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前回の記事では、際限の無い安値競争は日本のデフレに拍車をかける一因になっていると述べた。物の価値が下がり続けることが当たり前というデフレ思考も行き過ぎると、本来の市場法則以上に物の価値が下がり続けることになり、結果的に自らも貧しくなっていくという原因結果の法則を述べた。この現象を経済用語を用いて一言で言い表せば「合成の誤謬」ということになる。
善悪は別にして、消費者としての個人的欲求(1円でも安く買いたいという欲求)を追求していけば、全体としてはジリ貧経済に陥っていくという、ごく当たり前の経済現象を述べた。
前回述べたことを要約すれば、次のようになる。
★「全国民が合成の誤謬を理解すれば日本はもっと生きやすい国になる」
これはデフレが解消するという意味ではなく、デフレのスパイラル化を幾分かは抑えることができるという意味である。
デフレは経済現象なので、ある程度は受け入れるしかないが、市場法則を超えた必要以上のデフレスパイラルまで受け入れる必要はない。海外からの安価な商品が入ってきて、日本製の商品の値段が市場法則によってある程度下がっていくことは仕方がない。
問題は、その影響がバブル化して際限のない値下げスパイラルに陥ることだ。
★経済原理ではなく、人間心理によって齎される無意味な値下げまでも経済現象(神の見えざる手)だと錯覚してはいけないということである。
「神の見えざる手」ではなく「悪魔の見えざる罠」に嵌っていると言えば、分かりやすいかもしれない。
経済現象としてのデフレを人為的に解消することは困難だが、デフレのスパイラル化は人間の知恵によって、ある程度は解消できる。
際限の無い安値競争が日本経済を悪化させている(=自分自身の生活をも悪化させることになる)ということを理解した上で働くか、それとも全く理解せずに(それが良いことだと思って)働くのとでは、大きな違いが生まれる。
最近、「金融緩和によってデフレは解消できるか?」ということが話題になっているが、正確に言えば、デフレが解消されると言うより、他国の商品価値が上がると言うべきかもしれない。つまり、金融緩和による円安によってデフレが幾分かましになるということである。
自国の通貨価値が下がることによって、他国の通貨価値が騰がれば、当然、その国(他国)の商品価値は上がり、その商品を輸入する場合、料金が上がることになる。仮にこれまで50円で仕入れていた商品を60円で仕入れることになれば商品価格は2割増になるので、100円ショップが120円ショップになる計算になる。
単純にそう考えると、動くお金の量が1.2倍になるので、給料も額面では1.2倍になる(可能性が有る)ということだが、給料価値が上がるわけではない。商品が1.2倍になったとしても、給料が1.2倍以上にならないことには実質的には所得が下がったことになる。額面が変化したとしても、商品とお金の交換価値が変化しない限り、給料が上がったことにはならない。こんなことはわざわざ書かなくても誰もが理解していることだと思うが…。
金融緩和によって自国の通貨を下げることは、人件費の安い国々の通貨価値に少しは近付くということなので、グローバル経済格差を少しでも緩和できるという意味では、必要な手段ではある。
★「金融緩和で日本は滅ぶ」という意見も最近よく耳にするが、
「金融緩和をしなければ日本は滅んでいた」可能性の方が高いかもしれない。
デフレ思考という「悪魔の見えざる罠」に嵌っている人々が自主的にお金を大々的に使うということは考えられないので、そんな異常時には政府が主導して大々的にお金を使用して(刷って)、その罠から脱するしかない。「悪魔の見えざる罠」に嵌った人々に「神の見えざる手」は機能しないからである。
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