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貧しくなる資本主義 アマゾンの人間オートメーション(木村正人氏):経済は戦争!兵隊は黙って列に並べってか
http://www.asyura2.com/13/hasan79/msg/356.html
投稿者 エテ公 日時 2013 年 3 月 04 日 01:21:35: .XQ.mNI0RTQBI
 


ディストピア


在英ジャーナリストの小林恭子さんが、米大手ネット通販・アマゾンの配送センターをルポした英紙フィナンシャル・タイムズの記事を紹介しておられたが、英大衆紙デーリー・メールもFT紙の記事を転載した。競争の厳しい英メディアが、「後追い」記事を載せることはあっても「転載」は非常に珍しい。

米映画ターミネーターは、人工知能スカイネットや殺人ロボット・ターミネーターの支配に抵抗する人間の近未来を描いた。アマゾンの配送センターでは、サトナブ(衛星測位システム)の携帯端末を持たされた労働者がコンピューターの指示通りに働いている。

人間性より効率性を優先するアマゾンの人間オートメーションは、ディストピア(ユートピアとは正反対の社会)を英国人に連想させるのだろう。英作家ジョージ・オーウェルのディストピア小説『1984年』は、英国人が一番嫌う社会だ。

サッカー場を9つ合わせた広大なアマゾンの配送センターでは、オレンジ色のベストを着た数百人の労働者がせわしなく歩き回る。サトナブが本を棚から集める最も効率の良いコースを表示する。もたもたしていると、「急げ」のシグナルが送られてくる。

配送センターが開設された英スタッフォードシャー州は産業革命で石炭、製鉄業などが栄えた。しかし、次第に国際競争力を失い、サッチャー革命で地盤産業が衰退、失業者があふれた。ネットの寵児、アマゾンの進出でバラ色の未来が約束されると地元住民は胸を踊らせた。

薬物・アルコール中毒検査をクリアした労働者は最低賃金に近い金額で3カ月働いた後、正社員になるチャンスを与えられる。

配送センターの仕事は4分類される。他の場所から送られてくる本の受け取りライン、配送するための荷造りライン、本を棚に収納する係、注文のあった本を棚から集めてくる係だ。

本を集める係の人はサトナブ片手に手押し車を押して、1日8時間、コンピューターの指示通り倉庫の中を歩き回る。昼休みは30分。歩行距離は1日11〜24キロ。配送センターから出る時は何も盗んでいないかをチェックする探知機を通らなければならない。

アマゾンは最近、ロボットメーカーを買収した。アマゾンのマネージャーは記事の中で、配送センターで働く労働者について「あなた方は人間の姿をしたロボットのようなものだ」「人間オートメーションと表現しても良いかもしれない」とつぶやいている。

「消費者のため」は本当か


アマゾンは2006年に欧州本部をVAT(付加価値税)が20%の英国から15%のルクセンブルグに移した。2011年に英国での売り上げが33億5000万ポンド(約4700億円)もあったのに、納めた法人税は180万ポンド(約2億5000万円)だった。

アマゾン、スターバックス、アップルなど米国の国際企業は国際競争を勝ち抜いて消費者に安価な商品を提供するためには、法人税を低い国で納めて節約する必要があると主張する。「私たちは英国に投資をして、雇用を生み出している」と強調してみせるのだ。

しかし、アマゾンが成功すればするほど、目抜き通りの量販店は消えて行く運命にある。今年1月、英国最大のCD、DVD販売チェーンのHMVが倒産し、従業員が大量解雇されたばかり。

では、アップルはどうか。時価総額が世界最大になったアップルのビジネスモデルについて、英シンクタンク、社会文化的変化研究センターが報告書をまとめている。

「スマートフォン(高機能携帯電話)iPhoneの生産拠点を中国から米国に移しても50%近い粗利益率を維持でき、米国で数十万人の雇用を創出できる」という結論だった。

本社では製品の設計とマーケティングに徹し、生産は低賃金の中国など新興国・途上国に移すのがグローバル時代の典型的ビジネスモデルだ。

社会文化的変化研究センターの調査では、中国で生産した場合、組み立て労働コスト7・10ドルを含む総生産コストは178・45ドル。販売価格は630ドルなので、粗利益は451・55ドル(粗利益率71・7%)。

米国に生産拠点を戻した場合、組み立て労働コストは165・67ドルに跳ね上がり粗利益は292・98ドルに圧縮されるものの、46・5%の粗利益率を維持できることが確認できた。

中国の低賃金労働はiPhoneの値下げにつながっておらず、アップルの利益最大化に貢献していた。潤っているのは消費者ではなく、株主の大口投資家や役員たちだった。

中国にあるアップルの下請け工場では、労働者の自殺や自殺未遂が相次いだ。劣悪な搾取工場ではなかったが、効率化された単純な作業が延々と続けられていた。


100年前はトイレ時間も制限


アマゾンの人間オートメーションに関する記事を読んで、処女航海の途中で沈んだ英豪華客船タイタニック号を作った造船所を思い出した。

約100年前、英国と米国を結ぶ大西洋航路のスピード化、大型化が急速に進んでいた。タイタニックなど大型客船を作る英・北アイルランドのベルファストにある造船会社ハーランド・アンド・ウルフでは約1万5000人の労働者が働いていた。

造船所の玄関を労働者がくぐり抜けるだけで約30分を要した。鉄と鉄がぶつかり合う轟音で難聴になる労働者が多かった。リベットを打つ際、穴に指を入れている最中に鉄板がずれて指を切断する労災事故が続出した。

客船1万総トン当たり1人が死亡した。タイタニック号は4万6328総トンなので4人強が死亡する計算だったが、死者は8人にのぼった。

昼食時間は30分。週49時間労働で、週給2ポンドだった。トイレ時間は1日7分。トイレの前にタイムウオッチを持たせた「ミニッツ」と呼ばれる監視係が立っていた。賃金を低く抑えるため、時間超過すると容赦なく賃金がカットされた。

西洋の没落


100年経って、労働搾取工場は人間オートメーションに姿を変えた。これは資本主義の発展を意味するのだろうか。タイタニック号の時代はまだ、植民地からの搾取で先進国は発展と繁栄を享受できた。

英国で話題になっているアマゾンの人間オートメーションは、これまで先進国が途上国に押し付けてきた単純労働がブーメランのように先進国自身にふりかかってきたことを物語る。

ホワイト・カラー(事務労働者)ではなく、ホワイト・ワーキングクラス(白人の肉体労働者)が英国では増えている。この現象は西洋の没落のほんの序章にすぎない。

経済協力開発機構(OECD)が2012年11月にまとめた報告書では、OECD先進諸国の国内総生産(GDP)の合計は2030年には非OECD諸国に追い抜かれる。


世界経済における各国GDPの占める割合

国・地域    現在 2030年  2060年

米国   22・7% 17・8%  16・3%

ユーロ圏 17・1% 11・7%   8・8%

日本    6・7%  4・2%   3・2%

中国     17% 27・9%  27・8%

インド   6・6% 11・1%  18・2%

※2005年の購買力平価で換算、OECDホームページより


各国の経済力も上図のように大きく変化する。

2060年までに、インドや中国の国民1人当りの所得は7倍以上に増え、非OECD諸国では平均で4倍になる。これに対し、OECD先進諸国の所得成長率は2倍にとどまる。

半世紀後も、先進国と新興国・途上国の1人当たりの所得格差はまだまだ大きい。しかし、格差は確実に縮まり、中国の国民はイタリア、ギリシャ、ポルトガルよりも豊かになっている。

 私が、若い人に1つだけ言いたいのは、「みなさんには貧しくなる自由がある」
 ということだ。「何もしたくないなら、何もしなくて大いに結構。その代わりに
 貧しくなるので、貧しさをエンジョイしたらいい。ただ1つだけ、そのときに頑
 張って成功した人の足を引っ張るな」と。

と、小泉政権で構造改革を進めた竹中平蔵さんが東洋経済オンラインのインタビューに述べ、話題になったことがある。

しかし、私たちは望むと望まざるとにかかわらず、「貧しくなる資本主義」を生き抜かざるを得ない。日本は、急激に変貌するアジアの真っ只中にある。人間がコンピューターに使われる人間オートメーションであっても、「仕事があるだけありがたい」と思わなければならない時代はもうそこまで来ている。

(おわり)


木村 正人
在英ジャーナリスト

ロンドンを拠点に活動する国際ジャーナリスト(元産経新聞ロンドン支局長)。日本国憲法の改正問題(元慶応大学法科大学院非常勤講師=憲法)や日英両国の政治問題、国際政治、安全保障、欧州経済に詳しい。産経新聞大阪社会部で大阪府警・司法キャップを務めるなど大阪で16年間、事件記者を務め、東京で政治部や外信部を経験。2002〜2003年、米コロンビア大学東アジア研究所客員研究員。2012年7月、独立してフリーに。

http://bylines.news.yahoo.co.jp/kimuramasato/20130303-00023711/  

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コメント
 
01. 2013年3月04日 01:39:15 : SNljMa86tM
一つの資本主義から複数の資本主義へ

『中国共産党と資本主義』第6章を読む(1)

