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貯蓄税、GDPの3分の1=銀行預金は一部封鎖―キプロス 100億ユーロ支援の見返り
http://www.asyura2.com/13/hasan79/msg/390.html
投稿者 eco 日時 2013 年 3 月 17 日 14:24:33: .WIEmPirTezGQ
 


事前に情報を知り、キャピタルフライトしていた超富裕層には負担なし

通貨発行権のないユーロ通貨圏だから一見他人ごとのようにも見えるが

今後、国内生産が減少する一方で、膨張する社会保障やバラマキインフラ投資、円安インフレと国債暴落が激化した時、

クラウディングアウトで赤字国債すら発行できなくなった日本でも、最低の国家機能を維持するためには、同じ事態が生じる可能性は完全には否定できない


http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130316-00000100-jij-eurp
貯蓄税、GDPの3分の1=銀行預金は一部封鎖―キプロス
時事通信 3月16日(土)18時30分配信
 【ブリュッセル時事】ユーロ圏財務相会合のデイセルブルム議長(オランダ財務相)は16日、債務危機のキプロスがユーロ圏による金融支援の条件として徴収する貯蓄税は、キプロスの国内総生産(GDP)の3分の1に相当する約58億ユーロ(約7200億円)の税収が見込まれると述べた。
 ギリシャ支援ではギリシャ国債の保有者が巨額の借金棒引きを受け入れたが、銀行預金者が負担を強いられるのはユーロ圏の危機支援で初めてとみられる。
 キプロスは16日のユーロ圏との金融支援合意を受け、直ちに預金の一部封鎖を行い、オンラインでの資金流出を食い止める。 

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最終更新:3月16日(土)18時33分

 
2013年 3月 17日 12:47 JST
キプロスの銀行預金者に課税―100億ユーロ支援の見返り

By MATINA STEVIS, GABRIELE STEINHAUSER AND COSTAS PARIS

【ブリュッセル】キプロス政府はユーロ圏と国際通貨基金(IMF)から100億ユーロ(約1兆2500億円)の金融支援を受けることで合意した。金融支援の一環として、キプロス国内の銀行の預金者から税金を徴収する。課税は1回のみ。

 合意は16日早朝に発表された。ユーロ圏では5年にわたって金融危機が続いているが、域内の銀行預金がカットされる事態は今回が初めてとなる。税率は10万ユーロを超える預金口座については9.9%、それ以下の口座については6.75%とされており、徴収税額は58億ユーロに上ると見込まれている。

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Reuters
欧州委員会のオリ・レーン経済担当委員とキプロスのサリス財務相(15日)
 キプロスのサリス財務相は記者団に対し、「この決定は理想の政策とは全くかけ離れている。銀行システムや国家の破綻で多額の資金が失われたかもしれないというまさに現実的な可能性と比較すべきである」と述べた。10時間の交渉を終えた財務相の表情は緊張していた。

 同財務相はキプロス議会が週末に預金者への課税措置を可決するとの見通しを示した。税金は祝日明けの19日に銀行が営業を開始する前に口座から徴収されるという。

 キプロスが最初に支援を要請したのは昨年夏で、同国はユーロ圏にとって大きな悩みの種となった。その最大の原因は銀行部門の肥大化だ。同国の銀行資産は同国経済の8倍の規模に膨らんでおり、昨年のギリシャの債務再編で大きな打撃を受けていた。マネーロンダリング(資金洗浄)の摘発や先月の総選挙の影響で交渉は遅れていた。

 1月に実施したキプロスの財政状態の当初評価では、銀行部門を安定化させるための100億ユーロを含めて170億ユーロ以上が必要とされた。キプロスの年間の国内総生産(GDP)は180億ユーロ以下で、しかも減少傾向にあり、170億ユーロはキプロスが自前で調達できる額ではない。

 ユーロ圏の財務相と欧州委員会、欧州中央銀行(ECB)、IMFの3機関で構成するトロイカはキプロスの救済コストの引き下げに取り組んだ。欧州の他の弱小国の預金者や投資家の動揺を招く恐れがあるとの指摘もあったが、この預金者への課税を決めた。

 ユーロ圏財務相会合議長のオランダのダイセルブルム財務相は課税措置について、「特別な状況だ」として、支援を受けた他の国について同様の措置を検討していないと述べた。

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Agence France-Presse/Getty Images
IMFのラガルド専務理事とキプロスのサリス財務相
 関係者は預金者への課税を実施することで、ドイツやオランダ、フィンランドなどの財政健全国でキプロス向けの支援策が議会承認を受けやすくなることを期待している。これら財政健全国の議員はキプロスの外国人預金者の救済を渋っている。外国人預金者が同国の甘い銀行法につけ込んでいると疑っているからだ。外国人預金者の多くはロシア人だ。

 欧州委員会のオリ・レーン経済担当委員は、ロシアがキプロス向けに2011年に実施した25億ユーロの融資の返済期限を延長することに前向きな姿勢を示しており、貸出金利を引き下げる可能性も示唆したと指摘した。サリス財務相は20日にモスクワに向かい、最終条件を確定するとみられている。
http://jp.wsj.com/article/SB10001424127887323893104578365311916785562.html


 


 


地中海のキプロスで強制預金課税 危機再燃の火種になるか

木村 正人 | 在英ジャーナリスト

2013年3月17日 7時0分
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預金封鎖
欧州連合(EU)のユーロ圏財務相会合や国際通貨基金(IMF)がキプロスに100億ユーロ(約1兆2400億円)を融資する代わりに、キプロスの金融機関の全預金口座に6・57〜9・9%の税金をかけることを決めた。口座からの預金引き出しを防ぐため、キプロス政府は16〜18日、一部の預金を封鎖する。

現地からの報道では、キプロスに駐留し、アフガニスタンに向かう英国兵士はインターネットで預金を引き出そうとしたが、凍結されていたという。

キプロスの首都ニコシアでは、土曜日も営業している協同組合銀行が臨時休業した。現金自動預払機(ATM)も空っぽになり、預金者が銀行支店前に列をつくる騒ぎになった。

怒りのあまりブルドーザーで金融機関に突っ込もうとした預金者もいた。

「取り付け」にも似た騒ぎが起きたのは、ユーロ圏が10万ユーロ以上の預金について預金額の9・9%、それ未満の場合は6・75%を1回に限り徴収すると決めたためだ。徴収額は全体で58億ユーロにのぼる見通しだ。

もともと支援額はキプロスの国内総生産(GDP)に匹敵する170億ユーロと伝えられていたが、預金者の損失負担に加え、国有財産の売却、法人税の引き上げなどで穴埋めし100億ユーロに抑えた。

ユーロ圏には、貸し手に損失負担を求めて傷口を大きくしてしまった前科がある。

ギリシャ国債の民間保有者に約5割の損失負担を求めた際、ギリシャ国債だけでなくスペイン、イタリア国債も投げ売られ、危機は一時、制御不能の状態に陥った。

その後、欧州中央銀行(ECB)が南欧諸国の国債の無制限購入を打ち出してから欧州の債務・金融危機は沈静化している。

にもかかわらず、キプロスの金融機関の預金者に異例の損失負担を求めたのはなぜか。ロシアの富裕層や犯罪組織がキプロスの銀行口座を脱税やマネーロンダリング(資金洗浄)に使っている疑いが強いからだ。

キプロスの金融危機
地中海東部に位置し、面積は四国の半分程度、シチリア島、サルデーニャ島に次ぐ地中海第3の島の南側を占めるキプロス共和国。人口80万人の約8割はギリシャ系で、トルコ系は1割強だ。

1950年代からギリシャへの併合を要求する運動が起き、ギリシャとトルコが介入、60年に英国から独立した。

83年には北側の北キプロス・トルコ共和国が独立を宣言し、首都ニコシアをはさんでキプロス島は今も南北に分断されている。北キプロスを承認したのはトルコだけだ。

主要産業はGDPの約2割を占める観光だ。主な輸出品はオレンジ、オリーブなどの農産物、衣料だったが、海運、国際金融部門が急成長した。2004年にEU加盟、08年1月、キプロスよりもさらに小さなマルタとともにユーロ圏に加盟した。

小国キプロスにとってユーロという大きな通貨の傘の下に入ることは、為替の急激な変動に翻弄されずに済むメリットがある。キプロスのサリス財務相(当時)は「これでインフレや金利上昇を抑制でき、ユーロ圏の巨大マーケットと結ばれる」とユーロ導入の意義を強調した。

金融バブル期、欧州の一般市民も別荘を求めてキプロスに殺到したが、世界金融危機、欧州債務危機でキプロス経済を潤わせた「別荘市場」は崩壊した。キプロスは11年、ロシア政府から25億ユーロの2国間融資を取り付け何とか急場をしのぐかに見えた。

しかし、メルケル独首相とサルコジ仏大統領の主導でユーロ圏は12年2月、ギリシャ第2次支援策で合意。ギリシャ国債の額面が減免されることになり、国債投げ売りを誘発した。

これで、ギリシャ国債を抱え込んだキプロスの金融機関の経営状況は一気に悪化した。同年6月、キプロス政府はEUに国内金融機関への緊急融資を要請した。

キプロスの金融機関のバランスシートは全体で1500億ユーロ、GDPの8倍以上に膨らんでいた。世界金融危機の直撃で非ユーロ圏の小国アイスランド(人口約32万人)では金融システムが崩壊した。キプロスは金融危機の第1波をユーロの傘で防いだ。

キプロスを破綻から救うには金融機関に108億ユーロを注入、さらに62億ユーロの財政赤字を埋める必要があった。緊急融資の総額はキプロスのGDPにほぼ匹敵する計170億ユーロにのぼるとみられていた。

キプロスのGDPは179億ユーロで、ユーロ圏全体のわずか0・2%に過ぎない。ショイブレ独財務相は「キプロスのシステムは適切ではない。仮に破綻しても経済規模が小さいのでユーロ圏への影響は無視できる」とキプロス救済に消極的だった。

ユーロ危機で巨額の税金投入を強いられてきたドイツの納税者には「救済疲れ」が広がり、「どうして私たちの血税でロシアの大富豪を助けなければならないのか」という不満が渦巻いていた。

ロシアのオルガルヒ
キプロスの法人税は一律10%。旧ソ連が崩壊した1990年代から、旧ソ連の国有財産をただ同然で手に入れたロシアのオリガルヒ(新興財閥)は国内の権力闘争とは無縁のキプロスに資金を移し始めた。

ロシアの法制度では投資家の権利が十分保障されていないため、オリガルヒはキプロスにペーパー会社を設立してロシア国内の会社を遠隔操作するようになった。

キプロスはオリガルヒにとって合法的なタックスヘイブン(租税回避地)、マネーロンダリングの拠点になった。キプロスの金融機関に預けられている資金の大半はオルガルヒの富と言って良かった。

サッカーのイングランド・プレミアリーグに所属する人気クラブ、チェルシーFCを所有するアブラモビッチ、米プロ・バスケットボールチーム「ブルックリン・ネッツ」のオーナーで2012年のロシア大統領選に出馬したプロホロフ、ノボリペック製鉄所会長のリシン、ガスプロム・コンツェルンのウスマノフらそうそうたるオリガルヒの面々がキプロスに投資している。

消える巨額マネー
12年、ロシア政府はロシア極東部ワニノの巨大港湾施設の権益をロシアの鉄鋼メーカーに払い下げた。その2〜3週間後、鉄鋼メーカーはキプロスの会社に持ち株のすべてを転売した。キプロスの会社はいずれも未登記だったり、設立されて間がなかったり、取引相手として怪しかった。

ロシアの大手国営銀行はキプロスの会社に石油掘削機購入資金として4億5700万ドルを拠出したが、キプロスの会社は同じ日に1億6000万ドル少ない金額で石油掘削機を購入していた。

いずれのケースも取引の差額がどこに消えたかわからなくなっていた。

英系投資ファンド「エルミタージュ・キャピタル・マネージメント」の顧問を務めていた弁護士マグニツキー(死亡時37歳)の獄死事件にもキプロスは絡んでいる。

同マネージメントは07年6月、ロシア税務警察の捜査を受けるが、マグニツキーは税務警察の関係者が押収した書類を使って2億3000万ドルの不正還付を受けていると告発した。しかし、マグニツキーは08年11月に拘束され、約11カ月後、激しい拷問で持病の内臓疾患を悪化させて死亡した。2億3000万ドルのうち3000万ドルがキプロスの銀行経由で海外に消えていた。

11年の時点で、キプロスからロシアへの投資総額は13億ドルを超え、キプロスはロシアへの最大の投資国になった。一方、キプロスへの最大の投資国もロシアだった。

メルケルの思惑
キプロスの銀行のギリシャ支店が破綻すれば、ギリシャに対する金融不安に再び火がつきかねない。このため、ドラギ、レーン欧州委員(経済・通貨担当)、常設金融安全網「欧州安定メカニズム」(ESM)の責任者レグリング氏はキプロス救済をドイツに迫った。

12年9月のドイツ総選挙で野党・社会民主党(SPD)の首相候補となるシュタインブリュック前財務相は「キプロスがユーロ圏を離脱することは市場への誤ったメッセージになる」とキプロス救済を支持した。しかし、その一方で、「キプロスは銀行を集約し、その他の条件を満たす必要がある」と厳しい条件を付けた。

先月下旬、キプロスの大統領選で緊縮財政に前向きな中道右派の野党・民主運動党(DISY)のアナスタシアディス党首が57・5%の得票率で当選した。民営化に反対したフリストフィアス前大統領と異なり、アナスタシアディス大統領はEUが求める国営企業の民営化に条件付きで賛成しており、協議は一気に進展した。

しかし、メルケルはロシアのオルガルヒなど預金者に負担を求めた。脱税、マネーロンダリングの資金を手放しで救済しないという姿勢をドイツ国内の有権者に示すためだ。ユーロ圏やECBはアイルランドやスペインの金融機関を無制限で支援する方針で、キプロスはあくまで「例外」との立場だ。

レーン欧州委員によると、ロシアもキプロスに対する25億ユーロの融資の期限延長や金利軽減に応じるという。月曜日の18日、キプロスは祭日。19日に開業するまでにキプロス政府は全口座から6・57〜9・9%を引き下ろす。預金者にはそれに相当する銀行株を発行する。

週明け、市場がユーロ圏の措置をどう受け止めるかはわからない。

(おわり)


木村 正人
在英ジャーナリスト
ロンドンを拠点に活動する国際ジャーナリスト(元産経新聞ロンドン支局長)。日本国憲法の改正問題(元慶応大学法科大学院非常勤講師=憲法)や日英両国の政治問題、国際政治、安全保障、欧州経済に詳しい。産経新聞大阪社会部で大阪府警・司法キャップを務めるなど大阪で16年間、事件記者を務め、東京で政治部や外信部を経験。2002〜2003年、米コロンビア大学東アジア研究所客員研究員。2012年7月、独立してフリーに。

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ユーログループ、100億ユーロの対キプロス支援で合意=議長
ロイター 3月17日(日)8時19分配信

3月16日、ユーロ圏財務相会合は、キプロスに対する100億ユーロの緊急支援で基本合意した。ダイセルブルーム議長が発表した。ブリュッセルで昨年10月撮影(2013年 ロイター/Francois Lenoir)

[ブリュッセル 16日 ロイター] ユーロ圏財務相会合(ユーログループ)は、キプロスに対する100億ユーロの緊急支援で基本合意した。ダイセルブルーム議長が16日に発表した。

ユーロ圏の財務相と国際通貨基金(IMF)は、15日の欧州連合(EU)首脳会議後に会合を開催。10時間にわたる協議の末、合意にこぎつけた。

ダイセルブルーム議長は会合後の記者会見で「ユーログループはキプロス当局と支援策の大枠で合意に至った」と述べた。

支援プログラムにより、キプロスの債務は2020年に国内総生産(GDP)比100%に減少する見通し。

ユーロ圏の財務相は、アイルランドとポルトガルの円滑な市場復帰を支援するため、両国に対する既存融資の返済期間延長でも合意した。

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最終更新:3月17日(日)8時21分

http://bylines.news.yahoo.co.jp/kimuramasato/20130317-00023916/


 

キプロス支援、1.2兆円 ユーロ圏合意 預金課税が条件
産経新聞 3月17日(日)7時55分配信
 【ベルリン=宮下日出男】欧州連合(EU)ユーロ圏17カ国は15日から16日未明にかけてブリュッセルで開いた財務相会合で、財政危機に陥るキプロスに対して100億ユーロ(約1兆2千億円)を支援することで合意した。同国銀行の全預金に最大9・9%を課税する異例の条件をつける。債務危機で支援を受けるのはユーロ圏で5カ国目。

 支援金はギリシャの債務危機で損害を受けたキプロスの銀行への資本増強に充てる。同国銀の預金者の多くは国外のロシア人で、脱税に使われているともされる。預金課税には支援でこうした預金者を一方的に救うことにならないようにする狙いがあるとみられる。

 支援は国際通貨基金(IMF)も参加する。キプロスは昨年6月に支援を申請していた。ユーロ圏ではすでにアイルランド、ポルトガル、ギリシャ、スペインが支援を受けている。

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最終更新:3月17日(日)9時47分

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130317-00000076-san-bus_all  

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コメント
 
01. 2013年3月17日 23:10:37 : mHY843J0vA
>キプロスの銀行預金者に課税―100億ユーロ支援の見返り
>事前に情報を知り、キャピタルフライトしていた超富裕層には負担なし

預金者の多くは庶民

歳出削減も当然、要請されるから、社会保障など公的サービスや投資は削減され、さらに格差は拡大する


円安でも潜在成長率高まらず=最後の講演で白川日銀総裁
2013年 03月 17日 08:25 JST

中国の新外相に元駐日大使、日本との経済関係重視か
中国、周人民銀総裁続投で金融改革を継続へ
ダウ平均11日ぶり小反落、JPモルガンが安い
ドル下落、FOMC控え利食い売り優勢=NY外為市場

[東京 16日 ロイター]  日銀は15日、白川方明総裁の任期中最後の講演となった2月28日の日本経団連での講演内容を公表した。白川総裁は、円安局面でも潜在成長率は高まらず多くの国民は単なる物価上昇を望んでいないと指摘し、緩やかなインフレを意図的に起こそうとするリフレ派の主張を改めてけん制した。

白川総裁は「実質GDP(国内総生産)の水準を持続可能なかたちで高めることがマクロ経済政策の重要な目標」と指摘。「景気が改善し需給がひっ迫することによって物価は上昇し、その逆ではない」「多くの国民は単に物価だけが上がることを望んでいる訳ではない」とし、拙速な金融緩和による物価上昇による実質所得の低下などの副作用を懸念した。

過去15年間にたびたび訪れた「円安局面でも潜在成長率は上昇しなかった」と指摘。「経済成長を実現するには新陳代謝が必要」だが、「米国に比べ、日本の時価総額上位企業は伝統企業が多い」とした。一方「リーマン・ショック以降の株価をみると相対的に小規模な企業が健闘」していると指摘した。

また「ひとつの問題への対応に全力を挙げている時に、新たな問題や予想外の危機の種が蒔かれていたという例には事欠かない」と述べ、デフレ脱却のため新日銀が進めるとみられる大胆な金融緩和が新たなバブルを誘発する可能性について暗に懸念を示した。

 


 

格差・貧困の拡大と生活保護クライシス
2013/03/13


土堤内 昭雄

ジェロントロジージャーナルNo.12_014全文ダウンロード(334KB)
■見出し

はじめに〜過去最多の生活保護受給者
1――生活保護受給者・世帯の現状と課題
2――生活保護給付費・財源の現状と課題
3――生活保護クライシスへの対応
おわりに〜幸福度からみた政策選択

■はじめに

社会保障制度というと、誰もが年金・医療・介護は自らのこととして捉えるだろうが、「生活保護」については当事者意識も薄く、すぐには思い浮かばない人も多いだろう。最近では、高収入の芸能人の母親が生活保護費を受給していたことが社会問題になり、「生活保護」についても多くの人の関心が集まるようになった。しかし、マスコミ等による「生活保護」に関する報道は、不正受給や高齢者の孤立死など特異なケースに伴うものが多く、この制度の現状についてはあまり知られていない。

現在の生活保護制度は、国民の健康で文化的な最低限度の生活を保障する憲法25条の「生存権」の理念に基づいて1950(昭和25)年にできたものだ。戦後の混乱期には生活困窮者が多く、200万人以上の生活保護受給者が存在したが、その後の経済成長とともに減少し、95年度に88万人と最小を記録した。それ以降は急激な増加傾向が続き、2011年度の生活保護受給者は過去最多となったのである。

一億総中流社会といわれた日本が、いつの間にか大きな経済格差の国になった。09年に厚生労働省が発表した相対的貧困率(等価可処分所得の中央値の半分に満たない世帯員の割合)は15.7%とOECD諸国の中でも極めて高い。若年層の失業や非正規雇用が増加し、世代間の経済格差が広がり、貧困の世代間連鎖も始まっている。

政府は2012年7月「生活支援戦略・中間まとめ」を公表し、生活保護制度の見直しにも言及しており、今後の生活保護制度のあり方は、「社会保障と税の一体改革」においても重要な課題なのである。その背景には、生活保護制度の捕捉率(生活保護基準以下で実際に生活保護費を受給している世帯の割合)が低く、まだ多くの潜在的生活保護者が想定されることや非正規雇用の増加とともに将来の生活保護予備軍が大量に発生する可能性があることなどが考えられる。

戦後、日本は高度経済成長を遂げ、国民生活はとても豊かになったというが、今日では終戦直後を上回る生活困窮者が生じている。いくら働いても貧困から抜け出せないワーキングプア、経済基盤が脆弱で結婚したくてもできない若者、親が健康保険料を支払えずに無保険状態に陥る子どもたち、われわれはそのような現実を直視しなければならない。本レポートでは、今日の生活保護制度の現状と課題を明らかにし、生活保護受給者が増大する社会的背景となる格差・貧困の拡大と生活保護クライシスへの対応について考えてみたい。

1―生活保護受給者・世帯の現状と課題

1|被保護実人員と被保護世帯数
2012 年6月に厚生労働省が発表した 2011 年度
の生活保護の被保護実人員(月平均)は、206 万人
を超えて過去最多となり、対前年度比で 5.9%増
加した。一方、被保護世帯数は 1951 年度の 69 万
世帯から 150 万世帯へと2倍以上に増加し、対前
年度比も 6.3%増である。また、人員保護率(人口
千人当りの被保護実人員)は 16.2、世帯保護率(千
世帯当りの被保護世帯数)は 29.0 といずれも高く、
95 年度以降上昇し続けている。被保護世帯の平均
人員は、1951 年度の 3.0 人から 2010 年度には 1.4
人に減少しており、当初の被保護世帯数は被保護
実人員に比べてかなり少なかった。しかし、生活保護制度が生計を一にする世帯をベースにする制度
であるために、世帯の縮小とともに被保護世帯数が急速に増加している(図表1)。

2|世帯縮小の影響
被保護世帯の平均人員は一般世帯よりも少なく、世帯規模が小さい。その理由としては、一人暮ら
しや夫婦のみ世帯といった小規模世帯では家計効率の低下が起こるからだ。世帯人員別の世帯消費支
出から一人当たりの消費支出を比べると単身世帯の場合は5人世帯の2倍以上になっており、これは
世帯に共通した住居費や光熱費など固定費部分が共有されるために世帯規模のスケールメリットが働
くからである。このように世帯人員規模と一人当たりの消費支出には負の相関関係があり、今後も世
帯の縮小という世帯構造の変化が生活保護受給者の増加要因になると考えられる。

3|世帯類型別被保護世帯
2011 年度の世帯類型別に被保護世帯数をみると、高齢
化の進展により「高齢者世帯」が 63.6 万世帯(42.5%)
と最も多く、次いで「傷病・障害者世帯」が 48.9 万世帯
(32.6%)となっている。過去 10 年間の増加数をみると、
「高齢者世帯」が 23.3 万世帯、「その他の世帯」が 18.2
万世帯、「傷病・障害者世帯」が 17.0 万世帯の増加とな
っている。
ここで注目すべき点は、稼動能力があると思われる「そ
の他の世帯」が大幅に増加し、その構成比率が近年急上
昇していることだ。08 年度が全体の 10.6%だったのが、
09年度 13.5%、10年度 16.1%、そして 11年度には 16.9%
になっている。一方、「傷病・障害者世帯」比率は低下傾向を示している(図表2)。
 


4|保護開始理由とその背景
生活保護受給者が増加する理由としては、高齢化の進展により稼働能力が低い「高齢者世帯」が増
加していることがある。一方、前項でみたように稼働能力があると思われる「その他の世帯」が増加
しているのはなぜだろう。保護開始の主な理由別世帯数をみると、06 年から 08 年は、「傷病による」
が全体の4割以上と最も多かったが、09 年、10 年は、「働きによる収入の減少・喪失」が3割程度と
最大になっており、実際に完全失業者数も 09 年以降大幅に増加している。また、「貯金等の減少・喪
失」が 08 年度以降大幅に増加しており、貯蓄を取り崩してそれが底をついて生活保護にいたる人が増
加したことがわかる(図表3)。
このようにこれまでは傷病等により働くことが困難になり生活保護を受給していたのが、リーマン
ショック以降は失業などにより稼働能力があるにもかかわらず生活保護を受給せざるを得なくなった
人が増加しているのだ。その背景には、雇用保険の失業給付を受けられない非正規雇用者が増加し、
失業から直ちに生活保護受給へ陥る可能性が高いことが考えられる。
また、総務省の労働力調査によると、12 年の非正規雇用者(「パート・アルバイト」「派遣社員」「契
約社員・嘱託」など)は 1,786 万人でこの 10 年間に 305 万人増加し、一方、正規雇用者は 11 万人減
少している。非正規雇用者の割合は 35.1%と 10 年間に 4.9%上昇し、3人にひとりは非正規雇用者に
なっているのである(図表4)。

5|潜在的生活保護世帯
日本の生活保護費は社会保障給付費全体の3%程度で、諸外国に比べてかなり低い。その理由のひ
とつは、「生活保護捕捉率」の低さにある。厚生労働省が 07 年の「国民生活基礎調査」を元に 2010
年に算出した捕捉率は 32.1%、総務省が 04 年の「全国消費実態調査」を元に算出した数値は 68.4%
となっている。一部研究者の間にはおおよそ 20%程度とする試算もあり、正確な受給資格のある生活
保護世帯数を捉えることは困難だ。また、生活保護制度は申請主義で受給資格者であっても利用しづ
らいこともあり、現在の生活保護制度では実際に受給資格がありながら受給していない潜在的生活保
護世帯がかなりあることは確かだろう。

*注:ここでは役員を除く雇用者

(資料)総務省「労働力調査」より作成

 

