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南米のブラジルでは、
サッカーのワールドカップとオリンピックの開催を控え、外国企業の進出が相次いでいますが、人手不足が深刻化し、開催準備への影響も心配され始めています。
ブラジルは、2014年のサッカーワールドカップと2016年のオリンピックの開催を控えていますが、会場整備には遅れが出ています。
原因は、外国企業の進出が相次いでいることなどによる人手不足で、首都ブラジリアのスタジアムの建設現場でも、高い場所での作業員が200人足りず、作業が遅れていました。
このため、スタジアム側は、苦肉の策として、通常の作業員より20%高い給料を支払ってフリークライミングの選手を雇い入れ、作業に当たらせています。
こうした人手不足の背景には、労働者がよい待遇を求めて、勤め先を頻繁に変えていることもあり、職業紹介所は連日混雑しています。また、労働者の要求はエスカレートしていて、賃上げを勝ち取ろうというストライキも多発し、生産の主力を海外に移す製造業も出ています。
ブラジルでは、人手不足を乗り切るために意外な取り組みも始まっていて、その一つが、刑務所の受刑者を労働者として雇用しようという刑務所と企業の取り組みです。
ある刑務所では、衣料品やサッカーボールなどを生産するさまざまな企業が敷地内に工場を設けていて、このうち道路の標識を製造している企業は、すべての製品を刑務所での製造に切り替えています。この企業の社長は「刑務所内に工場を設ければ、働く人たちの家賃も必要ないし、電気代もかからないので割安です」と話していました。
この刑務所では、現在、受刑者700人が企業に雇われていて、給料は最低賃金が保証され、3日働けば刑期が1日短くなります。
ブラジル政府は、こうした動きを後押しし、国内の受刑者およそ50万人を企業の労働力として使うことを容認しているということです。
人手不足が深刻化するなか、ワールドカップとオリンピックの開催を成功させることができるのかが、ブラジルの課題となっています。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20130330/k10013553071000.html
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