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株式日記と経済展望
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丸源ビルは銀行借り入れはあったものの、利益からの投資も多く、
バブル崩壊後に借金相当分のビルを売却して無借金になった。
2013年3月7日 木曜日
◆10秒で読む日経!視点が変わると仕事と投資のネタになる 3月6日
http://archive.mag2.com/0000102800/index.html
●東京・銀座などでテナントビルを運営する丸源グループの法人税法違反(脱税) 疑惑で、中核企業の不動産管理会社「東京商事」(東京・中央)が設立から 3年余りで清算し、テナントから受ける家賃収入の管理業務を新会社に移して いたことが5日、法人登記簿や関係者の話で分かった。同社が清算直前、本店 所在地を移転させていたことも判明した。
東京地検特捜部はこうした一連の方法で資金の流れを不透明にし、所得隠しを 進めたとみているもようだ。特捜部は同日、グループの実質的経営者である元 東京商事社長、川本源司郎容疑者(81)を法人税法違反(脱税)容疑で逮捕した。
日本経済新聞 3月5日夕刊
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佐々木の視点・考え方
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★私がこの記事を読んで感心するのは、川本氏がバブル崩壊後20年以上も経過した後でも、8億強の脱税をするほどの利益を挙げることが出来たという事。
彼のビジネスは、バブル期に繁華街のビルを買って貸し、それを担保に新たな借金をしてビルを買い増し、事業を拡大してゆくという、典型的なバブル時の高レバレッジの遣り方。
景気が低迷し、銀行が借金返済を迫ったら、ビルを全部売っても借金額に追い付かず、倒産するより術はなく、効してほとんどのバブル紳士が消え去った。
ではなぜ、丸源ビルがバブル崩壊後の20年もの不景気を生き延びることが出来たのか。
あなたが考えるべきはこのポイント。
このからくりを思いつけたら、あなたは相当、儲けの才覚がある。
丸源ビルの特徴は、水商売向けのビルに絞り込んだこと。バブル最盛期には約60棟のビルを持ち、保有テナント数は5900軒に上った。つまり、平均すれば1棟のビルに約百店ものクラブやスナックが入店していたことになる。
このことは、1店当たりの面積が狭い、小ぶりのクラブやスナックばかりに貸していたことになる。入居を希望する店子の面接すら自ら行うなど、独力で会社経営を担っていた。
なぜ、小型の店舗だったかと言えば、権利金や保証金の額も月々の家賃も比較的少額で済むし、居抜き出店できるので改装も不要だ。雇わなければいけない女の子等も少人数で良い。上手くやれば店主1人でも店を運営可能だ。
つまり、店舗開設準備金やランニングコストが少ないため、自分の店を持ちたいと願う繁華街の多くの女性にとって、その夢を叶えてくれ、客を上手く保てれば長持ちする商売が可能なビルだったのだ。
一方の大家から見れば、準備金保証金、家賃の坪単価を高くしても、総額は比較的少額だし、ランニングコストも低いから、坪単価の高い家賃も払ってくれる。水商売の家賃は丸の内等の一等地のビル家賃より高く設定できる事も大きい。
住宅貸しだと、家賃を支払えない店子を権利関係から追い出すことが難しいが、事業用途のビル貸しなら、店子の事業が上手く行かなければ容易く出て行き、居すわられるリスクは少ない。
そして、小金を貯めて自分の店を持ちたい繁華街の女性が多いので、空いたテナントが居抜きですぐ埋まる。逆に早く出て行ってくれるのが多いと、権利金を多く貰えて儲かる。
つまり、繁華街の水商売の小型テナント貸しは、低リスク高リターンなのだ。
よって、丸源ビルは銀行借り入れはあったものの、利益からの投資も多く、バブル崩壊後に借金相当分のビルを売却して無借金になった。
減価償却は大概終わり、従業員も少ないため、家賃がそのまま利益となる形態に変わり、空室率が高くなっても、儲かるビジネスのままなのだ。
銀座の丸源ビルを昼見ると、汚くて大丈夫かと思われるだろうが、長年営業して固定客のついている店が多いので、店は黒字のまま長持ちしているのだ。