2―生活保護給付費・財源の現状と課題

1|生活保護給付費
2009 年度の社会保障給付費は、99 兆 8,507 億円と 10 年前(2000 年度)に比べ 21 兆 7 千億円(27.8%)
増加、対国民所得比は 21.0%から 29.4%に上昇している。部門別では「年金」が 51 兆 7,246 億円
(51.8%)、「医療」が 30 兆 8,447 億円(30.9%)、「介護」が 7 兆 1,162 億円(7.1%)となっている。
生活保護費(事業費ベース)の実績値は3兆 72 億円(09 年度)と 10 年前(00 年度)に比べ 1 兆 7 百億
円(55.1%)増加し、社会保障給付費に占める割合は 2.5%から 3.0%に上昇した(図表5)。
生活保護費には食費や光熱費などの生活扶助、家賃などの住宅扶助や医療、介護、教育など8種類
の扶助費があり、09 年度の受給者数では生活扶助が 159 万人、住宅扶助が 146 万人、医療扶助が 141
万人の順に多くなっている。一方、受給金額では医療扶助が 48.3%と全体の半分程度を占めており、
生活保護は生活扶助以上に病気等を抱えた人に対する医療費補助の役割が大きくなっている。
その背景には生活保護受給者の受診率が高く、その一人当たり医療費は国民健康保険のケースより
高額になっていることや自己負担がないために患者、医療機関双方にモラルハザードが生じて、過剰
医療や後発医薬品の低使用率などに繋がっている可能性も指摘されている。また、近年では稼動能力
のある「その他の世帯」が増えていることから住宅扶助の割合が上昇している(図表6)。






2|財源問題
次に生活保護の財源をみてみよう。2012 年度の一般会計
歳出は 90.3 兆円で、社会保障関係費は 26.4 兆円と全体の
29.2%を占める。社会保障関係費の内訳をみると、年金が
30.9%、医療が 32.6%、介護が 8.9%とこれら3者で 72.3%
を占める一方、生活保護費は 2.8 兆円(10.7%)となって
おり、前年より2,254 億円(8.6%)増加している。
生活保護費は国が4分の3、地方自治体が4分の1を負
担するが、地方自治体における保護率の差は大きい。09 年

 


度の都道府県で最大は大阪府の 2.94%、最小は富山県の 0.27%となっている。特に東京 23 区や政令
指定都市など大都市の保護率が高く、それが 5.7%と全国一高い大阪市では、12 年度の生活保護予算
が一般会計の 17.8%、約 3,000 億円に達しており、地方自治体財政を圧迫している。
生活保護費(事業費)と財源の関係をみると、年金、医療、介護と生活保護では大きな違いがある。
09 年度の年金、医療、介護の給付額合計は 89 兆6千億円だが、そのうちの61.8%の 55 兆 4,126 億円
は社会保険料で賄われている。しかし、生活保護費は全額を国と地方の財政負担になることから、今
後の生活保護費の増加は国と地方の財政を直撃することになり、財源問題は生活保護制度が抱える最
大の課題といえるだろう。

3|不正受給状況
09 年度は約2万件、102 億円の不正受給があり、不正内容は稼動収入や各種年金等の無申告が全体
の7割を占めている(図表8、9)。不正受給額は生活保護費の 0.3%程度だが、実際にはまだ多くの
潜在的な不正受給がある可能性が高い。その理由としては、受給申請者の急増に対してその審査に当
たる自治体の福祉事務所のケースワーカーの人員不足がある。ケースワーカーは被保護世帯 80 世帯に
つき一人の標準配置(市部)が定められているが、受給申請者の扶養義務者の確認、保有資産の評価、
給付費の算定に加えて、保護後の生活状況の確認や就労支援などきわめて広範な業務があり、十分な
審査が難しくなっている。

4|生活保護基準と最低賃金
受給者が減らない理由として、生活保護の給付額が最低賃金を上回る逆転現象が 11 都道府県でみら
れるなど、就労インセンティブが働かないといった制度上の課題もある。そこで就労意欲を喚起する
ために働いて得た稼動収入を積み立てる制度などが検討されている。
また、世帯類型別にみた世帯主の就労状況をみると、「母子世帯」の就業率は 42.6%、「その他の世
帯」でも 27.7%とかなり高くなっている。このような「母子世帯」に典型的にみられる、働いても生
活保護を脱却できないワーキングプア問題を解消するためには、最低賃金の見直しなど雇用条件の更
なる改善が不可欠であり、給付付き税額控除の検討なども求められる。

 


3―生活保護クライシスへの対応

1|高齢化・世帯縮小による生活保護給付の拡大
生活保護制度は、元来、病気などにより稼働能力を失った人の生活を国が保護するために設けられ
たものだが、今後は高齢化の進展という人口構造変化の中で多くの高齢者の稼働能力の低下は避けら
れない。また、世帯縮小という世帯構造変化における家計効率の低下も必然的である。その結果、生
活保護給付の大幅な拡大が見込まれる。この給付拡大に対応するためには、現在の生活保護制度にお
ける不正受給の防止や生活保護基準の見直し、そして生活保護費の半分を占める医療扶助の適正化な
ど「制度運用機能」の強化が必要である。そして憲法が保障する生存権に基づき『必要な給付額が必
要な人に届く』ための適切な財源活用が求められる。

2|稼働能力がある生活保護者の増加
新たな課題として生活保護からの脱却を図るために稼動能力のある人の就労支援が重要になってい
る。近年の失業者等の稼働能力のある生活保護受給者の増加傾向は、この制度の社会的・機能的位置
づけが大きく変化していることを意味している。失業に対する保護体制は、本来は雇用保険と生活保
護が二層構造になっているのだが、非正規雇用者はその一方を喪失している。今後は非正規雇用者へ
の雇用保険の適用拡大が求められる。
これまでも国は「福祉から雇用へ」推進5ヶ年計画を立て、すべての自治体で生活保護受給者等就
労支援事業を実施している。11 年 10 月からは求職者支援制度を設け、雇用保険を受給できない人も
別途職業訓練と生活給付を受けられるようになった。このように生活保護制度は、経済的に困窮した
人を受け止める「セーフティネット機能」に加え、雇用政策と連携してその人たちを元の社会へ復帰さ
せる「トランポリン機能」の強化が一層重要になっているのである。

3|生活保護予備軍の増加
現在の生活保護受給者への対応とともに、長期的な生活保護者の発生を抑制するための対策が必要
だ。現在の非正規雇用者は約 1,800 万人と雇用者の3人にひとりに上っている。最近の報道でも、大
手小売業が正規職員を半減し、パート職員の比率を9割まで高めると伝えられている。今後増え続け
るこれら非正規雇用者の多くが、高齢期に無年金者や低年金者になる可能性がある。万一、その半数
が生活保護に陥るとすると、潜在的生活保護者を加えた生活保護者は全体で千数百万人にもなり、最
大の生活保護クライシスとなる。長期的にみた場合、これら生活保護予備軍と見込まれる人たちに対
して、年金、医療、雇用等の社会保険の適用や最低賃金の改善による「雇用保障機能」の強化が生活
保護予備軍の増加を抑制し、今後の日本全体の社会保障のあり方を考える上でも極めて重要な鍵とな
ろう。

4|格差・貧困の拡大と連鎖
今日の生活保護受給者の増加の最大の理由は、日本社会の格差・貧困の拡大である。世代内の格差
解消には世代内相互扶助が必要だ。一方、世代間の格差解消には貧困の連鎖を断ち切ることが急務で
あり、その根幹をなすのが教育支援である。貧困は教育の欠如により連鎖し、固定化していく。OE7
| |ジェロントロジージャーナル No.12-014|Copyright c2013 NLI Research Institute All rights reserved
CD「図表でみる教育 2012」(2012 年9月)によると、日本は公財政教育支出の一般政府総支出に占
める割合が 8.9%とOECD加盟国 32 カ国中で最下位である。『教育は未来への投資である』と言わ
れるように、子どもの生育環境に係らず誰もが一定水準の教育を受けられるだけの公的支出が不可決
なのである。さらに生活基盤となる居住保障のための住宅整備や日常の健康的な食生活の支援など、
次世代が自立生活を営むための「生活保障機能」の強化が必要である。
このように生活保護クライシスへの対応として、高齢化・世帯縮小により拡大する生活保護給付の
財源確保のための「制度運用機能」の強化、増加する稼働能力のある生活保護者の就労支援のための
「トランポリン機能」の強化、将来大量に見込まれる無年金・低年金の生活保護予備軍のための「雇
用保障機能」の強化、そして格差・貧困の拡大と世代間連鎖を断ち切るための公的教育投資をはじめ
とする「生活保障機能」の強化、これらが教育・雇用・住宅・医療などの関連政策と連携して実行さ
れることが求められる。

おわりに〜幸福度からみた政策選択
最後に稼動能力を有する人に対する政策のあり方を幸福度の視点から考えてみたい。働ける人が生
活保護を受給して暮らすことは、社会の仕組みとして望ましくないばかりか、本人にとっても大きく
幸福感を阻害する。何故なら、働くことは経済基盤を形成すると同時に人が生きる喜びや生きがい、
自己肯定感を得る上で不可欠だからだ。失業給付を受けるより同額を自ら稼ぐ方が生活満足度は高く、
失業は明らかに個人の幸福度を低下させる。つまり稼働能力のある失業者に対して失業給付や生活保
護費を給付するより、同額を使ってでも就業支援や雇用創出を図る方が、個人や社会全体の幸福度の
観点からみても社会的効用が大きいと考えられる。働くことに喜びを感じ、働くことが正当に報われ
る社会を創ることが、格差・貧困の拡大と連鎖を防ぎ、生活保護クライシスの回避につながるのでは
ないだろうか。

(参考)研究員の眼『「生保」、その新たな課題〜「セーフティネット」から「トランポリン」へ』(2012 年 8 月 27 日)
基礎研 REPORT(冊子版)『格差社会を考える〜容認されない格差とは何か』(2011 年 6 月号)
基礎研 REPORT(冊子版)『若者の社会的孤立について〜公平な人生のスタートラインをつくる』(2010 年 7 月号)

関連カテゴリ
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関連リンク
「生保」、その新たな課題〜「セーフティネット」から「トランポリン」へ
格差社会を考える〜容認されない格差とは何か〜
若者の社会的孤立について〜公平な人生のスタートラインをつくる〜

http://www.nli-research.co.jp/report/gerontology_journal/2012/gero12_014.html

 
“幸せ”のマネジメント −「笑う門には福来る」
2013/03/04

研究員の眼2013年03月04日全文ダウンロード(180KB)
多くの人が幸せな人生を願っているだろう。“幸せ”の実現には、暮らしを支える様々な社会的厚生(Social Welfare)の蓄積が必要だ。その社会的基盤となるのは、介護・医療・年金などの社会保障をはじめ、誰もが享受できる教育、仕事と子育て・介護などが両立するワーク・ライフ・バランス、安全で安心できる食糧供給、治安や防災のための都市インフラ・・・などなどである。

一方、これらの社会的基盤が整うことは“幸せ”実現のための必要条件ではあるが、それで誰もが幸せになれるわけではない。同じ状況下にあっても“幸せ”を実感する人もいればそうでない人もいるだろう。主観的な幸福度は、個人の価値観や意識に大きく依存しており、それ故に自分自身で幸せになる状況をマネジメントすることも可能なのである。

内閣府「国民選好度調査」では国民の主観的幸福度を「とても幸せ」を10点、「とても不幸」を0点として、「あなたはどれくらい幸せですか?」と質問している。10点と回答する最も幸せな人とはどのような人か。それは客観的に最も恵まれた人というよりは、“幸せ”を感じとる感受性を備えた人ではないだろうか。何故なら、人間の欲望は際限なく、換言すれば「足るを知る」ということかもしれない。“幸せ”が常に拡大し続けなくてはならないとすると、本当の“幸せ”は訪れないだろう。

また、多くの幸福度に関する文献を読むと、人が幸せになるためにはあまり人生の細部にこだわらないことが重要なようだ。自分の将来に明るい期待を持っていることや他人と比較しないこと、人に感謝することを忘れない人は幸福度が高い。すなわち楽観的な生き方は“幸せ”をもたらすのである。

フランスの哲学者アラン(1868-1951年)は、93編のプロボ(哲学断章)からなる「幸福論」のなかで、『悲観主義は感情によるが、楽観主義は意志の力による』(第93編)と述べている。“幸せ”は現実の状況と個人の期待値との相関関係や時間軸によって大きな影響を受ける。しかし、個人の期待値は、イソップ物語の「狐と葡萄」のように何かを我慢したりあきらめたりするためのレトリックではなく、自らの価値観やライフスタイルによって決まるのである。

まもなく東日本大震災から丸2年になる。被災地で懸命に立ち上がろうとする人たちのなかに笑顔を見つけた時、アランの「幸福論」の『幸せだから笑うのではない、笑うから幸せなのだ』(第77編)を想起する。日本でも昔から『笑う門には福来る』というが、“幸せ”の実現には、社会的厚生の充実とともに、「笑う」という自らの意志による“幸せ”のマネジメントが重要なのではないだろうか。

 
(参考) 基礎研レター『日本の「幸福度」を読み解く〜OECD「より良い暮らし指標」から』(2012年6月18日)
基礎研REPORT(冊子版)『幸福とは何だろう〜「幸福社会」への見取り図』(2011年8月号)

http://www.nli-research.co.jp/report/gerontology_journal/2012/gero12_014.html

続・“幸せ”のマネジメント −“時持ち”という「心の富裕層」
2013/03/11


研究員の眼2013年03月11日全文ダウンロード(172KB)
前回の『“幸せ”のマネジメント〜「笑う門には福来る」』で、『主観的幸福度は個人の価値観や意識に依存している故に、自分自身で“幸せ”になる状況をマネジメントすることもできる』と書いた。では、そのマネジメントを考えて行くうえで、人が“幸せ”になるために必要な要素とは何だろう。もちろん主観的幸福度は個人個人でその内容が異なるが、ある程度共通した要素もあるだろう。

トム・ラス、ジム・ハーター著『幸福の習慣(原題は“WELLBEING”)』(ディスカヴァー・トゥエンティワン、2011年10月)では、アメリカ・ギャロップ社が世界150カ国で50年間にわたり行ってきたグローバル調査の結果から、人の幸福を決定するのは、「仕事の幸福」「人間関係の幸福」「経済的な幸福」「身体的な幸福」「地域社会の幸福」の5つの要素だとしている。

「仕事の幸福」では、仕事は日々のなかで最も長い時間を費やすもので、その人のアイデンティティを作り上げる重要なことと位置づけている。ここでいう仕事とは収入を得るための仕事に限ってはいない。「人間関係の幸福」では、幸福は次々と周囲の人に影響を与える故に、個人で完結するのではなく、家族や友人との関係性が重要であるという。「経済的な幸福」では、経験と思い出にお金を使うと「人間関係の幸福」も満たされて幸福は持続するとしている。「身体的な幸福」では、運動の習慣化と睡眠がストレスを減少させて幸福度を高め、「地域社会の幸福」では、自分が住む地域社会をより良くするための活動に参加することで自らの幸福度も向上するという。

私はこれら5つの要素に加えて、「時間の幸福」が重要だと考えている。物理的には同じ「時間」であっても、主観的な「時間」、即ち「時感」は異なる。「時間」に従属するのと、「時間」の主体(オーナー)になるのとでは、「時感」に大きな差が生じるのではないだろうか。人と待ち合わせる場合も、「待たされる」と思うと「時間」に従属することになるが、主体的に「待つ」と『時間のオーナーシップ』を持つことになり、「待つ」ことが結構楽しいものとなるからだ。

ミヒャエル・エンデの『モモ』は、時間泥棒に「時間」を盗まれて人間らしさを失った人たちが、時間貯蓄銀行から「時間」を取り戻していく話だ。現代を生きる人たちにとって本当の“時持ち*”とは、単なる「時間」持ちではなく、“幸せ”の「時感」持ち、即ち『時間のオーナーシップ』を獲得することだ。その結果、自らの“幸せ”になる状況をマネジメントできるようになるのである。「時間」の主体(オーナー)になった“時持ち”こそ、今を“幸せ”に生きる「心の富裕層」ではないだろうか。

 
* お金をたくさん所有する「金持ち」に対して、「時持ち」とは時間がたくさんある人を意味するが、本稿では時間の量ではなく、時間を主体的に使える『時間のオーナーシップ』を有する人を「時持ち」としている。 

 
http://www.nli-research.co.jp/report/researchers_eye/2012/eye130304-2.html


 



「貧困を生み出さず、固定化しない」新たな生活困窮者支援の仕組みへの期待

2013年3月12日 社会政策コンサルティング部 山岡 由加子

今、我が国における貧困の問題は極めて深刻化している。厚生労働省の2013年2月の発表(*1)によると、2012年11月時点における生活保護受給者は214万7303人となり、過去最多を記録した。この「過去最多」は近年更新され続けており、その事態の深刻さが伺える。また、貧困の状況を示す国際的な指標の1つである「相対的貧困率」(*2)についても、1985年には12.0%であったものが2009年には16.0%に上昇した(*3)。この相対的貧困率は、子どもに限ってみても15.7%と高い数値を示しており、子ども世代への影響も生じている、つまり「貧困の連鎖」の点においても由々しき問題である。
このような状況下ではあるが、政府は本年1月29日にとりまとめた平成25年度予算案の中で、生活保護基準を引き下げる方針を示した。その方針のもとでは、食費などの生活費に充てる「生活扶助費」が2013年6月から3年かけて、段階的に8.3%削減される予定である。
生活保護基準の見直しは、一般世帯との均衡という観点からは検討されるべき課題であるものの、深刻化する現下の貧困問題への政策対応が、単に給付の抑制だけに終わってはならない。実際、貧困問題への対処は、給付などによりその足りない状態を補填する対応だけでは問題の根本的な解決とはならない。貧困に陥ることを予防する、また貧困に一度陥ったもしくは陥りそうになった人が早期にそこから脱却できる仕組み――すなわち「貧困を生み出さず、固定化しない仕組み」をつくることが極めて重要な課題である。
実際、2013年1月25日に発表された厚生労働省社会保障審議会「生活困窮者の生活支援の在り方に関する特別部会」報告書においては、貧困を予防し、早期の回復を図るための新たな生活困窮者支援制度の方向性が示されている。具体的には、生活困窮者を支援する新たな相談支援事業を核として、地域における既存の制度や行政サービスなどのフォーマルな資源だけでなく、地域のNPOの活動や地域住民による助け合いなどインフォーマルなものも含む多様な資源を結びつけながら、その協働のもとで生活困窮者の自立と社会参加を促進することが計画されている。これは、これまでにあった既存の仕組みでは、対象者や提供できる支援が限られて縦割りの制度となりがちであったところを、地域にある資源について制度のはざまを超えて活用し、それら多様な資源を総合的に「縫い合わせる」機能を持つ点において、全くこれまでとは異なる新しい仕組みとなる。さらには、生活困窮者支援の資源を充実させるため、すぐに通常に賃金を獲得する一般的な就労に結びつくことが難しい人に対する中間的就労(*4)の機会の提供、居住確保の支援、家計相談支援などの新たな事業の創設も織り込まれている。なお、この制度は早ければ2015年度(平成27年度)からの本格実施を目指して検討されている。
この新たな仕組みがこれから実効性を持つものとなっていくためには、これが必要となった社会背景と本来的な意味合いに立ち返って考え、その意味合いに即した推進を図ることが重要である。我が国においてここまで生活困窮者が増えてきた背景には、非正規雇用の増加など労働市場の変化に加え、単身世帯の増加や核家族化による家族機能の低下、地縁の希薄化などの現象が大きく影響している。家族や地域の中での相互扶助から漏れてしまうことが、いざその人の自助が病気や失業などで危険にさらされた際に、代わりの家計の支え手がいない、病院への通院や必要な行政手続き等を補助する人がいないなど、リスクをカバーできる受け皿がない状況を生み出している。つまり、経済的な意味合いでの困窮は、孤立による社会資源の欠如と密接に関係しているのであり、本人を取り巻くネットワークの再構築なくしては生活困窮の予防と早期回復は難しいのである。
新たな生活困窮者支援制度は、「制度を超えて」「新たなつながりを生み出す」という志を持って設計されており、その本来的な理念が実現されるならば、我が国社会の歪みを埋め、貧困の発生と連鎖を防止するものとして期待できる。今後、財源的な手当や人材育成、そして実践の蓄積と検証が大きな課題になるとは考えられるが、この新たな制度が本来の理念の実現に向けて船出することを期待したい。

*1厚生労働省「被保護者調査(月別概要:平成24年11月分概数)」
*2世帯員ごとに計算された可処分所得を合算し、世帯の可処分所得を等価世帯人員(世帯人員の平方根)で除した「等価可処分所得」の中央値の半分に満たない世帯員の割合を示すもの。
*3厚生労働省「平成22年国民生活基礎調査の概況」(2010年)
*4厚生労働省社会保障審議会「生活困窮者の生活支援の在り方に関する特別部会」報告書においては、直ちに一般就労を求めることが難しい人に対して、一般就労に向けた支援付きで、軽易な作業等の機会を提供する訓練の場として位置づけられるものであり、就労のみならず社会参加の場として活用されることもありうるものとされている。中間的就労にあたっての労働者としての位置づけをどのように整理すべきかなどについては、今後の検討課題となっている。


 


 


[FT]新法王は貧困問題で存在感示せ(社説)
(2013年3月15日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)

 ローマ法王に初の中南米出身のフランシスコ1世が選出された。イエズス会からは初めて、欧州外からは千数百年ぶりの法王誕生となる。だが、重要なのは新法王の個人的資質だ。フランシスコ1世はその名が示す通り、質素な生活と貧困層の支援で知られる。カトリック教会の改革を求める時代の流れに順応できるのか、それとも逆行することになるのか。

■児童虐待問題や神父不足など課題山積

法王として初めてのミサを開いたフランシスコ1世(3月14日、バチカン)=ロイター
 若々しいとはいえ、76歳という年齢は世界中に信者を抱え、様々な問題に揺れるカトリック教会を率いるのに最適とは言い難い。ローマ法王庁(バチカン)の資金を管理する宗教事業協会(バチカン銀行)の資産は約80億ドルに上る。だが、マネーロンダリング(資金洗浄)への対応は十分とはいえず、透明性向上と業務改善が望まれる。

 対外的には、児童虐待問題への対応が重要だ。新法王は母国アルゼンチンの友人に「いかなる違反も許さない」との決意を打ち明けたとされる。まずはこの問題の実態を明らかにし、さらに、アルゼンチンの軍事独裁下での神父誘拐事件に関する疑惑払拭に取り組まなくてはならない。

 現在、世界12億人の信者のほぼ半数が中南米に集中しており、カトリック教会を取り巻く状況は大きく変化している。中南米のカトリック教会も他の地域と同じ問題に苦しんでおり、神父の数はむしろ足りない。神父の独身制が自由化されなければ、将来的には秘跡の儀式を執り行う司祭が不足する事態も考えられる。

■貧困問題で独自性の発揮を

 実際、カトリック教会が性的虐待問題から立ち直るには、フランシスコ1世が法王として自らのバックグラウンドをどう生かせるかがカギとなる。中南米ではアルゼンチンなど数カ国で同性婚が法的に認められている。保守派の新法王は同性婚を批判しながらも、同性愛者のカップルに通常の夫婦と同等の権利を与える「合同生活(シビルユニオン)」には異議を唱えていない。

 もっとも、新法王が独自色を出せる可能性が高いのは貧困問題だ。世界で最も貧富の差が大きい中南米出身であるため、性的虐待よりも貧困問題について語りかける方が共感を得るだろう。かつてのアルゼンチンと同様に緊縮生活を強いられている欧州南部では、特に大きな反響を呼ぶだろう。

 フランシスコ1世の第一声は「ボナセーラ(こんばんは)」だった。サン・ピエトロ広場に集まった信者への挨拶が、多くの問題を抱えるカトリック教会の落日を暗示するものになるのか、時がたてば分かるだろう。
http://www.nikkei.com/article/DGXNASGV15002_V10C13A3000000/

 


2013年 3月 17日 19:28 JST
新たな「未婚の母」問題
By KAY HYMOWITZ, W. BRADFORD WILCOX AND KELLEEN KAYE

「若いシングルマザー」と聞けば、高校を中退した10代の女性を思い浮かべる米国人は多い。しかし、そのイメージはもう古い。10代の女性の妊娠率は過去20年にわたって低下を続けている。現代の未婚の母とは、高校を卒業した20代の女性で、おそらく子どもの父親と同居している。

現代の未婚の母は恵まれているように見えるかもしれない。しかし、高校中退の10代が抱えていたのと同じ問題の多くを現在の未婚の母も抱えている。30歳が新しい世代にとって20歳だとすれば、現在の20代の未婚の母はかつての10代の母親とも言うべき存在なのだ。そうした親の元の生まれた子どもは、その誕生のときから非常に不利な立場に置かれるという残念な結果が待ち受けていることもほとんど変わらない。

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Brian Stauffer
「ガールズ」や昔で言えば「フレンズ」といったテレビドラマのおかげもあって、私たちは現代の20代を思春期の延長のような移行期と考えがちだ。仕事やキャリアを次々に変え、カフェやバーで友達と時間を過ごす。車の試乗のように恋人関係を試し、自分探しを続けている。4年制大学を卒業した3分の1の女性にはこうした図式が当てはまる。だが、米国女性の3分の2は20代で最初の子どもを出産する。多くは婚姻外で。

婚姻外の出産は出産全体の41%を占めている。米疾病管理予防センターによると、そのうち60%は20代の女性だ。10代は20%に過ぎない。1990年から2008年の間に10代の妊娠は42%減少した一方で、20代の婚姻外の出産は27%増えた。

その原因の1つは結婚年齢の上昇だ。この40年の間に結婚年齢はじりじりと上昇し、現在では女性が27歳、男性は29歳だ。

その結果、教育を終え、安定した職業を持ち、経済的にも落ち着いてから子どもを持つ若者が増えている。30歳まで結婚しなかった大卒の女性は早く結婚した女性より年収が1万ドル多い。また離婚率も低い。

だが遅い結婚は大卒には良い結果をもたらしているが、高卒や4大卒ではない50%以上にとってはそうではない。

実のところ、労働者階級や下位中流層20代の母の生活苦は結婚が遅いことに原因がある。1970年代に結婚年齢が上昇し始めたときは、初産年齢も上昇した。しかし2000年までに文化が変わった。結婚式は延期しても、子どもを生むのはそれほど先延ばしにしなくなったのだ。今や、初めて子どもを産んだ女性の58%は未婚だ。CDCによると、大卒で未婚で出産する女性は12%だが、高校中退者では83%だ。

