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http://blog.livedoor.jp/fromvancouver/archives/52317241.html
円が長期的に弱含むなら外貨預金など資産を分散化した方がよい、とする話はよく聞きます。本当にその話に乗ってもよいのでしょうか?今日はそのあたりを大所高所から考えてみたいと思います。
香港が中国に返還される前、多くの香港人は資産を海外に分散化させました。更にはカナダやオーストラリアに移民権も取得し、いつでも国を去れる準備もしました。理由は中国への返還により一夜にして自分の資産が没収されるリスクがないとはいえなかったぐらい、政府方針の突如の発表に身構えなくてはいけなかったからです。同じことは台湾も同じで、いつか中国に併合されるという恐れは付きまとい結果として多くの海外移住者や資産の分散化が行われました。
香港や台湾の場合、自分の資産がゼロになるという恐怖心がそのような動きに繋がったのだろうと思いますが、さて、今の日本にそのような状況があるのかといえば、そんなわけはなく、資産を分散化しようというのはやや大げさのように聞こえます。為替などは上下するのが歴史であって、第一期安倍内閣の時は対ドルで120円だったわけです。今、120円をつけようならば日本は崩壊すると叫ぶ専門家がいてもおかしくないと思いますが、長い目で見ればそれは歴史の中のうねりであって70円台だった為替が仮に120円をつけたら次は150円、180円、200円になるかというとそんな訳ではないのです。上がれば下がる、という波を打ちながら落としどころを探すのが為替の特徴で、
★仮に一方通行で為替が弱くなるとすればそれは日本が崩壊状態でハイパーインフレにでもなった時の話です。
ちなみに最近、ハイパーインフレという言葉を人気為替コメンテーターの人も平気で使っておりますが、ハイパーの意味とそういう状況に陥るバックグラウンドを十分理解しての発言なのか、はたまたブラフなのか、はなはだ疑問に思う時があります。今、日本円が仮にハイパーになる状況とは戦争をして負ける場合ぐらいしか考えつきません。しかし、日本の社会で戦争があり、負けるという可能性を考えて将来行動にしていくというのはどうなのでしょうか?
★資産が何億円もある人は資産の分散化の意味もあるのですが数百万円しかない預貯金を分散化してもそれは為替手数料を稼ぐ業者を喜ばせるだけではないでしょうか?
外貨預金の場合、相手国のことを知らなくてはいけません。しかしながら日本の人はどうも相手国のイメージだけであたかも海外旅行に行くぐらいの気持ちで外貨預金先を考えている節も無きにしも非ず、という気がいたします。オーストラリアやカナダドルは為替の流通規模が小さく弱小通貨でありますからドルやユーロの状況次第で上にも下にも動きやすい状況になるのです。極端なたとえでいえば一部上場で流通株式が多いトヨタやみずほ銀行とあまり聞かない企業や新興市場の株式のようなものと思えばよいかと思います。
結論からすれば多額の現金資産を持っている人は分散化の意味合いはあるかと思いますが、一般的な人には好きでやるのはかまいませんが、将来のリスクヘッジのためというならば何がリスクかよく考えて行動すべきかと思います。日本円は世界主要通貨のひとつです。ドル、ユーロに次いでイギリスポンドと並ぶほどの流通量があるのです。それは何を意味しているかといえば
★為替のシーソーゲームでは何かあればいつでも一気に円高に振れることはあるということです。シーソーの力は国の借金状態だけでなく、国力、政治力、資産、国としてのキャッシュフローである経常利益などあらゆる面を他国との比較で判断します。円が70円台をつけたときは欧州危機で円がセーフヘイブンだったという理由であってそのマネーが今、アメリカの回復も手伝い、リクスオンモードで円売りドル、ユーロ買いに転換していると見るべきで円がファンダメンタルに弱くなっているわけではないと私は考えています。
外貨預金を勧める本や記事は時々見かけますが、おいしい話がそんなに転がっているわけじゃないということではないでしょうか?
◆アベノミクスの効果、円以外の通貨にも波及—ドイツ銀行が予想 (WSJjp )
http://jp.wsj.com/article/SB10001424127887323364604578316890988046164.html?mod=WSJJP_Market_LeadStory
日本経済を復活させ、長く続くデフレに終止符を打つという安倍晋三首相の目標は、既に円相場に明らかな影響をもたらしている。しかしドイツ銀行は、2%というインフレ目標への取り組みが、外国為替市場に「1世代(約30年)で1度」の広範なシフトをもたらすだろうと考えている。
その理由は何か。為替取引最大手のドイツ銀行によれば、それは日本の家計の高い貯蓄性向にあるという。
★歴史的にみて、こういった国内の預金は銀行によって日本の国債に再投資されてきた。しかし、インフレ率が上がれば、国債の取るに足らない利回りをむしばみ、こういった国内預金が海外資産に「有意義に再配分」されるきっかけになるだろうと同行は指摘した。
日本の国債の利回りは確かに低い。ベンチマークである10年物の利回りはわずか0.74%だが、デフレ下にあるため、投資家(大半は国内)はそれでも実質的なリターンを得ている。
こういった再配分が発生すれば、重要な意味を持つはずだ。同行の通貨ストラテジスト、ジョージ・サラベロス氏は、日本の家計が過去20年間で9兆ドル(約840兆円)近くを円建てで貯蓄してきたと推測する。貯蓄額は1人当たりにすると7万ドルで、これは米国や欧州の家計の平均貯蓄額の3倍近くに相当するという。
このため、「国内の預金者全てが預金のうち5%を円建ての貯蓄からシフトするだけでも、4000億ドル以上が流出することになる」とサラベロス氏は説明する。
こういったシフトが発生すれば、資金流出を受け止める側の通貨に過大な影響をもたらす公算が大きい。とりわけオーストラリア・ドルや新興国通貨は影響を受ける可能性が高い。実際、過去8年間にこういった通貨に流入した全ポートフォリオの10%以上を日本からの流出が占めている。
★サラベロス氏は「投資家の好みはさておき、カギとなるのは、日本人が向こう何年にもわたって為替相場を動かす可能性があるということだ。もちろん、アベノミクスの成功が前提だが」と結論付けた。
円相場は11月半ば以降、対ドルで18%、対ユーロで24%下落している。しかし、この下落は、日銀の一層の金融緩和を予想している海外投資家によってもたらされているところが大きい。
もし日本の投資家も円安トレンドに便乗するならば、こういったシフトは日本の通貨のみならず、高利回り通貨にも大きな影響をもたらす公算が大きい。
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