2013年3月4日(月)  ロナルド・コース 、 王 寧

 1910年生まれ、今年103歳となるノーベル経済学賞受賞者のロナルド・コース氏は、いまも現役の研究者である。肩書きはシカゴ大学ロースクール名誉教授だが、中国人の王寧アリゾナ州立大学准教授との共著で、中国社会主義の資本主義への制度変化を分析した『中国共産党と資本主義』(原題はHow China Became Capitalist)を2012年に出版した。この連載は、2013年2月に出版された邦訳の中でも、白眉である第6章「一つの資本主義から複数の資本主義へ」をまるごと公開するものだ。中国的特色をもつ資本主義の到達点と限界を独自の視点から分析する。
 2008年7月18日、中国の市場転換に関するシカゴ会議の閉会のスピーチの最後にロナルド・コースは「中国の奮闘は世界の奮闘である」と宣言した。2008年12月10日付『タイム』誌は、中国の30年間にわたる市場転換と、この卓越した人間ドラマでケ小平が演じた英雄的役割についての時事解説を載せた。記事はこう締めくくられている。「これはわれらの時代の偉大な物語だ。我々の、誰しもの物語―─中国だけではない」

 この物語が1976年の毛沢東死後の中国に新たな一章を開いたとき、ポスト毛政権は文化大革命後に断固たる政策転換へと舵を切った。階級闘争の教義を捨て、「社会主義の優越」を実現する代替のアプローチとして社会主義的近代化を掲げた。

 1950年代半ばから続いていた急進的イデオロギーがようやく誤りで有害だと認められ、ここから政策立案に良識とプラグマティズムの入りこむ余地が生じたのだ。この指導体制と政策の転換によって社会主義イデオロギーの締めつけがゆるみ、その後の経済改革が促された。

 毛沢東時代は社会主義の命令を押しつける政治活動が次々にくり出されたが、中国は繁栄を共有できる約束の地にたどり着けなかった。失望と不満が、とりわけ毛沢東時代に地位を失った党の長老に、「右派」として攻撃された知識人に、農業集団化のせいで口に糊するのに必死の8億人の農民の大多数に広がり、深まっていた。彼らは変化を求めてやまなかった。

 階級闘争論を斥け、社会主義的近代化を受け入れた中国は、政界の内紛というマイナスサム・ゲームの呪縛からついに解かれ、経済発展というプラスサム・ゲームにとりかかった。毛の壮大だが破滅的な社会主義の実験の苦汁をなめさせられた中国人は明らかに、改革の遠大な計画に懐疑的になっていた。

 また同時に、外界から長いあいだ孤立していたので、社会主義の代案にほとんど心当たりがない。このため指導部は、即席とありものの利用でひねり出したことに取り組むしかなかった。なおも社会主義イデオロギーの旗印のもとに集いながら、実際的な目的を達するための多様な方法を模索した。

 しかし20世紀末には、中国は1978年コミュニケで意図したような公有制と国家計画にもとづく「近代化した社会主義の強国」になったことを祝すのではなく、気がつけば、私有企業家の活動と市場原理に満ちた活気ある経済を備えていた。これは中国の経済変革の最も意外だった面だ。

 中国は社会主義を近代化しようと努めながら資本主義になった。中国の物語は、アダム・ファーガスンが「人間の行為の結果ではあるが、人間の設計の結果ではない」と述べたものの典型だ。中国のことわざがもっと詩的に表現している。「有意花を栽えて花発かず、無心柳を挿して柳陰を成す」(花を咲かそうと思って植えた花が開かず、誰も気にかけなかった柳が成長して木陰をつくる)。

偶然から「致命的な思いあがり」を免れた中国

 中国の経済改革は、当初そう受けとられ進行中ずっと思われていたような、社会主義を解体して、資本主義へ移行することを意図したものでは断じてなかった。むしろ、その目標は「社会主義的近代化」、毛沢東が果たせなかった経済開発を実行するための第2次革命、もう一つの「長征」であり、1978年コミュニケが宣したように、中国を「20世紀中に近代化した社会主義国」にすることであった。

 共産主義は資本主義を葬り去る運命にあると主張しているから、共産党は市場改革とは両立しないと広く信じられている。しかし政治組織(共産党)と政治イデオロギー(共産主義)を同一視する過ちを犯してはならない。人間は一人ひとりが多様なアイデンティティ(例・男性、教授、夫、経済学者、アダム・スミスの崇拝者)をもつ。政治組織も同様に、多様かつ流動的なアイデンティティをもつ。マルクス主義の個人や組織がただマルクス主義であるだけのはずはない。共産主義と資本主義が互いに対抗しあうイデオロギーとして正反対の立場をとる一方で、共産党は存続の危機に際しては、資本主義も含めたあらゆることを受け入れ、実地に試すことがありうるのだ。

 共産党と共産主義を分けて考えなかったために、多くの人が経済体制移行の取り組みを誤ることになった。市場改革は、まずはイデオロギーも政治組織も含めて共産主義システムを一掃しなければ不可能なものだ、との考えが浮上した。共産主義だった過去との完全な決別が、市場経済へ新たな歩を進めるための絶対条件と考えられた。

 結果として、既存の経済システムに手を加えての漸進的方式は、そもそもの最初から除外され、改革のビッグバン方式と呼ばれた手法が誕生した。加えて、政策立案者の顧問である多くの経済学者は、その現代経済学の専門知識をもって市場経済を新たに建設するには、社会主義を跡形もなく消し去らねばならないと信じた。

 しかし市場経済が合理的に設計されうると考えることは、設計主義的な合理主義という「致命的な思いあがり」とハイエクが称した誤りを犯していた。何十年も前にハイエクは、ノーベル賞受賞の記念講演で警告していた。「社会の進展を自分らの好きなように形づくるための知識も権力も、実は持っていないのに持っていると考えて行動すると、大きな害を引き起こしやすい」

 中国は幸運にも、まったくの偶然から、この致命的な思いあがりを免れた。経済改革に着手したてのころ、中国は共産主義を一掃してゼロから始めようとは(とうてい考えられなかったし)考えなかったから、まっさらの計画をもって臨むのでなく既存のシステムを調整することから開始した。

 だが社会主義をひきつづき奉じていたので、その欠点を認めはしなかった。実のところ、毛沢東の死後には中国の社会主義の本質と展望をめぐる公的な議論が噴出した。毛の指導下では何がいけなかったのか、中国は次はどこへ向かうべきか。1981年、華国鋒から中国共産党主席の座を引き継ぎ、82年に党総書記となった胡耀邦は、84年にイタリア共産党の機関紙『ウニタ』のインタビューに応えるなかで、自身と党に対し疑問を提起した。「〔1917年〕十月革命から60年以上たった。多くの社会主義国が資本主義国の発展に追いつけていないのはどうしてなのか。〔社会主義の〕どこがいけなかったのか」

 社会主義に傾倒してはいても、中国指導部はその外遊中に資本主義の洗礼を受けるや、これを見直し称賛しさえもした。当時、工業開発担当副総理だった王震は1978年11月6日〜17日にイギリスを訪問、この国の労働者階級が果たした高次の経済的・社会的発展を知って驚嘆した。訪英前のこの国の資本主義に関する知識は多分にマルクスの著述に依っていた。ロンドンの貧民街を、貧困と窮乏と搾取を目にすると予期していた。

 だが驚いたことに、王の給料はロンドンのごみ収集員の賃金の6分の1にすぎなかった。外遊が終わるころには、王震はイギリスの資本主義と中国の共産主義への信奉に関して、これまでより深く正確な理解に達していた。

 イギリスはよくやったと私は思う。生産物は豊富にある。3つの不平等〔都市と農村、工業と農業、精神労働と肉体労働の不平等、マルクスはこれらの廃絶を社会主義の使命とした〕はほとんど除去されている。社会正義と福祉は大いに強調されていた。イギリスが共産党政権に治められていたなら、そのままわが国の共産主義社会の手本となった。

 イギリスに共産党支配を足したものが共産主義に等しいという王震の公式は、資本主義と社会主義に対する現実的で非イデオロギー的な態度とともに、いつまでも変わらぬ党への愛着を示していた。このプラグマティズムの精神がなかったら、中国に残っている社会主義信仰のせいで、その後の市場改革は達成されなかったに違いない。

共産党の組織としての柔軟性と順応性の証左

 中国の経済改革の何より尋常ならざる特徴は、30年にわたる市場転換中に中国共産党が存続し、むしろ繁栄したことだろう。これは明らかに、社会主義の実験が失敗したのちの共産党の組織としての柔軟性と順応性の証左であり、党が無敵だとか社会主義そのものの優越を証拠立てるものではない。

 だが、もっと驚くべきは、社会主義を救うはずだった改革が、いつしか中国を市場経済へと変えていたことだ。この驚異の物語の攪乱要因は、中国の「実事求是」の教え、ケ小平が誤って「マルクス主義の真髄」と呼んだものである。

 中国が巨大な経済の実験場と化したとき、競争力がその教えの魔法を発揮できたのだ。発見の実験的過程で、原材料が最大の利益を生む使用へと向けられ、集団学習を容易にする制度的な取り決めや組織構造が出現した。

 毛沢東の遺産をいじくり回しつつ、中国は一歩また一歩と、脇道には逸れず後退もせずに進むうち、ふと気づくと、社会主義を救うはずだった30年の改革ののちに市場経済へ変貌を遂げていた。

 ベルリンの壁崩壊後、社会主義は旧ソ連圏で廃された。中国においても敗北した。飢えた農村は私営農業を復活させ、郷鎮企業は国有企業の収益を上回った。都市部では個人企業と私営企業が導入され、国家主導の企業改革が与えたよりも大きな活力を都市経済にもたらした。