多くの20代の未婚の母は出産時には子どもの父親と住んでいるが、3分の2は子どもの5歳の誕生日までに別れる。

こうした親は別のパートナーと新たに子どもをもうけることが多い。継父、継母など姻戚関係が複雑になる。こうした不安定な関係が子どもの幸せに非常に大きなリスクになっていることが多くの調査で明らかになっている。

こうしたことからなぜ結婚を遅らせるのか、そしてなぜ、大卒と大卒以下の差が大きいのか、という2つの疑問が生まれる。

そこには一連の経済的、文化的な力が働いており、それが相まって影響を強めている。

知識経済化と仕事に要求される能力が高まるにつれ、中流の生活をするためには高等教育が必要になった。また、男女を問わず仕事で達成感を感じるためにも教育が重要になった。このことが婚期だけでなく結婚の意味も変えた。かつて結婚は大人になったことの証明で、経済的安定と家族の基盤だった。だが今は職業的、心理的、経済的に準備ができたときにしかできない高嶺の花になった。

だが、教育レベルが低く、経済的にも恵まれない多くの若者は堅実な将来を描けなくなった。製造業の雇用が減り、男性の平均賃金が低下傾向にあるため、高い技能のない男性にとっては結婚に必要な経済的な安定を得ることが難しくなった。

一方で、プロフェッショナルになることが見込めないような職に就いている若者は伝統的な若い大人の証である「子育て」に意義と満足を見いだすのだ。ほとんど全ての未婚の若者は当面は妊娠を避けることが重要だと言うが、3分の1は、もし妊娠したら少しは幸せが増すと考えている。こうして若い女性が、結婚相手にふさわしくない、あるいは結婚の覚悟が出来ていない男性と「図らずも」子どもを作ってしまうのだ。

こうした未婚の20代の親が米国の経済的、社会的問題の原因であり帰結であることは皮肉で残念なことだ。安定した既婚のの元に生まれる子どもは高校、大学を卒業し、知識経済社会で生きていける能力を身につけられる可能性が高い。そして親と同様に結婚し、安定した家庭を築く。逆もまた真なりだ。

こうした不安定な若い親を助ける方法は、所得に応じた生活保護から良い仕事について高収入を得られるような職業訓練の強化まで多くの政策手段がある。こうした若い親と共に妊娠や結婚、職業についての長期的な計画を形作っていくことも重要だ。

しかし、より大切なのは教育者や雇用主、政治家、親、エンターテインメント界の人々が若者と一緒に20代の未婚女性の出産率の引き下げに関する国民的な議論をしていくことだ。もちろん議論にとどまってはいけない。10代の妊娠を減らす運動は成功した。この問題でも成功できるはずだ。

。ハイモウィッツ氏はマンハッタン研究所のフェロー。ウィルコックス氏はバージニア大学の全米結婚プロジェクトのディレクター。ケイ氏は10歳代の妊娠と計画外妊娠を予防する全国キャンペーンの上級研究ディレクター。全米結婚プロジェクト、10代の妊娠と計画外妊娠を予防する全国キャンペーン、RELATE研究所の共同研究による報告書「米国における結婚年齢の上昇のプラスとマイナス(Knot Yet:The Benefits and Costs of Delayed Marriage in America)」から翻案した
http://jp.wsj.com/article/SB10001424127887324823704578365881084064010.html


02. 2013年3月18日 09:47:56 : F1Ll0u2V9k
一方日本では遺産税の検討が始まった。
日本国民の総資産は8000兆円以上であり、これに2割の遺産税で政府財務はチャラになる計算だ。
事実上の日本版預金封鎖だな。

財政難で遺産税

日本政府は相続税の課税強化だけでなく、全ての遺産に満遍なく課税する【遺産税】の導入を検討しており、日経新聞の論説に一部小さくこの【遺産税】について掲載されていましたが、殆どの方は気づかなかったはずです。

もはや日本の国家財政は放漫支出のために、どのような経済モデルを使いましても破綻しかなく、ならば財務省からすれば、課税して税収を上げるとなり、確実にしかも早く徴収できる遺産税を導入するのが最適となっているものです。

預金、現金、株式、投信には税率10%から30%とし、不動産等には5%から10%の課税とすれば、かなりの税収が見込めます。
遺産額1億円以上は30%の遺産税課税となれば、都会に住宅を所有してある程度の金融資産を保有する高級サラリーマンからも十分徴収できます。


日本人は多額の預金を遺産として遺す事例が多く、財政難の今、この預金や投信、株式に目を向けない手はありません。


財政問題につき全く報道されていませんが、専門家はアリバイ的に論説文を発表して『警報』を出しています。

http://blog.livedoor.jp/nevada_report-investment/?p=3


03. 2013年3月18日 09:49:54 : F1Ll0u2V9k
誤字った

政府財務→政府債務


04. 2013年3月18日 09:52:08 : Qs2ppwNA3w

真のリーダーシップに求められる資質を持つ日本人
ハイフェッツ教授の「教えない授業」が教えるもの
2013年03月18日(Mon) 鎌田 華乃子
 「リーダーシップのある人」と聞くと、明晰な頭脳でゴールに到達するために今何をすべきか判断し、自信を持って人々を引っ張っていく人を想像すると思います。

 私もそう思っていました。そしてリーダーシップを発揮することは、ある一部の資質を持つ人たちが担うべきで、自分のような一市民が担うものでも、担えるものでもないと。

 そんな私の思い込みを見事に打ち崩し、かつ、これからの世界でリーダーシップを発揮するのは日本なのではないかと考えるようになったきっかけ――現代社会に求められる「答えを持たないリーダーシップ」――を今回お話しさせてください。

「教授が教えない!」 学生が大混乱する奇妙な授業

 それに出合ったのはハーバード・ケネディ・スクールの授業でした。同校はパブリックリーダーを養成する学校としてリーダーシップ教育に注力しており、様々なリーダーシップの授業があります。

 その中でも、特に人気そして伝説的にもなっているのがロナルド・ハイフェッツ教授によるリーダーシップの授業です。

 授業の方法は今までに体験したことがないものです。

 ハイフェッツ教授は授業初日に教室にやって来て、一通り事務手続きを話した後、黙りこくってしまいます。以降の授業でも、少し話したかと思うと教室脇にある椅子に座ってぼーっとしています。


教室は半円形で学生全員の顔が見えるようになっており、生徒は全員名前が書いてある大きなネームカードを机に立てる(筆者提供)
 授業の大半はある意味、授業放棄とも言える状態のため、学生は混乱に陥ります。

 「私たちは何を学んでいるんだ」「高い授業料を払ってこれか」「学生の意見なんて聞きたくない。私は教授の話を聞きたいんだ」

 みんな言いたい放題、まさにカオス、混乱状態に陥ります。学生間の高まる緊張感に自身の紛争体験を重ねて泣いてしまう人もいました。

 教授はたまに重い口を開いて話し出したりしますが、怒った学生たちは「こんな授業でいいと思っているのか。私たちはこの数週間何も学んでいない。教授のやり方は間違っている!」と教授をも攻撃し始めます。

 先生が講義しない授業なんて、いったい何の役に立つのか? と疑問を抱かれると思います。でも、これは多様な意見を持つ人々が集まる、いわゆる現実の世界を教室に再現したものなのです。

 私たちは権力や地位を持つ人にその場をリードし、答えを出してもらうことを期待しがちです。

 教室ではそれが教授で、現実の日本社会では首相と言えるでしょう。その権力を持つ教授が授業放棄をすると、誰かに導いてもらえなくなり混乱状態に陥る。

 そして自分たちの問題はさておいて、上手くリードできない権力者を攻撃し始める事態は、毎年首相が代わる日本と重ならないでしょうか。

 毎回大混乱の授業を重ねていくうちに、学生たちは気づき始めます。これは実際の世界を再現しているもので、実社会でリーダーシップを発揮するためには教授の講義を聞くことが最善の学びとも言えない。

 そうであれば、この教室に再現されたミニチュアの世界で、どうすれば何も権力を持たない自分がより良い授業をつくっていけるか挑んでいこうと。

 学生たちの発言は攻撃的で身勝手なものから、周りの意見を汲みつつ、今私たちが考えなくてはならない問題に集中するよう変わっていきます。

 「さっきマリナが『自分の発言が無視されている』と言ったことで気づいたのだけど、今日の授業のテーマは「聞くこと」。今まで私たちはちゃんと周りの発言を聞いてきたかな? どうすればもっとお互いのことをよく聞けると思う?」


最終授業の後にハイフェッツ教授と。後ろの黒板には、Authority(権力)≠Leadershipと書かれている(筆者提供)
 こうして学期の終わりには、教授が仕切らずに学生たちがランダムに発言するにもかかわらず、まとまりと内容のある授業になっていきました。

 この授業放棄とも言える特殊な授業は、ハイフェッツ教授の唱えるリーダーシップのコンセプトを、学生自身が悩み、考えることで体に染み入るように吸収できるよう考えられたものなのです。

 多くの人は学校で学んだことを卒業後に忘れてしまうのではないかと思いますが、この授業を受けた学生は、卒業後も実社会で問題に直面した際に授業のことを思い出し、問題解決に当たっています。実際、私もこの授業で学んだことに大いに助けられています。

先行きが分からない時代に真の問題を提起するリーダーシップ

 さて、ハイフェッツ教授の唱える「答えを持たないリーダーシップ」とは何なのでしょうか。

 教授は現代に求められるリーダーシップを医師に例えて説明します(教授は精神科医でありチェリストでもあります)。患者が治る見込みのある病気の場合、医師は投薬などの治療で病気を治していきます。

 これは問題へ対処する専門知識があれば誰にでもできることです。

 一方で末期の癌患者で治る見込みがない人には、非常に大きな挑戦、「死」と向き合うことが必要になります。医師の説明の仕方や対応次第で患者は途方に暮れ、失望の中で死を迎えるかもしれません。

 しかし医師が患者の性格や患者を取り巻く状況をよく理解して病状を伝え、どうしたら安らかに死を迎えられるか、患者や家族と共に現実を見つめ考えられるように手助けしていけば、患者は残された時間の大切さに気づき、家族との時間を大切に過ごしたり、やるべきことをして充実した気持ちで死を迎えることができます。

 このように、人々に自分が直面しなければならない問題をしっかりと見つめさせ、考えさせ、共に動いていくことが、先行きの分からなくなった現代社会のリーダーシップに求められていると教授は言います。

 なぜそういうリーダーシップが求められているのか、それは今私たちが抱えている問題が非常に複雑で、これまでに経験したことのない、正解のない問題だからです。

 例えば日本が直面する高齢化社会、増え続ける国の借金、大規模な放射能汚染といった問題にはかつて誰も直面したことはなく、正しい解決策を持ち合わせていません。

 そして私たちの抱える問題を解決するには、何かを失うか、諦めなければならないでしょう。そのためにはより多くの人々に問題と向き合ってもらうことが必要なのです。

地位の高い人とリーダーは全くの別物

 私たちは地位が高い人がリーダーだと思いがちですが、教授は「『真のリーダー』と『権力のあるポジション』は全く別物だ」と言います。


坂本龍馬座像(ウィキペディアより)
 これは権力のあるポジションにいる人が、必ずしも社会を良い方向にリードするわけではないことが歴史を振り返っても言えるためです。「一番危険なのは聞こえがよい策を提示する権力者を盲目的に信じてついていき、全員崖から落ちることだ」と。

 そして「社会を変えるために『地位や権力』は必要ではない。どんな地位からでもリーダーシップは発揮できる」と言います。

 例えば明治維新の火付け役となった坂本龍馬は、身分の低い一介の侍でしたが「新しく強い日本をつくる」という多くの人が共感するメッセージを発信し、地位や制約のない立場を逆に利用して日本中を駆け回り、幕府側にも同志を得、薩長という対立するグループの関係を再構築し共に行動を起こさせました。

 龍馬は日本が向き合うべき真の問題を皆に提示することで、国内で争いが起き外国勢に占拠される事態を回避し、日本を維新へと導いていきました。

 この明治維新の状況は、現代にも言えるのではないでしょうか。

 政治家や官僚は実は日本を変えたくても、身動きが取れない状態でいるのかもしれません。かえって地位が邪魔をして、適切な行動を取れず、リーダーシップを発揮できないことも多々あると教授は言います。

真のリーダーシップの資質を日本人は持っている

 これからの複雑な時代に求められているのは、答えを提供するのではなく、真の問題を提起し、皆と共に解決策を考えるリーダーであること。そして地位や役職のある人に頼るのではなく、一人ひとりの市民が社会を良くするためにリーダーシップを発揮することなのです。

 では現代に求められる真のリーダーシップにはどういった資質や行動が必要なのでしょうか。以下に主要な点を挙げました。

●あらゆるステークホルダーを特定し、話をし、理解する

●人の話をよく聞く。話の流れ、文脈を読み、効果的に自分の意思を伝える

●利害が対立する集団と合意できるビジョンを探し共有する

●本当に考えなくてならない問題を人々に提起し、考えさせる

●人々が受け止められる範囲で問題提起を行っていく

●自分一人で問題解決を背負い込まない

●常に鳥瞰的に社会で起きていること全体を観察する

●自分への攻撃を主観的に取らず、背後にある社会的圧力や構造の問題を考える

 私はこのリーダーシップに必要な資質、行動を学んで、日本人が普段自然にやっている様々な利害関係者との調整や、話をよく聞くこと、文脈や空気を読むことが入っていて大変驚きました。

 つまり、現代に求められるリーダーシップは私たち日本人にとって難しいことではないのです。

 こうしたリーダーシップの資質を持った私たち日本人一人ひとりが考え、行動するようになったときの日本社会の可能性は計り知れないと思います。そして市民発のリーダーシップのあり方を世界に発信できるまでになるのではないでしょうか。

 必要なのは、私自身にも言えますが、「前に進む、ほんの少しの勇気」なのだと思います。


 

 


 

日本はまだマシか 知らず老いゆくアジア

2013年3月18日(月)  池田 信太朗

 長年、世界で最も長寿だったのは日本人女性。これが、昨年の厚生労働省発表によって、2011年に世界2位に転落していたことが分かった。日本人女性の平均寿命は85.9歳となり、前年比で0.4歳短くなった。代わって首位に躍り出たのが平均寿命86.7歳、香港の女性だった。

 日本は少子高齢化の先頭を走っていると言われる。人口統計だけを眺めれば確かにそうだ。だがアジア各地の実情を考え合わせると、「深刻度」においては日本に引けを取らない国や地域も少なくない。

 香港政府は2041年の人口動態を予測している。これによると女性の平均寿命は90.8歳、男性は84.4歳になるのだそうだ。この時点で65歳以上が人口に占める割合「高齢化率」は30%を超えるのだという。

 高齢化の先輩格である日本では、既に高齢化率は25%に達しており、2035年時点で33.7%、2055年には40%の大台に乗ると予測されている。それに比べれば香港は多少「マシ」にも見える。だが、香港の行政システムは英国統治時代以来、伝統的に「自由放任主義」を取っている。規制を最小限にとどめて経済活動の自由化を認める一方で、結果に対しては「自己責任」の原則が貫かれる。近年まで公的年金制度が確立されていなかったのもその好例だ。つまり、社会的弱者に対する救済体制が整っていないのだ。

 現在、香港における全世帯の5%が高齢者の独居世帯と言われる。この高齢者層の世帯年収は全世帯の平均年収を大きく下回っている。生活が苦しい世帯も少なくない。労働力人口の減少どころか「貧困」という問題に直面しつつあると言えるだろう。

 韓国でも最近、高齢者の「孤独死」が問題になっている。財政が悪化し、将来的に社会保障システムの見直しを余儀なくされる日本にとっては、これらは目にしたくない未来図の1つに映るかもしれない。

人口ボーナス期短いタイの問題

 もう1つの現実はタイにある。タイでは2025年には高齢化率が13%、2050年には20%以上に及ぶと予想されている。日本に比べればかなり緩やかだ。だが、事態はやはり日本より深刻かもしれない。

 近年、国や地域の経済成長を説明するモデルとして「人口ボーナス/オーナス」という概念が用いられることが多い。人口ボーナス期とは、国や地域の人口動向において生産年齢人口(15〜64歳)がそれ以外の人口を上回る時期を指す。要するに、「養う人」が「養われる人」よりも多い期間だ。多くの国では、この期間内に豊富に供給される労働力で経済を成長させるが、やがて豊かな生活を手にして少子化が進み、逆に「養われる人」が増える「人口オーナス期」に入って経済成長を減速させる。

 ところがタイの経済を見ると、この説明が当てはまらない。タイの人口ボーナス期はここ数年で終焉してしまうが、2011年時点の1人当たり名目GDP(国内総生産)は5394ドルに過ぎない。ちなみに日本は人口ボーナス期が終わりに近づいていた1992年には3万ドルの大台に乗せている。つまりタイは、日本とは異なり、人口ボーナス期を生かして豊かになる前に、もう老いを迎えてしまう。経済成長期に十分な社会資本を準備できないまま、より大きな社会資本を必要とする高齢化時代に突入してしまうわけだ。

 若いアジアが「老いゆくアジア」に変わる時に生まれるビジネスチャンスを狙う企業は少なくない。だが、「日本は高齢化先進国だ」と考えていては間に合わないかもしれない。高齢化先進国であっても、現地それぞれの実情を考えれば、日本は必ずしも「高齢化問題先進国」とは限らないのだから。


池田 信太朗(いけだ・しんたろう)

ビジネス情報誌『日経ネットブレーン』、中小企業向けIT情報誌『日経IT21』、『日経アドバンテージ』、定年退職者向けライフスタイル誌『日経マスターズ』の編集・記者などを経て2006年から『日経ビジネス』記者に。小売りやサービス業界を中心に取材、執筆。2011年12月に『日経ビジネスDigital』の立ち上げを担当し、2012年1月編集長。2012年9月から香港支局特派員。


池田信太朗のアジア・モンスーン便り

日本で暮らしている間は「梅雨」としか認識していなかった5月から初夏にかけての憂鬱な長雨をもたらすのは、マダガスカル沖に発生してインド洋、ベンガル湾、インドシナ、中国華南を吹き抜ける巨大な気流――アジア・モンスーンだと言われています。この季節風がアジアの気候区分を決め、文明の発生と発達を運命付けました。日本は今後ますますアジア経済の奔流と無縁でいられなくなるでしょう。中国本土と東アジア、東南アジアすべてに接した要衝・香港から、アジアに吹く風をお伝えします。

http://business.nikkeibp.co.jp/


 


 

 

資源バブルははじけた

三菱商事・小林健社長に聞く

2013年3月18日(月)  北爪 匡

 大手総合商社の経営が岐路に立たされている。この10年、商社の好業績を支え続けてきた資源相場が踊り場を迎え、大手5社中4社が2013年3月期に最終減益となる見通し。資源に次ぐ成長のモデルを描けるのか。大手商社トップに戦略を聞く。
石炭や鉄鉱石の価格が下落し、総合商社を支えてきた資源ビジネスが大きな岐路に立たされています。まず、この現状をどう捉えていますか。

小林:ここにきて資源バブルがはじけ、私はむしろ、地に足の着いた総合商社のあり方、つまりは「総合商社とは何か」ということを対外的に発信するいい機会だと思っています。


小林 健(こばやし・けん)氏
1949年生まれ。1971年東京大学卒業後、三菱商事入社。主に船舶畑を歩み、2003年執行役員。2010年から現職(写真:新関雅士、以下同)
 やはり資源というものは、ボラティリティー(変動性)がある。みな分かっていたことですが、どうしても市況がいい時は…。その後、バブルが一服し、それでも資源は手放さずに資産を持ち続けなければいけない。その時、資源のボラティリティーに対応するためには、資源以外の部分を強くすることに尽きるわけです。

 欧米の資源メジャーも現在は相当厳しい。彼らの事業投資の性格からして、すべての案件が成功するとは思っていないんですね。だから悪い時には、鉱山を閉めるなり、減損をするなりして、次の良いものに移っていく。

 資源で繁盛していた時期でも、当社は水面下のアヒルの水かきじゃありませんが、目立たない所で資源以外の部分にずいぶん手を打ってきました。その結果、資源が縮んだ時に、そういう下支えの部分が活躍して利益を伸ばしている。それがあるから、総合商社は企業としての体質が強い。このモデルは日本にしかないわけです。

 かつては投資家から「お前のところは資源会社になるのか」とよく言われましたが、僕が「そうじゃない」と言い続けてきたことが、やっと分かってもらえるかと思います。

 もちろん、資源が縮んだ分は業績の下方修正をしましたが、特に慌てる必要はないと思います。資源と非資源を同居させて、トータルで三菱商事という組織が信用を世の中に得て、さらにビジネスを拡大していくことが要諦です。

掘れば売れる時代は終わった

資源ビジネスについて、これまでのような急激な需要と価格の伸びが期待しにくくなりました。今後、資源とどう付き合っていくべきでしょう。

小林:資源に対する戦略はおおむねは変えないですよ。「バイ・ロー・セル・ハイ(安く買って、高く売る)」は商売の基本ですが、我々は神様じゃないんだから、いつもできるわけじゃない。資源はやはりコンスタントに投資をしていくことが大事。それとやはり、日本に対する資源の安定供給、つまり国益に資するという観点でやってきました。

 ですから、資源に対して継続的に投資は続けます。優良案件を選んでね。だけど今までのように大きな資産の目標を立ててやるということではなく、これからしばらくは身の丈で。つまり財務基盤の健全性を失わない範囲で投資をしていきます。

 それからもう一点は、投資をし終えた、あるいは投資しつつある資源権益のコスト競争力を増すことが今後の課題です。ですから、例えば石炭鉱山の売却や合理化によるコスト削減も考えていきます。

 バブルの時は掘れば売れた。でも、もうそういう時代は終わったんです。従って、どう掘るか、どうコストをセーブして掘るかということに集中する。そのための投資はやっていきます。

 ですから(資源権益に対して)、3%や5%というマイノリティーの出資に乗っかって、そのままじっとしているというのは非常にタチが悪い。やはり20%や30%出資して、自分たちの発言権を得て、コストを下げていく。それが今後の我々の資源投資の方針です。

「集合商社」でなく「総合商社」

来年度からは新しい中期経営計画が始まり、4月1日には大幅な組織改正もしますね。

小林:次の経営計画は現在作っている最中で、4月か5月の決算発表で皆さんにご披露しようと思います。ここまでの現在の中期経営計画は、多様性を生かすということで、何より個々人のエネルギーを再開発しなければいけないと考えました。

 基本は縦掘りを非常に深くやって、個々人の当事者意識をもう一度目覚めさせる。要するに自分の仕事の価値をもう一度見いださせるということに重点を置きました。それは相当程度達成されたと思います。

 「集合商社でなく、総合商社である」。総合力を生かしていくというのが今後の商社経営だと思います。次の経営計画では、特に横を強化して、縦横でもってより強靭なエネルギーを蓄えていきたいと思っています。

失礼かもしれませんが、商社業界全般に、総合力という言葉がよく使われる一方で、どちらかというと組織の縦割りがきつい印象があります。

小林:やはり基本は縦掘りなんだけど、要するに自分たちのテリトリーだけでやっていると、その分野の中でしかビジネスができないわけですね。だから「総合商社」という大きな所帯にいることの良さを実感してもらいたい。

 例えば海外の支店では、自分の隣の机で全然違うビジネスをやっているわけですね。機械の横に化学品がある、というような。そうすると「スモール丸の内」で、自分の会社がどういうふうに動いているか如実に分かるわけです。

 そうすることで新しい発想が出てくる素地がある。何か突然アイデアをひらめいてどうなるということではないけれど、その接点を増やしてやることですね。新入社員から経営まで。縦と横でどういうものを新しく生み出していくのかが、やはり商社の次のバージョンということでしょう。

 それと、地域戦略としては、これまではインドと中国、ブラジルを重点としてきましたが、これから先はさらに3つです。

 1つはアジアシフトの流れの中でアジアです。2つ目は米国の復権ですよね。

 米国はご承知の通りのシェールガス・オイル。これは今までになかった変化を起こします。つまり、ガス田、油田の真上に、広大なマーケットと最先端の技術力があるわけです。これまでの産ガス国、産油国で、これほどの市場と技術、網目のようなパイプラインを一度に持っている国はなかった。米国にまた産業が戻ってくる。だから米国の復権は忘れてはいけないでしょう。

 3番目は10年以上先のことを考えてアフリカです。アフリカを大事にしなくてはいけない訳は、我々が昔培った商社のモデルがまだ生きていける点にあります。資源だけでなく、人口も爆発的に増えるわけですから。途上国に先に出て行って、そこに地盤を作り、商売を展開していく。商売も最初は化学品や食糧・食品と、地道な市場展開でしょうね。

一方で国内。三菱商事の復興支援財団に限らず、大手商社が「日本」を見直しています。その意味、意義は何でしょう。

小林:やはり我々は日本の会社ですよ。日本が基盤の会社です。今までも発展を支えてきたし、日本に発展していってもらいたい。その気概と、可能性がある程度あれば、経営資源を投入していくという考えはあります。

 例えば、日本のエネルギー政策はまだグラグラしていますし、まだ時間がかかる。電力の発送電分離の問題もあり、電力業界の再編だってあるかもしれない。その時に我々がどういう役目を果たせるのか。

 一義的には、我々のグループの使命は資源の安定供給が第一です。日本は資源がない。価格が高い、安いということはありますが、資源を持ってこられなくなってしまったら、おしまいなんだから。だから資源の権益を取って、安定供給する。それとやはり消費者に近い所でしょうね。ローソンの展開もその一部です。

資源バブルも終わった中で、これからの商社のあり方、社会的な存在としての商社はどんなものになりますか。

小林:産業界の助産師役というか、潤滑油というか。そういうことが基本でしょう。ただ、その潤滑油のあり方が昔はやはりトレーディングでした。産業でモノが流れている横に立って見ていて、それをぽっとつかむ。それにせいぜい商社金融があったくらい。その後に「商社、冬の時代」「商社不要論」と言われたわけです。

 従って、我々はその産業の中に入っていかなくてはダメだと。産業の中に入って、産業とともにリスクを取り、人を出して事業をやっていく形に変えたわけです。私なんかはその過程の中で育ってきました。

 それでは産業の集合体と総合商社は何が違うのか。経営が事業として踏襲すべきもの、そうでないもの、撤退するもの、あるいはより強くしていくものを選んでいくポートフォリオの概念です。


「今こそ商社の存在理由が世の中に分かりやすくなった」と小林社長は言う
 商いの仕方は変わっても、それぞれの顧客となる業界に評価されることです。評価されなければ不要論になる。この10年間、バブルもあったにせよ、収益がこれだけ上がりました。そしてバブルが終わっても、これだけの業績を出せるということは、これまでの積み重ねがあったからですね。商社は理解されにくい業界ですが、僕はやっと我々のレゾンデートル(存在理由)が世の中の人に分かりやすくなってきているのではないかと思います。

