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複雑な三角関係に陥っているシャープ(写真中央)と鴻海精密工業(左)、サムスン電子(右)=鴻海、サムスンはロイター
鴻海、サムスンと“禁断の二股関係”たった103億円でシャープ「がんじがらめ」
http://www.zakzak.co.jp/economy/ecn-news/news/20130317/ecn1303171643004-n1.htm
2013.03.17 夕刊フジ
経営再建中のシャープが韓国・サムスン電子から103億円の出資を受けることを決めた。その一方、シャープは「打倒サムスン」を掲げる台湾・鴻海(ホンハイ)精密工業とも出資を受ける資本交渉を継続し、二股外交を仕掛けている。この関係をさらにややこしくしているのが、シャープ・鴻海の主要顧客である米アップルがサムスンの商売敵という事実だ。高い技術を持つシャープを巡るサムスンと鴻海の三角関係に、アップルの出方という不透明さが絡み合い、シャープが陥った環境は混沌の様相を呈してきた。
▼アップル対サムスン
「サムスンとの資本提携が、アップルとの関係に影響しなければよいが」。あるシャープ関係者は顔を曇らせた。
アップルは、美しいフォルムで未来性を思わせるアップルの「iPhone(アイフォーン)」が世界で爆発的にヒット。かたやサムスンは、低価格戦略で新興国を中心に世界市場を攻略した。
スマホ業界の両雄は、市場シェアをめぐる販売競争にとどまらず、特許をめぐって販売差し止めを求める訴訟をするなど、激しく火花を散らしてきた。
アップルとサムスンという2大勢力だが、シャープはアップルから約1千億円の投資を受け亀山第1工場に製造ラインを設置し、「iPhone」専用工場として稼働させてきた。シャープはこれまでアップル陣営に属してきたようなものだった。
▼アップル頼りを脱却、サムスンにも接近
稼働率が低迷する第2工場とは対照的に、フル生産を続けてきた第1工場は、シャープの液晶事業を継続していくための頼みの綱だった。
だが、潮目が変わり始めたのは昨年暮れ。「iPhone5」の世界的な需要減に伴い、シャープの液晶も受注が減少した。最低7割の稼働率を維持しないと採算が取れないといわれるなか、第1工場は3割、第2工場は5割程度にとどまる(関係者)という。
そして、この減少分を穴埋めするため、シャープが苦渋の決断で救いの手を求めたのがサムスンだ。鴻海やインテルとの交渉が依然進まないのとは対照的に、サムスンとの資本提携は比較的スムーズに決まった。
亀山工場の稼働率を上げたいシャープと、新たな設備投資をせずに安定的に液晶の供給を受けたいサムスン。両社のニーズが合致したのだ。
▼鴻海の逆鱗に触れる
「さらなる関係発展について協議していく」
シャープがサムスンから出資を受けることを正式発表した6日夜、鴻海は声明を発表した。昨年夏のシャープ株の急落をきっかけに両社の交渉は停滞。長期間目立った動きはなかったが、約半年ぶりに鴻海が沈黙を破った。
そもそも「打倒サムスン」を掲げ、シャープに資本業務提携を持ちかけた鴻海。今回の声明には「液晶技術の供与も受けず、ただではシャープから引き上げない」(関係者)というスタンスが垣間見える。鴻海は、サムスンと距離を縮めようとするシャープを牽制したのだ。
EMS(電子機器受託製造)企業としてアップルと親密な鴻海の郭台銘会長が、5日に予定されていたシャープ側との会談とを急遽キャンセルしたのは、サムスンとの資本提携が逆鱗に触れたためとみられる。タフネゴシエーターと評される郭会長が、財務状況が悪化するシャープに揺さぶりをかけてくる可能性も否めない。
▼シャープの経営、がんじがらめに
一方のサムスンも資本提携交渉でシャープの複写機事業の買収を打診し、虎視眈々とシャープの技術を狙う。複写機は正確で確実な機械の作動、精密な光学技術など、メーカーの技術が凝縮された分野。シャープに断られたものの、今後の協議で俎上に上げる可能性は高い。
シャープが資本としてはあまりに少ない金額と引き換えに手にしたのは、鴻海、サムスンの思惑が入り乱れた複雑な“関係”だけにも見える。この関係を整理しない限り、シャープの経営はがんじがらめになっていくのではないだろうか。
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