 中国の経済改革の物語は、頑固な私企業家精神の物語でもあり、大胆だが漸進的な社会実験の物語でもあり、また、より良い生活を求める人間の謙遜と忍耐の物語でもある。

(次回につづきます)


ロナルド・コース (Ronald Coase)

1910年生まれ。100歳を超えて現役の英国生まれの経済学者。論文の数は少ないが、そのうちの2つの論文 “The Nature of the Firm”(「企業の本質」)(1937年)と“The Problem of Social Cost”(「社会的費用の問題」)(1960年)の業績で、1991年にノーベル経済学賞を受賞。シカゴ大学ロースクール名誉教授。取引費用や財産権という概念を経済分析に導入した新制度派経済学の創始者。所有権が確定されていれば、政府の介入がなくても市場の外部性の問題が解決されるという「コースの定理」が有名。著書に『企業・市場・法』(東洋経済新報社)。

王寧(ワン・ニン)

アリゾナ州立大学政治国際学研究科准教授。


103歳のノーベル賞学者の 中国資本主義論

1910年生まれ、今年103歳となるノーベル経済学賞受賞者のロナルド・コース氏は、いまも現役の研究者である。肩書きはシカゴ大学ロースクール名誉教授だが、中国人の王寧アリゾナ州立大学准教授との共著で、中国社会主義の資本主義への制度変化を分析した『中国共産党と資本主義』(原題はHow China Became Capitalist)を2012年に出版した。この連載は、2013年2月に出版された邦訳の中でも、白眉である第6章「一つの資本主義から複数の資本主義へ」をまるごと公開するものだ。中国的特色をもつ資本主義の到達点と限界を独自の視点から分析する。


 


 

JBpress>海外>欧州 [欧州]
スウェーデンの日本語教育と学校の財政難
日本に憧れ、日本語を学ぶ生徒たち〜北欧・福祉社会の光と影(3)
2013年03月04日(Mon) みゆき ポアチャ
 現在、スウェーデンの高校と夕方から始まる成人学校の2校で日本語を教えている。

 「スウェーデンは移民のスウェーデン人化に成功している」かどうかは議論が分かれるところだが、クラスの生徒は様々な国籍のルーツを持っている。と言っても、全員がスウェーデン生まれでスウェーデン国籍を有しているのだが、彼らの両親のバックグラウンドは実に様々だ。

様々なルーツを持った日本語クラスの生徒たち


日本語を学ぶ2年生と3年生(写真は筆者撮影)
 写真は2年生と3年生だが、真ん中にいる1人を除いて、両親かどちらかの親がスウェーデン外にルーツを持っている。

 そのルーツも、チリ、ポーランド、中国、サルバドール、セルビア、そしてアッシリアと多様だ。

 家庭内ではそれぞれの言葉で話しているという生徒も多い。

 そして調査によると、家庭内で別の言語を話している子供の方が、スウェーデン語の成績が比較的よい傾向があるという。また、複数の言語を話す子供ほど未知の言語の習得が早い、という調査結果もあった。

 そして、途中でドロップアウトせず2年、3年と継続して日本語を選択する生徒の率は、やはり他国のバックグラウンドを持つ生徒の方が高いようである。

 日本語を学習するきっかけも様々だ。

ポケモンやGACKTに魅せられ日本に憧憬

 昨年の卒業生のアネリに、どうして日本語を勉強するのと聞いた時に、こんなふうに答えてくれた。「小学校4年の時に『ポケモン』を見て、その冒険の世界に強くあこがれた。その時から、将来は日本語の勉強をして絶対に日本に行くと決めていたの」

 彼女は在学時、たった1人で上級のコースを学習して単位を修めた。現在はヨテボリ大学の日本語科で勉強している。春から慶応義塾大学に留学するようだ。


時折ピカチュウの衣装を着て学校に来るイザベラ
 日本の歌とバンドが好きで、「GACKT」や「雅-MIYAVI」をいつも聴いているというイザベラ。彼女はたいてい黒っぽいメイクに黒いジャケットを身に着けていて、なかなかタフな雰囲気なのだが、時々は「ピカチュウ」の衣装を着て学校に来る。

 彼女は日本に行くために、10歳の時から貯金をしているという。この6月に卒業し、夏に日本へ行く予定だ。

 「ドラゴンボール」に魅了され、10歳時からカンフーを始めたロバート。彼は一昨年に卒業し、現在はヨテボリ大学で日本語とシステムサイエンスを学んでいる。

 もうすでに、日常会話程度はほぼ問題なく日本語で話せる。時々ふらっと教室に顔を出す。先日は、授業後に「先生、遊びすぎですよー。もうちょっとちゃんと授業しなきゃ」とたしなめられた。

 それぞれが、心の中に独自の「日本の風景」を持っている。そしてその世界に憧れ、その幻影を追いかけ続けている。

ひらがな習得の工夫、「『ゆ』はサカナに見えるね」

 1年生の時には「ヘイ、ミユキ!」と挨拶していた生徒が、2年時には「ミユキ、オハヨー」、さらに翌年には「センセー、オハヨーゴザイマス」と言うようになっていくのも楽しい。別に私は「そのように言いなさい」などと指導しているわけではないのだが、どういった方法でか勝手に覚えて実践していく。1人が言い始めると、ほかの生徒に伝染していく。

 アルファベットとは全く異なる文字を見て、様々な想像を描き、その習得のために各人がそれぞれの工夫をこらす。

 「『と』はつま先(トゥ)の形に似てるね」

 「『ゆ』はサカナに見える」

 「『い』は、iが2つ並んでる」


HOだから「ほ」
 『は』と『ほ』などは区別が付きにくい。これを解決したのは、両親がハンガリールーツのマイケルくん。

 「『ほ』の右上には横になっている『H』があって、その下に『O』がある。だからHO『ほ』」

 習字も生徒たちに人気だ。ある程度漢字を学習した2、3年生たちには、好きな言葉を自分で選んで書きなさい、と言う。

 「六月」「子犬」「愛の戦士」「悟り」「龍」「霊感」「音楽」「苺牛乳」など様々な言葉が登場する。とはいえ多くの学生が書く一番の人気は、やはり「愛」だ。


生徒たちには習字も人気
 「勉強する」と書いたのは、秀才ダニエル。彼は高校を首席で卒業し、現在はストックホルムの王立工業大学でコンピューター技術とあわせて日本語も学んでいる。

 「自由」「平和」、そして「音楽」と書いたのは、両親がチリから政治亡命してきた生徒。彼はミュージシャンだ。

 「『憎しみ』って、どう書くの」と聞かれたので、『憎』という漢字を教え、「『愛』と『憎』は紙一重だね」と言ったら深ーーーくうなずいた3年生。18歳はもう子供ではない。

 と、こんなふうに授業自体は和気藹々としている。

 が、楽しいことばかりでもない。

高まる財政不安、開講取りやめの危機も

 学校側の「予算削減攻撃」はすさまじい。

 1ページ目に掲載した写真は、2年生と3年生合同のクラスだ。1年生はある程度の人数がいるが、学年が進むにつれてギブアップする生徒が出て、生徒数が減ってくる。そのため2、3年生が同じ教室に座らされているのが現状だ。

 これも実は1年前、「来年は日本語クラスが開講されないかもしれない」と心配した生徒たちが皆で校長のところへ直訴し、校長から「2、3年生が一緒に授業するなら開講する」という約束を取り付けたのだ。

 学校側はウソばかりだ。

 先に紹介したアネリが、「もっと上級を勉強したい」と言った時に、学校は彼女と私に上級コースの開講を約束した。それで彼女と2人で、テキストを選んで日本に注文し、学習スケジュールを立てて試験の日程などを決めた。そうこうしている矢先に学校は「やはり上級コースは開講しない。たった1人の生徒のために開講できない」と言ってきたのだ。

 アネリは私のところに来て、ほとんど泣きそうになりながらそのことを訴えたので、私はとにかく計画通り学習を進めよう、ということにした。私にとっては不払い労働だ。

 その後、校長が別の人に交代した。新しい校長は私に「タダ働きをさせるわけにはいかない。仕事をしている分は給与を支払う」と約束したのだが、その3日後には「やっぱり払わない」「アネリはほかの生徒といっしょに座って勉強しなければならない」と言ってきた。レベルが違いすぎ、そんなのは不可能だ。

 ちなみに、私が不払い労働をしていたことは、夫には内緒だった。夫に限らず、スウェーデン人は絶対にタダ働きはしない。夫がそれを知ったら、激烈に怒るだろう。

 昨年までは「新入生歓迎会」「忘年会」などと称して、全学年で一緒に映画を見てから皆で寿司を食べにいく、ということも時々していたのだが、今年は「スーパーでお菓子を買ってきて教室で食べなさい」ということになった。

 映画を見たくても、DVDは購入してもらえなくなり、「もっと安く映画を見る方法はあるだろう。生徒はよく知ってるよ」と言われた。暗に違法ダウンロードをせよということだ。

 プレーヤーは何台もあるが、1台としてまともに稼働しない。校長に「授業で使いたいから新しいものを買ってほしい」と言ったところ、彼はやにわにプレーヤーをバンバン叩き始めた。数分バシバシした後、「ミユキ、直ったよ」。事実直っていた。

 一昨年の卒業式の際は、卒業生にコンドームなどの「おみやげ」を配っていたが、昨年からはそんなものも一切なくなった。

低給料で不安定な教職


日本語クラスの試験中の風景
 私自身は教員の資格を持っていないので、給与は最低レベルだが、ほかの先生方もそれほどたくさんもらっているわけではない。

 この高校では、日本語のほか、イタリア語、スペイン語、ドイツ語、フランス語が選択できるが、必須科目と違い授業数が多くないので、ほとんどの先生方は数校をかけ持ちで教えている。