社員が能力を100%以上発揮できる「社会」を

商社は常に存在理由を問われてきた業界でもあります。それを変化で乗り越えてきました。商社の変化対応力は衰えていませんか。

小林:確かにこれまで変化へ対応してきましたが、これはその時その時の運動神経だけでできるわけじゃないですよ。その場の運動神経だけでは必ず齟齬が出てしまう。ただし、これからはその変化対応力が重要です。変化の質というものが、見通せるものだけでなくなり、想定外で広範囲の変化が起こってくるわけですから、そこに対応しなくちゃいけない。ですから、社員に言っているのは、想定外の変化にも対応できるようになろうと。それは小さな部分の積み重ねで、会社全体として大きな結果を出せばいい。

「商社は人なり」とも言いますが、今後の人材育成についてのお考えは。

小林:私はやはり、三菱商事グループを考えると、1つの社会だと思います。グループ全体では6万人くらいの人の集合体だ。これは社会です。この社会がいい社会でなくてはいけない。もちろんステークホルダー(利害関係者)はいろいろいるから、例えば株主のために一生懸命、収益を上げて配当や株価で報いることは大事です。しかし、その原点は従業員がいかによい社会の中で、自分の能力を100%発揮できるか。これは新入社員から経営層まで階層を問わないわけです。

 それぞれの人が、持ち場で自分の力を100%以上発揮できる。そんな社会を作りたいと思っているんですよ。そりゃあ、人間の集団だから人の好き嫌いはあるかもしれない。でもいい社会を作りたい。人の扱いの公平性が重要でしょうね。10万円で合成樹脂を売るのも、30億円の石炭を売るのも一緒。売ったことの達成感はみな一緒ですから、それを公平に評価していきます。


北爪 匡(きたづめ・きょう)

日経ビジネス記者。


どこへゆく大手商社

ここ10年、資源価格の上昇で好業績を謳歌してきた総合商社。だが、足下では資源ブームに一服の感もある。大手商社の中には、次なる安定収益源を確保するために、非資源事業への投資に力を入れるところも現れ始めた。業績急拡大とともに注目を集めてきた商社の今後の戦略を大手5社のトップに聞く。


 


 
インフレ目標でも消費増税でもスーパーの安売りは止まらない

全国のチラシを分析するチラシレポートの澤田英社長に聞く

2013年3月18日(月)  小平 和良

 日経平均株価がリーマンショック後の高値を付け、アベノミクス効果に沸く日本経済。デフレ脱却に向け、政府と共同声明を出した日本銀行は、2%の物価上昇率を目標に掲げている。足元では円安も進んでおり、輸入品については一部で値上げが始まるなど物価上昇の圧力は高まっている。では現時点で、食品価格などにどのような影響が表れているのか。全国のスーパーなどのチラシを分析し、店頭での価格動向を調査しているチラシレポート(東京都中央区)の澤田英社長に話を聞いた。
(聞き手は小平 和良)
アベノミクスの効果で日経平均株価がリーマンショック後の最高値を付けるなど、景気が上向いてきています。スーパーのチラシにもこうした影響が出てきていますか。

澤田:小売りの現場での反応は鈍いです。スーパーなど日々の暮らしに必要なものを売っている店で、何よりも売れるのは「隣の店より安い」ということですから。例えば百貨店はスーパーなどと同じことをやっていてもダメだということに気づいて、それなりの価格のものを売ろうという流れを作っています。一方、スーパーは価格を上げてお客を喜ばせるということにあまり頭が回らないのだと思います。

 むしろ定番と言える商品では、価格の下落傾向は続いています。いくつかの商品のここ2年間の販売価格を見ていきましょう。

 例えばキリンビールの第3のビール「のどごし<生>」の350ミリリットル6缶パックを見ると、2年前の2011年2月の平均売価は634円でした。その後、多少の上下動はありながらも、売価はじわじわと下がり、2013年2月は621円でした。


澤田 英(さわだ・すぐる)氏
チラシレポート代表取締役。1966年生まれ。大阪府出身。87年、在学中に創業社長のブレーンとして株式会社フィールドプランニング設立に参加。学業の傍らフィールドプランニングの実務をこなし、数々のマーケティング手法を編み出す。また、大型汎用機全盛の時代にパソコンを利用した革新的なシステムを開発、導入に成功する。88年マーケティングの一環としてチラシ分析の研究を開始し、創業者とともに株式会社チラシレポートを設立。2006年6月から現職 (写真:竹井 俊晴)
 ミネラルウォーターでも同様の傾向が見られます。サントリー食品インターナショナルの「天然水」は東日本大震災直後の2011年4月に平均売価が跳ね上がりましたが、その特殊事情を除くと、2リットルの商品の平均売価は2011年2月で83円、2013年2月は79円でした。

 異なる分野の商品として、洗剤も取り上げましょう。花王の「アタック 高活性バイオEXジェル [つめかえ用]」は2011年2月の平均売価が217円でした。これが2013年2月には199円になっています。

震災後には多くのスーパーで商品が品薄になり、特売も減ったと記憶しています。価格が上がっていないのは意外な感じもします。

澤田:確かにスーパーの店頭では品切れが続出しました。しかし、(仕入れの)商談そのものは数カ月前にしていることが多い。そのため、売価がほとんど変わらない商品も多かったのです。震災で分かったことは、突発的な出来事があっても特売の価格というものはそれほど変わらないということです。言い換えると、特売の「弾力性」は意外と低いということでしょう。

 そうなるとメーカーとしては、同じ商品を長く売るよりも、3年とか5年といった期間で商品のスクラップ・アンド・ビルドをすることによって、弾力性を持たせた方がいいということになります。つまり、新商品を出すことで、それまで売っていた商品よりも高い価格で販売し、じりじりと下がってきたら、また新たな商品を開発するというやり方です。価格が発売時よりも3割以上、下落したらリニューアルするというのが1つのセオリーだと思います。

「イケメン店員」が売り物のチラシ

チラシを見る限り、物価上昇の気配は全くないということでしょうか。

澤田:実は兆しはあります。先ほど例に挙げた第3のビールやミネラルウォーター、洗剤を見ると、2013年に入ってからわずかながら平均売価が上向いています。例えば「のどごし」の場合、2012年12月は617円だった平均売価が2013年2月には621円へと4円上昇しています。

 ここまでは震災以降の動きを見てきましたが、もう少し長い時間軸で見ると、異なる側面も見えてきます。2008年のリーマンショック以降、チラシは「安さ」一色でした。とにかく「安い」「安い」「安い」で異常とも言える状態だったのです。一時は食品メーカーが(特売の原資となる)販促費を絞ったこともあって、NB(ナショナルブランド)商品のチラシ掲載が激減してしまいました。その間、スーパーは野菜や肉など生鮮品の特売でしのぐ状況でした。

 震災以降、こうした状況が少しずつ変わってきたと感じています。NBの掲載が増えているだけでなく、チラシの上で「○○フェア」といった企画も増えています。しかも、季節の行事に合わせたフェアばかりではなく、やや無理のある企画もあるのです。こうした企画は、ただ安いものを集めるだけでは実現できません。小売りやメーカーに多少の余裕ができたということでしょう。

 ただ裏を返せば、値引きばかりでは続かないということでもあります。ある家電量販店のチラシでは、なんと「イケメン店員」を売り物にしていました。何とか競合店との違いを出そうと必死なのでしょう。こういう状況になってくると、ある場所への流通関係者の視察が増えるのです。

どこですか?

澤田:東京ディズニーリゾートです。景気が良くなる時も悪くなる時も、困った時はディズニーリゾートへ行って、サービスを勉強する。そんな流通業が増えるのです。

今後は、円安による原材料価格の上昇で食品や日用品の値上げが見込まれます。

澤田:原材料価格の上昇で最終製品の値上げをできるようになったのはこの10年ほどのことで、非常に画期的です。メーカー側が取引を打ち切られるのを覚悟で値上げを断行したことで可能になったのです。ただし、単純な値上げはやはり簡単ではありません。容器を変えることによって消費者にとっての利便性を上げると同時に、商品の容量を減らすといったやり方で原材料価格を吸収する企業が増えるかもしれません。こうした方法については、消費者もある程度、許容してほしいと思っています。

2014年には消費増税も控えています。

澤田:増税しても、店頭での商品価格が垂直的に上昇するということはないと思います。メーカーは新しい商品を出すといったことで対応するのではないでしょうか。

 いずれにしても、今のスーパーは「小売り」というものを「安く売ること」と勘違いしているような気がします。本来、小売りの役割は、その名前の通り、大きいままでは価格が高い商品を小分けにして消費者の手の届くものにすることだと思います。ただ単に安く売ることではないのです。ところがビジネスがどんどんドライになると同時に、短期化していったことで、とにかく「安く売る」という世界になってしまったのです。メーカーと小売りの人間が商談をしていても、数字のことしか話さない。半年先に消費者の心をつかむという話は許されず、目先の利益を上げることが優先されてしまうのです。こうした状況では、値段の話ばかりになってしまいがちです。

 最近ではドラッグストアやディスカウントストアも食品の扱いを増やしています。スーパーのバイヤーなどが、ドラッグストアやディスカウントストアなどに移り、スーパー時代の手法を導入しているといったことも多くあります。こうした店ではスーパーの安売りの手法を導入してしばらくは非常に効果が出ます。しかし、その後に待っているのは価格競争です。こうして、競合する店が業態を超えて増えているのが現在の状況ではないでしょうか。

アベノミクスとは関係なく、もっと買ってもらう工夫を

アベノミクスの効果が消費者のところまで来るには相当時間がかかると言われています。やはり、しばらく過当競争は続くということでしょうか。

澤田:アベノミクスはあまり関係ないかもしれません。各世帯の消費を100万円ずつ上げろ、という話ではありませんから。スーパーで言えば、もう100円高い商品を買ってもらう、週に1000円だけ多く買い物してもらうという話です。これは工夫次第では今でもできる話です。もちろん、今までだってできたはずです。それなのに、スーパーはこの数十年間、新しい売り方をしてきませんでした。それが、アベノミクスで環境が変わったからといって、急に売り方を変えるといったことができるでしょうか。

 例えば、小売り側が商品を企画するPB(プライベートブランド)にしても、メーカーが作れないようなニッチな商品だけれども、確実にニーズはあるといったものを出すこともできるわけです。しかし、多くの流通業は、PBの存在を利用してメーカーが作るNBを安く仕入れようとします。

 消費者の「とにかく安ければいい」という意識は少し変わってきていると感じます。スーパーは自分で商品を棚から取って自分で持ち帰る「セルフサービス」の店舗として広がったわけですが、最近は昔ながらの「御用聞き」のようなサービスも増えています。小売りは生活に密着しているので、いつも変わらずに売っているということも大事なことではあるのですが、一方で消費者の意識の変化に気づき、地道な努力を続けることでさらに進化を遂げることができると思います。


小平 和良(こだいら・かずよし)

日経ビジネス副編集長。大学卒業後、化学メーカー、通信社での勤務を経て2000年に日経BP社入社。日経ビジネス編集部にて自動車業界や金融業界を担当。2006年に日本経済新聞社消費産業部に出向。2009年に日経BP社に復帰し、流通業界などを担当してきた。

 

 


05. 2013年3月18日 10:06:19 : Qs2ppwNA3w
米国の競争力:機能する米国
2013年03月18日(Mon) The Economist
(英エコノミスト誌 2013年3月16日号)

幸いなことに、ワシントンの機能不全は、米国の物語の一面にすぎない。

 「世界で最も偉大な国、そう、世界で最も偉大な国は、1つの『作られた危機』から次の『作られた危機』へとさまよいながらやっていくわけにはいかない。そんなことはできない」。バラク・オバマ米大統領は今年2月、議会でこう述べて不満を露わにした。

 目下の危機である「強制歳出削減」(議会がこれよりましな案を通すことを期待して、あえてひどい内容で作られた歳出削減パッケージ)は、期日通り3月1日に発動してしまった。

 議会が暫定予算の延長に合意できなければ、米国政府の行政機能は3月28日から止まり始める。さらに5月には、「世界で最も偉大な国」の債務は、定められた上限に達する。上限が引き上げられなければ、米国政府はすぐに、様々な支払い義務についてデフォルト(債務不履行)し始めることになる。

嘲笑と絶望の対象


幸いなことに、機能不全のワシントンは米国の一部にすぎない〔AFPBB News〕

 中国の指導部が嘲笑し、他の民主主義国家が絶望しているのは、このような米国だ。

 国の債務は増え続け、予算を脅かすペースで人口の高齢化が進んでいる。国際標準からすると、学校教育は二流で、インフラは老朽化し、規制は過剰で、税制は複雑怪奇、移民制度は全く愚かだ。

 米国は、世界経済フォーラム(WEF)の競争力ランキングで、わずか4年のうちに1位から7位にまで転落した。

 昨年の大統領選挙では、オバマ大統領も対立候補のミット・ロムニー氏も、アメリカンドリームが消え去りつつあると訴えた。

 そして今日、米国の主要企業は、2兆ドル近い現預金をため込んでいる。党派対立に明け暮れるワシントンの政治家たちの中に、何かを解決できる者がいるとは到底思えないこともあり、怖くて投資できないのだ。

 だが、物事がきちんと機能する別の米国も存在する。企業経営者たちが「実体経済」と呼ぶものが、1つの手がかりを与えてくれる。

 雇用市場や住宅産業の最新の統計数値は、かなり健全だ。消費者のバランスシートも修復が進んでいる。株式市場は史上最高値を更新したばかりだ。そうした状況の一部は、景気循環によるものだ。民間部門は危機からの回復過程にあるからだ。

 だが、こうした上向きの実体経済は、ワシントンを除く米国が競争力という根本の問題に取り組み始めているという事実も反映している。

 企業や地方の政治家は、連邦政府が救援に来てくれるのを待っているわけではない。今週の本誌(英エコノミスト)の特集でも触れているように、救いを待つのではなく、連邦議会が無視している欠陥の解消に取り組み始めている。

美しき米国

 楽観できる理由の1つは、米国の発明家たちが相変わらず精力的に活動し、そのアイデアに起業家たちがこれまでと同じ積極性で飛びついていることだ。国内総生産(GDP)比で見た研究開発に対する投資額は、最近、宇宙開発競争の最盛期に記録した2.9%という過去最高に並んだ。

 論文の被引用数の世界上位30大学のうち、27は米国の大学だ。そうした論文から生まれたアイデアを発展させることにも、米国はやはり長けている。


「シェール旋風」が米国経済の追い風になっている〔AFPBB News〕

 不透水岩に閉じ込められた大量の石油やガスを抱える国は多いが、米国の企業はそのエネルギーを取り出す方法を考案し、迅速に商用化した。こうして巻き起こった「シェール旋風」が今、米国経済の追い風になっている。

 確かに、シェールガスの採掘を可能にしたフラッキング(水圧粉砕)技術の開発資金の一部は連邦政府が拠出したが、シェール革命の大部分は、オバマ大統領や民主党の環境規制派の抵抗にもかかわらず生まれたものだ。

 ボトムアップで進んできたこの革命を牽引しているのは、起業家や州政府だ。例えばノースダコタ州は、例えばフランスなどよりも明らかに熱心に投資家を誘致している。

 各州の取り組みには、これと同じようなパターンが見られる。資金の必要に迫られた州は、投資家と移民を呼び込むために大規模な改革を実施している。ルイジアナ州とネブラスカ州は、法人税と個人所得税の廃止を検討している。

 カンザス州は官僚主義を排除するために「リピーラー(制度廃止係)」と呼ばれる役職を新設した。また同州は、高校に対して、決まった分野の職業資格を取得した生徒の人数に応じた「報奨金」を給付している。オハイオ州は経済開発局を民営化した。バージニア州はガソリン税制を改正したばかりだ。

 この意欲的な第2の米国は、インフラ支出など連邦議会が避けている問題に、創造的な政策で取り組んでいる。連邦政府が手をこまねいているのをよそに、国よりもさらに台所事情の苦しい州や市は、新たな方法を考案し、道路や橋、学校を造る資金を捻出しようとしているのだ。

 シカゴ市は、老朽化した市の建造物を改築するために、民間資金を大々的に集める特別信託を設けた。インディアナ州は、道路建設の資金を調達するために事業の民営化に舵を切った。

 教育にさえ変化の兆しが見える。各州で、現世代の記憶にないほど大規模な学校改革が行われている。45の州で新たなカリキュラムの策定が進められている。試験がより厳しいものになり、学校と教師がようやく試験結果の責任を負うようになりつつある。38の州で教師の給与が見直された。多くの場合、給与は生徒の試験結果と連動させられる。

 独立して運営されるが、公的資金で成り立つ「チャータースクール」を認可した州は、いまや42州に上っている。この大きな変化の成果を判断するには時期尚早だが、長らく先延ばしされてきた改革が、ついに実行に移されたということは言える。

邪魔をせずに義務を果たせ

 規制、技術革新、インフラ、教育――。いずれも競争力を得るために欠かせないものだ。各州で起きている小さなことが1つにまとまれば、かなり大きなものになる。それこそが、機能する米国の核となるものだ。

 では、連邦政府はどうか? 時には役に立っているケースもある(連邦法は教育改革を促すきっかけになった)が、大抵の場合、オバマ大統領と、いがみ合う相手の共和党議員たちは、全く貢献していないか、むしろ邪魔をしているように見える。

 例えば、高速道路の通行料金は連邦法の制約を受け、新たな道路の建設資金を調達するための単純明快な手段が各州から奪われている。研究開発に関する連邦税控除は定期的に見直さなければならず、イノベーションに投資する者の不安を不必要に高めている。

 議会は才能ある移民の入国を阻止している(そして国内にいる移民の多くを犯罪者にしている)。各州で成功している実験的なアイデアを連邦政府が採り入れれば、米国は今よりもずっとうまく機能するはずだ。そうしない場合の機会費用は、計り知れない。

 しかも、さらに悪い事態も予想される。ワシントンの「作られた危機」が、せっかくうまくいっていることを蝕むかもしれない。教育が改善し、エネルギー価格が下がるのは素晴らしい。しかしオバマ大統領と議会が、負担不可能な医療支出と年金支出の増加を阻止する手を打たなければ、米国はやはり破綻するだろう。

 2037年には、社会保障給付金の支出はGDPの17%を飲み込むことになる。もはや持続不能な規模だ。2つの米国のうち、駄目な方の米国が国民の役に立つべく行動できないとしても、オバマ大統領と共和党は、少なくとも、すべてを台無しにするのを避けることくらいはできるはずだ。


 

 

「内戦状態」に突入した米国の女性たち
頑張らないから報われない、と言われても・・・
2013年03月18日(Mon) 石 紀美子
 現在の米国で最も影響力のある女性の1人とされるSNS大手フェイスブックの幹部、シェリル・サンドバーグ(43歳)がバッシングを受けている。

 今月発売された彼女の著書『Lean In』は、発売前から論争を巻き起こしていた。本のタイトルの意味は、「もっと身を乗り出して」「もっと厚かましく」「もっと割り込んで」というような訳になるだろうか。女性に対して、遠慮せずにもっと貪欲に出世を望めというのが主要メッセージの1つだ。

 企業のトップにいまだに女性が少ないのは、女性自身が高望みをしないように自身を制したり、まだ結婚もしていないうちから将来の家族設計を考えて出世を望まない傾向があるからだ、と述べている。

 彼女の言わんとしていることをよく理解せず、一部だけ要約して読んだ女性たちは激高した。「女性の社会進出が進まないのは我々のせいだというのか」「これ以上努力できないほど頑張っているのに、努力が足りないような言い方はどうか」などの感情論が全米に巻き起こった。

 サンドバーグをバッシングしているのは米国の女性たちである。男性たちは怯えたような顔つきで口を一文字に結んで沈黙している。ここで何か間違えたことを言ったら、大変なことになると分かっているからだ。

 米国で著名なキャリアウーマンがバッシングの嵐に見舞われるのは、この1年で3人目である。論争の共通テーマは女性の社会進出だった。

 こと女性問題に関すると、米国は女の内戦状態に突入した感がある。一体なにが彼女たちをそこまで逆上させるのだろうか。そこには、米国人女性たちの厳しい現実が背景にある。

「我々の代弁者のように振る舞うのが許せない」

 まず、この1年バッシングを受けた女性3人を紹介しよう。前述したサンドバーグは、ハーバード大学を卒業し、同大学でMBAを取得している。大手コンサルタント会社を経て、当時財務長官だったローレンス・サマーズの元で働き、その後グーグルに転職。会社の急成長に大きく貢献した。その後はフェイスブックにCOO(最高執行責任者)として迎えられ、同社の成長を支える中心人物となった。

 年収はおよそ30億円。夫は会社経営者で、小さな子供が2人いる。彼女がバッシングを受けた理由は、女性に「もっと野心を持て」と書いた本が理由だった。

 2人目はプリンストン大学教授で著名な国際政治学者、さらにはヒラリー・クリントン国務長官の元で政策企画本部長を務めたアン・マリー・スローターである。彼女は、国務省の仕事を2年で辞めなければならなかったのは、難しい年頃の息子たちのためで、いまだに女性は家庭のことで仕事を犠牲にしなければならない、という記事を書いてバッシングを受けた。

 3人目は、妊娠中にヤフーのCEO(最高経営責任者)に就任したマリッサ・メイヤーだ。妊娠中に重責の仕事を引き受けたことでバッシングされ、出産後たった2週間で仕事に戻ったことで批判された。最近では女性問題とはまったく関係ないところで、社員全員に自宅で仕事をすることを禁じたことが、なぜか「子育てしながら働いている女性を罰するような処置だ」ということでバッシングされた。

 最も多く聞いたのは、この超エリート女性たちが我々の代弁者のように振る舞うのが気に食わないという意見だ。米国のほとんどの女性と何の共通点もないようなスーパーウーマンが、分かったような顔をして女性問題を語るのが許せないというのである。

 確かに3人とも、超高学歴、成功街道を馬車馬のように走ってきた向上心の塊(かたまり)のような女性たちだ。しかもエリートの夫がいて、子供までいる。おまけに美人だ。

 クビにされることに怯えながら、生活のために好きでもない仕事を続けている世の中のシングルマザーや、結婚願望が強いのになかなか自分と釣り合うような男性を見つけられない女性が面白くないと感じるのは責められないだろう。

米国人女性を押しつぶす「成功」のプレッシャー

 米国人女性が感じる「成功しなければならない」というプレッシャーは壮絶だ。仕事だけでなく、生活のすべてが他人から賞賛されるような状態でなければ、挫折感を味わうような状態だ。

 仕事ができても、結婚、もしくは内縁関係のパートナーがいなければダメ。できれば子供も欲しい。容姿端麗でファッションセンスがなければ相当なマイナス。他にも多趣味で社交的で、エネルギッシュで、何らかのスポーツに優れていればかなり良い・・・と、彼女たちが描く成功した女性像は表面的で、かつほとんど達成不可能なものだ。

 当然、この完璧な女性像に近づける人は少なく、これが慢性的かつ集団的な不安と自信喪失につながっている。常に自分と他人を比較し、嫉妬したり、自己否定したりと不安定な精神状態にある。

 というわけで、成功した女性たちにはとりわけ厳しい。成功した女性が少しでも否定的なことを言えば、猛反撃に出る。

女性の出世を阻む本当の原因とは

 サンドバーグが言うように、確かに米国でさえ女性の社会進出は決して十分とは言えない。大企業のトップも政治の世界も、女性は依然として少数派だ。

 ただ筆者から見ると、多くのフェミニストが語る「企業のトップも政治も男女の比率が同じにならなければならない」というメッセージが米国人女性の混乱を生み出しているような気がしてならない。

 男性が作った社会システムの中に割り込んでいくことが、本当に女性が望むような社会進出なのだろうか。「男性並みに」という概念そのものが、何もかも犠牲にしてがむしゃらに働く女性を賞賛するような文化を作ってはいないか。男性が成功と見なすことを目指す行為そのものが、反フェミニズムなのではないか。

 バッシングを受けた3人の女性たちは、女性が感じる社会の壁をあれもこれもと述べているため、読み手や聞き手の混乱を招いているようだ。しかし、彼女たちの言わんとすることをよく読み込んでみると、共通点が見えてくる。

 先進国の女性は、かなりの自由を獲得した。すでに「社会の弱者」という立場からは脱却している。勉強も仕事も制度的な不公平はない。それでも女性の社会進出が進まないと感じるのはなぜか。それは、次のステップが見えないからである。

 そもそも女性の出世を阻んでいるものは何か。「それは子育てだ」というのが彼女たちの共通した意見である。子供ができるまでは、男性と変わらず仕事をこなすことができる。しかし、子供ができると事情は一変する。現在の女性は、子育てのために第一線から退かざるを得ないか、将来的に子供が欲しいので出世街道を自ら降りてしまう、というわけだ。

 だから次のステップは、親が自分の子供を育てながら、どのようにキャリアを続けていくかというシステム作りにある。子供の面倒を見るのは、男性でも女性でも構わない。この新しい社会システムを構築することで、新たな問題がよりクリアに見えてくるだろう。女性たちの自己研鑽が足りないというわけでは決してない。彼女たちが言いたいのは、最終的にはこういうことだと感じた。

 米国の女性たちが進もうとしている方向が、果たして正しいのかどうかは分からない。世界の女性の手本になるか、反面教師になるのか、この問題は続きが楽しみである。


 

 


大麻に汚染されたITの聖地、米シリコンバレー
ハイになりたい住民の意見で合法化、愛好者急増中
2013年03月18日(Mon) 堀田 佳男
 米カリフォルニア州シリコンバレーで働くエンジニアたちによる大麻使用が最近、拡大している。米メディアにも取り上げられ、大麻汚染は誰もが知る大手のIT企業の社員にまで拡大している。

 同州が医療用として大麻の使用を認可したのは1996年のことだ。リベラルな州らしく、全米で最初の認可州だった。もちろん医師の承認書が必要になる。ガン患者だけでなく神経痛や偏頭痛の患者など、痛みを和らげたり、吐き気を抑えたりと、大麻吸引の効果は医学的に認められている。

合法なのは全米18州と首都ワシントンDC


嗜好品として合法化されたワシントン州シアトルで大麻を吸引する人〔AFPBB News〕

 薬理学を駆使して製造された鎮痛剤ではなく、オーガニックな鎮痛剤としての役割が支持を集めている。だが、医療大麻が入手できるのは同州を含めて全米18州と首都ワシントンDCだけだ。残りの32州では依然として認可していない。

