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株式日記と経済展望
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米経済学者ポール・クルーグマン氏は、「まるでギリシャ語やイタリア語で『預金を
下ろしておこう』と書かれたネオンサインを掲げているようだ」とブログに綴った。
2013年3月21日 木曜日
◆キプロスの預金課税が正しい理由 3月19日 ロイター
http://jp.reuters.com/article/jp_column/idJPTYE92I05G20130319?pageNumber=1&virtualBrandChannel=0
欧州連合(EU)がまとめたキプロス支援案に対する反応は、当初の「ショック」が落ち着き、ありきたりとも言える「非難」に変わった。
英フィナンシャル・タイムズ(FT)紙は論説で「欧州が支援策でまた失敗」の見出しを掲げたほか、ニューヨーク・タイムズ紙のコラムニストを務める米経済学者ポール・クルーグマン氏は、「まるでギリシャ語やイタリア語で『預金を下ろしておこう』と書かれたネオンサインを掲げているようだ」とブログに綴った。
広く報道されているように、今回の支援策には重要な増税要素がある。キプロスに銀行口座を持つ人は、キプロス人であろうとなかろうと、預金に1回限り最大約10%の税金が課されるというものだ。徴収税額は58億ユーロ(約7200億円)に上るとみられる。(後略)
◆タックスヘイブンのオフショアに隠れている世界の金融機関の含み損は、世界合計で2000兆円と見ています。 吉田繁治 2012年3月12日 株式日記
http://blog.goo.ne.jp/2005tora/e/f8ecf305704854d5ec94dafec3d4b858
(私のコメント)
オリンパスやAIJの巨額損失はタックスヘイブンがらみですが、世界の金融にはみんなタックスヘイブンが絡んでいる。今まで欧米各国がタックスヘイブンを黙って見ていたのは金融業界から税金が沢山入ってきたからですが、リーマンショックで信用不安が起きて銀行など債権の回収に走るようになり、ヘッジ・ファンドの回転が効かなくなって、損失が表面化してきて政府に税金が入らなくなってきました。
今では欧米各国も財政赤字であり、タックスヘイブンへの監視がきつくなり、スイスも世界各国の政府の調査を拒否できなくなりました。吉田氏によればタックスヘイブンに隠された巨額含み損は2000兆円と見ていますが、資金の回転が効かなくなればオリンパスやAIJのように含み損が表面化して金融機関は破綻する。
日本の株や債権もタックスヘイブンがらみで売買されているから実態がなかなかつかめない。AIJの2000億円がどこかに消えて行き先が掴めないのもタックスヘイブンが絡んでいるからだ。このように巨額損失が次々と明るみに出る様になればタックスヘイブンもスイスのように税務当局などの調べに応じざるを得なくなるだろう。
世界の大金持ちがシンガポールや香港に集まるのも税金を回避する為ですが、欧米各国が税収不足で財政が厳しくなればシンガポールや香港などへも調査の手が及ぶようになるだろう。ギリシャやイタリアなどの国債で運用してきたヨーロッパの銀行もタックスヘイブンを絡めて売買してきたから利益も隠すことが出来たし損失も隠すことが出来た。
タックスヘイブンで運用すれば利益が出ても税金を払わずにすむし、巨額損失も隠すことが出来る。まさに魔法の箱ですが、タックスヘイブンのファンド会社は建物もなければ社員もいない銀行口座だけの会社であり、AIJの2000億円はどこかに消えてしまった。G20の会議ではこのようなタックスヘイブンへの調査も徹底的に行なうように話し合いが行なわれています。
日本の山口組もアメリカに資金逃避させていましたが、オバマ大統領の一声で在米の山口組の財産は没収されてしまった。タックスヘイブンの資金も同じ運命をたどるだろう。そうしなければ税収が確保できないからだ。欧米の銀行も新興国へ投資した資金を回収にかかっていますが、新興国も投資された資金を返すまいと資本を没収にかかるだろう。
90年代からの日本のゼロ金利の資金は、アメリカのファンドを通してタックスヘイブンを通して新興国に投資されてきた。しかしAIJを見れば分かるようにどこかに消えてしまった。今のうちにファンドを解約して資金を日本国内に戻しておかないと本当にどこかに消えてしまう。吉田氏が書いているようにガイジンファンドは今度は日本の国債に標準を定めているようだ。