 それでもほぼ毎学期のように先生が交代する。つまり就任しては辞め、新しい先生がまた来る――が繰り返されているわけだ。

 先学期にイタリア語の先生が辞めたが、その後に新しい先生が来ず、今学期のイタリア語の授業はキャンセルされた。ドイツ語の先生も決まるのに時間がかかり、授業が開始されるのが数週間遅れた。財政難が、生徒の学ぶ機会を直接侵害しているのだ。

 これは恐らく、単純な財政難とか収支バランスの問題ではない。学校の経営自体が、利益重視システムに転換しているのだろう。

 2006年、政権が社民党から保守連合に交代して以降の民営化、すなわち資本主義化の波は大きい。特に教育と医療分野において、生徒と患者たちに直接大きく影響している。

 週に1度の職員会議では、「イジメのない、魅力的な学校にするために我々ができること」などが議題に上がるが、その背後に隠された真のテーマは「入学者数をどうやって増加させるか」だ。

 「インターネットを活用した学校宣伝のアイデア」などを職員らで話し合わせたりもする。「生徒は『お客さま』なのだ」と言われたこともある。「生徒は『顧客』であると認識せよ」――。これが学校の本音だ。

 とはいえ、私が来てからの2年半で、何と校長が3人交代している。最近、校長を見かけないなと思っていたら、彼の部屋のドアには「校長は病気療養中」の張り紙。

 学校のトップらも恐らく、急激な変化の葛藤に苦しんでいるのかとも思う。

「国民の家」だったはずのスウェーデン社会の変容

 社会民主党から交代した保守連合の責任なのか、あるいは社民党が政権をとり続けていたとしても、似たような結果になっていたのかもしれない。社民時代からも教育市場の競争の激化は始まっていた。

 いずれにせよ、かつて世界の国々を魅了した国民の平等と階級の撤廃を旗印にした「国民の家」であったはずのスウェーデン社会は大きく変容している。

 ではあるが、生徒たちは屈託なく、とりあえず明るい。

 こんな欧州の北辺の、日本人などほとんど見かけられない田舎で、全く異なる言語体系を持つ語を習得するためには、どれほどの強靭なモチベーションを保ち続けなければならないだろう。

 ドイツ語の先生に「あなたの生徒って、みんなとっても優秀なのねえー。ドイツ語でAを取った生徒はたった1人なのよ」などと言われるのだが、それでも私は授業に出席し、ひたすら日本への憧憬を持ち続ける生徒たちには最高の成績をつけざるを得ないのだ。


 

 

JBpress>日本再生>人材育成 [人材育成]
42大学のグローバル人材育成構想を比較する(上)
どうすればグローバル人材の育成ができるのか(18)
2013年03月04日(Mon) 村田 博信
 昨年9月、文部科学省による「グローバル人材育成推進事業」に42の大学が採択されました。

 この事業は、若い世代の内向き志向を克服し、国際的な経済・外交の舞台で積極的にチャレンジできる人材を育成するため、平成24(2012)年から5年間にわたり趣旨に適った取り組みをする大学へ財政支援するというものです。

 1校当たりの補助金は最大で年間2.6憶円と、送り出し留学の促進に関する国家事業としては、大規模なものとなっています。いよいよ政府も本腰を入れ始めたということでしょうか。これをきっかけに社会総がかりでグローバル人材の育成が推し進められることを期待したいと思います。

 そこで、2回にわたり当事業における各大学の構想を見ていきたいと思います。

各大学が掲げるグローバル人材の定義はさまざま

 ひとくちにグローバル人材と言っても、各大学が文科省に提出した事業企画書に謳われているその人材像はさまざまです。

 例えば、東京医科歯科大の考える人材像は以下のようなものです。

「成熟国家の日本が、生命科学研究や国際保健/医療政策、国際協力/医療観光等の分野において世界を支え牽引していくために中心的役割を担うグローバルヘルスリーダー」

 背景には、日本は国連拠出金では米国に次いで2位であるにも関わらず、世界保健機構(WHO)における日本人スタッフ数は他の国連機関同様にかなり低い状況があります(日本が払っている分担金の額と比較すると、日本人の国連職員は本来あるべき数の4分の1程度です)。

 また、現在、日本では医薬品・医療機器の分野でも輸入超過の状態ですが、その基盤となる基礎研究における国際競争力の向上が急務です。

 2008〜2011年の4年間に世界の主要医学雑誌に掲載された論文数を見ると、基礎研究分野では4位と、2003〜2007年を集計した前回調査の3位から順位を下げました。また臨床研究分野ではさらに深刻で、前回の18位から25位へと大きく順位を下げています。


各大学が考えるグローバル人材像
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 これらは英語運用力、情報発信力の不足に大きく起因しているとともに、海外研究留学希望者数の減少も将来の競争力を考えると憂うべき状況です。

 そして、東日本大震災の際には他国のボランティア医療スタッフから多大なる支援を受けたように、日本も他国が医療を必要とした時に積極的に国際協力に関わるべきで、そのためにも高度な英語力のもと質の高い災害医療を行える人材の育成が必要となります。

 さらに近年アジア諸国の一部では医療観光産業が成長してきていますが、日本は高い医療サービスを持ちながら大きく出遅れています。この状況を打破するためにも英語によるコミュニケーション力を高める必要があります。

グローバル人材育成推進事業の5つの柱

 この事業における各大学が取り組む分野は、以下の5つに分類できます。

(1)グローバル人材として求められる能力の育成
(2)大学のグローバル化に向けた戦略と教育課程の国際通用性の向上
(3)教員のグローバル教育力の向上
(4)日本人学生の留学を促進するための環境整備
(5)語学力を向上させるための入学時から卒業時までの一体的な取り組み

 プログラムのコンテンツはもとより、それを実行するための体制、学生と教員への啓蒙など包括的な枠組みとなっており、従来の局所的な取り組みからの脱皮が感じられます。

 今回は、(1)の「グローバル人材として求められる能力の育成」について取り上げたいと思います。

飛び入学、早期卒業を生かしたグローバルプログラムを計画する千葉大学

 多くの大学で挙げられている能力・素養は、課題解決力や論理的思考力、チームワーク、チャレンジ精神、コミュニケーション能力、異文化理解力、語学力などです。

 それらを習得するためのプログラムとして、地球規模の課題をテーマにしたより実践的なグループ学習や教養教育、さらには国際ボランティア/インターンシップに代表されるフィールドワーク等が計画されています。

 またそれらの能力の習得度合いを測定するような取り組みも見られ、従来のアカデミックなカリキュラムとは一線を画すものが目立ちます。

 例えば、千葉大学では、1〜2年次には導入としての短期留学を必ず経験させる計画です。

 そのための事前教育として、日本文化、異文化、帰国後の日本再発見などの国際日本学に関する授業を18単位以上受講させることで日本人としてのアイデンティティもしっかり醸成しようとしています。

 また、千葉大学の特徴的な取り組みである飛び入学や早期卒業を全学標準とし多様な修学年限を持つグローバルプログラムを計画しています。


千葉大学:プログラム概要(画像提供:筆者、以下同)

 例えば飛び入学者は、「0.5年高校(短期留学)+3.5年学部(短期留学1〜2回)+0.5年仮卒業半年留学」により3〜4回の留学を経験できます。また大学院進学者には3.5年学部(短期留学1-2回)+2.5年修士(1年留学)などの長短合わせた留学の機会が与えられます。

 千葉大学ではこのような特別な修学年限での人材をスーパー・グローバル人財と呼び、年間100名程度を育成するとしています。

 日本の社会にはエリート教育に対して異を唱える風潮が他国に比べて強いですが、能力が異なる学生を無理に平等に扱うこと自体が不公平であると思います。ポテンシャルのある学生がより自己研鑽できる土壌をつくらないと日本の大学は世界の競争に生き残っていけないでしょう。

 そういう点でも千葉大学のような取り組みは注目に値します。

中国重視の杏林大学、途上国に目を向ける鳥取大学

 次に杏林大学ですが、こちらは中国を重視した施策が特徴的です。過去や現在、未来にわたる中国の影響力に鑑み、中国語文化圏で卓抜した語学力とスマートでタフな交渉力を兼ね備える人材の養成を図っています。

 事実、通訳翻訳トレーニングメソッドを導入した中国語教育においては日本の中でも秀でた存在で、中国大使館や中日友好協会職員の委託研修などの実績もあります。

 それらにより中国の名門大学から数多くの優秀な学生が送り込まれているため、日本にありながらも多くの中国人留学生と切磋琢磨できる中国語学習環境に恵まれています。

 また中国語・英語サロンの設置による交流の場づくりや海外放送を常時流すなどより実践的な語学力の育成を計画しています。

 昨今中国との関係が問題となっていますが、次世代が活発に交流することで将来の友好関係構築に大きく寄与することは間違いありません。杏林大学のような中国重視型のグローバル人材育成は中長期的に見て大きな意義を持ってくるでしょう。


鳥取大学:プログラムビジョン
 最後に鳥取大学を取り上げます。同大学ではアジア、アフリカ、ラテンアメリカ諸国の開発途上国や新興国をフィールドとした海外実践教育を実施する計画です。