 昨年11月の大統領選挙では多くの州が独自の案件を決める州民投票を行い、コロラド州と西海岸のワシントン州の2州が医療用としてではなく、タバコと同じような嗜好品としての大麻使用を許可した。いつでも「ハイになりたい」と州民が望み、州政府が認めたのである。

 ただ現在でも医学者の間では大麻吸引についての賛否両論があり、研究は続けられている。と言うのも、大麻に含まれる化学物質カンナビノイドが様々な薬理作用を引き起こすので、ドアを開け放つ形で大麻吸引を認可すべきか意見が分かれるのだ。

 タバコよりも常習性が少ないと言われるが、日本を含めた大多数の国は大麻を危険薬物と扱う。国際的なスポーツの場でも、ドーピング防止規程で大麻を禁止薬物に指定している。

 英国では薬物乱用防止法の危険度Bに分類しているし、米連邦政府も相変わらず大麻を違法薬物と位置づけている。オバマ大統領も制限を強化する姿勢を打ち出している。

 ただ、大麻規制については州法が連邦法よりも優先されるため、州政府が認可すれば前出した2州のように、使用が可能になっている。

 最近の問題は、冒頭で述べたハイテク企業が集中するシリコンバレーのあるサンノゼ市などで大麻使用が増えていることだ。同市にはいま106カ所の大麻取り扱い薬局がある。

 カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)が昨年9月に発表した報告書によると、比率は1平方マイルに1.7店で、ロサンゼルス市の約2倍に当たる。日本のコンビニ店とまではいかないが、すぐに手の届くところで販売されている。

 過去3年を見ても、利用者も薬局数も増えており、IT企業のエンジニアたちの利用拡大が背景としてある。最近では「あまりにも一般的」というレベルにまで浸透しているという。

ビールと扱いが変わらなくなったと米紙が指摘


マリファナを巻く人〔AFPBB News〕

 パソコン業務による腰痛や頭痛などで、医師のもとに「大麻で治したい」と申し出れば簡単に入手できる。だが、実際は嗜好品として大麻を吸引するのが現実である。

 シリコンバレーで大麻が受け入れられている現状を、ニューヨーク・タイムズは昨年12月、「大麻の吸引はカリフォルニア州の多くの地域で、すでに紙袋に入れてビールを飲むこととほとんど同じである」と書いた。

 米国では一般的に公共の場での飲酒は認められていない。そのため紙袋にビールやウイスキーを入れ、何が入っているかを隠して飲む。大麻は今、ほとんどアルコールと同じ意識になりつつあるというのだ。

 さらに、同州には1960年代の反体制運動の文化がいまだに連綿と継続されているとの見方もある。大麻吸引はビル・クリントン元大統領やバラク・オバマ大統領も経験した若者文化の一部だった。それが今、復活を遂げつつある。

 ITエンジニアたちが大麻を吸引した後に、仕事に集中できるかどうかは大きな疑問だ。企業としてもその点が気になるところで、社員がハイになることを望んでいない。そのためシリコンバレーのIT企業は、医療大麻の使用が許可されているにもかかわらず、ほとんどの企業が社内での使用を制限する。

 雇用時に麻薬テストを受けさせる企業もある。いまそのテストに通過しない人が増えており、それも問題になりつつある。

 そうした現状を憂慮するサンノゼ市のチェック・リード市長は、米メディアとのインタビューで「ほとんどが嗜好品としての大麻に手を出している」と違法性が高いことを指摘する。

 同州弁護士のニール・シャウス氏は次のように指摘する。

 「カリフォルニア州では医療大麻こそ認められていますが、嗜好品としての大麻は違法です。ただ実際は、吸引中に警察官に見つかり、微量の大麻を所持していることが発見されても検挙されることはありません。逮捕に至るのは、ビジネスを目的とした栽培や売買です」

 何しろアーノルド・シュワルツェネッガー前知事でさえ、知事時代の大麻吸引を認めていた。早朝、海岸沿いを自転車で走り、その途中で大麻を吸引することがよくあると述べている。

州民の半数が嗜好品として合法化を期待


州知事時代に山火事を視察するアーノルド・シュワルツェネッガー〔AFPBB News〕

 そうした個人的な嗜好もあり、知事時代に微量の大麻所持は処罰の対象にならないという州法を成立させた。

 2010年10月に行われた「フィールド・ポール」の世論調査によると、州民の47%は過去に1度は大麻を吸引した経験があると答え、50%は嗜好品としての大麻吸引を合法化すべきであると回答している。

 筆者も滞米四半世紀の中で、20年以上前に大麻吸引の経験がある。ジョイントと言われる巻きたばこのような形で吸った。吸い方にはコツがある。それは大麻の効果をより高める方法で、タバコの吸い方とは違う。

 ジョイントを唇に挟んだら、できる限り強く吸い込んで煙を肺に入れ、しばらく息を止める。5秒ほどしたら一気に吐き出す。

 それを数回繰り返すと感覚が鈍くなり、「ハイ」な状態になる。その後は何も手がつかなかった。ただ神経が鋭敏になり、音楽の音色が妙に鋭敏に感じられた。

 今後は多くの州で住民投票が行われ、嗜好品としての大麻が認められる州が増えていく可能性が高い。だが深刻な問題は、麻薬としての闇市場の拡大である。米国内での栽培だけでなく、ジャマイカをはじめとする中南米諸国からの密輸量は少なくない。

 米国内で需要が高まると、そうした密輸ルートが途切れることはない。日本では吸引だけでなく、微量の大麻を所持しているだけでも即刻逮捕につながる。

 「ハイになりたいから認可しましょう」では、子供の論理の域を出ない。

 米国の大麻への緩やかな捉え方が日本に上陸することは考えにくいが、医療用と嗜好用の違いを明確化し、密輸を防止し、米国が少しでも日本での麻薬対策の取り組みを踏襲すれば問題拡散を防げるはずである。


 


 

社説:米国のオンライン教育
2013年03月18日(Mon) Financial Times
(2013年3月15日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)

 大学ほど技術的変化に対して多くの期待と不安を抱く業界は少ない。カリフォルニア州議会では先日、州内の公立大学に対し、オンライン教育機関を含む第三者機関から取得した単位を認めることを義務付ける法案が提出された。この取り組みは称賛に値する。

 大学の教員の中には、馬車と同じ運命をたどることを恐れる向きもある。そうした不安は見当外れだ。だが、技術が対面での教育に取って代わるのではなく、対面教育を補完する役目を果たすようにすることが不可欠だ。

先陣を切るカリフォルニア州

 現在、質が凡庸で法外な授業料を取る米国の高等教育機関があまりに多過ぎる。米国の学生ローンの債務残高は最近1兆ドルを突破しており、ローンの滞納率と卒業生の失業率は心配になるほど高い。最近のオンライン教育機関の急増は、大学認定機関と大学が共謀して競争を制限する既存制度のカルテル的行為を露見させた。

 今回の法案は、第三者機関での取得単位に門戸を少し広げることで、オンライン教育の台頭に向けた分水嶺となる。この分野は破壊的技術の機が熟している。その点で、カリフォルニアが先陣を切ることは適切だ。

 だが、重要な注意点が2つある。まず、法案が提出されたのは、カリフォルニアで緊縮策が長引くさなかのことで、大学は大半の組織よりも大きな打撃を受けてきた。大学の予算は過去5年間で2割以上削減され、教授陣は基礎課程の入学者収容数を減らすことを余儀なくされた。

 カリフォルニア州のジェリー・ブラウン知事は、コストを削減し、入学者数を増やす方法としてオンライン学習を支持してきた。カリフォルニア大学バークレー校からカリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)に至るまで、同州の公立大学の質の高さは極めて大きな資産となってきた。新しい時代が学生と教官との対面のやり取りを犠牲にしないようにすることが肝要だ。

 次に、カリフォルニア州、そして米国全体が、大学認定機関を評価するより良い方法を必要としている。オンライン上での教育、試験、単位・資格認定には、大きなビジネスチャンスが潜んでいる。本紙(英フィナンシャル・タイムズ)を所有するピアソンを含め、既に多くの企業がこの分野に進出している。

 カリフォルニアは、第三者教育機関に認定を与える団体にしっかり責任を負わせるうえで先導役を務めなければならない。

 オンライン学習の可能性に関する期待の多くは妥当だ。「MOOCs(ムークス)」と呼ばれる大規模公開オンライン授業の勃興により、人々は無料で利用できる教材に目覚めた。次の課題は、成長する営利目的のオンライン産業に最高レベルの基準を守らせることだ。ただし、そのためにはさらなる努力が必要になる。

http://jbpress.ismedia.jp/articles/print/37376


06. 2013年3月18日 10:37:41 : yj5FnYZ31o

>>日本では遺産税の検討が始まった。
>>日本国民の総資産は8000兆円以上であり、これに2割の遺産税で政府財務はチャラになる計算だ。事実上の日本版預金封鎖だな。財政難で遺産税

>>日本政府は相続税の課税強化だけでなく、全ての遺産に満遍なく課税する【遺産税】の導入を検討しており、日経新聞の論説に一部小さくこの【遺産税】について掲載されていましたが、殆どの方は気づかなかったはずです。

>>もはや日本の国家財政は放漫支出のために、どのような経済モデルを使いましても破綻しかなく、ならば財務省からすれば、課税して税収を上げるとなり、確実にしかも早く徴収できる遺産税を導入するのが最適となっているものです。

要するに 今現在の国民の財産 〜 預貯金について税としてふんだくるっていう
ことだよね。日本も検討し始めているの?ほんとそれ?


預金、現金、株式、投信には税率10%から30%??
不動産等には5%から10%の課税?? 

官僚というか、だれかしらないが策士はまあ・・・とんでもないことを考えるな。

>>とすれば、かなりの税収が見込めます。遺産額1億円以上は30%の遺産税課税となれば、都会に住宅を所有してある程度の金融資産を保有する高級サラリーマンからも十分徴収できます。


これが本当なら預貯金をすべて金貨に変えてどこかに隠す人が多くなるだろうね。
いつからなの?


07. 2013年3月18日 11:53:38 : xEBOc6ttRg


ドル95円付近、キプロス支援合意受け未明に93円半ばまで下落
2013年 03月 18日 08:33 JST
[東京 18日 ロイター] 18日午前の外為市場でドルは94.97円付近。日本時間早朝のオセアニア市場で93.45円まで急落したが、足元まで約1.5円戻している。

前週末にユーロ圏財務相が決定したキプロス支援策が銀行預金者に負担を求めるという異例の内容になったことで、ユーロ/円がこの日早朝に121円半ばまで急落。ドル/円もつれ安となった。

現時点では急ピッチに戻しているものの、市場関係者は、各国の株式市場の反応次第で再び円高が強まる可能性があるとみている。ドル/円については「これまでの上昇過程で95円台で買った向きも多い。急落を受けて売れていない向きは戻りを待っているとみられ、95円台では上値が重くなりそうだ」(国内金融機関)との声が出ている。

週末のユーロ圏財務相会合では、キプロスに100億ユーロ(130億ドル)を支援する代わりに、10万ユーロ超の預金に預金額の9.9%、それ以下の預金に6.7%の課徴金を課すという、一連のユーロ圏加盟国支援策としては前例のない措置が決められた。関係筋によると、キプロス政府はユーロ圏財務相会合で決まった金融支援策の修正を急いでいる。

支援策が16日に発表されると、キプロス国内には衝撃が走り、現金自動預払機(ATM)から預金を引き出す動きが広がった。ATM内の現金は数時間で枯渇したケースが多く、電子送金は停止された。


 


 

キプロス支援、預金者負担は「危険な前例」に
2013年 03月 18日 11:34 JST

2月の中国新築住宅価格、前年比2.1%上昇=ロイター算出
米中のサイバー攻撃問題、中国新首相「非難の応酬避けるべき」
今週の米株は割安感から強地合い継続の見通し、FOMCに注目
寄り付きの日経平均は大幅反落、円上昇で利益確定売り先行

[ロンドン 17日 ロイター] ユーロ圏財務相会合がまとめたキプロス金融支援策に、銀行預金への課徴金という異例の措置が盛り込まれたことについて、市場関係者の間では「危険な前例」になりかねないとの懸念が浮上している。

ユーロ圏財務相会合は15日夕方からの徹夜の協議の末、100億ユーロ(130億ドル)のキプロス支援策を決定。預金者から最大約10%の課徴金を徴収する。

欧州中央銀行(ECB)は、必要な場合無制限の国債買い入れを実施する意向を示しているが、市場では、将来別の加盟国の支援が必要になった場合、再び預金者が負担を強いられるのではないかとの懸念が浮上。

キプロスは金融支援がなければ、デフォルトするとみられ、ユーロ圏に対する投資家の信認が再び揺らぎかねない事態となっている。

ニューエッジ・ストラテジーのアンナリーザ・ピアッツァ氏は「前例のない極端な措置だ。ユーロ圏周辺国が多少パニックに陥るだろう。資本流出の可能性も否定できない」と指摘。

「目先、周辺国の(国債利回り)スプレッドに一定の影響が出る。ユーロ安進行の可能性も否定できない」と述べた。

<議会審議の行方は不透明>

金融支援策の発表を受け、キプロスでは現金自動預払機(ATM)から預金を引き出す動きが広がり、ATMの資金は多くのケースで数時間で枯渇した。

大半の預金者は16日午前以降、預金を引き出せない状態で、今後混乱が広がる可能性もある。

ユーロ圏当局は、キプロスからの資金流出の兆候がないか監視する意向を示しているが、資金流出があった場合の具体的な対応策は示していない。

ECBのアスムセン専務理事は16日、「我々にとってキプロスはシステム上重要だ。経済規模は小さいが、混乱が生じれば、昨年大きく進んだユーロ圏の安定が脅かされる恐れがある」と述べた。

キプロスでは18日が銀行休業日となり、即座の反応は限られる見通し。議会が金融支援策を承認すれば、19日に課徴金が適用される。

ただ、議会が支援策を承認するかは不透明。承認できない場合は、デフォルトへの懸念が強まるとみられる。

議会では17日に支援策をめぐる審議が予定されていたが、事前の調整が必要として、18日に延期された。

アナスタシアディス大統領は議会に支援策承認を求めているが、絶対多数を握る政党はなく、すでに3党が支援策を支持しない意向を示している。

JPモルガンのアナリスト、アレックス・ホワイト氏は「与党が自信を持って期待できる賛成票は(56議席中)26─28票程度だろう。野党は26票前後の反対票を確保できるとみているのではないか」とし「非常に僅差で、現段階では予想がつかない」と述べた。

<スペインが試金石に>

これまでのところ、キプロス以外の欧州諸国では目立った混乱はみられない。

バンク・オブ・キプロスBOC.CYは、英国のウェブサイトで、キプロスの銀行の海外支店には課徴金は適用されないと説明。スペイン中銀も、スペインからの資本流出の兆しはないとしている。

バークレイズは「過去の支援プログラムで、今回と同じ措置がとられていれば、預金流出や国債下落が他の周辺国に波及していたかもしれないが、それに比べれば、影響はかなり限られるだろう」と指摘。「ギリシャを含め、周辺国の預金流出の可能性は低いとみている」と述べた。

ただ、市場には不安が広がっている。

チェコの元経済相で、現在はゴールドマン・サックスの国際アドバイザーを務めるウラジミール・ドロウヒー氏はロイターに「ドイツなど欧州北部の有権者が一定の負担を求めるのは理解できる。ただ、事実上預金の1割を没収するというのは、危険な前例だ」と指摘。「混乱が深まれば、5割没収といった話にもなりかねない」と述べた。

キプロスの混乱が他国に波及するかは、スペインが試金石になるだろう。

欧州中央銀行(ECB)の最新統計によると、1月のスペインの預金残高は横ばいで安定。スペインは昨年、国内銀行向けに400億ユーロの金融支援を受けており、銀行の資金は潤沢だ。

スペイン政府も市場から問題なく資金を調達できており、支援申請が必要な状況ではない。

ただ、一般の預金者の間に不安が広がる可能性は否定できない。

ザンクトガレン大学(スイス)のシモン・エベネット教授は「キプロスの救済条件を特殊な例とみることはできない。ユーロ圏の重債務国や海外預金者に送られたメッセージは明白だ。リーマンのケースとは違うが、システミックリスクへの懸念が無視されているのは明らかだ」と述べた。

欧州議会のシャロン・ボウルズ経済・金融問題委員長も「預金保証制度が台無しになる」と批判した。

キプロスの銀行預金の多くは、ロシア人や英国人の預金。これまでのところ英国、ロシア政府から抗議の声は出ていない。

ただ、デンマークのサクソバンクのラルス・セイア・クリステンセン最高経営責任者(CEO)は自身のブログで「金融支援発表の会見では、1回限りの措置と説明していたが、別の国で同様の措置を導入する可能性は否定しなかった。1回やれば、またやる可能性がある」との見方を示した。


 


キプロスが支援合意の修正急ぐ、議会採決延期・預金者に動揺広がる
2013年 03月 18日 07:36 JST 記事を印刷する | ブックマーク | 1ページに表示 [-] 文字サイズ [+]


[ニコシア 17日 ロイター] 関係筋によると、キプロス政府が週末のユーロ圏財務相会合で決まった金融支援策の修正を急いでいる。

支援策では、銀行預金者に負担を求めるという一連のユーロ圏加盟国支援策としては前例のない措置を決定。100億ユーロ(130億ドル)を支援する代わりに、10万ユーロ超の預金に預金額の9.9%、それ以下の預金に6.7%の課徴金を課す内容となっている。

支援策が16日に発表されると、キプロス国内には衝撃が走り、現金自動預払機(ATM)から預金を引き出す動きが広がった。ATM内の現金は数時間で枯渇したケースが多く、電子送金は停止された。

関係筋が匿名を条件にロイターに明らかにしたところによると、キプロス政府は少額預金者の負担軽減を交渉中。

10万ユーロ以下の預金の課徴金を預金額の3.0%に引き下げ、10万ユーロ超の課徴金を同12.5%に引き上げる案が協議されている。

関係筋は、支援合意の修正について、欧州委員会・国際通貨基金(IMF)・欧州中央銀行(ECB)の「賛意」を得ていると指摘。

レーン欧州委員(経済・通貨問題)のスポークスマンは、協議がまだ続いていることを認めた上で「キプロス政府が少額預金者に配慮し、課徴金の累進性を高めることで合意すれば、金融市場への影響に変化がない限り、合意を支持する用意がある」と述べた。

支援策の議会採決は18日に延期された。議会では過半数を占める政党がなく、アナスタシアディス大統領は、議会が批准を拒否すれば、国内2大銀行が破綻すると警告している。

大手行のキプロス・ポピュラー銀行CPBC.CYは、3月21日までに欧州中央銀行(ECB)からの緊急流動性支援(ELA)が断たれる恐れがある。

キプロスでデフォルトが発生すれば、ユーロ圏に対する投資家の信認が揺らぎかねない。

議会は17日に審議を開始する予定だったが、関係者によると、事前協議のための時間が必要との理由で審議は翌日に延期された。

18日は銀行休業日で、課徴金は19日に発効する予定。

<スペイン、預金流出の兆しなし>

ユーロ圏当局者は、預金者に負担を求めたことについて、キプロスの金融部門は国内総生産(GDP)の8倍に達しており、預金者に負担を求めるしか方法がなかったと説明。前例をつくるものではないとしている。

金融支援を申請する可能性が指摘されているスペイン政府は、キプロスは特殊なケースだと主張。スペイン中銀の広報担当は預金流出の兆しはないとしている。

ギリシャの国営通信社ANAによると、同国の主要野党・急進左派連合(SYRIZA)のアレクシス・ツィプラス党首はドイツのメルケル首相を批判した。

キプロスのアナスタシアディス大統領は3週間前の選挙で選出されたばかり。預金者への補償措置として、銀行株を割り当てると表明、将来の天然ガス収入を補償措置の担保とする考えも示した。

キプロスは海底ガス田の試掘を行っており、年内に大量の天然ガス資源の存在が確認されるとみられている。

大統領はテレビ演説で「われわれが望む解決策ではないが、現状では最も痛みの少ない解決策だ」と国民に理解を求めた。

キプロスのGDPはユーロ圏全体の0.2%に満たない。同国は昨年6月に金融支援を申請したが、協議は複雑で難航していた。

国際通貨基金(IMF)のラガルド専務理事は、支援策を支持すると表明、IMF理事会に支援参加を求める考えを示した。

<議会の法案通過は不透明>

支援策関連の法案によると、課徴金を払わない預金者には禁固3年もしくは5万ユーロの罰金が適用される。

キプロスに預金があるロシアの富裕層や、退職後にキプロスに移住した預金者も対象になる。

オズボーン英財務相は17日、BBCに対し、キプロスに駐留する軍関係者3500人に補償措置を適用する方針を示した。

キプロス議会の議員は56人。アナスタシアディス大統領の民主運動党は20議席で、法案通過には他の政党の支援が必要。連立相手の民主党が法案を全面支持するかは不透明。

左派の労働人民進歩党(AKEL)は支援策に反対票を投じる見通し。社会民主運動党(EDEK)も支援策は「論外」としている。

*情報をさらに追加して再送します。

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08. 2013年3月18日 11:57:55 : xEBOc6ttRg

課税が一回のみという保証はない

預金課税するような国では、投資も貯蓄も停滞するのは明らか

それだけキプロスと欧州当局が欧米バブル崩壊で追い詰められていたということ


09. 2013年3月18日 12:06:26 : xEBOc6ttRg

欧州危機拡大の恐れ、キプロス救済条件の預金課税に国民反発 

  3月18日(ブルームバーグ):キプロス支援の条件として銀行預金への課税という前例のない措置が盛り込まれたことに同国民が猛反発し、同国救済が頓挫する恐れが出てきた。ユーロは急落している。
キプロスのアナスタシアディス大統領は、国内の全銀行預金に課税して58億ユーロ(約7100億円)を徴収するとしたユーロ圏財務相会合(ユーログループ)の要求を受け入れ、議会にこの措置の承認を訴えた。課税の仕組みの変更が検討されていると伝えられるなか、大統領は同措置に関する議会の採決を18日まで延期した。  
キプロスは経済規模がユーロ圏17カ国全体の0.5%足らずにすぎないものの、銀行預金への強制的な課税措置を受けてユーロ圏債務危機に新たな混乱を引き起こすリスクがある。モルガン・スタンレーのチーフエコノミスト、ヨアヒム・フェルズ氏(ロンドン在勤)は顧客向けリポートで、「同様の措置が将来取られると他の周辺国の預金者が懸念すればシステム全体へ影響が広がる恐れがあるだけに、憂慮される前例となった」と指摘した。
キプロスの街ではATM(現金自動預払機)の前に行列ができ、他国への資金流出の懸念が浮上している。欧州中央銀行(ECB)が昨年9月に財政難の国を支える方針を表明して以来落ち着いていた市場は再び混乱する恐れがある。イタリアではまだ新政権が発足せず、スペインは政治スキャンダルの渦中にあり、ギリシャは救済条件の順守に苦戦する状況でのキプロスの新たな混乱は、域内の債務危機収拾に向けた取り組みを妨げる可能性がある。  
「ユーロは売り」
ユーロはフランクフルト時間17日午後10時48分(日本時間18日午前6時48分)時点で1.5%安い1ユーロ=1.2926ドル。世界最大の債券ファンドを運用する米パシフィック・インベストメント・マネジメント(PIMCO)のビル・グロース氏はツイッターで、キプロス不安で「リスクオンの取引は影を潜める」と予想し、「ユーロも売りだ」と付け加えた。
アナスタシアディス大統領は預金課税について、キプロスのユーロ圏離脱につながりかねない金融システム崩壊を回避するための1回限りの措置だとして各政党に支持を呼び掛けた。
就任から3週間足らずの大統領はテレビ中継された演説で「銀行が破綻すれば筆舌に尽くし難い不幸を招く」と述べ、1974年のトルコによる派兵で国が分断されて以来最悪の危機だと強調。救済合意がなければ、ECBが3月19日にキプロスの銀行1行に対して流動性供給を停止する事態になっていたと説明した。
大統領は銀行の取り付け騒ぎを抑さえるため、資金を2年間口座に保持する預金者には天然ガス収入による将来の利益に裏付けられた証券を付与することを明らかにし、預金者への影響を緩和する措置も目指すと述べた。
ドイツのショイブレ財務相が17日夜にARDテレビのインタビューで発言したところによれば、銀行預金課税はいわゆる「ベイルイン」で投資家に損失負担を求める案の代替策だった。キプロス政府や欧州委員会、ECBは投資家の損失負担に反対した。
ショイブレ財務相は「キプロス国民に説明する責任は彼らにある」と指摘。銀行の救済で「納税者に頼るべきではないことは明らかだ」と述べた上で、キプロスは徴税を受け入れない限り「極めて困難な状況」に直面すると付け加えた。
銀行課税の税率は現時点で、10万ユーロ(約1200万円)以下の預金が6.75%、それを上回る預金は9.9%となる。この徴税により、キプロス救済策の規模は当初の約170億ユーロから100億ユーロに縮小した。預金の送金は既に凍結されている。18日は銀行休業日のため、政府は19日の銀行の営業再開前に徴税する準備を整えている。ただ、銀行休業日は少なくとも延長される可能性があると、国営CYBC放送は情報源を明かさずに報じた。
欧州当局者によると、キプロスは課税を大口預金者に多く、小口の預金者に少なくする体系に見直すことを検討中。欧州連合(EU)の行政執行機関である欧州委員会と国際通貨基金(IMF)、ECBは、徴税額が同じである限り、見直しを支持すると同当局者は述べた。
大統領は18日午後4時に始まる議会での審議に先立ち議員らと会談する。与党民主運動党(DISY)は56議席中20議席、2月の選挙でアナスタシアディス大統領を支持した第3党の民主党(DIKO)は8議席をそれぞれ有する。19議席を持つ労働人民進歩党(AKEL)は反対票を投じる計画。
原題:Europe Risks Debt-Crisis Contagion as Cypriots Resist BankTax(抜粋)
記事に関する記者への問い合わせ先:ベルリン Patrick Donahue pdonahue1@bloomberg.net
記事についてのエディターへの問い合わせ先:James Hertling jhertling@bloomberg.net;Heather Langan hlangan@bloomberg.net
更新日時: 2013/03/18 11:03 JST


10. 2013年3月18日 15:41:30 : L13KjR4QOU
日本は、米国債を売り払えばよい。

何故、東北大震災で復興費が必要なのに売らないのだ?

答えろ! アホの安倍ョ!


