTE)も3月27日に発表した2012年12月期決算が28億4000万元(約431億円)の最終赤字に転落。自動車・電池メーカーのBYDの最終利益は94%減となった。
山一証券出身の国際エコノミスト、今井澂(きよし)氏は「中国企業は研究開発費が圧倒的に少ない。自動車メーカーも、海外企業との合弁はうまくいっても、独自技術はほとんどない」と指摘している。
内需関連の企業も厳しい。ラオックスを傘下に入れている家電量販最大手の蘇寧電器は44%減益、2位の国美電器は赤字転落している。
2008年のリーマン・ショック以降、中国は政府主導で内需拡大策として巨額な投資を実行してきたが、ここにきて需要低下に悩まされている。今井氏は「売上高を伸ばしている企業も、売掛金の増加や押し込み販売、顧客の支払い条件緩和などによるものが多い。企業は運転資金が必要になり、ヤミ金融にも相当依存している」とみる。
米紙ウォールストリート・ジャーナルは、米系金融機関幹部の見解として、「2008年以来、中国の公共と民間の債務はGDPの200%以上にまで膨らんでいる。まだ中国の金融システムや経済成長へのリスクとみなされていないものの、発展途上国では前例のないレベルだ」として、「中国が抱える債務の爆弾」への懸念を示している。実態をかさ上げするためにつぎ込まれた資金は、企業の過剰債務、金融機関の不良債権に化けている恐れがある。
中国経済の変調に追い打ちを掛けるのが「チャイナ・リスク」だ。沖縄県・尖閣諸島をめぐる昨年の大規模な反日暴動は、中国に進出している各国を脅えさせるには十分すぎるほどの事件だった。今年1〜2月の日本からの直接投資実行額は前年同期比6・7%減。世界からの対中直接投資額も1・4%減と、外資系企業が中国進出を見直す動きは止まらない。
こうした状況にもかかわらず日本企業への嫌がらせが続く。ソニーとオリンパスの医療機器の合弁会社は中国当局の審査の遅れを理由に設立が計画より3カ月遅れとなった。JFE系とIHI系の造船事業統合や、大和ハウス工業によるフジタ買収でも同様の事態が起こった。
日本企業以外でも中国の政府系メディアによる米アップルなど外資バッシングが過熱している。
今井氏は「中国経済が抱えていた問題点が噴出している。習主席が信頼する劉源氏(劉少奇元主席の息子)は、尖閣問題で日本との対立をやめるように提言していると聞く」と語る。領土的野心をむき出しにする中国がそこまで追い詰められているということか。
セキュリティー面でのリスクも深刻だ。在中国の米国商業会議所は3月29日、「中国で活動する米企業の4社に1社がデータや機密情報の盗難などの被害を受けている」と公表。ソフトバンクによる米通信大手スプリント・ネクステル買収計画についても、米政府はZTEや華為技術(ファーウェイ)などの中国製通信機器を事実上使わせないようにするなど神経をとがらせている。
追い打ちをかけるのが鳥インフル問題。2003年には新型肺炎SARSが大流行した。上海の邦銀社員は「あの時は中国内や中国と海外との行き来が制限された。人や物の流れが滞れば、日系企業の活動はもちろん、中国や日本の景気にも悪影響が出る」。
人件費の高騰で“世界の工場”の座も東南アジアに奪われつつあるなか、巨額債務の「時限爆弾」が破裂する日が来るのか。
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