 それらのプログラムを通じて、国連機関やJICA(国際協力機構)及び国際NGO等のほか、特に開発途上国や新興国への世界展開を考えているコンサルティング会社や海外進出を図る各種企業にとって魅力的な人材を育成することを掲げています。

 特に、アフリカやラテンアメリカといった他大学では手薄な地域へ送り込み、学生に半強制的にカルチャーショックを与えることでメンタルを鍛える方針は、どうしても頭でっかちになりがちな大学教育の中において「まずやってみる!」というスローガンの下、たくましい学生を育てるという信念が見受けられます。

 これからは途上国におけるBOPビジネスなどがグローバル企業にとっての新規マーケットになる中で、想定外の事態への対応力やリスクテイクのマインドを備えた人材はますます必要とされるでしょう。

 鳥取大学の取り組みは地方大学のグローバル化の一つのモデルになる可能性を秘めています。

 以上、各大学で多岐にわたるプログラムが計画されていることが分かりますが、限られた学生を対象としているものもあります。

 まずは数年間取り組んでみてプログラムが洗練された後に全学に展開するなり、またはエリート教育に徹するなら、選抜された学生から他学生が触発されるような仕組みをつくるなども今後は求められてくるでしょう。

 以下に他の大学の特徴的なプログラムをご紹介します。

各大学の特徴的なグローバル人材育成プログラム 
http://jbpress.ismedia.jp/articles/print/37028


02. 2013年3月04日 01:39:54 : ues2iV3NEQ
>しかし、アマゾンが成功すればするほど
>目抜き通りの量販店は消えて行く運命にある。
>今年1月、英国最大のCD、DVD販売チェーンのHMVが倒産し、従業員が大量解雇されたばかり。

町の電器屋に行った所業は棚上げかいな

こいつ一人で機械もねぇ産業革命以前の暮らししとけばいいのに


03. 2013年3月04日 05:04:28 : HrkgpfvQPE
町の弱小電気屋が楽天市場に店出しして、家電量販店やじゃぱたかに

反撃しとるらしい。結構売れてるそうだよ。


04. 2013年3月04日 20:57:50 : ues2iV3NEQ
じゃあ、家電量販店の行く道も決まったな

05. 2013年3月05日 01:41:29 : xEBOc6ttRg

雇用を作るため、米国の大学教授を辞めました

必要なのは、「ミスマッチ解消」と「経済成長」

2013年3月5日(火)  田中 知美

 行動経済学者として貧困問題を研究していた筆者は2012年12月、勤めていたアリゾナ州立大学の助教授職を辞め、合同会社「エッジ」を起業した。途上国の雇用創出に貢献したいと思ったからである。それほど現在の世界における失業問題は深刻だ。

 国際労働機関(ILO)が2013年1月22日に発表した報告書によると、先進国の深刻な失業問題は途上国にも波及し、2012年に約1億970万人だった世界の総失業者数は、2013年には約2億20万人に増加する見込みである。なかでも若年層(15-24歳)の失業率は全年齢層の中でもっとも高く、2012年に12.6パーセントだった若年層失業率は、2017年にはさらに12.9パーセントまで上昇すると予測されている。

 国際労働機関(ILO)は、深刻化し続ける若年層の失業問題に対して次の3つの政策を提言している。1)企業に雇われ得る能力をつけさせるために、教育や職業訓練を企業が望んでいるスキルによりあわせた内容にし、就職情報へのアクセスを向上させる。2)若年層の起業を促進する。3)若年層が就業にあたって不当な扱いを受けないように労働法を整備する。

 共著『貧乏人の経済学(Poor Economics)』で知られるエスター・デュフロ(Esther Duflo)米マサチューセッツ工科大学(MIT)教授らがフランスで実験したところ、職業安定所のサービスを受けた若者は、サービスを受けなかった若者と比べて一時的には就業率が向上するものの長期的な経済効果は小さいことが明らかにされている。

職業安定所の長期的な経済効果は極めて小さい

 その理由は、就業先の総数が増加しない状況下では、職業安定所のサービスを受けることができなかった若者が就業の機会を失い、職業安定所のサービスを受けることができた若者が就業できただけで、全体の雇用者数は増加していないからである。従って、職業安定所における就業斡旋の長期的な経済効果は極めて小さい。

 国際労働機関(ILO)は、慢性的な失業の原因としてスキルのミスマッチをあげている。技術が急速に進展する中、企業側が求めるスキルと求職者のスキルのミスマッチが拡大し、慢性的な失業を生み出している。

 以上の研究結果から考えても、企業が望んでいるスキルによりあわせた職業訓練の提供は、大変有効な政策であると思われる。

 ニューヨークで活動するNGO「Yearup」は、16歳から24歳の低所得層の若者を対象に1年間の職業訓練をしている。学生は、最初の6カ月は授業を受け、残りの6カ月は企業で研修を受ける。米グーグル、米シティバンク、JPモルガン・チェース銀行などの大企業をパートナーとし、企業が必要としているスキルをカリキュラムに組んだ授業を提供しつつ、同時に学生をインターンとしてパートナー企業に派遣する。企業をパートナーに授業のカリキュラムを組み、それらの企業にインターンを派遣することによって、企業が望んでいるスキルによりあわせた職業訓練を提供し、さらにそれらの企業への就職を斡旋しているのだ。

 賃金レベルの高い先進国と違って、途上国の場合は低賃金を利用した単純作業やアウトソーシングの分野で雇用を増やすことが可能である。しかしながら途上国においては、先進国よりもさらに雇用されるために必要な基本的なスキルの習得と、技術に対する需要と供給のミスマッチ問題の解決が重要な課題となる。

大企業をパートナーに、雇用創出に貢献する2つのNGO

 一方、米サンフランシスコに本部をおき、アフリカ、南アジア、ハイチに事業所もつNGO「サマソース」は、データ入力のアウトソーシングが専門だ。米マイクロソフト、 グーグル、 リンクイトインなどの大企業をパートナーに、雇用した人々に職業訓練をし、大規模なデータ入力をアウトソーシングしている。

 多くの途上国では、若者が高い教育を受けたとしても、高い収入を得ることができる就業機会は少ない。それらの途上国で職業訓練をし雇用を創出することは、大変な意義がある。これは「Yearup」にも共通することであるが、米国の大企業とパートナーを組むことによって実際に必要とされているスキルにターゲットを絞った職業訓練をすることは極めて効率性が高く、スキルのミスマッチの解決にもなるのである。

 サマソースが「Yearup」と違うのは、職業訓練を受けた若者を自団体で雇用するので、雇用創出にも直接貢献している点にある。「サマソース」は、設立されてまだ4年だが、既にのべ3500人以上の人々を雇用した。

 筆者は、これらのNGOのモデルを参考に「合同会社エッジ」(Economic Development & Global Education, LLC)を立ち上げ、活動の拠点としてバングラデシュを選び、ターゲットを女性にしぼった。バングラデシュの女性を対象に選んだ理由は、国際労働機関(ILO)の報告書にもあるように、中近東、北アフリカと並んで南アジアでは女性の就業率が極めて低く、近年さらに減少する傾向にあるからだ。

 バングラデシュでは、中学校・高校への女子学生の進学率は男子よりも高いにもかかわらず、男性と比較して女性の就業率は極めて低い。2008年の報告書によると、不完全就業率は男性で10.9%、女性で68.3%である。教育を受けているにも関わらず女性が就業できない理由の1つに、伝統的慣習の中で女性が外で働く機会が極めて限られていることがあげられる。結婚した女性が外で働く機会は特に限られている。自宅でもできるデータ入力のアウトソーシングの仕事は、外で働くことができない女性にとっては極めて貴重な就業機会となり得る。

「在宅就労」でようやく職を得た女性たち

 また、女性の就業率が低い途上国で女性の就業を増やすことはGDP(国内総生産)の向上に大きく貢献すると、米コンサルティング会社ブーズ&カンパニーは研究報告している。女性の就業率が低いバングラデシュで雇用促進の対象を女性に絞ることは長期的な経済効果も期待できる。

 女性の雇用機会創出にフォーカスしたという以外に、「エッジ」と「サマソース」のビジネスモデルでもう1つ違う点は、「サマソース」は途上国に事業所を設立して訓練した人々を自分の団体で直接雇用して事業を行うのに対し、エッジは、地元の企業とのパートナーシップで事業をすすめることである。エッジは、コンピュータースクールの運営を地元のIT(情報技術)企業と共同で行い、地元のIT企業に就職するために必要なスキルにフォーカスした職業訓練をする。

 そして、日本や米国の企業からアウトソーシングの契約をとり、地元のIT企業と契約を結び仕事を委託する、という事業展開をしている。訓練した女性に対しては、それらの地元企業に就職を斡旋することで雇用機会を作る。しかしながら、多くのIT企業が在宅就労を認めていないので、外で働くことができない女性に対しては、若い起業家を支援して在宅就労のソーシャルビジネスを設立し、その組織にアウトソーシングの仕事を委託することにしている。

 「エッジ」がこのようなビジネスモデルを選んだのは、地元企業の発展・国際化がバングラデシュの経済成長に不可欠だと思うからだ。既に海外からのアウトソーシングを受注できる能力がある企業だけでなく、「エッジ」は若い起業家とも組んで事業を展開する。若い起業家の会社に海外から仕事の受注を持ち込むことによって、若年層の起業を促し、会社運営の経験を積ませるというわけだ。

