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「ドイツが米国に預けている“金塊”(約1700トン)を回収へ:実存するかどうかも話題に:対米自立への道?日本は?」
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独連銀、保有金を自国へ移動 手元にあってこそ安心?
金はどんなに想定外の事態が起きようと、けっして無価値にはならない。世界のどこでも通用する現物資産だ。有事に備える保険のような資産だけに、どう保管するかで投資家は悩む。
販売会社の保護預かり制度を利用したり、現物を引き取っても銀行の貸金庫に保管したりする投資家は多い。だが、未曽有の経済危機などに遭遇した場合でも、すぐさま自分の金を持ち出せるのか。一抹の不安は残る。
金は自宅に保管し、時々手にとってこそ安心という投資家もいる。ただ、自宅に保管すれば、たとえ頑強な金庫に入れても盗まれる恐れはある。
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こうした悩みは中央銀行も同じだ。ドイツ連邦銀行(通称ブンデスバンク)は先月、国外に保管している保有金のうち674トン(3兆3千億円相当)を2020年末までにフランクフルトにある連銀金庫に移し、国内保管率を50%まで引き上げると発表した。
公的な金保有量でドイツは3396トン(2012年時点)と米国(8133トン)に次ぐ。しかし、東西ドイツが再統合された1990年まで、保有金のほとんどは国外の中央銀行に預かってもらっていた。
東西冷戦構造の中では、国内に持つより国外に置く方が安全と判断したからだ。旧ソ連軍が侵攻してくる、個人で言えば盗難のリスクが高かった。
その冷戦構造は消えた。ドイツ国内では米国で保管している金が本当に存在しているのか、疑念の声も強まる。それなら保管場所を見直さなければならないと考え、厳格に動くところがドイツ人らしい。
実は、今回の移送は二回目だ。すでにイングランド銀行にあった930トンは国内に移し終えた。さらに昨秋、監査機関が「残りの国外保管分もきちんと確認しているのか」と連銀を追求し、第2次計画を決めた。
欧州は他国による侵略の歴史を繰り返し、ドイツは第1次世界大戦後に通貨価値の暴落も経験している。だからこそ金の価値を重んじ、保管場所や分散比率まで公表したのだろう。
ドイツには金はすべて国内に戻せ、との声もある。しかし、金の中核市場であるニューヨークやロンドンに一定量は残す。流動性の利点を考えてのブンデス流分散の術だ。同じユーロ圏のフランスは、もはや保管の利点がないとして全量引きあげる。この判断には、欧州危機をめぐるフランスへの疑念もちらつく。
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ひるがえって日本。外貨準備で日銀が持つ金は765トン。多くは米国にあるというのが通説だが、日銀は保管場所を公表していない。ドイツのように、日銀は金の存在を定期的に確かめているのか、偽物の延べ棒にすり替わっていないか、などの議論は起きない。
そもそも外貨準備に占める金の比率(時価換算)が70%を超すドイツに比べ、日本は3%台にすぎない。
ドイツ人が心配性なのか、日本人が能天気なのか――。個人投資家も「金融危機などで痛い目にあった人ほど現物の金にこだわり、手元に置く傾向がある」(マーケットアナリストの豊島逸夫氏)という。
(編集委員 志田富雄)
[日経新聞2月19日朝刊P.21]
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