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韓国:“金融危機”の噴出を回避するため、政府が債務不履行者の肩代わり:「国民幸福基金」は「金融事業者幸福基金」の別名
http://www.asyura2.com/13/hasan79/msg/424.html
投稿者 あっしら 日時 2013 年 3 月 27 日 03:05:24: Mo7ApAlflbQ6s
 


 昨年夏頃から韓国で“金融危機”が起きる可能性について書いてきたが、朴新政権は、“金融危機”に蓋をするため、「国民幸福基金」なるお為ごかしの制度を使って債務の再編を行うようだ。

 日本と同じく政府や経済支配層の意向を汲んだ報道しかしない韓国主要メディアは、「国民幸福基金」制度の内実を報じないが、「国民幸福基金」を正しく命名すれば「金融事業者幸福基金」となる。
金貸しのための制度を過剰債務者(国民)のための制度であるかのように偽るところがあまりに恥知らずと言える。

 金融事業者のための制度であることは、同じ過剰債務であっても、住宅ローンなど取りっぱぐれのない「担保付き」債務が減免の対象にならないことからわかる。

 今回の“徳政令”は、担保を差し入れないままカネを借り、債務の履行が行き詰まっている人たちのなかである条件に該当する人の債務を50%〜70%から減免し、残りの債務を今よりも低い金利の債務に移行させるというものである。

 満額ではないかもしれないが、債務削減に対して、政府から金融事業者に補償措置が行われるはずだから、国民の税金を使って、金融事業者の不良債権を減らしていくという仕組みなのである。

 なぜ、そのような政策を実施するかと言えば、現状を放置すると、金融事業者が抱える多額の不良債権問題が噴出し、一部の銀行まで巻き込む深刻な金融危機に陥るためである。

 過剰債務に苦しむ人は、今回の制度を利用するより、ギブアップして破産宣告を受けたほうがずっと楽になる。おそらく、今回の制度を利用して債務が半減したとしても、年利10%の債務履行を続けられる人は限られているだろう。
 とりわけ、生活保護受給者については、債務を70%減免したところで、生活保護受給額から年利10%の債務を履行することは困難だ。逆に、借金を返済しながら生活できるほどの受給額というのなら、生活保護制度そのものに“過剰支給”の問題があるということだ。

 過剰債務(長期延滞)者のどれほどが、将来いつか再び融資など信用の供与を受けるつもりかはわからないが、生活するお金さえ不足しているというのなら、借金より生活保護を選択すべきである。

 まあ、将来での信用回復を願う人もいるだろうから、公的機関や弁護士が債務処理に関する様々な制度の長所・短所をきちんと説明したうえで、今回の「国民幸福基金」なる制度を利用するのか、それとも破産申請にするのか、該当債務者の自由な選択に委ねるべきである。

 そうでなければ、韓国政府は、「国民幸福基金」なる美名を利用して、金融事業者の利益のため、過剰債務者を“債務地獄”につなぎ止めようとしているだけである。


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「国民幸福基金」の支援対象32万人

 金融委員会は25日、朴槿恵(パク・クンヘ)政権が家計債務問題解決のために設置する「国民幸福基金」の発足に伴い、信用不良者32万6000人が支援対象になるとの試算を明らかにした。

 支援対象は2月末現在で1億ウォン(約850万円)以下の無担保融資を6カ月以上延滞している人で、延滞債務の総額は約3兆ウォン(約2540億円)。国民幸福基金は支援対象者の債務を最高50%(生活保護対象者などは最大70%)減免し、残る債務を最長10年間で分割返済することを認める。

 朴槿恵大統領は選挙公約で国民幸福基金の支援対象を約320万人とすることを掲げていた。これについて、金融委は「まず約32万人で開始し、今後対象を増やしていく方針だ」と説明した。

 国民幸福基金はまた、20%台の高金利ローンを半年以上返済している人に対し、金利10%前後の銀行ローンへの借り換えを支援する。4月1日から半年間は特例措置として、年収4000万ウォン(約340万円)以下(零細自営業者は4500万ウォン〈約380万円〉以下)まで支援申請が可能だ。それ以降は現在の信用回復基金による支援方式に準じ、年収2600万ウォン(約220万円)以下のみが支援対象となる。特例措置の対象は約3万人と推定される。

 延滞債務者の債務再編申請は、4月22日から30日まで仮受付し、5月1日から10月31日まで正式に受け付ける。金融委関係者は「仮受付を済ませることで、借金の督促が中断される」と説明した。

