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コラム:キプロスの教訓、今後も続く危機という名の「茶番」---実はデッチ上げでしたとさ---(ロイター)
http://www.asyura2.com/13/hasan79/msg/435.html
投稿者 ミスター第二分類 日時 2013 年 3 月 30 日 11:13:48: syFUAx3Wc1pTw
 

出典 http://jp.reuters.com/article/jp_column/idJPTYE92R04T20130328 

コラム:キプロスの教訓、今後も続く危機という名の「茶番」---(ロイター)
2013年 03月 28日 17:38 JST

国際政治学者イアン・ブレマー


キプロスでの危機が過ぎ去った今、ようやく明らかになったことがある。キプロスが引き起こした「危機」は、騒がれていたほど注目には値しなかったということだ。

欧州連合(EU)の国内総生産(GDP)のわずか1%を占めるだけのキプロスは、ロシア人に租税回避地として利用されている国だ。仮にキプロスが地中海の債務の波に飲みこまれたとしても、ユーロ圏が破綻することはなかっただろう。

それにしても何という話だろうか。100万ユーロが積まれたキプロス行きの飛行機、ユーロ圏崩壊の危機をはらんだ土壇場のやり取り、モスクワでの緊急会談失敗──ニュースは数々の三文芝居で埋め尽くされた。

しかし、そんな世界を舞台にしたドラマの裏側で、キプロスの全政党はユーロ圏にとどまることを支持していたし、ドイツ政府もユーロ圏に対して献身的であり続けている。そうした中、キプロスがどうやってユーロ圏の存亡を揺るがせたというのだろうか。

ユーロ圏財務相会合(ユーログループ)のダイセルブルーム議長からは軽率な警告も飛び出したが、痛みを伴うキプロスの救済策が今後の「前例」になることもないだろう。キプロス支援策は将来の銀行破綻処理のモデルになると議長が発言すると、金融市場には動揺が走った。しかしその数時間後に議長は前言を撤回、「例外的な課題があるキプロスは特別なケースだ。マクロ経済調整プログラムは危機が懸念される国の状況に応じて変わるもので、一律のひな形が使用されることはない」と述べた。

キプロス問題はギリシャやイタリア、スペインでの危機再来ではなかった。キプロス救済策が、将来ユーロ圏の周縁国で危機が発生した際の前例を作り出したということもない。これは茶番だったのだ。

だが茶番から透けて見えることもある。これによってユーロ圏の新たな真実が浮き彫りになったということだ。言い換えれば、ユーロ圏が何かを実行する際には、必要のない危機を作り出す必要があるという真実だ。


組織としてのEUには多くの不確定要素があるため、何か行動を起こすためには恐ろしい脅威やギリギリの期限といったものが必要になる。良識のある人のほとんどは、今やユーロ圏が崩壊することはないことを知っている。だからこそ、ドイツは変革を望むなら以前にも増して声高に危機を叫ばなければならない。差し迫った危機がない場合、抜本的な変化を起こす方法は、市場の力が与える痛みを利用した方法に限られる。

キプロスの事例は2つの危機の在り方を浮かび上がらせた。1つは公の場で演じられる危機、そしてもう1つは、それほど注目を浴びていないが本質的にはもっと懸念されるべき危機だ。

でっち上げられたものであろうとなかろうと、危機は依然として欧州にある程度変化をもたらす役割を果たしていると言える。ただでっち上げの危機は、政治指導者たちの行く手を阻むだけではなく、欧州が集団としてまとまりにくくなる原因にもなる。

例えば、今のユーロ圏の外交はどうだろうか。フランスはマリに介入したが、事実上単独で行ったものだ。ある統計によれば、EU全体の対中貿易の中でドイツが占める割合は約半分と、ドイツは中国と良好な関係を築いているが、他のEU諸国は中国との関係に及び腰だ。

