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近い将来に起きるかもしれない金利の上昇に対するマーチン・フェルドスタインの懸念を確認した前回の稿(「危うい上昇嗜好」)にも関係しますが、金融緩和策により過剰供給されたマネーが現下の低金利環境下で高いリターンを求めてリスク資産に流れ込んでいる状況について確認してみるのです。
◆債券の販売が急増しており、次の暴落への時限爆弾が刻々と作動している。
(Time bomb to the next crash is ticking as debt sales surge)
全ての暴落の後には、数年前からそれを予測していたという事を指摘する一握りの専門家達が常に存在するのだ。
ドット・コムが暴落した時、サブプライムが内部爆発して銀行が倒産した時、問題を発見してバブルの逆に何百万ものマネーを賭けるか、又は如何にバブルが悪化していくかという事を説明する本を執筆するかした市場のカッサンドラ(凶事を予言する者)を見つけるのは難しい事でない。
今、もう一つのバブルが膨らみつつあるが、嘗て起きたバブルとは異なり、投資家達、政策立案者達そしてアナリスト達は、その存在及びそれが生み出す問題を良く知っているのである。
高利回り債券 - 又は、嘗て知られていたように、ジャンク債 - は今年爆発した。
1月だけでも、格付け機関によって最もリスクが高いと格付けられた投資不適格級のアジア系企業群は$90億(£6億)の高利回り債を売却したのだが、データ提供者であるディーロジックからの数字によると、前年比で6000%の増加である。
欧州でも、高利回り債券の販売は記録的な水準で推移しており、今年になってからこれまで$300億近い債券が売られたのだ。
メルトダウンにより引き起こされた金融危機の後の非常に大幅な増加は、リーマン・ブラザースの倒産やロイヤル・バンク・オブ・スコットランド及び HBOS の破綻の懸念から5年も経たない内に、世界が新たな暴落を準備しているという恐怖を呼び起こした。
高利回り債に対する需要の大部分は、前回の危機に対する西欧諸国政府の反応の直接的な結果であった。
リーマンの破綻以来、銀行を下支えして低い金利を維持しようと努める世界中の中央銀行により、$12兆程が世界の金融システムに注入されたのである。
この前例の無い金融刺激策の影響は、歴史的に低い国債利回りとインフレ上昇の協力な組み合わせであり、最も保守的な投資家達にさえ、彼等の資本を保全してリターンを達成すべく利回りを追求する事を余儀無くさせたのだ。
高利回り企業の破綻の確立が3社に1社と過去12ヶ月間で倍近くに増えたことを示すリスク・モデルにも拘わらず、マネーが流れ込み続ける事によって債券の利回りは同じ期間中に半減したと、S&P は警告を添えて強調した。
「英国が新たな景気後退の可能性に向かい、欧州経済が依然として苦戦しているにも拘わらず、欧州の高利回り社債に対する需要は急増しているのです。」と、S&P のアナリストであるクラウディア・ホルムは語った。
一部の富裕な個人及び基金が保有する高利回り債券で得られるリターンに過給すべくマネーを借りているので、この懸念される組み合わせに向かって投資家がレバレッジを掛けている兆候も見られるのである。
増々富裕になる個人投資家の母数のシェアを獲得する為にアジアの現地銀行及び国際的な銀行の間で熾烈な戦いを繰り広げる中、同地域ではプライベート・バンクの顧客が日常的に彼等の取り引きに勝利すべくマネーを貸してもらうという事が日常的になるであろうが、レバレッジの準備は同地域において今や一般的であると、幾人かの銀行家や投資家が語った。
経験豊富なトレーダー達は、これらの新参者達の多くを「お馬鹿なマネー」と見做しており、アジア系プライベート・バンクの顧客達が高利回りのベイル・イン債券を欧州の銀行から購入していたという熱意を指摘している。
これの最も悪評な事例は、バークレイズが11月に売却した$30億の10年物 CoCo(偶発転換社債)であり、売却量の5倍を超える注文を惹きつけたのである。
同行の資本が事前に想定された水準以下へ低下した場合に、投資額がそっくり全て一掃される事を意味する条項を含んでいたにも拘わらず、それは買われたのだ。
オールド・ミューチュアル社債ファンドのマネージャーであるジョンソンは、バークレイズが自らの CoCo を売却する条件について警鐘を鳴らした者達の一人であった。
「既存のクレジット及び株式の投資家達よりも先に全ての価値を失う事で、この債券は本質的に全ての他の投資家達への保険を提供するのです。
要するに、これらの債券へ投資するのは、誰かが貴方に毎週1ポンド与えてくれ、そして突然数百万を請求する事になるという、逆向きの宝くじの様なものなのです。」と、ジョンソン女史は語った。
「それを幸運と考え、アジアの人々は8%のクーポンを提供するものならば何でも購入するでしょう。」と、ある上級ポートフォリオ・マネージャーは述べている。 「もっと多くの賭博的なメンタリティがあり、- それは全く異なった思考であるという事を理解せねばなりません。」
裕福なアジア人による軽率な投資は、特に彼等が銀行システムにおける資本の穴を埋める助けになるのかと欧州の当局者達が過剰に心配している。
★しかし懸念されるのは、高利回り債券に注入されているその様に多くのマネーは投機家達からのものだけでなく、年金基金や大手保険会社の様な保守的な機関からのものでもあると考えられる事である。
ある保険会社の最高経営責任者は、投資先を見つけるのに苦労しているという事を個人的に認めている。
「本当に困っているのです。 私達は固定負債を抱えており、それに見合う一定のリターンを得なければならないのです。 数年前ならばトリプルBの発行主体から利回りを得る事もできましたが、今日(こんにち)同じリターンを得る為にダブルB又はそれより低いものを探しているのです。」と彼は語った。
★高利回りバブルの最後の証拠として、銀行員の雇用市場を見てみよう。
先週、RBS は UBS の米国高利回り債券販売部門の元責任者を引き抜いたのであるが、彼等の投資銀行部門を縮小させる計画を発表してから僅か一ヶ月後の事である。 他の大手銀行と同様に、RBS は危険な債権を投資家達へ売る事で数百万を稼いでいるのだ。
前回、それが如何にして終わったかという事は専門家で無くとも知っているなのだ。
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上の記事では高い利回りを求めて動く「アジア系」のマネーについて指摘していますが、中国等で近年急増した富裕層の皆さんが飽く無き金銭欲に憑りつかれている様子を想像させてくれます。
この様に金銭欲に憑かれた方々を投機的行動に奔らせているのは各主要国の中央銀行が実施している低金利政策及び超緩和的金融政策なのでしょうが、遅ればせながら我が国の中央銀行も狂騒の競争に加わろうとしている訳ですね。(抜粋)
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