李陳錫(イ・ジンソク)記者
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2013/03/26/2013032600434.html

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1億以下融資延滞者33万人の借金の半分を帳消しへ
MARCH 26, 2013 03:09

1億ウォン以下の信用融資を6ヵ月以上返済できなかった延滞者約32万6000人が、借金の最高50%(基礎受給者は70%)を、国民幸福基金を持って帳消しされる。学資金の融資を6ヵ月以上延滞した人も、国民幸福基金から支援を受ける。
金融委員会は25日、教育部、安全行政部、雇用労働部、中小企業庁と共に、このような内容を柱とする国民幸福基金の推進案について発表した。国民幸福基金は今月29日に公式に発足する。
国民幸福基金の債務調整の対象は、2月末現在、6ヵ月以上1億ウォン以下の借金を返済できずにいる人だ。国民幸福基金と債務調整協約に加入した、計3894の金融会社や消費者金融に債務のある人が該当する。
金融委は、これらの会社に借金を延滞した134万人中、約21万2000人が債務調整に応じるものと見ている。また、「希望モア(集め)」など、従来のバッドバンク(不良債権の買い付け会社)が管理する延滞債務者211万人中11万4000人も、幸福基金で吸収し、計32万6000人が債務調整の支援を受けるものと見られる。
債務調整の申請は、4月22日から10月31日まで、資産管理公社(キャムコ)、信用回復委員会(信復委)、庶民金融総合支援センターで受け付ける。
一般金融会社から大学生が借りた学資金や生活資金も、同じ要件に該当すれば、国民幸福基金の債務調整支援を受けられる。

一方、年間20%以上の高金利を払ってきた融資者のうち6万人が、追加で4000万ウォンの限度内で10%台の低金利融資に乗り換えることができる。年間所得が4000万ウォン以下(零細自営業者は4500万ウォン以下)であり、先月末まで6ヵ月以上元利金を着実に返済してきた人が対象になる。申請期間は4月1日から9月30日まで。

http://japanese.donga.com/srv/service.php3?biid=2013032657848

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国民幸福基金、通貨危機で信用不良の人にも恩恵
MARCH 20, 2013 03:05

通貨危機やカード大乱などで金融債務不履行者(信用不良者)になった人の一部も国民幸福基金を通じて「信用大赦免」を受けられるものと見られる。
19日、金融界によると、金融委員会(金融委)は、1997年通貨危機直後、信用不良者になった人も国民幸福基金の支援対象に含ませる案を推進している。
銀行連合会と信用不良者の記録は7年後に削除されるため、彼らの殆どは公式的には信用不良者から脱したが、関連記録は金融会社に残っていて、相変わらず金融取引に困難を強いられている。
朴槿恵(パク・クンヘ)大統領は最近、「(国民幸福基金は)単に厳しい境遇の人を助けるレベルではなく、通貨危機の時に事業失敗で金融取引ができなくなった国民が新しい経済を創出するための財源という観点で接近してほしい」と強調している。
金融委の高官は、「通貨危機以後信用不良者になった人たちの現状を把握している。ただし、適切な基準を立てて、選別的に支援対象に含ませる計画だ」と話した。
国民幸福基金を通じた債務調整は債務者の借金を一括的に買収して進める。金融委は債務を一括買い入れる時、03年カード大乱以後設置した希望モアなどのバッドバック(不良債権処理会社)も国民幸福基金に統合する案を積極的に検討中だ。当時、希望モアは126万人の借金を買い入れたが、74万人に対してはまだ債務調整を済ませずにいる。
金融委は、現在信用不良者でないが、かつてカードローンや保障債務延滞などで信用等級が低くなった人も支援対象に入れる案を考慮している。
金融委は国民幸福基金の支援者を対象に就業を斡旋するなど、雇用対策も並行する計画だ。これは韓国資産管理公社(カムコ)が信用回復基金で債務調整中の人を対象に就業を支援しているのと似た方式だ。
金融委の関係者は、「国民幸福基金は自活の意志がある人の経済的自立を助けるためのもので、低所得者の返済能力を高めるために、勤労奨励税制(EITC)を拡大するなど、多角度で支援しなければならない」と話した。EITCは一定要件を満たしている低所得層に対して勤労所得に応じて奨励金を支給する制度だ。
反面、過多な融資をしてマイホームを購入したハウスプアに対しては、元金を帳消ししてあげない方針だ。その代わり、満期延長や返済方式の変更などで債務を調整する計画だ。


http://japanese.donga.com/srv/service.php3?biid=2013032076488


 