また、EU加盟27カ国のうちフランスと英国を除く25カ国は、シリアの反体制派への武器供与に反対の立場を取っている。EU内部で足並みが揃わないことで、一貫性のある外交政策を行うことが難しくなる場合が多くなるのだ。

では、これを踏まえた上で今後の見通しはどうなるのか。群れを統率するためならいつでもうそをつかなければならない欧州に、私たちはどんな期待を抱くことができるのか。

もし私が欧州の財務相だったとしたら、やはりうそでも「ユーロ圏が崩壊の危機にある」と言うだろう。こうした方法は、EUの小国で起きた債務危機に世界の注目を向けさせる。欧州でまた別の「危機」が持ち上がった時(にわかには信じられないが、私が聞いた話では次はスロベニアだそうだ)、私たちは抜け出たばかりの恐怖に再び押し戻されることになるだろう。

キプロスはギリシャとは違うだろうし、これからの債務危機における対応の前例を定めたわけでもないだろう。市場の力とメディアの熱狂が作り出す「でっち上げの危機」はきっと今後も目にするだろうし、キプロスはその現象を明らかにしてくれた。

*本稿は、国際政治学者イアン・ブレマー氏とのインタビューに基づくものです。

*筆者は国際政治リスク分析を専門とするコンサルティング会社、ユーラシア・グループの社長。スタンフォード大学で博士号(政治学)取得後、フーバー研究所の研究員に最年少で就任。その後、コロンビア大学、東西研究所、ローレンス・リバモア国立研究所などを経て、現在に至る。全米でベストセラーとなった「The End of the Free Market」(邦訳は『自由市場の終焉 国家資本主義とどう闘うか』など著書多数。
 

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コメント
 
01. 2013年3月30日 15:36:26 : qugjM7x9TQ
その割には、ユーロ下げすぎ。

02. 2013年3月30日 16:40:53 : Fo2m8iQ2gk
ロシアをいじめるためにアメリカが、仕掛けたんじゃないの?
プーチンが全ヨーロッパの銀行からの預金引き出しを号令したから、
一挙に、話が小さくなったけど・・。

トルコがロシアにベッタリになりつつあるし、
鉄道は中国が契約するしで・・。

あの辺りが赤くなりだした焦りが、伺えますね。


03. 2013年3月31日 00:48:31 : caQPAXB9iM
理由は何でもいいんだよ。上げ下げしてくれさえすれば。

04. 2013年3月31日 07:57:49 : zBYc960RaI
日本に策があるならEUにも策があるということだ。

05. 2013年3月31日 09:50:36 : GnRfb4ci8o

>2つの危機 1つは、それほど注目を浴びていないが本質的にはもっと懸念されるべき危機
>でっち上げの危機は、政治指導者たちの行く手を阻むだけではなく、欧州が集団としてまとまりにくくなる
>群れを統率するためならいつでもうそをつかなければならない


利己的な大衆とは、危機を煽らないとコントロールできないのが世界の現実だからな


>私たちはどんな期待を抱くことができるのか。

合理的な投資家は下がりすぎたら買うという戦略になる

ただし、本当に破綻しても良いように、当然、分散投資ということだ


06. 2013年3月31日 17:51:21 : L0na7CISIM
ということは、
EUは、アメリカと中が悪い。
EUは、アメリカと対立している。今後もさらに、対立の根は深くなる。ということだな

とすると、日本はどうなる?単純に考えると
円安はアメリカでは容認してくれてるけど、EUは円安を容認してない。
株高もアメリカでは容認してくれてるけど、EUは株高を容認してない。
ということになるよな?

これに、アメリカの財政削減期限が5月まで延長されて息をつけたそうだけど、次の戦争はどうなるのかな?


07. 2013年3月31日 20:38:28 : dFYxufeYjM
>>03
そうですね。
上げ下げしてくれれば、理由は後からついて来る。
どんなポジションが積み重なっているか、日柄はどうなのか、そしてどう解消に動くかですね。

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