 社会的企業である「エッジ」は、他の社会的企業同様、社会的経済的問題の解決を目的として収益事業に取り組んでいる。経済学者である筆者は、長期的な経済効果を視野に入れた事業計画を常に考えている。そうした長期的な視点こそ、経済学者が社会的企業を経営する意義があるのではないかと思う。またアカデミアにいたからこそ、これまでのネットワークを生かして国際機関や政府、民間企業との連携を可能にできる。

 立ち上げて2カ月、さっそくtwitter等を通じて仕事を得ることができた。PDFファイルをワード形式に変換した時に抜け落ちる数式を、数式エディタで打ち直す作業である。この作業に従事している女性は、コンピューターの専門学校を出たものの結婚してから外で仕事をすることができずにいた。現在ダッカ滞在中なので、その女性とぜひ会いたいと思ったのだが、家族の許可がとれなかった。事業をすすめるにあたって色々と問題はあるが、こういう国だからこそ女性の就業支援事業をする意味があるのだと再確認している。


仕事を得て笑顔を見せるバングラディッシュの女性たち。左から3番目が筆者。
 データ入力や数式エディタを使ったような文章作成の仕事があれば、ぜひお声がけいただきたい

田中 知美(たなか・ともみ)

合同会社「エッジ」代表。世界銀行コンサルタント。カリフォルニア工科大学ポスドク、アリゾナ州立大学助教授、慶応義塾大学特任准教授などを経て、合同会社「エッジ」を設立。 九州大卒。同大大学院農学研究科修士課程修了、博士課程単位取得退学。ハワイ大学経済学科博士課程修了。 貧困問題解決を目指した研究業績が認められ、2012年、日本経済新聞社より円城寺賞を受賞。専門は行動経済学・政策実験。


「気鋭の論点」

経済学の最新知識を分かりやすく解説するコラムです。執筆者は、研究の一線で活躍する気鋭の若手経済学者たち。それぞれのテーマの中には一見難しい理論に見えるものもありますが、私たちの仕事や暮らしを考える上で役立つ身近なテーマもたくさんあります。意外なところに経済学が生かされていることも分かるはずです。

 


 


42大学のグローバル人材育成構想を比較する(下)
どうすればグローバル人材の育成ができるのか(19)
2013年03月05日(Tue) 村田 博信
 前回は、文科省「グローバル人材育成推進事業」で各大学が取り組む以下の5分野のうち、(1)の「グローバル人材として求められる能力の育成」を紹介しましたが、今回は(2)〜(5)について特徴ある取り組みを見ていきたいと思います。

(1)グローバル人材として求められる能力の育成
(2)大学のグローバル化に向けた戦略と教育課程の国際通用性の向上
(3)教員のグローバル教育力の向上
(4)日本人学生の留学を促進するための環境整備
(5)語学力を向上させるための入学時から卒業時までの一体的な取り組み

大学のグローバル化に向けた戦略と教育課程の国際通用性の向上

 この分野では海外大学との連携を通じたプログラム開発、米国標準のスキル評価ツールの導入、教育実績の戦略的なPR、事務職員のグローバル化など非常に意欲的な施策が多々見受けられますが、学内の抵抗勢力に阻まれがちな分野でもあります。

 いかに関係者間のコンセンサスを獲得し、スピーディに実行できるかがポイントで、学長や担当者のリーダーシップが問われるところです。

 例えば、立命館アジア太平洋大(APU)では、アクティブラーニングや課題解決型・能動的学習授業を推進するとともに、その学習成果として、異文化間の知識と能力、批判的思考力、学習の統合、問題解決力、チームワークの5つの指標を、「Value Rubrics(Association of American Colleges and Universities が定めた米国標準の評価ツール)」を通じて測ります。

 これまでのグローバル人材教育はどうしても定性的な議論に終始しがちだったので、APUのように語学力以外のスキルを定量的に測る試みは珍しいケースです。

 学生本人は、自身の到達度合いが可視化されることでより効果的な学習をすることができるでしょうし、何より世界の多くの高等教育機関が導入しているため世界の中での自分の位置も客観的に把握できるので、自然と視線が世界へ向けられるはずです。

 また、九州大学では、農学部を対象としたグローバル人材育成を図っていますが、特に農学部職員のTOEICスコアの最終目標を800点まで上げるという非常に具体的かつハイレベルなゴールを掲げています。

 現時点でのTOEICスコアに応じて4クラスに分け、クラス別英語講習を設け、毎年目標をクリアした職員から自習メソッドを共有するセミナーを実施するなど、徹底した施策を計画しています。


各大学の取り組み(一部)拡大画像表示
 また、カリフォルニア大学デービス校で上記職員用にカスタマイズされた夏期4週間プログラムを通じてヒューマン・リソース(Human Resource)やインターナショナル・スチューデント・オフィス(International Student Office)などの科目を受講させます。

 ここまで徹底した事務体制のグローバル化は他の大学と一線を画していますが、農学部のみという条件だからこそ取り組めるという側面もあります。

 いきなり全学レベルで進めるには抵抗があるでしょうから、まずは着手しやすい学部から始め、それを徐々に他学部へ展開するという進め方はリスクも低く学内のコンセンサスも取りやすいと思います。

教員のグローバル教育力の向上

 教員のグローバル教育力とは、教員の英語力やインタラクティブな授業、学生の評価体系などが含まれ、次の2つの点で非常に大事な要素です。

 1点目は、授業を受ける日本人学生のグローバルリテラシーを高めること。2点目は日本に留学する外国人学生を増やすことにもつながるため、校内における学生のダイバーシティーが増し異文化交流の促進が図れることです。

 しかし教員にとってはある程度の負担を強いられることになるので、給与や処遇の面でも考慮するなどの動機付けがないと絵に描いた餅になりかねません。

 明治大学では、既に外国人教員比率はG30(文科省による大学の国際化拠点整備事業)の最低目標5%を上回っており、2016年には10%を目指すほど教員のグローバル化は進んでいます。


教員のグローバル教育力向上に関する特徴的な取り組み
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 また、海外のトップスクールの教員を客員教員として招聘し、集中講義を行う「トップスクールセミナー」をこれまでの政治経済学部以外の学部へも広く展開する計画です。

 さらに190校ある協定校との教員交流を促進するためのサバティカル(長期休暇)制度を整備するなど、日本人教員の英語力向上の強化を図る予定です。

 同大学では海外教育経験を持つ教員の積極採用なども計画しているようなので、それらの新任教員と既存教員とが切磋琢磨できるような評価システムや交流の仕組みが構築できると、より一層グローバル化が進むと思われます。

日本人学生の留学を促進するための環境整備

 ここではウェブサイトや冊子などを通じた留学に関する情報発信やカウンセラーの配置、短期から長期まで多様な留学プログラムの設置など、意識喚起から実行までの段階的かつ一気通貫した環境整備が肝心です。


留学促進のための特徴的な取り組み
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 特に奨学金補助や就職活動の支援など、学生が留学するにあたって抱く課題を解決する施策が必要ですが、各大学ともに比較的包括的な環境整備を計画しているようです。

 山口県立大学では、入学前後の国際交流経験や、海外研修への参加、入学後の語学検定結果、英語で開講される科目の履修などをIPD(Initial Professional Development)ポイントとして累積し、一定の点数を貯めたものには留学奨学金を付与する計画です(例:交換留学4ポイント、インターンシップ2ポイント、国際ボランティア1ポイントなど)。

 またこのIPDポイントは、同大学の定義するグローバル人材に必要な能力「ACCrOSS」(以下参照)に関するコンピテンシーの各レベルに達した時点でもポイント化され、計150ポイント以上に達したらインターローカル(Inter-Local)人材として認定され評価される仕組みです。

A能力:既成概念とは異なる視点で考えるなど(合計10ポイント)
C能力:コミュニケーション、コラボレーションなど(合計30ポイント)
Cr能力:批判的な振り返り、創造力など(合計10ポイント)
O能力:オープンマインドなど(合計10ポイント)
S1能力:日本人としてのアイデンティティなど(合計10ポイント)
S2能力:システム思考、解決力など(合計10ポイント)


山口県立大学「IPDポイントの構成」
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 このように多少ゲーム的な要素を入れることも学生の動機づけにつながる施策です。同大学によるグローバル人材の定義は、「世界と日本の地域をつなげて課題解決に向かう姿勢と、地域の歴史的・文化的・自然的・人間的な資源の価値や可能性に着目し世界に売り込める力を有するInter-local人材」となっていますが、上記のポイント制度でも対象として地域との協創ワークが豊富に含まれています。

 地方大学では、いかに地域や日本を知り世界へ立ち向かうかという姿勢がますます問われてくる中で、一つのモデルを提示しているところは注目に値します。

語学力を向上させるための入学時から卒業時までの一体的な取り組み

 文科省「グローバル人材育成推進事業」の定量目標としてTOEICやTOEFLなどが含まれていることも影響しているのでしょうが、机上試験のスコアを高めるための対策を挙げている大学が少なくありません。

 目標の1つとして掲げるのは問題ないですが、試験対策が目的になってしまって肝心のコミュニケーション力が育まれていないという本末転倒にならないよう気をつける必要があります。

 武蔵野美術大学では、美術家・デザイナーとして、自らが制作・企画・提案・発表するモノやコトを携えた国際的活動に必要な、TPO(時・場所・場合)に応じた語学運用力を身につけることを主眼としています。

 一例として、国際交流プロジェクトで実施される展覧会やワークショップ、シンポジウムなど、国内外において繰り返し自ら外国語で作品・アイデア・研究のプレゼンテーションを行う機会を倍増させることで、外国語による講評や批評を受けながらディスカッションをする実践的な能力を養うことを図ります。