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コメント
 
01. 2013年3月27日 07:48:05 : BDDFeQHT6I
徳政令を出さないと打ち壊しが始まって韓国は崩壊するんだろう、日本の時代劇を見る様だが実態はサラ金業者の救済だ。

02. 2013年3月27日 10:45:19 : k1tU1PVhFY
“お為ごかし”ってのとは意味合いが違うんでね?
「国民幸福基金」って名称がおもいっきり怪しげで、詐欺グループの常套手段のようで笑ってしまうわ〜オレンジ共済とかと同系譜だよね(国をあげての大がかりな)
“徳政令”を、よりによって韓国社会で施行するというのは世界中の注目の的
映画化が待たれるぞ マジで

03. 2013年3月27日 10:56:43 : GnRfb4ci8o
「福祉拡大公約は守る」〜朴大統領の公約の影で自殺する福祉公務員

2013年3月27日(水)  趙 章恩

 朴槿恵大統領が就任して1カ月がたった。国民年金廃止運動騒ぎに福祉政策の財源問題、北朝鮮による挑発、銀行と放送局に対するサイバーテロなどで毎日が騒がしく、同大統領が就任して1年はたった気がするほどだ。

 朴大統領は、「雇用の拡大」と、基礎年金や育児手当をより充実させた「死角のない福祉国家」に焦点を当てている。その最前線に立つ福祉担当地方公務員が2013年1〜3月の間に、3人も自殺した。仕事が多すぎることを苦にした、いわゆる「過労自殺」である。

 1月31日、ソウル市のベッドタウンである龍仁(ヨンイン)市の市庁傘下にある住民センター(町役場)に勤める29歳の福祉担当公務員が自殺した。

 2月26日、ソウルから近い城南(ソンナム)市傘下にある住民センターの38歳の福祉担当公務員が「仕事が多すぎてつらい」と遺書を残して自殺した。5月に結婚する予定の女性だった。

 3月19日には、蔚山(ウルサン)市中区役所傘下にある住民センターで働く36歳の福祉担当公務員が自殺した。地域福祉センターに長年勤務していたこの男性は、公務員試験に合格し、2013年1月に福祉担当公務員に就いたばかりだった。

 彼は遺書に、過労の苦しみを次のようにつづっていた。「業務ストレスが多すぎる。『先に死んだ2 人(福祉担当公務員)は弱くてだめな人間だから自殺した』と思っている人に、僕の死をもって、この仕事は本当に大変だと知ってもらいたい。誰もが『時間がたてばよくなるから耐えろ』と言うが、私は人間なので、最小限の尊重と待遇を要求するのだ。公共組織のいちばん末端で、数々の指示と命令に従うしかない付属品として耐えることは、怪物と戦うよりつらかった」。

憧れの公務員の厳しい現実

 彼は2月だけで、育児手当の受付と審査、約1500件を担当した。さらに、低所得層の学費支援受付と審査、約300件が重なった。これらを処理するため、毎日深夜2時まで働き、週末も出勤したという。家族や友達に「仕事が多すぎて大変だ」と悩みを打ち明けても、「それでも公務員だからいいじゃないか。いつクビになるかわからない会社員よりマシではないか」と言われたという。自分のつらさをわかってもらえないことに悩んでいたという証言もある。

 就職難が深刻化し、失業率の高い韓国で、公務員は医者、弁護士と並んで最も人気の高い職業である。定年(定年は地位に応じて57〜60歳)まで働けるし、リストラになることもなく安定しているのが理由だ。2012年度の公務員採用試験は、倍率が150倍を超えて大きな話題になった。福祉担当公務員は社会福祉士の資格を取得した人しか応募できないため通常の公務員試験よりも倍率が低いが、それでも17倍だった。

 競争を勝ち抜いて憧れの公務員になったが、現実は厳しすぎた。

 自殺した3人に共通しているのは、9級福祉公務員(最も末端の公務員)で、休日もなく、毎晩夜勤しても業務は増えるばかりだったということ。1人で基礎生活(生活保護者、貧困家庭に支給する補助金)受給者だけでなく、障害手当や老人基礎年金の受給者の申請受付から審査・支給まですべて担当していた。その数は合計で平均1000人に上る。

