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株式日記と経済展望
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「英語公用語」の動きには、予想外の反応が見られた。楽天は前回57位
から227位、ファーストリテイリングは前回63位から262位とダウンした。
2013年3月16日 土曜日
◆楽天・ユニクロ社長に「英語公用語化」反対の手紙を送った理由 1月25日 筑波大学大学院教授 津田幸男
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20130125-00008316-president-bus_all&p=1
■なぜ非英語圏の人は不利なのか
楽天、ユニクロ(ファーストリテイリング)という当代きっての人気企業が「英語の社内公用語化」に踏み出した――。驚くべきニュースに接した私は、10年7月、両社の社長に注意喚起を促す手紙をお送りしました。
私の専門は「英語支配論」「言語政策」です。英語支配が世界の言語や文化に与える影響を主な研究テーマとしています。その観点から、両社のような注目度の高い企業が、英語の公用語化という思い切った施策をとるのは大きな問題があると考えたのです。
それはなぜか。簡単にご説明しましょう。
英語は事実上の「世界標準語」であるといわれます。各種国際会議で使用されるほか、政治やビジネス、あるいは観光、娯楽においても主役の地位を占めています。世界の人々とコミュニケーションをとることができる、便利な言語であるのは間違いありません。
しかし、こう考えてみたらどうでしょう。
英語とはアメリカ合衆国や、かつての大英帝国の言葉です。アメリカ人やイギリス人の母語が世界標準語として使われているということは、彼らにとって非常に都合のいい状態です。その一方、私たち日本人のように英語を母語としない非英語圏の人々にとっては、非常に都合が悪いのです。
なぜなら、英語を母語とする人たちは、この世界標準語を特別な学習なしに習得しますが、私たちが英語をマスターするためには、学校教育に始まり長期間にわたって延々と勉強を続けなければなりません。それでもなお、私たちの英語力がネイティブ・スピーカーに追いつくことは困難です。
その間の努力を英語圏出身者は別のこと、たとえば専門の研究に振り向けることができます。これは私たち非英語圏の人間が背負わされた、理不尽なハンディというべきではないでしょうか。
いまの世界には、以上のような英語を基盤とした序列構造が存在します。それを図で示したのが「英語支配の序列構造」のピラミッドです。
英語を母語として育った「特権表現階級」であるネイティブ・スピーカーの下に、英米の植民地だった国や大陸、ヨーロッパの人々(「中流表現階級」)が位置し、裾野に近い部分に日本人をはじめ英語を外国語として使う「労働者表現階級」の人たちがいます。一番下に位置する「沈黙階級」とは、中東の一部の国や北朝鮮の国民のように、英語圏との接触がきわめて少なく、ほとんど英語を学ぶことのない人たちです。
日本人などが労働者表現階級であるというのは、英語学習という労働をほぼ永遠に続けなければならないからです。これはおかしなことではないでしょうか。
私はそうした現状に異を唱え、英語偏重ではない「より公正なコミュニケーション」の実現を目指してきました。そこへ飛び込んできたのが、楽天、ユニクロの英語公用語化のニュースだったのです。
私は即座に、両社のような影響力の大きい企業が英語公用語化に踏み切れば、日本社会に計り知れない影響を与えると判断しました。そこで、施策の再考をお願いするため、両社社長に宛て同じ内容の手紙をお送りしました。
その中で、私は「英語の社内公用語化」がはらむ3つの問題について指摘しました。
まず1つは、「日本語・日本文化の軽視」です。
日本社会にはいま「英語はカッコいい」という感覚が蔓延していますが、楽天、ユニクロという著名企業が英語を社内公用語にしたというニュースが広がれば、英語信仰ともいうべきこの意識がますます拡大するでしょう。
何よりも問題なのは、その反作用として、日本語を軽視する意識や態度が広がってしまうことです。行き着く果ては、日本語と日本文化の衰退です。(後略)
◆楽天・ユニクロが圏外へ 2012年卒大学生の就職人気ランキング AERA 2011年1月17日号
http://www.asahi.com/job/syuukatu/2012/etc/OSK201102010052.html
●英語公用語の影響か
楽天は前回57位から227位と170位ダウン、ファーストリテイリングは前回63位から262位と199位もダウンした。
2社に共通するのが、10年に相次いで、「英語公用語」を打ち出したことだ。
「学生は英語を避けたいというより、外国人との競争に腰が引けているのではないか」
と乾さん。
「英語公用語で、日本的企業文化の理解が根底から覆ってしまった。日本企業なのに、外資系要素が強くなるように感じられ、日本人が優位に立てない。そんな抵抗感が強まった可能性があります。既存の大手メーカーや商社のグローバル化とは違う感覚なのでしょう」
ファーストリテイリングは「全世界完全実力主義採用」をうたう。「安定」を志向する学生にとってはしんどいと映るのか。楽天は10年の大型の就職イベントにほとんど参加しなかった。東大、一橋大など上位校にターゲットを絞っていると見る向きもある。
●採ってくれないなら