11. 2013年3月18日 17:19:53 : 1BncAQ8Xyo
安倍晋三だって 命は惜しいから 米国債の売却など 話題に触れることさえ恐ろしい でしょうね。もっとも口にしたところで売却はできない取り決めがあるんでしょ!? 属国ここに極まれり ですね。
 橋龍は勇気がありました。 口にして抹殺されちゃったけど ね。

12. 2013年3月18日 18:10:28 : RQpv2rjbfs
すごい荒業。お金持ちも大変だ。安倍と日銀はこれを見習うに違いない。国民は文句を言わずに貯蓄税を払うのだろう。

勘の悪さよ屁の臭さである。そういえば最近ぴかぴかの新車や新築の家を良く見かける。勘のいい人は預金の危うさに気づいているのだろう。

タンス預金がいいのだろうか、老後に備えて蓄えが必要なのに。いやいや宵越しの金は持たないに限る、パーといこう、景気も良くなるだろうし。


13. 2013年3月18日 18:54:29 : xEBOc6ttRg

2013年 3月 18日 17:49 JST
キプロス政府、預金課徴金めぐる新たな提案を準備 
By MATINA STEVIS

 【ニコシア】債務危機に陥っているキプロス政府は18日、国際融資団に対し、銀行預金により平等に税金を課すという苦痛の拡大を伴う新たな提案を準備していることがわかった。事情に詳しい欧州当局の2人の関係者が明らかにした。

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Reuters
キプロスの銀行のギリシャ支店
 この新提案は、58億ユーロ(76億ドル)を調達することを目指したもので、この額は、キプロス政府が欧州委員会と欧州中央銀行、国際通貨基金(IMF)の3者から100億ユーロの金融支援を受けるための必要条件となっている。

 新たな提案では、最大預金10万ユーロまでの、より小口の預金者に対しては3%、10万ユーロから50万ユーロまでの預金者に対しては10%、50万ユーロ以上の預金者に対しては15%の課徴金をそれぞれ課すことになっている。1人の関係者が明かした。

 もう1人の関係者によると、ユーロ圏の財務相は、キプロス政府の新たな提案を吟味するため、電話会議を開催する見通し。

 この関係者は「調達合計額が58億ユーロにとどまる限り、その提案はみんなに支持されるだろう。しかし、もちろん、この提案が奏功するための具体的な数字と証明を財務相と3者が聞く必要があるだろう」と話した。

 当初の提案はキプロス政府は預金10万ユーロ以下のすべての預金者に対し6.75%の税金を課し、それ以上の預金を持つ人々には9.9%の税を課すことになっていた。

キプロス国債利回りが急上昇、支援策受け入れめぐる議会採決控え 6:42pm
[ロンドン 18日 ロイター] キプロス国債が大幅に下落している。キプロス議会はこの後、ユーロ圏による支援を受け入れるかを採決する予定。 記事の全文

キプロスの預金課徴金、承認されれば不公正で危険=ロシア大統領 6:12pm
[モスクワ 18日 ロイター] ロシアのプーチン大統領は、ユーロ圏が合意したキプロスの銀行預金への課徴金について、「不公平で専門的な規範に反しており危険」との見解を示した。報道官が大統領の発言としてロイターに明らかにした。 記事の全文

序盤の欧州株は急落、キプロス支援策受け銀行株が安い 5:40pm
[ロンドン 18日 ロイター] 18日序盤の欧州株式市場は急落している。ユーロ圏が週末に合意したキプロス支援策で、支援と引き換えに国内銀行の預金者に課徴金の支払いを求めたことを受け、欧州の銀行システムに対する懸念が強まった。 記事の全文

欧州株ボラティリティ指数が20%超上昇、キプロス支援めぐる懸念で 5:59pm
[ロンドン 18日 ロイター] 18日の欧州株式市場で、投資家の不安心理を示すユーロSTOXX50ボラティリティ指数が20%超上昇している。銀行預金に打撃を与えるキプロス支援策をめぐる懸念が背景。 記事の全文


14. 2013年3月18日 20:32:50 : rjpmaLs936
もし本当にそれが、マネロン対策というのなら、庶民は引っかからないような課税最低限度額を設けるべきだろう。

15. 2013年3月18日 20:38:19 : rjpmaLs936
こんなことで銀行が救われるはずがない。
こんなことを1度もされた銀行には、誰も預けなくなるし、凄まじい取り付け騒ぎが起こることになる。
そして銀行は、本当に破綻することになるだろう。
そこからが、危機の第2ラウンドだ。

それ以前に、こんな事態を招いた責任者は、一生ブタ箱送りにはならないの?


16. 2013年3月18日 20:39:23 : rjpmaLs936
1度も→1度でも

17. 2013年3月18日 21:19:57 : xEBOc6ttRg
銀行株下落−キプロス決定は格付けにマイナスとムーディーズ

  3月18日(ブルームバーグ):欧州の銀行株が18日、下落している。キプロスの銀行預金に課税するという前代未聞の措置は欧州大陸の銀行の格付けに悪影響を及ぼすとムーディーズ・インベスターズ・サービスが指摘した。
ストックス600銀行株指数 は一時2.4%下落。危機の中心のイタリアとスペインの銀行を中心に売られた。イタリア最大の銀行、ウニクレディトは3カ月ぶり安値を付け、フランスのソシエテ・ジェネラルも大幅安となった。
ユーロ圏の財務相らはキプロス救済の一環として同国の銀行預金への課税を求めた。ムーディーズはこれについて、欧州の銀行預金者らの信頼を揺るがすとともに、銀行債権者支援の制約になると指摘した。
バーデン・ビュルテンベルク州立銀行(LBBW)の銀行アナリスト、インゴ・フロメン氏は「心理的に重大なのは預金者が今や救済への貢献を強いられ得るという点だ。預金保険を通じた方法の方が賢明だったかもしれない」と話した。
原題:European Banks Drop as Cyprus Deposits Levy May ThreatenRatings(抜粋)


 
ロシア大統領:キプロスの預金課税は「不公平、危険」 
  3月18日(ブルームバーグ):ロシアのプーチン大統領は、欧州連合(EU)がキプロス救済の一環として求めた同国の銀行預金への課税計画を批判した。
同大統領は18日、政府の会合で「そのような決定が採用されれば、それは不公平でプロとして失格であり、危険だ」と語った。大統領府がウェブサイトに掲載した。
また、国営のロシア通信(RIA)によると、シルアノフ財務相はロシアがキプロス救済における自国の役割を再考する可能性があると発言した。
格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・サービスによれば、ロシア企業と個人はキプロスに310億ドル(約2兆9400億円)相当の預金を持つ。キプロス籍の企業向け融資を含めると、ロシアのエクスポージャーは約600億ドルだとムーディーズは見積もっている。
原題:Putin Says Cyprus Bank Levy ‘Unfair, Unprofessional,Dangerous’(抜粋)


ECB、10万ユーロ未満のキプロス預金への課税に反対−関係者 
  3月18日(ブルームバーグ):欧州中央銀行(ECB)は残高が10万ユーロ(約1230万円)未満のキプロスの貯蓄預金口座への課税に反対したと、事情に詳しい関係者が明らかにした。
キプロス救済のコストを分散するために残高10万ユーロ未満の貯蓄口座にも6.75%の税率で課税する仕組みを策定したのはキプロスのアナスタシアディス大統領と同国財務省だと、関係者が匿名を条件に述べた。合意は夜を徹した会合の末に16日に発表された。
ECBのアスムセン理事は18日ベルリンで、このような課税の構造はECBが「主張したものではない」と述べ、この課税によって賄う計画の58億ユーロが確保できるかぎり、キプロス政府は課税の仕組みを変更できると述べた。
原題:ECB Said to Have Opposed Levy on Cyprus Deposits UnderEU100,000(抜粋)

関係筋 キプロス救済案、劣後債保有者の損失負担を含む

キプロス議会筋によると、同国政府は2万ユーロまでの小額預金を課徴金対象外とすることを提案している。その他については10万ユーロまで6.7%、10万ドル超には9.9%の課徴金を課す内容という。また、預金者には補償措置として銀行株と将来の天然ガス収入に関連した政府債を支給するという。


 


 

松木秀明のニュースに書けないFXのハナシ トップ |
ちょっと揉めそうなキプロス採決
2013/03/18 (月) 20:35


こんばんは。

今週はいきなりキプロス問題が話題の主役の座に踊り出てきました。

16日のユーロ圏財務相会合で支援が決定したところまでは良かったのですが・・・

その条件のひとつに、全銀行預金への課徴金(税金)が課せられることが発表されました。

週明けの為替市場では、ユーロをはじめとして円買い・ドル買いの動きが強まりました。

現在のロンドン市場ではその戻しの動きが中心ですが、戻し切れない状況になっています。


さて・・・・この条件はキプロス政府サイドのアイデアとのことです。

ドイツ財務相などは、その他の選択肢もある、とやや眉をしかめている感もあります。

ECBは10万ユーロ未満の課徴金には反対!だそうです。

小口預金にまで課徴金を課すのはどうも・・・と国民も他国も思っているようです。

そして・・・本日予定されていたキプロス議会での支援に関する法案採決はあす19日に延期。

国民が納得できる範囲に修正されそうですね。
場合によっては、再延期もあるのでは?

まずは、ここ一両日でユーロの下落分が取り戻せるか・・・・注目したいところです。


 


小笠原誠治の経済ニュースに異議あり! トップ |
キプロスの金融危機の真実
2013/03/18 (月) 12:43


 「愛と美の女神アフロディーテ(ヴィーナス)誕生の地として知られるキプロス。ギリシア神話によると、女神アフロディーテは、この島の海岸近くで、海水の泡の中から生まれ出たといわれています。太陽の恵みを存分に受け、常に輝き続けるその光の中で、美しく彩られた魅力的な風景と、そこに暮らす明るく開放的な人々に出会う―地中海の東に浮かぶキプロスは、愛に満ち溢れた魅惑の島です」(「キプロス・インフォメーションサービス」より)

 地中海に浮かぶ島国キプロスは、四国の約半分ほどの大きさしかないといいますが、この島国で今、再び世界経済を震撼させるような出来事が起きようとしているのです。

 一体何が起きているのか?

 貴方が銀行にお金を預けているとして‥そして、その預金があるとき、急に課税の対象となると発表されたら如何でしょう。

 「貴方の預金残高から9.9%分を国が徴収させてもらうことになりました」と。

 またぞろユーロ危機がぶり返そうとしているのです。

 もうご存知でしょう。地中海のキプロスで、先週末、預金課税が実施されるとの報道がなされ、預金者が銀行の店舗に列をなす騒ぎが起きているというのです。

 でも、何故預金残高が強制的に減らされるなどという無謀なことがなされるのか?

 それは、そうでもしないとEU、ECB、そしてIMFのトロイカがキプロスを支援することができないからなのだ、と。つまり、預金課税は、トロイカのキプロス支援の条件なのです。

 では、何故、キプロスは支援を仰がなければいけないのかと言えば‥何でも、キプロスの銀行が多額のギリシャ国債を保有していたことや、ギリシャの民間会社に対する融資が焦げ付いたことなどから経営が悪化したからだと言うのです。

 つまり、今回のキプロス支援というのは、キプロスの金融機関救済であるのです。

 しかし、金融機関救済と言えば、これまでにもギリシャ、ポルトガル、アイルランド、スペインの金融機関に対する救済が行われてきていて‥しかし、今回のように預金者に犠牲を求めるのは初めてなのです。

 では何故今回は、預金者にも負担を求めるのかと言えば‥

 主な支援国のドイツやオランダなどが支援疲れの様相を呈してきており、救済される側にもさらなる負担を求める声が大きくなっているからなのだ、とか。
 
 プラス、キプロスの金融機関に預けられている合計700億ユーロのうち、約半分が預金保険の対象外の大口預金であり、しかも、ロシア人の預金がうち200億ユーロを占めているからだ、と。

 そして、そうしたロシア人の預金というのは、マネーロンダリングを行っているとの噂が絶えず、そうしたロシアの富裕層を救済することに対する反発の声があることも無視できないのだ、とか。

 ということで、100億ユーロに上るキプロス救済措置(キプロスの金融機関の救済措置)を実施する条件として、

 ・10万ユーロ以上の預金者からは、預金残高の9.9%を徴収
 ・10万ユーロ未満の預金者からは、預金残高の6.75%を徴収

 ということが決まりそうになったのです。

 しかし、余りにも国民の反発の声が大きく、大統領の判断で国会の採決が月曜日の午後まで延期されることになったのだ、と。

 就任から3週間足らずのアナスタシアディス大統領は、次のように言っているのです。

 It was the worst crisis since Turkey invaded in 1974.

 「1974年のトルコによる派兵で国が分断されて以来最悪の危機だ」

 なんでも、救済合意がなければ、欧州中央銀行(ECB)が3月19日にキプロスの銀行1行に対して流動性供給を停止する事態になっていたのだとか。

 大統領は、今回の預金課税について、キプロスのユーロ圏離脱につながりかねない金融システム崩壊を回避するための1回限りの措置だから理解して欲しいと訴えかけているようなのですが‥

 でも、預金者はロシア人ばかりでなく、一般の小口預金者もおり、そして、いきなり預金がカットされると聞けば、誰だってカットされないうちに全額引き出そうとするのです。

 そして、そうして預金者の多くが一度の預金を引き出そうとすれば、それこそが金融危機そのものである訳ですから‥トロイカのやっていることが如何に理由があることとはいえ、ある意味では、自分たちで危機を再燃させているとも言えるのです。

 こうした騒動のせいで、本日は、一気に円高に流れが変わっている訳ですが‥こうしたことからも分かるように、最近の円高は、全てがアベノミクスのためばかりではなかったのです。

 今後ユーロ危機が再燃することになるのか?

 しかし、キプロスの経済規模はユーロ圏全体の僅か0.5%程度しかないことでもあり‥

 今後の進展が大変気になるところなのです。


 


Cyprus bailout threatens to backfire
By Mark Thompson @CNNMoney March 18, 2013: 7:20 AM ET

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LONDON (CNNMoney)
The latest European bailout is blowing up.
Cyprus was scrambling Monday to win parliamentary support for a controversial plan to rescue the tiny island nation -- a plan that now threatened to backfire on the European Union.

An unprecedented tax on bank deposits as part of the €10 billion rescue announced Saturday led to a run on cash machines in Cyprus. It also spooked investors, who feared that other weak eurozone states may be forced down the same path, despite EU statements to the contrary.
Shares across the region fell in early trading, and banks were hit particularly hard. The prices of government bonds across southern Europe also fell, pushing up yields. And the euro lost more than 1% against the dollar.
"The contagion from Cyprus is fairly limited but there is a tail risk that this measure could backfire," wrote Berenberg Bank analysts in a note.
As part of the plan to rescue Cyprus' outsized banking sector and head off national default, the EU said deposits of more than €100,000 would be subject to a one-off levy of 9.9%, starting Tuesday. Smaller depositors would be subject to a levy of 6.75%.
It was the first time that the EU has insisted on such terms for bank depositors as part of a bailout. The EU's bailouts of other nations, such as Greece, have been accompanied by strict budget restrictions and led to losses for bond holders and shareholders.
Analysts said the levy set a dangerous precedent and could undermine depositors' belief that their savings are safe.
"The Cyprus deal may prompt Europeans to question that," wrote financial markets analyst and blogger Louise Cooper. "A fundamental safeguard to Europe's banking industry has been compromised for a tiny country costing 10-20 billion euros to bailout -- not a good trade."
The parliament in Cyprus was due to vote on the plan Monday. Cyprus was working on last minute changes to the proposals to force richer savers to bear a bigger share of the cost, reducing the burden on those with less than €100,000 in deposits, according to reports.
As Cypriots heard the news of the tax, they lined up outside to withdraw money from ATMs. Banks placed withdrawal limits of €400 and many ATMs were running out of cash over the weekend. A bank holiday Monday could be extended into Tuesday to give officials more time to nail down the details, according to some reports.
Cyprus' President Nicos Anastasiades tried to calm his nation on Sunday, and convince lawmakers to vote for the bailout plan.
"A disorderly bankruptcy would have forced us to leave the euro and forced a devaluation," he said in a speech.
The bailout, while small compared to the emergency loans supporting other troubled European nations like Greece, represents more than half the size of the €18 billion Cyprus economy. Cyprus is the EU's smallest state, accounting for just 0.2% of output.
The problem in Cyprus is the banking sector, which is several times the size of its economy. The country made a formal request for help last June after its banks were decimated by losses on Greek debt -- losses that caused lending to stall and sent the economy into a deep recession.
Negotiations on a bailout stalled last year after a previous government objected to the conditions that international lenders were looking to attach. They restarted following the election of Anastasiades last month.
Related: Europe financial sector is fragile, says IMF
EU concerns about money laundering also hampered progress on a bailout. Cypriot banks have large volumes of international deposits, with Russian businesses believed to hold about $19 billion, according to ratings agency Moody's. As part of the bailout deal, Cyprus has agreed to an international anti-money laundering audit.
Russia has come to Cyprus' aid in the past, providing a €2.5 billion loan in 2011 to shore up government finances, but its participation in the new rescue was looking uncertain Monday after President Vladimir Putin attacked the tax on bank deposits.
'If such a decision was made, it would be unfair, unprofessional and dangerous," his spokesman Dmity Peskov was quoted as saying.
The International Monetary Fund was expected to contribute to the deal as it has in others. Christine Lagarde, the fund's managing director, supports the terms and has recommended that the IMF help provide financing for it.
In addition to the tax on bank deposits, other conditions for the bailout loans include an overhaul of the financial sector and an increase in corporate taxes.
Cyprus is the fourth of 17 eurozone states to be granted a bailout by its EU partners and the IMF, after Greece, Ireland and Portugal. Spain has been given EU assistance to rescue its banks but has so far avoided asking for a full sovereign bailout.


First Published: March 18, 2013: 7:20 AM ET


18. 2013年3月18日 23:47:28 : 5zyHzNaOrA
生産していない、漁業くらいしかない国の唯一の利益は
あまりある金融資産を使って搾取することだった

そういう意味ではキプロスの今後はなく、地中海の寂れた、いち孤島となるだろう。信用はすべて剥奪されキプロスの夢は終わった。



19. 2013年3月19日 01:17:52 : xEBOc6ttRg

取り付け騒ぎの危険を冒す欧州の財務相たち
2013年03月19日(Tue) Financial Times
(2013年3月18日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)

 英国のイングランド銀行(中央銀行)総裁を務めるマーヴィン・キング氏はかつて、銀行の取り付け騒ぎを引き起こすのは合理的ではないが、いったん始まってしまったら参加するのが合理的だ、と語ったことがある。

 もちろん、総裁の言う通りだ。先週土曜日の朝、ユーロ圏の財務相たちはこの取り付け騒ぎを引き起こしてしまったのかもしれない。

キプロスの銀行預金に「ヘアカット」


キプロスの首都ニコシアにあるATMで、預金を引き出そうとする人たち〔AFPBB News〕

 キプロスの銀行預金のヘアカット(元本削減)――実際に使われている表現はこれとは異なるが――の実施で合意したことにより、ユーロ圏は銀行の預金保険による保証を事実上デフォルト(不履行)した。

 この保証は2008年、リーマン・ブラザーズが破綻した後に設けられたもので、国ごとに整えられた一連の保証で構成されていた。預金はすべて安全だという政治的な主張を打ち出すことがそれらの狙いだった。

 「実際に使われている表現はこれとは異なるが」とか「事実上」といった言葉を筆者が使っているのは、法的に言えばキプロスはデフォルトしておらず、預金者に損失を押しつけているわけでもないからだ。

 この国は10万ユーロ以下の預金に6.75%、そしてそれを超える額の預金には9.9%の税を課そうとしている。法的に言えば、これは富裕税である。経済的に言えば、ヘアカットだ。

 筆者自身は、預金保険による保護の対象から外れる10万ユーロ超の預金に限ってヘアカット(あるいは課税)を行った方が良かったと考えている。多額の資金をキプロスの銀行に預けることにした外国人を保護する理由は、なぜそのような預金をしたかに関係なく、道義的にも経済的にも見当たらない。

ユーロ圏財務相が下した信じ難い決断

 また10万ユーロ超の預金に限ったヘアカットなら、預金保険の哲学に沿ったものにもなっただろう。預金保険の目的は絶対的な確実性を提供することではなく、取り付け騒ぎを防止することにある。取り付け騒ぎは、少額預金者からカネを取ろうとする時に発生する。上手に設計された預金保険制度で保護される額に上限が設けられているのはそのためだ。

 ユーロ圏の財務相たちがキプロスの少額預金者からカネを取ることにしたと聞いた時、筆者はとにかく信じられなかった。そういう決定を下した純粋に技術的な理由は理解できる。ユーロ圏は、キプロスを全面救済することで合意できなかったからだ。全面救済となれば、170億ユーロの資金負担が生じていた。

 キプロスにカネを貸してもどうせ踏み倒されると確信したドイツは、融資を拒んだ。そのため、支援額は100億ユーロに減らされた。この穴を埋めるには、預金のヘアカットを行うよりほかにない。そして計算してみたところ、大口預金者のヘアカットだけでは足りないことが判明した。

 そこで財務相たちは、累進性がほとんどない富裕税を選んだのだ。今回の決定には、ごく少額の預金者への減免措置すら設けられていない。

南欧全体に広がりかねない銀行取り付け騒動

 暴動が起きそうな政治的ムードを南欧で醸成したかったのであれば、今回の決定はまさにうってつけだった。この合意による政治的ダメージは、長期的にとても大きなものになる。短期的には、銀行の取り付け騒ぎがキプロスにとどまらず、あちこちに広まる恐れがある。


ユーロ圏の財務相らは、ギリシャ国債のヘアカットの際も、「この国特有の状況」だと言っていた〔AFPBB News〕

 ギリシャの時のように、財務相たちは「心配しなくていい。これはこの国特有の状況だ」と述べた。この指摘が正しいのは、法律上のごく狭い意味で言う場合に限られる。

 ギリシャ国債のヘアカットとキプロスの預金のヘアカットとは確かに別物だ。そして、財務相たちがどこかほかの国についてこの台詞を繰り返すことになっても、そこでの状況はやはりその国特有のものになるだろう。

 少額預金者への課税が土壇場で猶予されない限り、キプロスの預金者のほとんどは、追加的なヘアカットや課税から自分の資産をとにかく守るために残りの預金をすべて引き出すという合理的な行動に出るだろう。ほかの南欧諸国の預金者にとっても、これに追随することが同じくらい合理的な行動になるはずだ。

 キプロスの経験から分かるのは、預金保険制度の支払い能力は国家のそれと同程度でしかないということだ。

 イタリアの公的債務の国内総生産(GDP)比、あるいはスペインやポルトガルの公的部門と民間部門が抱える債務の合計などに照らしてみれば、これらの国々の政府が銀行預金を独力で全額保護することなど不可能だ。

 債権国は今後、銀行を救済するならその預金者にも負担を求めなければならないと主張するようになる――。今回のキプロスの救済劇はそう告げているのである。

 それにしても分からないのは、なぜキプロスの人々は事前に預金を引き出さなかったのか、ということだ*1。

 新聞を読んでいなかったのだろうか? それとも、こんなことは絶対に容認しないと約束した新大統領を信頼していたのだろうか? また、ほかの南欧諸国での預金逃避がこれほどまでに少ないのはなぜなのか? ほかの国々の国民も政府を信頼したのか? そして、それ以上に重要なことだが、彼らは今後も政府を信頼し続けるのだろうか?