 2〜3月には低所得者向け賃貸住宅入居申請も処理しなくてはならない。さらに今年から育児手当の申請受付と審査・支給まで担当しなくてはならなくなったので、1人で数万人を相手にしないといけない。学校が担当していた低所得層向けの小中高校学費支援も今年から福祉担当公務員の仕事になった。福祉業務は関連法や手続きを熟知している必要があるため、手の空いている他の公務員に助けを求めることも難しい。

 3人が自殺した後、保健福祉部が公開した資料によると、13省庁が管轄する292の福祉事業を、町ごとに1〜2人しかいない福祉担当公務員が担当していた。受付は朝9時からだが、早朝から長蛇の列ができる。書類作業は午後6時に受付を締め切ってからでないと着手することができない。通常は3〜4人で行うべき業務を、市や町は財政難(地方公務員の給料は自治体が負担)を理由に福祉担当公務員1人に任せていた。

 朴大統領は福祉拡大を約束した。福祉担当公務員の仕事はさらに増えるに違いない。これほど業務が多いのに9級福祉担当公務員の給料は公務員の中で最も低く、税引き後手取りは100万ウォン(約9万円)前後。大手企業に入社する大卒社員の初任給の3分の1ほどである。

逆恨みする市民も

 担当する業務が多すぎることに加えて、福祉担当公務員を苦しめたのは福祉受給者がもたらすストレスだった。

 正確に法律を守り処理したにも関わらず、基礎生活受給者の審査に落ちたからといって福祉担当公務員を逆恨みする人が後を絶えないという。「基礎生活受給者にしてくれないならあなたを殺す」「仕事がなくて困っている。お金をくれないとあなたを殺して私も死ぬ」など、何百人もの人が毎日、電話や窓口で怒鳴る。中には、公務員に殴りかかる者もいるという。

 社会福祉士協会が2012年に調査した「社会福祉士の暴力被害実態と安全方案研究」によると、調査に応じた福祉担当公務員222人のうち、実際に暴力被害にあった人は211人。他の公務員が暴力を受けるのを目撃した人は8人、暴力被害経験がない人はたった3人だった。

 それでも自治体は公務員に「親切」を強要し、市民とトラブルになると公務員が悪いとして人事評価の点数を下げる。「市民に奉仕する」と強い使命感を持つ公務員でも、市民には殴られ上司からは怒られ、人間としてのプライドを何度も傷つけられれば、落ち込まずにはいられないだろう。

 社会福祉士協会は、(1)福祉業務のガイドラインを明確にする、(2)福祉業務を細分化して人員を拡充する、(3)福祉担当公務員が暴力から身を守れる制度を作る、ことを保健福祉部に要求している。

 朴大統領は、3月21日に行われた保健福祉部業務報告の場で、次のように強調した。「福祉公約が守られなかったと国民に指摘されることがないようにしたい。そのためには現場中心の行政にならないといけない。現場中心の福祉事業を実施するためには、国民の不満は何かを聞く福祉担当公務員の役割が何よりも重要である。福祉政策の増加で業務が過重になる中、現場の人員が足りず福祉サービスの質が落ちてしまった。公務員が自殺までしている。このようなことが繰り返されてはならない」、「福祉担当公務員の待遇改善についても(大統領に)報告してほしい」と話した。そして、現在は2万500人いる福祉担当公務員を2014年までに3000人追加するよう要求した。

 大統領の発言から2日たった3月23日、安全行政部(部は省)は全公務員の数を現状より2万人増やす国家公務員総定員改定案を公布した。2012年11月時点で韓国の立法、行政、司法部に所属する公務員は98万8755人なので、2万人追加すると100万人を超えることになる。

 これには反対する意見も多い。つい数日前、公務員が増えすぎるため、国民の税金で公務員に給付する年金を補填しているという報道があったばかりだ。電子政府システムの導入によって、公務員の雑務は減った。本当に必要で専門的な業務だけを行うスマートガバメントになったと宣伝している。それならば、情報化で業務量が減った公務員を福祉担当に回せばよい。それでも人員が足りない場合のみ、公務員の数を増やせばいいと主張する市民団体も多い。

 地方自治体は福祉担当公務員が過労状態にあることを知っていながらも、財政難で人員を増やせなかった。中央政府が人件費を負担するのか、それとも自治体の負担で人員を増やすのか、財政問題も考えなくてはならない。

