http://www.asyura2.com/13/hasan79/msg/354.html
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アメリカの共和党は「小さな政府」の政党です。その根本にあるのは減税政策。
政府にお金を持たせないことで、活動規模を小さくしようということです。これに沿って、ブッシュ前大統領(2001〜09年)は、アメリカ史上でもかつてない規模で大幅減税を実施しました。しかし、それは恒久減税ではなかったので、今年(2012年)末に一斉に期限を迎えることになりました。新たな法律を作って減税を延長しない限り、来年1月から大増税となります。規模は10年間で5兆ドル程度とも言われています。
一方で、共和党の要求に応じて昨年8月、民主・共和両党は政府支出の大幅削減を目指すことで合意しました。その際に、今年中に削減案の合意が成立しなかった場合には、来年1月から強制的に、10年で1.2兆ドルの政府支出削減を実行するという内容も盛り込まれました。
その結果、来年1月には大増税と大幅な財政緊縮の両方が、同時にアメリカ経済に襲いかかることになったのです。その規模は2013年単年度では約6000億ドルと巨額で、両方とも景気を冷やす効果を持っているため、株価の3割が吹き飛び、アメリカの国内総生産(GDP)を3〜4%下げる効果があるだろうと言われています。欧州で進む経済危機に加えて、脆弱ぜいじゃくな米国経済が危機に陥れば、世界経済に与える影響は深刻です。国際通貨基金(IMF)は2012年7月、「財政の崖」を名指しして、米議会に対し混乱を回避するための減税措置や歳出政策をめぐる合意を急ぐよう求めました・・・
(yomiuri online http://www.yomiuri.co.jp/job/biz/qaworld/20121127-OYT8T00922.htm)
なるほど、新自由主義者が目指す、緊縮財政・大増税は、「景気を冷やす効果」を持っているため、株価を引き下げ、GDPを押し下げる効果がある訳ですね。
良くわかりました。
バブル崩壊後、デフレに陥った日本経済への処方箋として構造改革や財政再建・増税を掲げた政策はデフレを悪化させこそすれ、株価下落→GDP押し下げ→企業業績悪化→税収減少→財政赤字拡大と、日本経済を悪循環に導くことになる訳だ。
まあ、新自由主義は、ユダヤ人のフリードマンが唱えた、ユダヤ国際資本家のための、経済学(新古典派?)に過ぎず、リーマンショック以降100%否定されている。
竹中・小泉がやったように、景気が悪く、資産価格が下落している状況下、株式の持ち合い解消をすすめ、時価会計を導入したり、銀行の検査基準を厳格化したりすれば、資産価格が益々下がって、デフレスパイラルに陥るのは当たり前。
公共投資削減や民営化もデフレ効果しかもたらさない。
不勉強な経済学者、アナリスト、マスゴミが、デフレの今も、後生大事に新自由主義を信奉しているのはお笑い種だ。
京大の藤井・中野の「日本破滅論 (文春新書)」を読んだが、このことが明確に指摘されている。
無駄なものを作れとは言わないが、公共投資が日本の景気を下支えしていたのもまた事実。
世界恐慌後、アメリカがフーバーの緊縮財政でGDPが半減した状態から蘇ったのは、ルーズベルトのニューディール政策のお陰。
またドイツが逸早く恐慌から立ち直ったのもヒトラーの行ったアウトバーンを始めとする公共投資に賜物である。
道路公団を民営化すれば、経費削減で安全対策は、軽視され、インフラ整備が後回しになるのは当然。石油コンビナートの老朽化も抜本的な対策が取られなかったのも同様の理由である。
古賀や猪瀬が電力自由化を唱えるが、早急な自由化により、送電・分離しても海外の事例を見れば分かるとおり、電気代の引き下げにつながるどころか、大停電になりかねない。
地方では過疎化が進み、まともな産業が育たない、その上、TPPを導入すれば、地方の数少ない産業である農業も破滅しかねない。
ギリシャやアメリカと違い、日本の財政赤字は日本国内でファイナンスされている。
そうである限り、日本が破綻する心配はない。
京大藤井教授が指摘するように内閣府のマクロモデルは意図的に公共投資の波及効果を低く見積もっており、通常4程度弾力性があるため、借金して公共投資すれば4倍の効果がる。経済の拡大こそが、デフレに対する何よりの処方箋なのである。
道路・港湾・建物すべて高度成長期に建設したものは老朽化している。明治の人間が百年後の日本を考えて制度作りをしたように今こそ今後100年後の日本を支えるインフラ整備をする必要がある。
歴史に学ぶものは賢者である。
<参考リンク>
◆米、歳出強制削減を発動 「痛み現実に」深まる危機
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130303-00000079-san-n_ame
◆12/3 【超人大陸】藤井聡【選挙で決まる!日本を強靭化させるのか】
http://www.youtube.com/watch?feature=player_embedded&v=343AbK5rJ0o
◆世界恐慌からいち早く立ち直ったのはナチスだった!〜『ヒトラーの経済政策』
http://business.nikkeibp.co.jp/article/life/20090528/195992/?rt=nocnt
・・・
ヒトラーが政権を取るのは出口なしの大不況にあえぐ最中の1932年のこと。そのころドイツは、財政赤字を補うために不況下にもかかわらずデフレ政策を取って困窮する国民をさらに苦境に落とすという最悪の状態にあり、失業者は600万人に登っていた。全労働者数の3分の1にあたる数字だ。
ナチスは、この莫大な失業者をほんの3年ほどで恐慌以前の160万人にまで減らし、経済をみごとに回復させたのである。
その経済政策はひとことでいえば、〈資本主義と社会主義両方の長所を生かしつつ、欠点を修正する〉というものであった。
アウトバーン計画を筆頭に公共事業によって雇用を創出するというのがメインの政策で、初年度だけで20億マルクが計上されたという。
大不況のなか、どこからそんなカネが降ってわいてきたのかというと、国債を大量に発行したのである。そんな乱暴なことをしたらまたハイパーインフレになりそうなものだが、これが上手くいって、ナチス・ドイツは不況からあっさり脱出する。
この計画を主導したのはシャハト。先に見た「レンテンマルクの奇跡」の英雄である。ヒトラーはシャハトをかき口説き、ナチスの経済大臣に迎えていたのだ。
アウトバーン建設は、雇用を創出しただけに止まらず、大動脈としてドイツ産業の発展に大きく寄与した。さらに、大規模な事業計画を行なうと積極的にアナウンスすることで、人々に景気回復の期待を持たせるよう働きかけもした。景気が良くなるとみんなが思えばサイフの紐が緩んで本当に景気が良くなるのである。
その他、中高年を優先的に雇用する、大規模店の出店を制限して中小店を守る、中小企業への融資制度を整える、価格統制により物価を安定させる、農家を保護する、結婚を促進し少子化を予防するなどなど、国民と経済を保護することに関しては、およそ考えつくかぎりの手段を講じたのであった。
一方で、公共事業による景気回復で生じた利益を国庫に回収するシステムもつくりあげていた。企業に対しては「配当制限法」という法律を課し一定以上の利益が出た場合は公債を買うことを義務づけ、個人に対しては貯蓄を促す制度を準備したのである・・・
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