語学力向上に関する各大学の取り組み
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 それ以外にも英語による論文作成授業や少人数制のプレゼン授業など、テストのための語学力ではなく、あくまでも実戦を想定した授業が特徴的です。

 テストのスコアがよくても実際は使えないという話はよく耳にしますが、その点、同大学の取り組みは現場主義で効率的な学習スタイルだと思います。

 以上、2回にわたり「グローバル人材育成推進事業」における各大学の構想を見てきました。構想の全てが実現できれば“内向き志向”という言葉は死語になると思われるぐらい希望が湧いてくる内容です。

 従来グローバル化に取り組んでいる大学もあればそうでない大学もある中で、スタートラインはバラバラですが、大学間で取り組み状況を積極的に共有しながら各々のプログラムを洗練させて成果につなげることを切に願います。


06. 2013年3月05日 02:21:40 : xEBOc6ttRg
【第77回】 2013年3月5日 出口治明 [ライフネット生命保険(株)代表取締役社長]
就活人気トップ10は全て銀行・保険
これでこの国は成長するのだろうか
 日経新聞の調査による大学生の就職希望企業ランキングが公表されたが(2月27日、日経新聞朝刊第二部)、それによると、トップ10は銀行と保険会社が独占した。このような人材配分で、この国は、将来、本当に成長し繁栄するのだろうか?大いに疑問なしとしない。

安定志向が顕著

 日経新聞のランキングは、以下の通りであるが、トップ10企業の志望理由を見ると「規模が大きい」や「社風がよい」を挙げる人が多い。


 学生が就職したい企業を選んだ志望理由については、全体の調査では「仕事が面白そうである」が7〜8割の支持を集めて首位を占め、次いで「規模が大きい」「社風がよい」の順で、これが3大理由となっている。加えて「安定している」「一流である」「社会に貢献している」「世の中に影響がある仕事ができる」の6項目がいずれも6割以上の支持を集めている。昨年に比べると、「社会に貢献」が大きく伸びたと指摘されている。

 ところが、トップ10企業では、「仕事の面白さ」より「規模」や「社風」が優先されており、学生の安定志向が顕著に読み取れる結果となっている。

 なお、就職観については、前年同様、「自分の生活と仕事を両立させたい」が首位を占めたが、これを男女別にみると、女子(75.0%)は男子(55.1%)より19.9ポイントも高く、女子のワークライフバランスへの意識の高さが浮き彫りになった。

 次いで、「社会に貢献できる仕事がしたい」「一生、同じ会社で安定的に働きたい」の順となり、この3項目がトップ3を占めた。なお、この3項目の順位は男女とも同じであった。ちなみに、「出世したい」は男子(27.3%)が女子(12.1%)より15.2ポイント高く、ワークライフバランスの重視と真逆の結果となっている。

 ところで、トップ10企業はいずれもわが国を代表する大銀行や大保険会社ではあるが、これからのわが国を牽引するのは果たしてこういった大企業なのだろうか。政府でさえ、医療・介護やIT産業やベンチャー企業等、新しい産業分野の重要性を事ある毎に訴えているではないか。それに、日本はこれまで製造業が引っ張ってきた国ではなかったのか。どう考えても、トップ10企業全てが金融業で占められているのは腑に落ちない。国として、人材配分がかなり歪んでいる観が否めないのである。

アメリカは人材配分が多様

 わが国と比較するために、アメリカの大学生の理想的な就職先を見てみると、次のようになる。


 わが国との大きな違いは、まず、金融業がランキングに1社も入っていないことだ。日本は金融業でご飯を食べている国で、アメリカはそうでないとでもいうのだろうか。アメリカの金融業はJPモルガンが42位、ゴールドマンサックスが50位に顔を出しているが、グローバルに見れば、わが国の金融業よりアメリカの金融業の方に、まだ1日の長があると見る方が自然だろう。

 トップ10の内訳は、官庁が3、国連、NPOが3、民間企業3(ウォルトディズニー、グーグル、アップル)と、人材配分のバランスが実に良い。特筆すべきは官庁やNPOに(民間企業とほぼ同様のウェイトで)優れた人材が配分されていることだ。ポピュリズムに媚びた官僚たたきに溜飲を下げているわが国の現状では、国民の公僕である官僚志望者の質の低下が心配であるが、アメリカの強さの1つの秘訣は、社会の人材配分がスタートの時点からして健全であることに求められるのではないか。

 加えて、日本とアメリカでは、労働の流動性が全く異なる。労働の流動性に乏しいわが国がスタート時点でこのように硬直的な人材配分を行うと、その歪みは長期的に固定されることになる。ここにわが国の産業構造の改革・転換がなかなか進まない1つの理由があると思われる。わが国の大きな課題の1つが、社会の変化を睨んだ人材配分の適正化にあることは明らかである。スタート時点が歪んでいるのであれば、なおさら、わが国は労働の流動化に意を用いなければならない。

大人がまず変わらなければならない

 このような歪んだ人材配分に対して「若者の保守化・安定志向」を指摘する向きは多い。しかし、若者を非難したところで何も始まらない。問題は若者が何故、安定志向に走るのか、あるいは若者を新しい産業分野に向かわせるためには、どうしたらいいかを考えるところにある。

 古来より、「若者(の意識)は、大人(の意識)を映す鏡である」と言われてきた。若者が仮に保守化しているとすれば、それは大人がまず保守化したからである。若者がリスクを取らないのは、大人がリスクを取らないからである。このように考えれば、例えば、大人が官僚たたきの代わりに公共財の提供がいかに市民社会に貢献しているかを説いたり、NPOやベンチャー企業の立ち上げに率先して尽力することが、若者の意識を変える一番の近道ではないか。

 私見ではあるが、特にNPOやベンチャー企業の立ち上げには、中高年世代が最も適していると考える。中高年になれば、あくまで一般論ではあるが、子どもの行く末や自分の将来像についてもある程度の見定めがつく。しかも、社会で相当期間働いてきたので、それなりのノウハウや人脈も身に付いている。

 こうした点を考慮すれば、若者に比べれば、遥かにNPOやベンチャー企業の立ち上げについて実際的なリスクは小さいのではないか。大人がリスクを取って新たな分野にどんどんチャレンジしていく、その結果として、労働の流動性も高まり、若者も身近にロールモデルが出現するので、多様な生き方に目覚めることになるのではないか。

 この他にも、大人にできることは多い。前にも述べたように、「青田買い」を即刻取り止め、大学を勉強する場所に戻すことは、その最たるものである。大学を卒業した後で、就活を行うことが普通になるような社会を一刻も早く作りたいと願うのは筆者だけだろうか。

 もちろん、若者も、こうしたメディアの就活ランキングに惑わされることなく、自分の頭で考えて、腹落ちする、納得のいく就活に励んでほしい。就職ランキングについては真偽のほどは不明だが、次のような話を聞いたことがある。

「大企業は億円単位のお金を使って、大学生に広くPRを行っている。ほとんどの大企業は実際に採用する大学を特定しているが、ランキングが上がると(特定大学から)上位の学生が採用しやすくなると考えているからだ。学生は何千社もアプライしては落とされ、その度に自信をなくしていく。本当に罪作りだ」この話がもし本当だとしたら、何をか言わんやである。

(文中、意見に係る部分は、筆者の個人的見解である)


 


 


 


【最終回】 2013年3月5日 吉田典史 [ジャーナリスト]
あなたの仕事はなぜシュリンクしていくのか?
構造不況に絶望するより自分の“意識”をまず見直せ
市場が急速に縮小して行く――。
シュリンク業界をどう生き延びるか

 日本は今、構造的な「負のループ」に陥っている。市場が早いスピードでシュリンク(萎縮)し、生き残り競争が熾烈さを増しているなか、我々は「シュリンク業界」をどうやって生き抜けばよいのか。

 様々な企業の社員や個人事業主に焦点を当て、苦境の本質を炙り出してきたこの連載も、今回で最終回となる。そこで、昨年9月から掲載した記事の内容を改めて振り返り、日本のあらゆる業界がシュリンクする背景を私なりに俯瞰し、まとめの分析としたい。

 結論から言えば、売上や利益、予算、そして日々の仕事などが一部の業界で減っていくことは、不況だけの問題ではない。むろん、不況も大きな要素の1つではあるが、各業界におけるシュリンクの構造は、特有のいくつかの要因が折り重なってでき上がっており、容易に抜け出すことができないようになっている。

 今後、十数年はシュリンクする業界と、現状を何とか維持できる業界にはっきりと分かれていくと思われる。「格差」と言えば、ここ数年は、正規社員・非正規社員という枠で議論がなされてきた。あるいは、中小企業と大企業という構図も、古くて新しい「格差」だった。

 今後は、「シュリンク」がそれらと同じ文脈で語られていくべきだろう。シュリンクする業界で生きていく人は、企業の社員にしろ個人事業主にしろ、収入など労働条件の面で厳しい状況が待ち受けていることは避けられない。

 そうした業界がシュリンクする要因とは、主に次のものである。「少子化や景気停滞などによる消費減退」「グローバル化や規制緩和による競争の激化」「ITを象徴としたデジタル化」、そして「産業構造そのものの変化」――。これらの事例を、過去の記事と照らし合わせながら検証したい。

 まず、連載第1回に登場した漫画家の神田森莉さんは、ここ十数年、年を追うごとに仕事が減っている。その大きな理由には、雑誌の出版数が減り、作品を発表する場が減ったことがある。