「英語公用語」は英語教育に力を入れる大学でも関心が高かったようだ。明治大学の国際日本学部は少人数の英語教育を打ち出している。現3年生が、この教育を受けた1期生。就職相談会で多かった質問が、楽天とファーストリテイリングの「英語公用語」についてだった。
「学生時代の留学経験などを通して『英語を使って仕事をしたい』という思いを強く持つ学生は、チャンスと受け止めている。『公用語は英語』と求める能力をはっきり打ち出したことで、とりあえずのエントリーが減り、求める人材に近い層のみが集まるのではないか」
と就職キャリア支援事務室の鍵山義尚さんは話す。(後略)
(私のコメント)
楽天やユニクロの「英語公用語化」がどのような影響をもたらすか、時間が経たなければわかりませんが、優秀な学生を集めにくくなって来ていることは確かなようだ。英語を集中的に勉強した学生にとっては楽天やユニクロは就職しやすくなるでしょう。つまり英語ばかり勉強してきて、専門分野の能力はそれだけ低い人材が集まる事になる。
もちろん企業の幹部は、世界を飛び回ってビジネスをしなければならないから、楽天の三木谷社長のように英語が出来ないと打ち合わせも出来ないでしょう。このような事は海外展開をする企業は昔から否が応でも求められて来た。大事な会議なら通訳もつけられますが、非公式な場での情報収集には英語が出来ないと会議の動向が分からない。
楽天やユニクロの就職人気ランキングの暴落は、英語公用語化が影響している事は確かですが、普段の仕事以外に英語の勉強もしなければならないと言う事で敬遠されているのでしょう。楽天やユニクロの従業員の多くを占める一般の販売店員にとっては、英語はほとんど使う機会が無い。英語しか話せない外人社員が多くなれば英語が出来なければ意思疎通もままならなくなります。
楽天やユニクロの英語公用語化は外人社員の採用に主力をおくためであり、日本人の新卒は絞られてくるのだろう。だから就職人気ランキングも落ちているのでしょう。社長は日本人でも幹部社員は外人ばかりと言う事になるのかもしれない。そうなると日本企業というよりもほとんど、外資企業と言う事になる。
グローバル企業ともなれば、現地採用も当然多くなるから外人比率も高くなりますが、国籍も多国籍化して多言語でビジネスをしなければならなくなる。そうなれば社長も幹部社員も世界を飛び回って会議をしなければならない。どうせなら社長も外人でもいいのではないかといった会社も出来てきます。日産やソニーなどが外人社長になりましたが、そうなると幹部社員も英語で会議に出なければならない。
しかし日産やソニーが外人社長になったからといって業績が上がったのだろうか? 日本人社長でも英語能力が求められて、経営能力よりも英語力で社長になって会社がおかしくなった例がソニーの出井社長に当てはまる。家電産業は国際化も早かったから英語屋さんが出世して技術屋さんが排除されてきたからおかしくなったのではないだろうか?
そして外人採用が多くなったといっても、中国人や韓国人の数が異常に多く、欧米系の社員は僅かだ。むしろユニクロや楽天などは中国語を公用語にしたほうがいいのではないかと思うくらいですが、将来的には社内の文化摩擦が大きな問題になるだろう。日本企業文化を守ろうとすれば外人社員はそれに反発して辞めて行く。
日本の大企業が国際化していくのは自然な流れなのでしょうが、英語を公用語化すればいいといった単純な話ではなく、企業文化も変える必要があります。年功序列人事も外国人には馴染めないものだろう。英語の公用語化も中国人社員と日本人社員が英語で話をするのは意思疎通に障害が出るだろう。むしろ多言語化が本来あるべき姿であり、現地語と日本語との公用語化でないと現実的ではないだろう。
問題は国内企業での英語公用語化はユニクロや楽天を見れば分かるように日本人社員の質の低下をもたらすだろう。最近では商社でも海外勤務を嫌がる日本人社員が増えたようですが、国際企業ともなれば現地に骨を埋めるくらいの覚悟が無ければビジネスは成功しない。アメリカやイギリスのような英語ネイティブな国なら英語でビジネスは出来ますが、それ以外の国では現地語でないとビジネスは難しい。
英語にしても日常会話と専門分野の英語とではレベルが違うから、日本語で専門分野から入っていって英語を後から学んだほうが効率的だろう。ところが、津田教授の話のように外国では英語でしか高等教育が出来ない国がほとんどだ。インドやフィリピンも英語が公用語であり英語が分からなければ高等教育が受けられない。これがインドやフィリピンが近代化に遅れた原因になっているのではないだろうか?
韓国や中国では、日本への留学生も多く日本語が分かる人が多いから、技術流出が問題になっていますが、膨大な技術仕様書も読める技術者が多いから日本からの技術流出が問題になっている。アメリカから技術を盗もうと思ったら専門分野の英語が出来なければなりません。中国や韓国もアメリカに大量の留学生を送り込んでいますが、多くがアメリカで就職して中国や韓国に帰ってこない。帰って来てもらうためには彼らに有利なように英語の公用語化も必要でしょう。
しかしアメリカに留学する日本人留学生は年々少なくなり、中韓とは違って必ず日本に留学生は帰ってくる。だからある程度の技術が定着すれば日本語で専門技術が学べますが、中韓では留学生は帰ってこないからなかなか技術が定着しない。むしろコピーして盗むしか方法が無いのだろう。だから英語の公用語化も中韓と日本では事情も違ってくる。
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