 3人の自殺から、社会の弱者を助け、見守るという重要な役割を担う福祉担当公務員が、実は社会でいちばんの弱者だったことが明るみになった。福祉担当公務員の仕事が多すぎてきめ細かな福祉サービスができなくなると、サービスの質が低下する。不正受給を見抜けない、本当にもらうべき人に福祉サービスが届かないという事態が発生する可能性も高くなる。福祉担当公務員の待遇改善と人員拡充は、朴大統領の福祉拡大政策以上に重要な課題になるだろう。


趙 章恩(チョウ・チャンウン)

 研究者、ジャーナリスト。ソウルで生まれ小学校から高校卒業まで東京で育つ。韓国ソウルの梨花女子大学卒業。現在は東京大学社会情報学修士。ソウル在住。日本経済新聞「ネット時評」、西日本新聞、BCN、夕刊フジなどにコラムを連載。著書に「韓国インターネットの技を盗め」(アスキー)、「日本インターネットの収益モデルを脱がせ」(韓国ドナン出版)がある。
 「講演などで日韓を行き交う楽しい日々を送っています。日韓両国で生活した経験を生かし、日韓の社会事情を比較解説する講師として、また韓国のさまざまな情報を分りやすく伝えるジャーナリストとしてもっともっと活躍したいです」。
 「韓国はいつも活気に溢れ、競争が激しい社会。なので変化も速く、2〜3カ月もすると街の表情ががらっと変わってしまいます。こんな話をすると『なんだかきつそうな国〜』と思われがちですが、世話好きな人が多い。電車やバスでは席を譲り合い、かばんを持ってくれる人も多いのです。マンションに住んでいても、おいしいものが手に入れば『おすそ分けするのが当たり前』の人情の国です。みなさん、遊びに来てください!」。


日本と韓国の交差点

 韓国人ジャーナリスト、研究者の趙章恩氏が、日本と韓国の文化・習慣の違い、日本人と韓国人の考え方・モノの見方の違い、を紹介する。同氏は東京大学に留学中。博士課程で「ITがビジネスや社会にどのような影響を及ぼすか」を研究している。
 趙氏は中学・高校時代を日本で過ごした後、韓国で大学を卒業。再び日本に留学して研究を続けている。2つの国の共通性と差異を熟知する。このコラムでは、2つの国に住む人々がより良い関係を築いていくためのヒントを提供する。
 中国に留学する韓国人学生の数が、日本に留学する学生の数を超えた。韓国の厳しい教育競争が背景にあることを、あなたはご存知だろうか?
http://business.nikkeibp.co.jp/article/world/20130326/245589/?ST=print

 


 

 

パリの若き韓人たち
Across the K-Universe 【ヨーロッパ編・その8】
2013年03月27日(Wed) 朴 昭熙
 時間だ。大ジョッキに残ったビールを急いで飲み干すと、代金とチップをテーブルに置くが早いか、僕とドゥルリはパリの夜にこだまする轟音と光の方角に駆け出した。

 7月14日はフランスでは国民の祝日。バスティーユデイだ。夜には、アメリカのインディペンデンスデイの祭典同様、盛大な花火を打ち上げて祝うのである。

 大ジョッキ直後の全力疾走はやはり効く。颯爽と駆け抜ける自分のイメージに脚の運動がついていかない。

 一方のドゥルリは、僕より2杯分多く飲んでいるにもかかわらずそれはもう無邪気な子どものようにガンガン走っていく。さすがに軍隊を除隊してきたばかりの体力。兵役2年半のトレーニングの成果は半端ない。


釜山からフランス留学を控えてやって来たドゥルリとその従姉のヒウォン(筆者撮影、以下同)
 ドゥルリは、前回の「パリの超オススメ韓食レストラン」でガイドをしてくれたヒウォンの従弟だ。釜山の慶星大学で演劇を専攻した後、兵役のため入隊。所定の期間をきっちり終えて除隊すると、ご両親から海外留学の権利をプレゼントされた。

 以前から「フランス」というイメージに憧れていた彼は、専攻を決める前に留学先を「フランス」とまず設定した。それから滞在都市を従姉家族の住むパリ、専攻はインテリアデザインと逆の順番で決定した。専攻よりもなによりも、彼にとっては憧れの「フランス」留学なのだ。今回はその留学の下見でパリにやって来ていた。