 ユーロ圏には、取り付け騒ぎを防ぐ制度的な仕掛けがいくつか導入されている。例えば、一部の国ではマネーロンダリングを防ぐという名目で、1日の預金の引き出し額に限度が設けられている。

 また、外国で銀行口座を開設するのは容易なことではない。その国に住んでいなければならないことが多いうえに、口座を作るには銀行の窓口に本人が出向かねばならないこともある。現地の言葉――あるいは、少なくとも英語――を話す必要もある。

 しかし筆者は、こうした仕掛けがあってもあまり安心できない。恐怖心がひとたび臨界に達すれば、人々は行動を起こす。そうなれば、取り付け騒ぎは自己増殖的なプロセスになる。ユーロ圏危機についてはここ8カ月間、かなりの油断が見受けられた。

ユーロ圏の危機が終わったのだとすれば・・・

 欧州中央銀行(ECB)のマリオ・ドラギ総裁が最後の貸し手になると保証したから危機は終わった、とまで考えた人も多かった。銀行の預金者はこのキプロスの一件を見て、次のように理解しているだろう。もし危機が終わったのであれば、それはユーロ圏が銀行預金という新たな資金源を見つけたからにすぎない、と。

 向こう数週間のうちに取り付け騒ぎが起きるかどうか、筆者には見当がつかない。だが、もし起きたら、それは間違いなく合理的だ。

*1=預金者にも負担を求める構想があることは、フィナンシャル・タイムズなどで既に報じられていた

By Wolfgang Münchau

 


ドイツで決められたキプロス預金者の運命
10時間に及んだマラソン協議の内幕
2013年03月19日(Tue) Financial Times
(2013年3月18日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)

 欧州の首脳会議が行われるブリュッセルの巨大な建造物ユストゥス・リプシウス・ビル。3月15日金曜日の夜にビルに足を踏み入れたキプロスの代表団は知らなかったが、彼らの運命は既に定められていた。ドイツの代表団は、推定170億ユーロのキプロス救済資金のうち、約70億ユーロをキプロスの銀行預金から徴収することを望んでいたのだ。

 「ドイツの代表団はフィンランドの代表団と歩調を合わせており、フィンランドの方がドイツよりはるかに独善的だった」

 16日土曜日の午前3時まで続いた10時間のマラソン協議に参加したユーロ圏のある高官はこう話し、「協議がまとまらなかったら、全面的なベイルイン(債権者の損失負担)しかなかった」と付け加える。全面的なベイルインは、キプロスの銀行口座をほぼ空っぽにすることを差す用語だ。

キプロス大統領の誤算


地中海の島国キプロスは2008年1月1日に欧州単一通貨ユーロを導入した(写真は首都ニコシアの財務省ビル)〔AFPBB News〕

 キプロスのニコス・アナスタシアディス新大統領は、銀行口座を持つ一般市民に損失負担を強いることを嫌がっていた。実際、財務相に就任したばかりのミカエル・サリス氏はほんの数週間前に、これを「愚策」と呼んでいた。

 だが、キプロスの政府関係者らによると、EU首脳会議に合わせ15日にユストゥス・リプシウス・ビル内で開かれた会合でドイツのアンゲラ・メルケル首相から言質を取った後、アナスタシアディス大統領は比較的穏当な「ヘアカット(元本削減)」を含むと思われた取り決めに合意した。

 想定されていたのは、10万ユーロ以上の預金に7%、10万ユーロ未満の預金に3.5%の課徴金(税金)を課す措置だった。

 ヘアカットの原則で合意が成立したため、アナスタシアディス大統領はその場に残り、ちょうど始まろうとしていたユーロ圏財務相会合にも参加することにした。大統領が唯一求めたのは、課徴金の率をいじり、預金額の大きい口座にかかる課徴金を引き上げて、あまり裕福ではない人々が被る打撃を減らすことだった。

 両者とも合意はすぐにまとまると考えており、15日夜の早い段階には、予想よりかなり早くに合意内容が発表されるかもしれないという話が漏れ伝わり始めた。

 ところが、キプロスの政府高官らの話によれば、アナスタシアディス大統領は、小幅な調整の要求に対する返答に動揺する羽目になった。

 ドイツのヴォルフガング・ショイブレ財務相が、キプロス政府は即刻、預金者のヘアカットで最大70億ユーロを確保しなければならないと述べたのである。

大手銀行破綻の危機

 唖然としたアナスタシアディス大統領は退席しようとした。キプロス代表団の1人によれば、「大統領は『それはできない』と言った」という。「『あなた方は我々を破滅させようとしている。たとえ私が合意したとしても、(キプロス議会を)通せない』とね」

 しかし、アナスタシアディス大統領はすぐに、怒って席を立つという選択肢がないことに気付かされた。欧州中央銀行(ECB)がまた別の衝撃的な知らせをもたらしたのだ。

 ECBいわく、キプロス第2位の大手銀行ライキは、財務内容があまりにひどいため、もはや欧州中央銀行制度(ユーロシステム)の緊急流動性支援――経営が厳しいユーロ圏の銀行が日々の業務をこなすために必要とする低利の中央銀行融資――を受ける資格がないという。

 ECBの交渉責任者を務めるイェルク・アスムセン専務理事がもたらしたメッセージは、合意がまとまらなければ、ライキは破綻し、恐らくはキプロスの最大手銀行も道連れにすることになり、キプロス政府が同国の預金保険機構がカバーする口座の補償に300億ユーロの支払い義務を背負い込むことを意味した。

 キプロス政府には、そんなお金はなかった。そんなことになれば、キプロスに銀行口座を持つ人すべてが一文無しになる。

フィンランド、スロバキア、オランダもドイツに同調

 預金者のヘアカットを求めたのはショイブレ財務相だけではなかった。協議にかかわった複数の高官によると、同相はフィンランド、スロバキア、そしてある程度までオランダの支持を得ていただけではない。

 何カ月も前から預金者のヘアカットを求めてきた国際通貨基金(IMF)は、かねて預金者の資産差し押さえはキプロス国内、場合によってはその他ユーロ圏諸国での銀行取り付け騒動を招きかねないと懸念していた慎重な欧州委員会との論争に勝った。


IMF抜きの救済さえ検討したと言われる欧州委員会のジョゼ・マヌエル・バローゾ委員長〔AFPBB News〕

 協議に関与したある政府高官によると、欧州委員会のジョゼ・マヌエル・バローゾ委員長はIMFを除外した救済プログラムさえも検討した。だが、複数の政府関係者によれば、その頃にはドイツは欧州委員会に対する信頼を失っていたという。

 交渉に参加したある高官は言う。「ドイツ勢は『欧州委員会よりはIMFのプログラムの方が良い』と言った。私が数えたところでは、加盟国5〜6カ国がIMF抜きの救済プログラムを支持しなかっただろう」

 交渉に同席した別の高官は、欧州委員会のエコノミストたちはギリシャで何度も試算を間違えた後だけに、意見を聞き入れてもらうのが難しかったと言う。

 窮地に追い込まれたキプロス代表団は、被害の軽減を図ることしかできなかった。政府高官数人は、すべての損失負担を10万ユーロ以上の銀行預金に課すことを提案した。ドイツ政府としては、どこにナタが振るわれようと構わなかった。

「大統領の友人は金持ちばかり」

 だが、キプロスの政府関係者らは、10%を超す課徴金はあまりに負担が大きく見え、事態をむしろ悪化させると考え、欧州委員会もこれに同意した。「キプロス大統領は10%を超す課徴金には同意しようとしなかった」。ある交渉責任者はこう話す。「みんな、大統領には金持ちの友人しかいないんだろうと冗談を飛ばしていた」

 交渉担当者らは結局、民営化による収益と法人税増税――税率が現行の10%から12.5%に引き上げられる――による新たな税収の14億ユーロをキプロスの拠出金として算入し、銀行預金からの徴収が必要になる課徴金を58億ユーロに減らすことに合意した。

 課徴金の率は高い方が9.9%になる一方、低い方は6.75%に引き下げられた。EUとIMFはキプロス政府に100億ユーロ融資することになる。

 キプロスの政府関係者は、なお怒りが収まらず、愕然としている。しかし今度はキプロス議会が、アナスタシアディス大統領が15日に直面した厳しい選択を迫られることになる。

By Peter Spiegel


20. 2013年3月19日 01:28:56 : xEBOc6ttRg

キプロス銀行、19・20日も営業停止=政府筋
2013年 03月 19日 00:23 JST
[ニコシア 18日 ロイター] キプロス政府筋は18日、19・20日も国内銀行は引き続き営業停止となると明らかにした。対キプロス支援の一環として盛り込まれた銀行預金への課徴金適用に関する議会決定を待つためとしている。

財務省が間もなく指令を出す見通しという。


ユーロ圏財務相、1830GMTにキプロスめぐり電話協議
2013年 03月 19日 00:16 JST
[ブリュッセル 18日 ロイター] ユーロ圏財務相は、キプロス支援をめぐり18日1830GMT(日本時間19日午前3時半)に電話協議を行う。ユーロ圏当局者が明らかにした。

ユーロ圏財務相と国際通貨基金(IMF)、欧州中央銀行(ECB)は週末、キプロスの銀行預金者に課徴金の形で総額58億ユーロの負担を求める内容を盛り込んだ金融支援策で合意した。

しかし、キプロス議会では反発の声が上がり、課徴金の対象となる預金額をめぐり討議が行われている。


 

キプロス支援めぐり早期決着必要、波及回避を=オーストリア中銀総裁
2013年 03月 18日 23:51 JST  
[フランクフルト 18日 ロイター] 欧州中央銀行(ECB)理事会メンバーであるノボトニー・オーストリア中銀総裁は18日、混乱の拡大を防ぐため、キプロス金融支援策をめぐる協議を早期に責任ある形でまとめる必要があるとの見方を示した。

キプロスは「特異なケース」とも強調し、ユーロ圏が合意した100億ユーロに加えて必要となる58億ユーロをどのように捻出するかを決めるのはキプロス政府の責任だと指摘した。

その上で「責任ある解決策が早期にまとまり、キプロスという特異なケースがさらなる懸念につながらないことを望む」と語った。


米国株式市場・序盤=続落、キプロス支援策めぐる懸念で利食い売り
2013年 03月 18日 23:04  
[ニューヨーク 18日 ロイター] 18日序盤の米国株式市場は続落し、ナスダック総合指数とS&P総合500種は一時約1%下落。

週末のユーロ圏財務相会合で合意した対キプロス金融支援策に銀行預金への課徴金が盛り込まれたことで銀行への信認が揺らぎ、最近の株高を受けて利益を確定する動きが広がっている。


 


ポルトガルの銀行めぐる状況、キプロスと異なる=銀行協会会長
2013年 03月 18日 22:29 JST
[リスボン 18日 ロイター] ポルトガル銀行協会のFernando Faria de Oliveira会長は18日、ポルトガルの銀行をめぐる状況はキプロスとは完全に異なっており、同国の銀行預金に課徴金を適用する理由は存在しないとの認識を示した。

会長はロイターに宛てた声明で「ポルトガルの銀行は支払能力があり、十分な資本を確保しているほか、良好な流動性水準を維持しており、(キプロスとの)いかなる比較もばかげている」と語った。

そのうえで、キプロス金融支援に盛り込まれた銀行預金への課徴金適用に言及し、「同様の措置をポルトガルの銀行に対し適用する可能性について考えることは理にかなっていない」と述べた。


 


キプロス救済、銀行の劣後債保有者も損失負担へ−関係者 
  3月18日(ブルームバーグ):国際的なキプロス救済では、銀行の劣後債保有者も損失負担を強いられる見込みだと、事情に詳しい関係者が明らかにした。
原題:Cyprus Bailout Said to Include Losses on Junior BankBondholders(抜粋)
記事に関する記者への問い合わせ先:ブリュッセル Patrick Henry phenry8@bloomberg.net


 


 

キプロス小額預金者への課徴金、修正に柔軟=ドイツ財務相
2013年 03月 18日 21:55 JST
[ベルリン 18日 ロイター] ドイツのショイブレ財務相は18日、ユーロ圏財務相会合が週末に合意した対キプロス金融支援策で小額預金者も対象に含めた課徴金が盛り込まれたことについて、ドイツが提案したものではないと主張し、修正に対し柔軟な立場を示した。

財務相は記者団に対し「10万ユーロ以下の預金への課徴金はドイツ政府の案ではない」と述べ、「別の措置での合意があってもドイツ政府としては全く問題ない」との見方を示した。

その上で、銀行セクターの規模を縮小せずにキプロスの金融問題を解決することは不可能だと指摘した。

ドイツ政府のザイベルト報道官も18日、キプロスの金融支援策に修正が加えられることに柔軟な姿勢を示した。

報道官は「債務の持続可能性を確保するためにはキプロスによる負担、銀行セクター、つまり預金者と保有者による負担が必要だ」とした上で、「どのように負担するか、どう配分するかはキプロス政府次第だ」と強調。「ドイツ政府としては別の策、別の配分も想定できたが、われわれが決めることではなかった」と述べた。

 


 

 

米州別雇用統計:1月は34州で雇用増、失業率は25州で上昇 
  3月18日(ブルームバーグ):今年1月の米州別雇用統計によると、全米34州で雇用が増加した。
労働省の18日発表によると、ミシガン州は2万6500人の雇用増で首位。続いてワシントン州で2万4100人の雇用者が増加した。失業率は25州で上昇、低下したのは8州にとどまった。
ピアポント・セキュリティーズのチーフエコノミスト、スティーブン・スタンリー氏は「労働市場は若干、改善している」と述べ、「6カ月前と比べると解雇のぺースはやや減速したようだ」と続けた。
原題:Payrolls Increase in 34 U.S. States Led by Michigan,Washington(抜粋) 
更新日時: 2013/03/19 00:29 JST


21. 2013年3月19日 17:10:27 : xEBOc6ttRg

コラム:キプロス問題は欧州経済の一触即発状況示す=サマーズ氏
2013年 03月 19日 14:50 JST

トップニュース
焦点:中国は大胆な経済改革へ、新政府に朱元首相時代の顔ぶれ
米大統領がイラン向けビデオ演説、「今こそ核問題解決を」
ぬぐい切れない市場の警戒感、金と銀の連動性低下
ドル95円後半、「キプロス・ショック」後の買い戻しでクロス円が堅調

ローレンス・H・サマーズ(2013年3月18日)

欧州経済の状況は、半年や1年、あるいは1年半前に比べればすっと心配の度合いは小さいと考えられている。欧州の政策担当者は、金融安定や成長について論じるよりもはるかに、米国を貿易や投資の協定に関する交渉のテーブルに乗せる仕事に取り組みたいと思っている。

しかし根拠のない自信は、それが必要な政策調整の圧力を弱めるとすれば、危険な要素になりかねない。

金融危機に関しては、人々の記憶と現実の展開に際立った違いがある。記憶の中では、破滅は集中的に発生する。しかし実際は、それぞれのパニックの間に一見沈静したように見える期間が挟まる形で展開する。1997年の韓国の危機から98年のロシアのデフォルトまでは8カ月、2008年のベアー・スターンズの実質破綻からリーマン・ブラザーズの崩壊までは半年の間隔があった。

では欧州は危機を抜け出したのか。いくつかの重要な信用スプレッド、特にスペインとイタリアのスプレッドが相当縮小したのは明らかだ。しかし市場環境が改善したとはっきりと解釈できる状況には程遠い。悲観的な投資家が欧州債券をショートにすることは、数々の規制によって制約されている。また規制によって欧州の銀行は国債をリスクフリー資産として扱え、それを担保にして欧州中央銀行(ECB)から市場よりも有利な条件で資金を調達できる。必要な場合にはECBが力強く介入して、債券保有者を救済すだろうという認識も存在する。病気の症状がいったん落ち着いた後は、治癒することもあれば、時には再発するケースもある。

欧州の大半の地域において最近心配な点は、株価と債券価格が同一方向に動く傾向が顕著なことだ。健全な諸国であれば、市場のセンチメントが改善すれば、リスクプレミアムの縮小と金利上昇に伴って、株価は上がり、債券は値下がりする。ところが、現在の欧州の大半のように不健全な経済では、債券がリスク資産のような姿で、センチメントの変化に対して株式のように動いている。

欧州は、なお深刻な問題を抱えている様相だと言っても驚くべきではないだろう。経済成長はずっと低調だ。ユーロ圏の域内総生産(GDP)は過去6年間、ずっと2007年の水準を下回っており、今年もほとんど成長しない見通しだ。アイルランドのように状況が好転しつつあると感じられる地域が出てくるたびに、フランスのように政治、経済面で政策の持続性への疑念が高まる場所が一方に現れる。

キプロスの金融支援に際して少額銀行預金者を救済しようという欧州当局の決断を取り巻く論争は、欧州において経済がどれだけぜい弱かを示している。人口100万人程度の国において、銀行預金のごく一部を金融支援に充当するという案がシステミックリスクの発生源になりかねないという事実からは、欧州経済が一触即発の状況にあることがうかがえる。

すべては政治的な不透明感によって悪化の度合いが増している。2月のイタリア総選挙は、イタリアの基準で考えてさえ、袋小路の結果をもたらした。スペインではスキャンダルと驚くほど高い失業率が悪影響を及ぼしている。フランスは自らの状況について多くの外部の専門家が騒ぐよりもずっと泰然自若としている。ドイツの主要な関心は、秋の選挙を控えて混乱を避けることにある。

選択肢が与えられれば、だれもが通貨同盟が崩壊するよりは、ある程度異例な経済状態に置かれる方が良いと考えるのはほぼ確実だろう。ただ、各国が偏狭な関心事項を追い求めていくにつれ、政治・経済状況が修復不能な地点まで悪化してしまうという深刻なリスクが存在する。

困難に陥っている大半の国で構造改革を続けることが不可欠だ。ユーロにとってより満足できる組織的な土台を築く作業も続けなければならない。成功に向けて重要なのは、(遅まきながらも)一部への恩恵が必ずしも全体の利益にはならないという経済政策におけるパラドックスを認めることだろう。

ドイツの政策担当者は常に、財政健全化と構造改革こそが同国を「欧州の病人」から今日の強い立場に押し上げた鍵だと指摘する。とはいえ、ドイツの輸出の伸びと膨大な貿易黒字は、欧州周縁国の借金のおかげだ。もし欧州の債務国がドイツの歴史上の修正路線を踏襲するなら、そこには彼らの生産物に対する外需増加を保証する戦略がなければ経済は行き詰る。単純に言えば、輸出は輸入なしに存在しない。これは巨額の貿易黒字を縮小する態勢が整ったドイツ経済から、あるいは成長や競争力を促進するECBの金融緩和から、もしくは欧州投資銀行などユーロ圏全体の投資基金の利用拡大から、もたらされるかもしれない。重要な点は、どんな債務返済の戦略でも、債務国の輸出需要を高める手段を提供しなければ成功しないことだ。

必要性を訴えるというのは戦略ではない。1920年代のドイツの経験を学習した人ならだれでも承知しているように、ある国に対して外需が伸びていないのに厳しい態度で多額の債務返済を求めるのは実行可能な戦略とは程遠い。

欧州の政策担当者や国際通貨基金(IMF)その他欧州の利害関係者は、金融危機の歴史とは機会の窓を閉ざすことの歴史だと認識する必要がある。新規の事業は、仕掛かり中の事業よりもわくわくする。そして賛否が分かれるような事態がある場合、政策担当者にとっては選択するよりも強制されて動く方がたやすい。なぜなら強制的な動きは、選択ではなく必要な措置とみなされるからだ。だから部外者は対立を避け、内部関係者は大勢に順応する。それは深刻な結果をもたらしかねない。

(ローレンス・H・サマーズ氏はハーバード大学教授。元米財務長官)


 

ユーロ圏がキプロスに少額の預金者保護要請、議会採決は19日
2013年 03月 19日 10:06 JST

[ニコシア/アテネ 18日 ロイター] ユーロ圏財務相は、対キプロス支援について、少額の預金者を保護する必要があるとの認識で一致した。キプロスは19日1600GMT(日本時間翌日午前1時)に議会での採決を予定している。

週末のユーロ圏財務相会合では、100億ユーロ(130億ドル)を支援する代わりに、銀行預金者に負担を求めるという異例の措置が決まった。一連のユーロ圏加盟国支援策としてこのような措置が取られたことはない。

キプロス問題の展開次第でユーロ圏の債務危機が再燃するとの懸念で、通貨と株式が下落。

19日の議会採決を前に、ユーロ圏財務相は緊急の電話会議を実施し、10万ユーロ未満の預金者が保護されるべきだとの見解で一致した。銀行の預金者から一定割合の金額を徴収する措置が盛り込まれた16日の合意では、その水準の預金には預金額の6.75%、10万ユーロ超の預金は9.9%が適用されることになっていた。


ユーロ圏財務相は高額の預金に対する比率を15.6%に引き上げることが好ましいとし、そうすれば額が比較的少ない預金が保護されることになるとしている。

キプロス側が受け入れるかは定かではないが、ギリシャ財務省筋が明らかにしたところでは、預金への課税で58億ユーロが予定通り確保されることになるという。

ギリシャ財務省筋はロイターに対し、預金の流出に対する懸念から、キプロス側は10万ユーロ超の預金に対する大幅な課税は望んでいないとした。

19日の議会採決は当初は17日に予定されていた。議会でのコンセンサス形成のため、既に2度にわたって延期されている。

キプロス議会の議員は56人で、単独過半数を握る政党はなく、3政党が課税を支持しない方針を示している。

銀行は18日に祝日で休業していたが、19─20日も混乱を回避するため引き続き休業する。ギリシャ財務省筋は採決が19日に予定通りに行われるとしている。

<ユーロ圏は変更を受け入れる構え>

ユーロ圏側は、約60億ユーロのリターンが維持される限り、内容の変更を受け入れる構えを既にみせていた。

欧州中央銀行(ECB)のアスムセン専務理事はベルリンで記者団に対し、もし枠組みを変更したいのであれば、それは政府の決定次第だと述べた。肝心なのは、58億ユーロの捻出が維持されることだとしている。

<1度限り>

ユーロ圏側は今回の措置が1度限りであることを強調。18日時点で兆候はないものの、最も懸念されるのは他のより大規模な欧州各国に不安が広がり、預金の引き出しが始まった場合だ。

米政府によると、欧州連合(EU)の関係国と協議したルー財務長官は展開を注視しており、「公正な」解決策を見込んでいると述べた。

ロシアは、キプロス支援の一環として25億ユーロの既存融資の返済期限の延長を検討している。ロシアのプーチン大統領は、銀行預金への課税が危険な前例になると批判していた。

キプロスのアナスタシアディス大統領はTV番組の中で、銀行預金への課税は銀行の無秩序な破綻を避けるための代替案で、痛みを伴うものの、「最終的には経済を安定させ、回復へとつながる」と訴えた。
 

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ぬぐい切れない市場の警戒感、金と銀の連動性低下
2013年 03月 19日 15:31 
[東京 19日 ロイター] 「キプロス・ショック」がいったん和らいだマーケットだが、警戒感はぬぐい切れていない。前日の落ち込みに比べユーロや日本株の戻りが鈍いほか、金と銀の価格連動性が低下するなど、通常ではみられない動きも出ている。

米景況感は依然保たれているものの、不動産抑制と景気維持の板挟みに苦しむ中国の景気減速懸念が強く意識されているという。

<打ち出されなかった景気刺激策>

キプロス問題で揺れたマーケット。貴金属市場でちょっとした異変があった。

通常、金と銀は連動しやすい。リスクオフ・イベントが起きて資金の逃避先として金価格が上昇するような場合、同じく実物資産として銀価格も上昇するのが通常だ。

しかし、18日の市場では金価格が一時1.2%上昇したのに対し、銀価格は終値では0.3%上昇したものの、一時は0.5%安と、金価格の動きと逆行した。「珍しいパターンだが、リスクオフで金が買われる一方、銀は工業用需要の面が重視され、景気減速懸念からの売りが出た。銅やアルミなどベースメタルの相場も依然軟調であり、中国の景気懸念が強いようだ」(ばんせい投信投資顧問・商品運用部ファンドマネージャーの山岡浩孝氏)という。

中国の国会に相当する全国人民代表大会(全人代)は17日に終了したが、一部で期待されていた景気刺激策は打ち出されなかった。上海総合指数.SSECは2月高値から前日まで約8%下落。景気刺激策が相場反転のきかっけになるとの期待もあっただけに、市場の一部では失望感が漂っている。

市場では「キプロス・ショックが広がった背景には、中国全人代で景気刺激策が打ち出されず失望感が広がっていたことがあった」(国内証券ストラテジスト)との指摘も出ている。

キプロスへの懸念がやや後退し、ユーロ/ドルは1.29ドル台後半まで反発しているが、前週末15日の1.30ドル付近には届いていない。日経平均.N225も247円高と反発したが、短期筋の先物買い戻しが中心で前日の下げ幅340円を埋める力強さには欠けている。東証1部売買代金は2兆円を割り込んだ。

<不動産抑制と景気刺激>

現在の中国は不動産価格の高騰という問題を抱えている。国家統計局によると、1月は主要70都市のうち53都市で住宅価格が上昇。ロイターが国家統計局のデータを基に算出した加重指数によると、北京の1月の住宅価格は前年同月比12.2%上昇と2桁の伸びとなった。中国政府は今月1日に不動産規制を発表したが、効果はまだ不透明だ。

JPモルガン証券のエマージングマーケット・エクイティストラテジーチームは18日、成長鈍化とインフレ懸念を理由として中国株と中国の銀行セクターをアンダーウエートに引き下げた。

市場では「大きな方針はすでに示されている。細かい政策は年末の中央経済工作会議を待たずしても打ち出される可能性はある」(楽天経済研究所シニア・マーケットアナリストの土信田雅之氏)との指摘もある。ファナック(6954.T: 株価, ニュース, レポート)やコマツ(6301.T: 株価, ニュース, レポート)など中国関連株は19日の市場では日経平均を上回る上昇率をみせた。米市場でもキャタピラー(CAT.N: 株価, 企業情報, レポート)が逆行高。「中国の景気減速懸念をかなり織り込んできた可能性もある」(外資系証券トレーダー)という。

ただ、発足した習近平・李克強新体制が重点政策に掲げる都市化も住宅価格が下がらなければ、地方からの移住は困難になる。環境問題も短期的には景気の足かせだ。東洋証券・投資情報部シニアストラテジストは檜和田浩昭氏は「インフレ抑制と景気刺激の二律背反の政策を同時に進行するのは難しい。新指導部が妥協点を見出すまで春先はもたもたしそうだ」との見方を示している。

(ロイターニュース 伊賀大記;編集 宮崎亜巳)


22. 2013年3月19日 19:48:30 : xEBOc6ttRg
コラム:キプロスの預金課税が正しい理由
2013年 03月 19日 18:39

コラム:キプロス問題は欧州経済の一触即発状況示す=サマーズ氏
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By Peter Gumbel

欧州連合(EU)がまとめたキプロス支援案に対する反応は、当初の「ショック」が落ち着き、ありきたりとも言える「非難」に変わった。

英フィナンシャル・タイムズ(FT)紙は論説で「欧州が支援策でまた失敗」の見出しを掲げたほか、ニューヨーク・タイムズ紙のコラムニストを務める米経済学者ポール・クルーグマン氏は、「まるでギリシャ語やイタリア語で『預金を下ろしておこう』と書かれたネオンサインを掲げているようだ」とブログに綴った。

広く報道されているように、今回の支援策には重要な増税要素がある。キプロスに銀行口座を持つ人は、キプロス人であろうとなかろうと、預金に1回限り最大約10%の税金が課されるというものだ。徴収税額は58億ユーロ(約7200億円)に上るとみられる。

欧州全土で銀行の取り付け騒ぎが起こるという物騒なシナリオもあり得なくはないが、EU当局者がキプロスへの措置は例外的だと強調したことで、欧州の市場は18日午後までに落ち着きを取り戻した。

EUがこうした措置に踏み切ったのには、やむにやまれぬ事情が2つある。1つは、キプロスが1990年代にロシア人にとってのオフショア金融センターとして生まれ変わり、不透明なタックスヘイブン(租税回避地)の世界リストで上位に入っていたことが挙げられる。国際的な圧力が増す中、キプロスは2004年にEUに加盟するため、オフショア課税の枠組みを廃止したが、同国の銀行への疑念はぬぐえていない。

独シュピーゲル誌によれば、ドイツの外事情報当局は昨年11月、EUのキプロス救済基金はロシアの富豪の懐を潤すだけにすぎないと警告した。同情報当局は、キプロスの銀行にあるロシアマネーを260億ドル(訂正)と試算しており、これは今回のEU支援策のたっぷり2倍以上にあたる金額だ。ロシアの富豪ドミトリー・リボロフレフ氏は、国内最大手キプロス銀行の株式約10%を保有している。キプロスは、国際水準を満たすと約束しながらも潔白とはみなされていない国の1つとして、経済協力開発機構(OECD)のリストでは「グレー」な国家とされている。

このような状況で、厳しい条件なしにキプロスに国内総生産(GDP)の半分以上に当たる支援の小切手を切ることは、政治的な矛盾を生む。フランスとドイツは長年、タックスヘイブンの危険性を非難しており、不正を取り締まるため、G8やG20などの場でも他国に協力を呼び掛けてきた。キプロス国民自身に痛みを求めないとなると、独仏のこれまでの厳しい態度とは矛盾が生じることになる。

人気のあるタックスヘイブンでさえ100%安全ではないと示した点で、EUは国際金融全体にとって良い仕事をしたと言えるかもしれない。

今回のEUの支援策を支持する第2の理由は、モラルの観点というより経済的な打撃といった観点だ。2008年当時のアイルランド人やスペイン人、ギリシャ人に尋ねてみればいい。1回限りの家計への非常に厳しい影響か、5年にわたる経済低迷のどちらがいいかと。はっきり答えられる人は少ないだろう。

こんな選択は誰もしたくないし、キプロス国民には選択肢が与えられているわけでもない。しかし、こうした短期型の厳しいショック療法には前例がある。アイスランドだ。

アイスランドでは2008年、銀行が経営破たんに陥り、オンライン口座にあった英国人やオランダ人の預金も消滅してしまった。アイルランドやギリシャとは違い、アイスランドは政府の資金を投入して銀行を救済する道を選ばなかった。