90年代のガイジンファンドは日本株式を現物売り、空売り、先物売り、オプション売りで売り崩してきた。これからは日本国債を買い込んで釣り上げておいて現物売り、空売り、先物売り、オプション売りで仕掛けてくるだろう。今のうちから政府日銀は備えておくべきでしょうが、これからは株高円安のトレンドに入るだろう。今までは輸出企業は円高分損失を出してきましたが、これからは円安の分だけ手取りが多くなる。この点は吉田氏とは見解が異なります。
当面はユーロ暴落とPIIGS諸国の国債などのデフォルトがどれだけ広がるか注目ですが、タックスヘイブンへの飛ばしが表面化して独仏の銀行がバタバタと逝くかもしれません。欧米の銀行もオリンパスのように「飛ばし」をして評価損を誤魔化しているだろう。最もアメリカにおける「飛ばし」は政府自ら容認しており、日本の大和証券への制裁とは裏腹の対応だ。
日銀がインフレターゲット政策をとることによって、現金の逃避先がなくなり世界の中央銀行は札束の印刷合戦に入った。東日本大震災で日本がこれ以上の円高に耐えられなくなってきたから世界中が通貨安競争に入った。日本の円が1ドル=100円から120円にまで行くかも知れない。そうなれば韓国や中国の輸出競争力がなくなり新興国バブルは崩壊する。
日本の株式が上がれば、日本の銀行の自己資本比率が上がって融資余力が出てくるから、デフレが収まってインフレ気味になるだろう。金利も数年後には上昇トレンドに入るだろう。景気が良くなれば税収も増えて消費税の増税は必要なくなる。金利上昇で国家破産ということは利払いだけ見て税収の増加を計算に入れていないから出るのであり、3年過ぎれば国債の利払いのピークが過ぎることを計算していないからだ。日本はギリシャやイタリアのように観光だけが産業の国とは訳が違うから円が暴落すれば世界中に日本製品が溢れてしまう。
(本日の私のコメント)
ロシアの金持ち達が、キプロスと言うタックスヘイブンに金を預けていた銀行が、ギリシャ国債で大きな穴を開けて銀行が経営危機に陥っています。キプロスはEUの一員ですが、これといった産業も無く観光業しかない国だ。それがタックスヘイブンとなって世界から金を集めて金融立国を目指した。ところが投資したギリシャ国債が暴落して銀行が破綻した。
銀行が倒産すれば、そこの銀行に預けた預金は返っては来なくなる。キプロスは産業の無い国だから政府が銀行を救済することは出来ない。だからドイツなどのEUが救済に乗り出しましたが、預金方税金を取り立てることを要求しました。アイスランドのように破綻させて預金もパーにした例もありますが、人口がアイスランドは30万人しかなくキプロスよりも遥かに小さな国だ。
タックスヘイブンに預けるとこのようなリスクがあるということですが、オリンパスは1500億円をタックスヘイブンに預けて、その金は何処かに消えてしまった。タックスヘイブンはお金のブラックホールであり、吉田繁治によればタックスヘイブンに隠れている銀行の含み損は2000兆円にもなると言う事です。EUやロシアがキプロスを救済するのも銀行の含み損を表面化させないためだ。
キプロスが破綻すれば、そればギリシャからイタリアに連鎖倒産が起きてスペインまで火の手が伸びれば世界的な金融恐慌が起きる。アメリカにはCDSと言う6600兆円の金融爆弾を抱えているように、EUはPIIGS諸国の国債と言う爆弾を抱えている。政府の救済で先送りする事は出来ますが爆弾そのものは確実に膨張していく。
何しろタックスヘイブンにそれらの爆弾が隠されているから実態がよく分からない。オリンパスの例は1500億円が吹き飛んでも優良会社だから何とかなりましたが、欧米の銀行は含み損を表面化させれば銀行は破綻する。これらの銀行を救済するには、日本のようにゼロ金利にして銀行に国債を運用させて隠れた公的資金注入が20年間必要だった。欧米の銀行も日本のような真似ができるだろうか。
スペイン失業率は25%であり、若者の失業率は55%でスペインは経済が機能していない。これではスペインの銀行も政府が救済することも不可能だろう。だからドイツなどの資金で支えていますが、ドイツですらPIIGS祖国が連鎖破綻したら身が持たない。このように分かりやすく解説できるのは「株式日記」くらいしかないだろう。もっと詳しく知りたい人はバックナンバーを読んでみてください。
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