 憧れのパリの空気を肺にいっぱい吸い込みながら若き血潮をたぎらせ駆けるドゥルリの背中を追って、僕も「パルドン! パルドン!」と叫びながら人波を縫って走っていた。

◆   ◆   ◆

 今回はパリで出会った若き韓人たちのことを書こうと思う。

◆   ◆   ◆

世界的ソプラノ、スミ・ジョーのアンダースタディ(代役)に抜擢
ユン・アルナさん

 いつも漠然と「フランスがいいな」と思っていたアルナさんがパリに渡ってきてから6年半。彼女は韓国・ソウル大学の声楽科を卒業した才媛だ。

 2009年には見事にパリのコンセルヴァトワールに入学。コンセルヴァトワールというのは、フランス政府が管轄する音楽の高等教育機関だ。学費はなんと年間わずか4万円ほど。フランスでは国家が芸術家を育成するシステムがきっちりと整っている。

 現在そのコンセルヴァトワールの最終学年に在籍中のアルナさん。まだエージェントと契約はしていないが、チャンスが到来すれば様々なコネクションを駆使してオーディションをゲットする。「フランスではアジア人の登場する作品がほとんどないので、チャンスに対しては常にアンテナを立てるようにしています」

 そんなアルナさんが2012年4月、大きなチャンスを掴んだ。パリのシャトレ座のオペラ「Nixon in China」のなかで、カラヤンからその声を「神からの贈り物」とまで評された世界的ソプラノであるスミ・ジョーのアンダースタディ(代役)に抜擢された。

 オペラは成功を収めた。アルナさんはその経験と新たに手にしたネットワークを生かしながら次のステップを目指しているところだ。

 ここでアルナさんと、彼女の親友でやはり声楽家のナナさんにフランスのことや音楽のことについてざっくばらんに語ってもらった。ちなみにナナさんは神戸女学院でピアノや声楽を学んだ後パリにやって来た、とても綺麗な日本人女性だ。

── 普通、声楽家の卵たちの間ではフランスはその言語の難解さから敬遠されがちという話を聞いたことがあります。一方、ドイツやイタリア、米国に留学する数は多いとか。

ナナ 「私は言葉の美しさ、音楽のちょっと曖昧なところが好きでフランスを選びました。イタリアだと体型がアジア人と違いすぎる。『太れ』とまず言われ、あげくの果てに喉をつぶして帰ってくる人が多い・・・。ドイツは少し知的すぎて退屈かな」

アルナ 「フランスの音楽は予測できないところがとても魅力的です。『自由な表現』『音楽の理解』といったことがとても重要なのです」

── 一方韓国では。

アルナ 「韓国では『大きい声』『よく通る声』がとにかく評価される。初めは韓国のスタイルを捨てるのは難しかったけれど、今はやっとフランスのスタイルに馴染みました。でも、スタイルを捨てられず適応もできないまま帰国した人が“フランス帰り”ともてはやされて教授になっていたりする現状はどうかと思う・・・」


パリの街角から
ナナ 「フランスはとにかく『心』を大事にしますね。『パリを知らないと歌えない』なんてことも言われます」

── 歌の稽古がとても厳しいと聞きました。

ナナ 「音楽も言葉から派生していますよね。言語を完璧にマスターしないと音楽もできないと思います。歌っていて舌の位置が少しでも違うと先生に止められるんです。ひとつの音だけで何時間も稽古することもあるんですよ」

── ハリウッドで英語と格闘している僕にとってとても耳の痛くなる話だ・・・。

ナナ 「先生には『リラックスしなさい。舌も顎も口も存在しない。言葉がそこにあって『心』で思えばその言葉を引っぱってこられる』と言われています。これを心掛ければ自然に最高の声が飛んでくれるようになるのです」

 なんだかとても「禅」だ。演技におけるリラックスの大切さと通ずるものを感じた。最後にフランスの好きな点をひとつずつ挙げてもらった。

アルナ 「私はフランスとはよく合っていると思います。社交辞令が必要なくてさっぱりしている。ただ大らかすぎる性に関しては適応できない・・・」

ナナ 「人がナチュラルにいられるからフランスは好きです」

 アルナとナナ。並べてみると手塚治虫先生の漫画の登場人物のように可愛らしい名前だ。実際にふたりとも美しい女性だったのだが、写真はふたりの希望で掲載できなかった。残念!