★利益率が高く、定期的に収入が入る日銭商売と言うビジネスモデルを創り上げたことが川本氏の儲かる秘訣だ。
(私のコメント)
今日のテレビのニュースでも丸源ビルの社長の脱税のニュースを報道していましたが、なぜ脱税なのかと言う事は新聞記事を見ても何も書いてありません。新聞記者は記者クラブ発表以上の事は知らないから書けないのは当然ですが、佐々木氏の記事を見ても貸しビル経営の状況は良くかかれてはいても、川本源司郎容疑者がなぜ脱税する事情については触れていない。
確かに丸源ビルは、バブル崩壊と共に手持ちのビルを売り払って無借金経営にしたのでしょうが、あくまでも銀行から借りた金を返しただけであり、銀行から借りると6ヶ月滞納しただけで担保のビルは差し押さえられてしまうから真っ先に銀行の借金を返したのだろう。しかし金融業者から借りた金は残っており、金融業者は融通が利くから数棟のビルは差し押さえを逃れているのだろう。
残った数棟のビルの家賃は、さし押さえを逃れる為に銀行口座を変更したり、会社名義変えたりして債権者からの差し押さえを逃れてきたのだろう。自宅も別荘なども差し押さえられているから、川本源司郎容疑者はホテル暮らしを余儀なくされているのだろう。金融業者も川本源司郎氏が自己破産されては元も子もないので生かさず殺さずで貸し金を回収している。
このような状況ではとても税金を払えるような状況ではなく、所得隠しで捕まったのはそのような事情があったためだろう。テナントも数カ月おきに振込銀行を変えなければならないし、税務署や金融業者が家賃の振込先を聞きに来ても黙っているような協力的なテナントしか入居させなかったのだろう。これではビル自体のリフォームもままならないのは当然だ。
このように私がビル経営破たんしたときの状況に詳しいのは、私自身もそのようになる寸前まで行った為であり、ビルや預金口座や自宅を差し押さえられたら、テナントに協力してもらって振り込み銀行を頻繁に変えて差し押さえを逃れて現金を確保する事が大切だ。銀行から借りていると銀行間同士でそのような事は出来ませんが金融業者から目を逃れる事はできる。
このようにして現金さえ確保できれば、ホテル住まいで生活は何とかできて来た。しかし税金は支払わなければ脱税で捕まってしまう。脱税額は8億円あまりだということですが、多くは金融業者への返済に充てられていたのだろう。日本の法体系は経営者に対しても個人保証が求められるから倒産すると自宅まで差し押さえられてしまって生活できなくなる。だから再チャレンジはできなくなりますが、アメリカでは会社が倒産しても個人保証してなければ生活は何とかできる。
日本バブル崩壊は、このような事情で企業経営者を生活破綻するまで追い込んでしまったから、経済の再活生化が難しい。川本源司郎氏も自己破産して再出発できれば一番よかったのでしょうが、自宅や個人預金まで差し押さえられては再出発もままならない。日本でも個人補償をしなくてもよくなった法改正が行なわれていますが、銀行はそれに対応するだろうか?
日本でなかなかベンチャー企業が育たないのは、企業経営者に個人保証が求められるからであり、いったん会社経営に失敗すれば再出発は不可能になってしまう法体系になっている。だから脱サラして事業を始めようという人もなかなかでなくなってしまう。金を貸すほうにとっては自宅も個人預金も全部差し押さえて回収しようとしますが、日本の法体系は貸金業者に有利になっている。
日本のバブル崩壊でなかなか銀行の不良債権が無くならなかったのは、倒産させずに企業が再建されるのを待っていたからですが、日本の景気はなかなか回復しなかった。本来ならばインフレターゲット政策で円安株高で景気回復はもっと早くできたはずだ。しかし政府は銀行を追い込んで不良債権を吐き出させる政策をとった。川本源司郎氏は銀行の借金は全部返せたから差し押さえは免れた。
問題は金融業者からの借金ですが、脱税で捕まり実刑を食らえば回収は不可能だろう。このように日本の貸しビル経営は過酷な状況にあり、政治家やマスコミの記者や学者達はこのような実態を知らない。川本源司郎氏のような無借金経営でも破綻させられるほど日本の20年に及ぶデフレ経済は酷かったのだ。
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