 これなどは、需要が減少しているわかりやすい例だろう。神田さんは記事掲載後、1つの仕事(月の収入は約5万円)を獲得し、現在は月に十数万円の収入を稼ぐようになった。ただし、年収は依然300万円以下。本人は「今後も仕事を増やしたい」と話しているが、前途はどうなるのだろう。

 雑誌の数が減る背景には、IT化が進んでいることもある。特にここ数年、電子書籍の増加やスマートフォンなどの浸透により、読者の雑誌離れが速度を増している。ここ十数年、早いスピードで進んだIT化は、日本のあらゆる産業に多くのビジネスチャンスを与える一方、ある分野においては仕事を奪いつつあることを考えたい。

 神田さんはIT化で仕事を失っていると見ることができるが、自身でブログなどを運営し、電子書籍を販売している。その意味では、ITを使って生き延びようとしているとも言えるだろう。

産業構造の変化と共に需要が縮小
再規制でも変わらないタクシー業界

 また、第4回のタクシードライバー、第5回のフリーライター、第9回の料理道具店、第17回の学習塾などがシュリンクする背景には、最大の理由として需要の減少がある。それらはIT化が絡むものもあるし、産業構造の変化も関係している。

 特に、産業構造の変化と共に需要が減少することに着目したい。言い換えれば、企業としてその「変わり目」を意識したサービスなどを提供できなかったことが原因にある。

 たとえば、第4回で紹介したタクシードライバーがその一例だろう。1970代前半に石油危機が訪れ、高度経済成長が終わり、低成長の時代に入った。この頃から慢性的にドライバーの売上などは伸び悩む。1980年代半ばから後半にかけてのバブル期は、その例外でしかない。

 そして、1990年代後半〜2000年を過ぎた頃から、規制緩和が本格的に進む。とりわけ小泉改革による規制緩和は、市場競争を活発化させる一方、過当競争による業者の疲弊という、副産物ももたらした。結果として、タクシー社会の位置づけ(需要)が相対的に低下していることに変わりはない。

ビジネスは需要と供給で成り立つ
行政が本来やるべきは需要の喚起策

 その後、行政が再規制を行なったことで、タクシーの台数などは規制緩和前の状態に戻りつつある。それで一応は、混乱が収まりつつある。だが、ドライバーらの収入にはさほど変化がない。それもそのはずで、不況で乗客が増えていないからだ。

 大切なのは、こうした時期だからこそ、タクシー会社が需要を喚起する策を矢継ぎ早に打ち出すべきなのである。ビジネスは需要と供給で成り立つ。法律の力でこのバランスを一定期間、安定化させようとしたところで、その商品、製品、サービス、企業、産業に需要がない限り、それらは消えていかざるを得ない。

 本来行政がやるべきは、このことを踏まえ、多くの人の需要を喚起する策をタクシー会社が打ち出しやすいよう、支援していくことなのではないか。

 やや話が広がるが、現在、デフレ・円高からの脱却を目指して自民党政権が推し進めるアベノミクスも、実体経済を強くして需要を喚起するという方向性を目指す意味において、そのこと自体は好ましいことなのだと思う。

 さらに踏み込むと、需要と供給の関係が成立しない業界や企業、さらには人を、いつまでも行政や法律などの力で守り続けることは、避けた方がいい。中長期的に見れば、一定の範囲で淘汰を意識して政策を進めることも、やはり必要なのである。

 シュリンクを最小の被害で食い止めるためには、需要と供給のバランスが崩れ、ビジネスを継続することができない者を市場から退場させることが不可欠な場合もあることを、これまでの取材を通して筆者は実感した。

 第11回の自動車教習所(上北沢自動車学校教習員・斉藤孝行氏)のケースもまた、このような文脈で捉えられる。自動車教習所業界は、ここ20年、少子化の影響をまともに受け、需要が大幅に減少した。

 ただしこの事例の特徴は、自動車学校教習員の斉藤さんが私との話し合いでも認めていたように、すでにシュリンクの構造から多少なりとも抜け出しつつあることである。

「少なくとも都内においては、2007〜08年頃までに、1990年代前半から始まった教習所の淘汰の時代は、いったんは止まったと思う。淘汰されるべきところは廃業や倒産で姿を消した。これから反転攻勢を仕かけたい」

 斉藤さんがかつて勤務した自動車教習所は、倒産の憂き目に遭っただけに、その見方は冷静であり、厳しい。

 違う言い方をすると、今、残っている自動車教習所はいい意味でしたたかな経営をしている傾向がある。身の丈に合った経営とも言える。その堅実経営で厳しい時代を何とか乗り越えてきた。

 私の取材の実感では、この業界で需要を喚起する策を次々と打ち出す学校はなかなか現れないと思えたが、そのような策を打とうとしている業者も少しずつ出始めている。斉藤さんは、教習所の経営陣に教習生を増やすような提案をしたり、ある公共事業の入札を巡ってそこからビジネスチャンスを得ることを考えている。

 同じく、第8回の社会保険労務士のケースも、需要と供給という文脈で捉えると、シュリンクする真相が見えてくる。

IT化とグローバル化で進む
シュリンクの中で生きる人々

 IT化とグローバル化の双方が折り重なり、早いスピードで進むシュリンクは、今後読者を最も恐怖に陥れるパターンではないかと私は思っている。そこで第20回でシステム・コンサルタント、第23回で外資系ソフトウェアメーカーの社員らを取り上げた。

 この事例について私の考えを述べる前に、わかりやすいケースを紹介したい。3年ほど前、ある大手会計事務所に勤務する30代後半の女性が、私の元へ労働相談に訪れた。その事務所は、会計士を支援する後方部隊、つまり、人事・総務・広報・営業、さらに翻訳の部署を大胆に縮小した。

 翻訳には10人近くの社員がいたが、その多くがリストラとなった。今後彼らの仕事を、中国の大連の翻訳会社に外注するのだという。流暢に日本語を使える中国人が、日本国内よりもはるかに安いコストで翻訳をする。

 しかもそのレベルは、この女性によると、日本人の翻訳とさほど変わらないという。日中間でも意思疎通はメールで十分行えるため、当然、東京の会計事務所は大連に仕事を発注する。インターネットで「中国・大連」と検索すると、このような事例が数え切れないほどヒットする。特に翻訳や印刷などは目立つ。まさにIT化とグローバル化が進んだ、象徴的なケースと言えよう。

国内事業が空洞化すると
語学力が生き残りの術になる?

 このような背景を押さえた上で、システム・コンサルタントやソフトウェアメーカーのシュリンクを考えたい。ソフトウェアメーカーの男性が語っていたことが、印象的だった。

「日本国内から海外に工場や支社が出ていくと、我々の仕事がない状況になる。結局、海外との通訳のような立場となり、語学力こそが大切となる。実働部隊が海外にいる以上、ソフトウェアメーカーとして日本法人の社員は実際に自分の指を使い、つくる機会が大幅に減っている。こういう力はあまり求められず、語学こそが生き残りの武器となる」

 全ての業界における外資系企業の日本法人について、言えることではないだろうが、外資の空洞化が進むと、そこで働く日本人がぶつかる壁なのだろう。こういうケースを取材していると、そこで働く会社員は、身を守る術がないように思える。外資は給与が高いから、ある程度のペースで貯蓄をし、万が一に備えている人も多いだろう。

 さらに40代以上になると、いくら外資系とはいえ、職種によっては「外資から外資へ」という転職も相当難しくなる。それを踏まえ、独立しても生きていくことができる体制を身に付けておく必要がありそうだ。

「プロフェショナルであれ」は本当か?
大切なのは自分の意識を変えること

 巷に出回るビジネス書などでは、「プロフェッショナルであれ!」と、会社を離れ、生きていくことを称える風潮が依然としてあるように思える。だが、この路線は茨の道であり、多くの人は挫折する可能性があることも否定できないだろう。

 第22回で、労働条件が劣悪な業界といわれるアニメーター業界を取り上げた。その内容はひとことで言えば、労使紛争である。ここで考えるべきは、その背景ではないだろうか。

 メディアは労使紛争を捉えるとき、「経営 VS 労組」というくくり方が多い。事実関係としては誤りではないのだが、私は疑問も感じる。解雇にしろ、退職強要にしろ、その背景にはIT化やグローバル化、さらに需要の減少、産業構造の変化などが何らかの形で関わっている場合がある。そこにメスを入れないと、同じような形の労使紛争は繰り返されるように思える。

 誤解なきように言えば、不当な行為があるならば、それはそれで問題視されるべきである。だが、「経営 VS 労組」という視点だけでは、真相には迫れない。そのことを言いたい。

 これまで述べてきたように、シュリンクする業界にはいくつかの要因がある。それぞれが複雑に折り重なり、不況を一段と深刻化させている。今後、大胆な金融緩和、財政出動、成長戦略などが行なわれたとしても、私はこれらの業界の状態は大きくは変わらないと見る。

 シュリンクの最大の原因は、実は私たちの意識や考え方にあるからだ。「世間が悪い」と嘆くばかりでなく、「自分の仕事がなぜシュリンクするのか」を客観的に分析し、意識を変えていかない限り、抜け出すことはできないだろう。

 あなたは、シュリンク業界で生き残ることができるか――。その答えは、私たちの意識をどれだけ変えることができるか、ではないだろうか。


07. 2013年3月05日 15:58:37 : UQlyJXi6zF
トイレ時間制限は、今の時代の日本でもやってる会社あるよ。

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