◆   ◆   ◆

演劇を通して多文化理解、多文化共生を目指す
ピョ・ミファさん


モンパルナスの丘の麓のカフェでミファさんと
 パリの次に入学するのが難しいと言われるレンヌのコンセルヴァトワール。3年間の総決算である卒業公演での熱演も冷めやらないある日の昼下がりに話を伺った。

 ミファさんは23歳まで大邱(テグ)で歯科矯正師をしていた。でも「この仕事を一生続けていてどうなのだろう」と、いつしか思うようになったと言う。俳優への転身は、人生の意味を考えた末の結果だった。

 両親にはなかなか「演劇留学」とは言えず、結局ジャーナリズムを専攻すると言って渡仏した。

 「演劇はフランス文化の中でとても大切にされています。劇団も次々にできているのです。政府のバックアップもあるので1カ月のリハーサルで25万円くらいの給料も保障されるんですよ」

 俳優修業を重ねる中で人生の意味に出合った気がしたと言うミファさん。喜怒哀楽や感情をどこまでも深く追求していきたいと思っている。

 「俳優として自分の色を育てながら、たくさんの演出家と出会って演じ続けていきたいです。演劇を通して多文化理解、多文化共生というテーマに取り組んでいけたらなと思っています」

◆   ◆   ◆

あの有名なオペラ座で活躍中
ホン・ソンヒさん

 ソンヒさんはパリ国立オペラで半年のインターンシップを経験。現在はバスティーユ・オペラ座のマーケティング部門で活躍中だ。

 ソウル・西江大学仏文学科卒業。ソルボンヌの大学院で演劇に関するマネジメントやプロデューシングを2年間学んだ。むかしからモリエールやラシーヌが好きだった。


(左)ベルシーヴィラージュにて(右)すぐ近くにあるシネマテークフランセーズではティム・バートン展が開催され賑わっていた
 「フランスは人間関係が平等。男女も平等。上司や部下とも風通しの良い話ができる」

 韓国は基本的に働き過ぎで、例えば上司が退社するまで退社できないというようなつまらない慣習もある。一方、フランスでは週35時間労働。生活に余裕が生まれる。

 「パリは、お金がそんなになくても演劇や美術や音楽など楽しめることがたくさんあるので好きです」

 パリではK-POPやドラマなど韓流が大人気で、オペラ座で働く同僚にも熱烈なファンがいるそうだ。それはそれで大歓迎なのだけれど、「韓国イコール韓流」だけではなくて例えばチョン・ミョンフン指揮、南北合同オーケストラで演奏された「アリラン」などの伝統文化の素晴らしさをもっと知ってもらいたいと、ソンヒさんは思っている。

 フランス人にとって、日本は「伝統があって、礼節の国」というイメージ。韓国はというと、まだまだ印象が薄い。Corée(韓国)というと、「日本語できますか?」という反応もまだまだ多いそうだ。

 ベルシーヴィラージュのカフェが待ち合わせ場所だったが、こういう感じの場所を選ぶセンスがきらりと光るソンヒさん。彼女のような人々が「フランスの中の韓国」のイメージをアップさせていくことだろう。


◆   ◆   ◆


バスティーユデイの花火と特別にライトアップされたエッフェル塔
 さて、ドゥルリと僕は人で埋まった巨大な見晴らしのいい広場についに到着した。全速力で走った甲斐もあり、エッフェル塔をバックに打ち上げられる花火を堪能することができた。

 ドゥルリにとってはきっと希望の象徴だったのだろう。希望に向けて走っているのは僕も同じこと。彼のパリ留学が成功することを心から祈った。

◆   ◆   ◆

 次号は、韓国系小規模ツアーで行ってきたモンサンミシェルの話。それから、10年間ずっと気になっていたモンパルナスにある「謎のコリアン・バーベキュー・レストラン」にいよいよチャレンジしてみた話です。乞うご期待!


04. 2013年3月27日 12:18:10 : PV9mgxFbAL
パチンコや金貸しで儲けた在日韓国朝鮮人の資金で韓国を助けてやってくれ!
そして日本には戻らなくて良い、
韓国で優遇されるはずだから、韓国も在日の方々もそして日本人も、皆これでハッピーだ。

05. 2013年3月29日 01:35:31 : FWAu2iIHqk
他人の心配する余裕が、今の日本にありますかね。他人の不幸を見て溜飲を下げるくだらない人間が多いことに落胆する。

しかし、KBSのニュース報道は、NHKのようにキャスターや解説者が視聴者を誘導するようなことは一切行われていない。起こった事実の報道のみで、解説などない。


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