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(回答先: ユーログループ、キプロスの銀行2行閉鎖と資産凍結を検討 --「見えざる信用の崩壊」(ブルームバーグ) 投稿者 ミスター第二分類 日時 2013 年 3 月 22 日 09:41:51)
http://www.nikkei.com/article/DGXNASGM2104U_R20C13A3SHA000/
「裏金庫」キプロス混乱で焦るロシア(真相深層)---(日本経済新聞)
地中海の島国キプロスが預金課税で混乱に陥った。欧州連合(EU)が金融支援の代わりに求めた措置だが、これにロシアが神経をとがらせている。キプロスの取り付け騒ぎからはロシア経済の不透明さや、地政学的な影響力を巡る争いが浮かび上がってくる。
■3分の1を保有
ユーロ圏がキプロスに最大9.9%の銀行課税を導入するよう求めたのは15日。EUの支援頼みではなく自力でも資金を捻出させるためだったが、これを伝え聞いたロシアのメドベージェフ首相はこう非難した。「他人のお金の没収だ」
預金の一部を強制的にカットするキプロスの預金課税に、ロシア政財界では怒りが渦巻く。それもそのはず、キプロスの銀行預金、約680億ユーロの3分の1はロシアの個人や企業が保有しているからだ。預金課税が実施されると、ロシアは20億ユーロ前後の資金を失う恐れがある。
地中海のリゾート地のイメージが強いキプロスだが、富裕層や企業の租税回避地(タックスヘイブン)という別の顔もある。法人税率は10%、株式配当への課税はほぼゼロと国際的にも低く抑えられている。そのキプロスとロシアの結びつきが強まったのは、旧ソ連の崩壊後の1990年代からといわれる。
ニッケルで世界最大のノリリスクニッケルに代表されるロシア大手企業や銀行、中小企業の多くがキプロスに持ち株会社や関連会社を登録。さらにロシア企業の多くがキプロスの関連会社を経て本国に投資するため、キプロスはロシアに対する外国直接投資の国別残高で首位。金額でも約3割を占めている。キプロスでの金融混乱は人ごとではない。
キプロス問題はロシア経済が抱える「病巣」も映し出す。
以前から、キプロスは不透明な資金の出所を隠すマネーロンダリング(資金洗浄)の拠点という疑惑がくすぶる。ロシアでは、架空取引や汚職で蓄えた資金を海外に移す企業経営者や官僚らが少なくない。米研究機関のグローバル・フィナンシャル・インテグリティーは94〜2011年に、ロシアから2115億ドルの「不正な資金」が流出したと指摘。一部はキプロスでのマネーロンダリングと関係があると分析した。
キプロスとロシアの不透明な関係。EUもこれを承知のうえでキプロスに預金課税の導入を求めたとみられる。
キプロス批判の最右翼はドイツ。最後まで金融支援を渋り、ショイブレ独財務相は「(支援には)厳しい条件を課す」と公言していた。今年9月に連邦議会(下院)選挙を控え、銀行経営の実態が不透明なキプロスへの支援が国内世論の反発を招きかねないという読みがあったからだ。
■文化的にも近く
ロシアとの関係を続けるのか、EU支援で経済を立て直すのか――。19日、キプロス議会は預金課税の法案を反対多数で否決した。少額預金者を非課税とする修正にもかかわらず、法案への賛成はゼロ。キプロスを巡る駆け引きはひとまずロシア有利に動いた。
EU加盟国でユーロ導入国とはいえ、キプロスでは同じ正教を信じるロシア人に対する親近感がある。中心部のレストランの看板には、スラブ語の表記に使われるキリル文字が躍るほどだ。東地中海の拠点であるキプロスのロシア化が進めば、EUにとっては安全保障上の懸念も増す。
そのキプロス。議会に預金課税の承認を求めながらも、ロシアにサリス財務相を送り込んだ。EUからの支援のめどが立たないなか、ロシアから融資を受け、代わりに天然ガス田などの権益を売却する提案をしたという情報も伝わる。
追い詰められたキプロスがロシアになびけば、EUも心穏やかではいられない。
(モスクワ=石川陽平)
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