同国のグリムソン大統領は、フランスのインターネット新聞とのインタビューで「われわれは今回の危機が、単なる経済や金融に関するものではないことに気づいた。これは政治、民主主義、そして法律に関わる根深い危機なのだ」と語った。アイスランドでは、銀行の従業員や政治家が犯罪捜査の対象となったほか、なぜそもそも国家がこうした状況に陥ったのかを調査する特別検察官を設置することなどを含め、多くの法的措置が行われた。

アイスランドの約3倍の人口を抱えるキプロスだが、銀行預金に関する騒ぎが一旦落ちつけば、国民はアイスランド国民と同じように、なぜ危機が起きたのかをつぶさに調べようとするかもしれない。

キプロス国民にとっての大きな問題は、なぜ銀行はロシアなどからGDPを軽く超える資金を引きつけておきながら、国全体を窮地に追いやるほどの状態になってしまったのかということだ。おそらく教訓は、タックスヘイブンであることに大した価値はないということだろう。そしてキプロスの場合にもこれが当てはまるのなら、EUの措置はこうしたことに気づかせた点で極めて有益だと言えるだろう。

*6段落目の260億ユーロを260億ドルに訂正します。

 

キプロスの銀行預金への課税、預金流出につながる=中銀総裁
2013年 03月 19日 19:23 JST
[ニコシア 19日 ロイター] キプロス中央銀行のデメトリアデス総裁は19日、銀行預金への課税が実施された場合、キプロスの銀行は数日中に預金の10%以上を失うことになると警告した。

同総裁は、議会の財政委員会で「法案の草案が通過した場合、数日以内に預金の10%、あるいはそれ以上が流出するだろう」と述べた。

また、キプロス中銀と欧州中央銀行(ECB)は10万ユーロ以下の預金への課税をすべて取りやめる案を支持していると加えた。これは18日夜にユーロ圏財務相が示した姿勢と一致する。


 

キプロス銀行預金法案、2万ユーロ以下は課税せず
2013年 03月 19日 19:20

[ニコシア 19日 ロイター] キプロス政府が19日議会に提出した法案の草案によると、2万ユーロ(2万5920ドル)を下回る預金には課税しない内容となっている。

ロイターが把握した草案によると、2万─10万ユーロまでの預金への課税は6.75%、10万ユーロ超の預金への課税は9.9%となっている。この変更によりユーロ圏が求めていた課税による58億ユーロの資金が調達できるかどうかには触れていない。

ユーロ圏財務相は当初の16日の合意では、預金高10万ユーロ以下には6.75%、それ以上には9.9%の税率を課していた。キプロス国内外で反発がでたことから、18日には10万ユーロ以下には課税せず、それ以上には15.6%を課す内容に変更していた。

*内容を追加して再送します。


23. 2013年3月19日 19:59:04 : xEBOc6ttRg

本来、債務超過した銀行を救済する必要はないので
アイスランド同様、デフォルトさせ、債務と債権の差額を預金残高に応じて返還すればよいだけだろう

そして決済機能に関しては、新銀行を設立して継承すればいい

TAX HAVENでも油断はできず、海外に資産を移せば安心というわけでもない
というのは世界の一般富裕層にとって良い教訓になる



24. 2013年3月19日 21:26:37 : sMcqiannNQ
01. 2013年3月17日 23:10:37 : mHY843J0vA
04. 2013年3月18日 09:52:08 : Qs2ppwNA3w
05. 2013年3月18日 10:06:19 : Qs2ppwNA3w
07. 2013年3月18日 11:53:38 : xEBOc6ttRg
09. 2013年3月18日 12:06:26 : xEBOc6ttRg
13. 2013年3月18日 18:54:29 : xEBOc6ttRg
17. 2013年3月18日 21:19:57 : xEBOc6ttRg
19. 2013年3月19日 01:17:52 : xEBOc6ttRg
20. 2013年3月19日 01:28:56 : xEBOc6ttRg
21. 2013年3月19日 17:10:27 : xEBOc6ttRg
22. 2013年3月19日 19:48:30 : xEBOc6ttRg

だらしないコピペ投稿は迷惑だからやめろよ。
荒らしが目的なのか?
知ったかぶりして、ションベン大学の学生か?


25. 2013年3月19日 21:33:34 : sMcqiannNQ
>23. 2013年3月19日 19:59:04 : xEBOc6ttRg
おまえ、能書きはいいから、日本はこれからどうなるんだか言ってみろよ。
株はいくらまで騰がるんだ?

たかがキプロスごときで、340円も大暴落するアベノミクスはどう思うんだ?
たった100万人の小国の問題で日本の株が大暴落。これは、アベノミクスが詐欺だってことだよな。
アベノミクスなんて、所詮この程度のものだってことなんだよな。

アベノミクスなんて、煽ってるけど、結局世界中の余った金が日本に途中下車で寄っただけだ。


26. 2013年3月20日 02:29:57 : xEBOc6ttRg
IMF、小額預金者保護に向けたキプロスの取り組みを支持=専務理事
2013年 03月 19日 21:08

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[フランクフルト 19日 ロイター] 国際通貨基金(IMF)のラガルド専務理事は19日、対キプロス金融支援に盛り込まれた銀行預金課税をめぐり、小額預金者の負担軽減に向けた同国政府の取り組みを支持するとの見解を示した。

ラガルド専務理事は会合で「一回限りの銀行預金への課税において、一段と累進的な課税率の導入を目指すキプロス政府の意図を支持している」と語った。

ユーロ圏が週末の財務相会合で決定した支援の前提として、キプロス政府は預金課税全体で58億ユーロを徴収する必要がある。

専務理事はさらに、キプロスが銀行セクターの規模を縮小し、かつ再編する必要があるとの考えを示した。
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPTJE92I00120130319?rpc=188


EUの預金保険規則、課税には適用されず=欧州委
2013年 03月 19日 23:38 JST
[ブリュッセル 19日 ロイター] 欧州委員会は19日、欧州連合(EU)の預金保険規則は銀行が破綻した場合にのみ適用されるもので、各国の議会が決定する財政上の措置から預金を保護するものではないと強調し、キプロス銀行預金への課税措置を擁護した。

欧州委のオコーナー報道官は、最大10万ユーロまで域内の銀行預金を保護するEUの規則について、「銀行が破綻した場合」にのみ適用されると言明。ユーロ圏が週末の財務相会合で決定したキプロス支援に盛り込まれた銀行預金への課税については「一回限りの措置であり、財政措置として適用される」と述べた。

http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPTJE92I00O20130319


ECBへの銀行監督権限付与でEUが暫定合意
  3月19日(ブルームバーグ):欧州連合(EU)の議会と政府は欧州中央銀行(ECB)に銀行監督の権限を付与する法案に関して、暫定合意を取りまとめた。これにより、ユーロ圏のファイアウォール(防火壁)が銀行を直接救済する道が開かれることになる。
このECBの法案に関しては19日に合意に達した一方、欧州銀行監督機構(EBA)の役割を向上させる第2法案についての協議は19日午後に継続される。欧州議会のフィリッペ・ランバーツ議員(ベルギー)が明らかにした。
欧州議会の経済・通貨委員会メンバーであるランバーツ氏は、銀行監督の一元化は大きな前進だと評価。「総資産の75−80%を欧州で有する銀行は直接監督を受けることになる」と述べた。  
原題:EU Reaches Deal on Bill to Vest ECB With Bank OversightPowers(抜粋)
記事に関する記者への問い合わせ先:ブリュッセル Jim Brunsden jbrunsden@bloomberg.net;ブリュッセル Rebecca Christie rchristie4@bloomberg.net
記事についてのエディターへの問い合わせ先:Anthony Aarons aaarons@bloomberg.net;James Hertling jhertling@bloomberg.net
更新日時: 2013/03/19 23:42 JST
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-MJWW7U6TTE1301.html


キプロス支援策への厳しい条件、ユーロ圏にとっては良薬か
 ユーロ圏はキプロスに100億ユーロの金融支援を行う条件として銀行預金者から課徴金を徴収するよう命じたが、この決定には当然のように一部から激しい反発が起こっている。 (3/19)
キプロス危機、数日で幕引きか
(3/19)
キプロス危機のドラマは、同国議会が痛みを伴う銀行預金の削減案を承認すれば、数日中に幕引きとなるだろう。
http://jp.wsj.com/home-page


バーナンキ議長、緩和推進メッセージの明確な伝達図る

  3月19日(ブルームバーグ):米連邦準備制度理事会(FRB)のバーナンキ議長は、一部地区連銀総裁のタカ派的な認識よりも自身が唱える緩和推進のメッセージを市場に確実に届けるため、連邦公開市場委員会(FOMC)のコミュニケーションをめぐる管理を強化しつつある。
FRBは19−20日のFOMCから、会合後の声明発表とバーナンキ議長の記者会見開始時刻の間隔を短縮する。これにより、投資家がFOMCの政策意図を誤解する可能性を低く抑えることができる。議長はここ最近の議会証言や講演で、緩和策維持の方針を表明し続けている。2月の議会証言では、毎月850億ドル相当の債券購入を擁護する姿勢を示したほか、「時期尚早な緩和策引き揚げ」は景気回復の勢いを弱める恐れがあると警告した。
ジョンズ・ホプキンス大学のエコノミスト、ジョナサン・ライト氏は「バーナンキ議長は、緩和策の早急な引き揚げに向けた動きが見られた場合には前面に出て、真の政策意図を市場に示唆することが不可欠であると、しっかり認識している」と指摘。また、議長は債券購入を当局が時期尚早にやめるという誤解をなくすため、「コミュニケーションを管理する必要があると感じた」と分析した。ライト氏は2004年から08年までFRBの金融政策局で勤務した経験がある。
1月3日公表のFOMC議事録によれば、幾人かのメンバーが、2013年の年末よりかなり前の時点で債券購入の縮小なり停止が適切と判断。バーナンキ議長による過去最大規模の景気刺激策推進は足踏みした。10年債利回りは同日、前日比約7ポイント上昇の1.91%と、5月以来の高水準を付けた。
資産購入を推進
バーナンキ議長は2月26、27日の議会証言および、3月1日のサンフランシスコ連銀での会議で、金融安定への懸念があっても景気刺激策を弱めるべきではないとし、金融当局の債券購入を推し進める姿勢を示した。
07年から11年までFRBの国際エコノミストのトップだったネイサン・シーツ氏によると、バーナンキ議長は前例のない取り組みの効果を弱めかねないとして、米国債利回りの意図せぬ上昇を回避したいと考えている。
シーツ氏は「FOMCの政策をめぐる誤解が原因で長期金利が上昇するようなことになれば、それは憂慮すべき事態であり、当局者らは政策意図を明確にしたいと考えるだろう」とし、「金利低下が景気回復を支援し、住宅市場や自動車、耐久財にプラスとなっているのは確実だ」と続けた。
原題:Bernanke Tightens Hold on Fed Message Against HawkishHeadwinds(抜粋)
記事に関する記者への問い合わせ先:Atlanta Steve Matthews smatthews@bloomberg.net;San Francisco Aki Ito aito16@bloomberg.net
記事についてのエディターへの問い合わせ先:Chris Wellisz cwellisz@bloomberg.net
更新日時: 2013/03/20 00:58 JST
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-MJVCZP6S972I01.html



米住宅着工:2月は0.8%増の91万7000戸−許可件数も増える

  3月19日(ブルームバーグ):2月の米住宅着工は増加。着工許可件数も大きく増えた。
米商務省が19日発表した2月の住宅着工件数 (季節調整済み、年率換算、以下同じ)は91万7000戸と、前月から0.8%増加した。ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミスト予想の中央値は91万5000戸だった。前月は91万戸と、速報値の89万戸から上方修正された。
先行指標となる住宅着工許可件数は4.6%増の年率94万6000戸。市場予想の中央値は92万5000戸だった。
ウェルズ・ファーゴ・セキュリティーズのシニアエコノミスト、アニカ・カーン氏は「住宅市場は引き続き経済の明るい材料だ。今回の統計も良い内容だった」と指摘。「着工許可件数が非常に大きく伸びた。許可件数のペースが着工ペースを上回る限り、3月の統計も前向きな内容となる可能性は高い」と続けた。
一戸建て住宅 の着工件数は0.5%増の61万8000戸(前月61万5000戸)。集合住宅の着工は1.4%増えて29万9000戸。
地域別では、全米4地域のうち2地域で増加が見られた。最も伸びたのは中西部で37.5%増。北東部では18.4%増えた。一方、西部では7.2%減、南部も5.7%減った。
原題:Housing Starts in U.S. Climb as Building Permits Pick Up(2)(抜粋)
記事に関する記者への問い合わせ先:ワシントン Lorraine Woellert lwoellert@bloomberg.net
記事についてのエディターへの問い合わせ先:Chris Wellisz cwellisz@bloomberg.net
更新日時: 2013/03/19 23:22 JST
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-MJWQX26TTDUO01.html


27. 2013年3月20日 03:07:33 : xEBOc6ttRg
ドルが95円割れ、キプロス財務相辞任との報道などで円高加速
2013年 03月 20日 02:03 JST
[ニューヨーク 19日 ロイター] 19日中盤のニューヨーク外為市場では、キプロス問題の波及懸念を背景に円への逃避買いが膨らみ、ドルが対円で95円を割り込んだ。またユーロは対ドルでおよそ3カ月ぶり安値に沈んだ。

市場関係者によると、キプロス財務相が辞表を提出したとのマーケット・ニュース・インターナショナルの報道などが材料視されている。

ドル/円は一時94.71円に下落。一方、ユーロ/ドルは昨年11月下旬以来の安値となる1.2874ドルまで売られた。


 

ファンドマネジャー、日米景気への信頼感改善=バンカメ・メリル調査
2013年 03月 20日 02:15 JST
[ロンドン 19日 ロイター] バンク・オブ・アメリカ・メリルリンチが19日発表した3月のファンドマネジャー調査によると、日米の景気や企業業績に対する信頼感が改善している。一方、中国の成長見通しは悪化していることが明らかになった。

調査は世界のファンドマネジャー254人を対象に実施された。

今回の調査では、株式のオーバーウエート比率がネットで57%と、過去2年余りで最も高い水準となった。米国株がネットで14%のオーバーウエートと昨年7月以来の高水準を記録したほか、日本株のオーバーウエート比率も2007年以来の高水準となった。

一方、債券はネットで53%のアンダーウエート。2月は同47%のアンダーウエートだった。

バンカメ・メリルの欧州投資ストラテジスト、ジョン・ビルトン氏は「楽観的な見方が大幅に強まっている。企業の業績見通しや潤沢な流動性が投資家の強気を支えている」と述べ、「資産配分は米国と日本に偏っている」との見方を示した。

一方、中国の成長見通しは悪化傾向にあるとしたほか、欧州危機が2012年8月以降初めて再び最大のテールリスクとして意識されていると指摘した。

キャッシュはネットで2年ぶりのアンダーウエートとなった。

流動性が良好との回答はネットで60%となり、投資家の楽観的見方を支えていることが示された。

中国の景気改善を予想した回答はネットで14%にとどまり、昨年10月以来の低水準を記録。2月の60%から大きく低下し、前月からの低下幅としては過去最大となった。


 


3月の独ZEW景気期待指数はやや上昇、予想上回る
2013年 03月 20日 01:03 JST
[マンハイム(ドイツ) 19日 ロイター] ドイツの欧州経済センター(ZEW)が19日に発表した3月の独景気期待指数はプラス48.5となり、前月の48.2からやや上昇した。

ロイターがまとめたエコノミスト予想中央値48.0を上回り、ドイツ経済が第1・四半期に盛り返したことが改めて示された。ただ、ユーロ圏債務危機が悪化する危険性も高まっていると警鐘を鳴らした。

調査はアナリストや投資家ら245人を対象に3月4日─18日に実施された。このうちキプロス支援合意後の18日に回答したのは13%としている。

キャピタル・エコノミクスのジェニファー・マッキオン氏は「今月の伸びは11月以降で最小で、イタリア政治の行き詰まりや、このところやや軟調さを示すドイツの指標が影響を及ぼしていることを示す」と分析。「それ以上に重要なのは、回答の大半がキプロスの危機再燃前に寄せられており、ユーロ圏全体の金融システムや経済に関する心理が明らかに悪化する恐れがある」と話した。

2月の景気期待指数は2010年4月以来の高水準となったが、イタリア政治の混迷やキプロス支援で、ユーロ圏債務危機が再び悪化するリスクが高まり、今月の指数が大きく伸びなかった可能性があると、ZEWはみている。

ZEWのフュースト所長は、ユーロ圏債務危機が引き続きドイツ経済最大のリスクとした上で、見通しはおおむね良好との見方を示した。「ドイツの経済状況は向こう数カ月間で改善するだろう。金融市場の専門家はこの予想を堅持している」と話した。

現況指数は13.6で、2月の5.2から上昇。予想は6.0だった。


28. 2013年3月20日 03:13:29 : xEBOc6ttRg
2013/03/20 (水) 02:14
オーストリア中銀のノボトニー総裁はECBが、キプロス銀行向けのラストリゾートとしての貸し出し手として完全に全うする準備があると述べた。

EUR/USD 1.2866 EUR/JPY 122.08

NY市場 キプロス財務相、辞表提出していない(03:12)
NY金 終値 6.70ドル高(0.42%高)の1611.30ドル(03:08)
欧州株 終値 英FTSE100は0.26%安(03:06)
NY市場 他金融市場 2時台 米株は一段安(02:35)

NY市場 ユーロ円は122円割れ(02:17)

>>25 

お前も少しは内容のある投稿しろ
そしたらコメントしてやってもいい



29. 2013年3月20日 09:17:47 : xEBOc6ttRg
NY外為(19日):ユーロが対ドルで3カ月ぶり安値

  3月19日(ブルームバーグ):ニューヨーク外国為替市場では、ユーロがドルに対し3カ月ぶり安値に下落。キプロスで銀行預金課税法案が否決され、救済が順調に進まなくなるとの懸念が高まった。
ドルは主要16通貨の大半に対して上昇。米連邦準備制度理事会(FRB)が19日から2日間の予定で開催している連邦公開市場委員会(FOMC)では、政策の現状維持が見込まれている。円は逃避需要から下げを埋め、主要16通貨全てに対して値上がりした。ユーロはスイス・フランに対しては、ここ2年余りで最長の連続下落となった。
ロイヤル・バンク・オブ・スコットランド・グループ(RBS)の為替・新興市場戦略責任者、デービッド・シモンズ氏は「今の市場環境ではドルを選好する」とし、「ユーロは対ドルで下落するだろう」と続けた。
ニューヨーク時間午後5時現在、ユーロは対ドルで前日比0.6%安の1ユーロ=1.2882ドル。一時11月22日以来の安値を付けた。この日は200日移動平均の1.2875ドルを下回った。対フランでは0.5%下げて1.2197フラン。これで7営業日続落と、2010年12月以来の長期連続安となった。
預金課税の法案否決
ソシエテ・ジェネラルの為替ストラテジスト、セバスチャン・ゲーリー氏は電話取材で、「キプロスでの採決をめぐる不透明感から、市場ではユーロにとって非常に重要なサポート水準となる1.2872ドルや1.2874ドル、1.2876ドルを模索する動きが出ている」と述べた。
円は対ドルで0.1%高の1ドル=95円16銭。対ユーロでは0.8%上げて1ユーロ=122円59銭。
キプロス議会は19日、同国救済融資の条件に挙げられている銀行預金課税を実施する法案を否決した。ユーロ圏の当局者らは、救済融資の条件として、銀行預金課税を通じた58億ユーロの捻出を求めていた。
キプロスのフォティオ国防相はギリシャのテレビ局スカイに対し、政府は法案が通過しなかった場合に備えた「代替案」も検討していると述べた。
シティグループのG10通貨戦略担当責任者、グレッグ・アンダーソン氏(ニューヨーク在勤)は「ここ24時間における市場の焦点は、否決された場合の第2案は何かということだ」と述べた。
円相場
円は対ドルで4営業日続伸。9月以降で最長の連続高となった。
ゲイン・キャピタル・グループ(ニューヨーク)のシニア為替ストラテジスト、エリック・ビロリア氏は「円はなお相対的に逃避通貨としての魅力がある」とし、「ただ当社の円の見通しは弱気だ。今の上昇は円売りのチャンスと捉えている」と続けた。
日本銀行の白川方明総裁は19日退任した。20日には黒田東彦氏が新総裁に就任する。こうした中、円は一時下げていた。
ラボバンク・インターナショナルのシニア為替ストラテジスト、ジェーン・フォーリー氏は「近く日銀の新総裁が就任する。市場は新総裁をハト派と認識している」とし、「これは円に重しとなる可能性が高い」と続けた。  
原題:Euro Falls to 3-Month Low as Cyprus Lawmakers Reject BankLevy(抜粋)

更新日時: 2013/03/20 06:48 JST


キプロス議会の預金課税法案否決は遺憾、状況は深刻=独財務相
2013年 03月 20日 07:50 JST

トップニュース
ECB、必要に応じ流動性供給するコミットメント再確認
ユーロ圏金融・債券市場・終盤=独連邦債上昇、キプロス不安で逃避
キプロスのユーロ圏離脱、検討されていない=スペイン経済相
キプロス財務相、辞任報道を否定

[ベルリン 19日 ロイター] キプロス議会が金融支援の条件となっている銀行預金課税法案を否決したことについて、ドイツのショイブレ財務相は19日、「非常に遺憾だ」との見解を示した。

同財務相はZDFテレビに対し「キプロスが支援を要請した。支援プログラムを実施するにはキプロスが金融市場に復帰するための信頼できる手段が必要だ」と述べ、同国の債務水準は高過ぎると指摘した。

さらに、キプロスは「深刻な状況」にあり、その責任は同国だけにあるとの認識を示した。キプロスの「ビジネスモデル」はもはや機能しないとし、同国は早急に対処する必要があると強調した。

ショイブレ財務相は「差し迫っている破綻を回避したければ債権者が関与しなければならない。銀行の投資家が相応の貢献をする必要がある」と指摘し「負担とするか課税とするはキプロスが決めることだ」と述べた。

キプロス議会、銀行預金課税法案を否決
2013年 03月 20日 07:29 JST
[ニコシア 19日 ロイター] キプロス議会(56議席)は19日、国際支援を受ける条件である銀行預金課税法案を否決した。

採決結果は賛成ゼロ、反対36、棄権19、欠席1と圧倒的な反対多数での否決だった。

ギリシャ、ポルトガル、アイルランド、スペインなど、ユーロ圏諸国は過去3年にわたり、欧州連合(EU)からの支援を受けるため、国民に不人気な緊縮措置を繰り返し受け入れてきた。域内小国のキプロスがこうした流れに逆らい、EUの支援条件を拒否したことは、ユーロ圏諸国にとっては大きな痛手となる。

EUはキプロスが預金課税を受け入れない限り、100億ユーロ(128億9000万ドル)の支援を行わない方針を示しており、キプロスは法案否決により財政破たんの瀬戸際に立たされた。

否決された法案は、2万ユーロ(2万5920ドル)を下回る預金は課税対象外とし、2万─10万ユーロまでの預金への課税率は6.75%とした。

ユーロ圏財務相は前日の緊急電話会議で、10万ユーロ未満の預金を保護し大口預金への課税を強化するよう求めたが、アナスタシアディス大統領は課税による58億ユーロの歳入確保のために10万ユーロ超の預金に10%超の課税を行うことには断固として反対。法案では、より小額の預金に対しても課税を行う内容となった。

キプロス内ではロシアからの支援に期待する声もある。

キプロスのサリス財務相はこの日、モスクワを訪問し、金融支援について協議している。

また政府報道官によると、アナスタシアディス大統領は同日、ロシアのプーチン大統領と協議する可能性がある。


キプロス議会の預金課税法案否決は遺憾、状況は深刻=独財務相 2013年3月20日
米株はS&Pが3日続落、キプロス預金課税法案否決で下げ幅縮小 2013年3月20日
欧州株式市場=続落、キプロスの支援策否決観測で 2013年3月20日
キプロス財務相、辞任報道を否定 2013年3月20日


 

キプロス、預金課税否決 救済、破談の恐れも
2013.3.20 08:13

 キプロス議会は19日夜、欧州連合(EU)ユーロ圏諸国などによる金融支援の条件となっていた銀行預金課税のための法案を否決した。AP通信などが伝えた。

 課税により見込んでいた58億ユーロ(約7千億円)の代替財源を見つけられない限り、ユーロ圏や国際通貨基金(IMF)による支援は実施できず、キプロス救済は破談となる恐れが出てきた。

 国民の強い反発を受け、議会議員のうち、野党系など36人が反対、与党系19人が棄権し、賛成は1人もいなかった。19日には一時、サリス財務相が辞意を表明したと伝わるなど、情勢は混乱の度を深めている。

 ユーロ圏財務相会合のデイセルブルム常任議長は「キプロス金融支援の条件は不変だ」として、預金課税の実施をあらためて迫った。(共同)


 

【NY市場】キプロス議会は否決もECBは流動性供給
2013/03/20 (水) 06:02


19日のNY市場でユーロドルは一時1.2844近辺と昨年11月22日以来、約4ヶ月ぶりの安値を付けた。キプロス議会が銀行預金課税法案を否決するとの観測や、サリス財務相が辞表を提出したとの一部報道を受けてユーロ売りが強まった。質への逃避から、資金は主要国債やNY金先物に向かっている。その後、キプロス議会は同法案を否決しユーロ売りが入ったものの下値は限定されたことで買い戻しが入り、ユーロドルは1.28台後半まで戻している。ECBはキプロス議会の否決を受けて、キプロスに対して既存ルールの範囲内で流動性供給提供を確認していると声明を発表し、ユーロドルは1.2920前後まで急速に下げ渋る場面もあった。ドル円はキプロス情勢不安を背景に94.72近辺まで押されたが、95円台前半に戻している。
なお、サリス財務相は辞表提出を否定している。

キプロス議会は法案を賛成ゼロ、反対36、棄権19、欠席1という圧倒的な反対多数で否決した。今回の法案は、2万ユーロ未満の預金を無課税としたが同意を得られなかった。キプロスは支援を受けるために58億ユーロの課税を徴収する必要があり、新たな法案作製が必要。今後の支援の行方に不透明感が漂っている。明日20日に、大統領と議会指導部は協議を行う予定で、銀行営業は法案成立まで停止するとのこと。なおユーログループのダイセルブルーム議長は、100億ユーロの対キプロス支援は依然有効とし、不足資金の調達方法はキプロス政府の判断次第と述べている。

klugアナリスト 鈴木信秀


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