13. 2013年2月20日 00:22:26
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アベノミクスでも日本国債が買われる理由 2013年02月20日(Wed) Financial Times (2013年2月19日付 英フィナンシャル・タイムズ紙) 投資家は今、1つのジレンマに直面している。日本では来年度に約25兆円の5年物国債が満期を迎える。 この大量の国債のクーポンレート(表面利率)は、加重平均で見れば約1%。最近の国債入札で得られる利回りのざっと6倍だ。 ということは、投資家は利金収入を維持するために、単純に同じ年限の国債をこれまでの6倍購入すべきなのだろうか? それとも、利金収入が少しでも多くなるように、償還された資金でもっと年限の長い国債を買うべきなのだろうか? いずれにしても国債相場にはプラスだと、三菱UFJモルガン・スタンレー証券のチーフ債券ストラテジスト、石井純氏は指摘する。 インフレ見通しなどどこ吹く風の債券市場 「アベノミクス」の国債増発を懸念する向きもあるが、市場では逆に需給が逼迫するとの見方が出ている〔AFPBB News〕
そしてこの状況は、新首相の安倍晋三氏が経済成長率の押し上げとデフレからの脱却を目指して財政支出を増やすにもかかわらず、今年の日本国債市場の持続的な下落を見込む関係者がほとんどいないことの大きな理由の1つになっている。 石井氏は向こう1年間の相場について、「発行量の増加によって荷もたれ感が生じるどころか、日本国債の需給には逼迫感が強まるかもしれない」と述べている。 これこそが、世界で2番目に大きな債券市場にとっての「アベノミクス」の現実にほかならない。実質で1%、名目で3%の経済成長を実現するという政策に株式市場と為替市場は大いに沸いているにもかかわらず、債券市場では大半の投資家が平静なのだ。 日本国債のイールドカーブ(利回り曲線)を見ると、既に低位にある5年以下の年限の利回りはさらに押し下げられている。日銀が昨年12月と今年1月に、異例と言える2カ月連続の金融緩和に踏み切ったことによるもので、投資家の間では、3月に決定する日銀の新総裁はもっと大胆な施策を講じると見られている。 5〜10年の利回りもかなり落ち着いている。これは銀行――発行残高が943兆円に上る日本国債の4割超を保有する最大の市場参加者――がこれまで以上に年限の長い国債を購入して利金収入を増やすことにした結果でもある。 BNPパリバ証券の債券ストラテジスト、藤木智久氏は「短中期債の利回りはしばらくの間、抑制された状態が続く公算が大きい」と指摘する。 上昇しているのはこれよりさらに年限の長いもの、すなわち超長期の利回りだけである。超長期債は、昨年11月半ばに総選挙の実施が決まってから小幅に売られている。インフレ率が上昇する可能性や財政政策がさらに緩和されるリスクを投資家が考慮したからだ。 例えば、JPモルガン証券の債券ストラテジスト、山下悠也氏によれば、財務省は4月から始まる新年度に30年債の入札を12回予定しており、今年度の8回より回数が増えるという。 どう転んでもうまくいく「ウィン・ウィン」の取引 外国人投資家が特に熱心に取り組んでいるのは「スティープナー」と呼ばれる取引である*1。期間の短い金利は日銀によって今後も低位に抑えられるだろうが、期間の長い金利は上昇する公算が大きいと読んでいるのだ。 メリルリンチ日本証券のチーフ債券ストラテジスト、藤田昇悟氏は、国債10年物の利回りと20年物の利回りの格差(スプレッド)が先月、1999年以来の水準に拡大したことに触れながら、このスティープナーはどちらに転んでもうまくいく「ウィン・ウィン」の取引だと見なされていると話している。 「もし日本がデフレ脱却に成功するなら、その時には10年以上の長期金利が影響を受けるということをイールドカーブは我々に教えようとしている。もしデフレ脱却に成功しなくても、財政規律の喪失という過程を経て、やはりイールドカーブはスティープ化するだろう」 ただ、今のところは、近いうちにインフレ率が上昇して実質利回りが押し下げられるとの見方を疑問視するアナリストが多い。一部には、日本の名目国内総生産(GDP)は1997年以降、平均0.7%のペースで毎年縮小しているのだから、安倍首相の成長目標が実現するとしたらそれは劇的な大転換だという指摘もある。 *1=イールドカーブの傾きが急になる(スティープ化する)と利益が得られる取引のこと 金融情報サービス会社QUICKが債券市場の参加者を対象に行っている月次調査の最新の結果によれば、2%のインフレ率――予定されている消費税率引き上げの影響を除いたベース――が達成されるのは「2016年度かそれ以降」になるとの見方が全回答の72%を占めたという。 ピムコの日本での運用統括責任者を務める正直知哉(まさなお・ともや)氏は、「人口動態が悪化しているために潜在成長率がゼロに近く、さらに低下するかもしれない経済において、2%という目標はどの程度当てになるのだろうか」と疑問を呈している。 この目標を「持続可能なやり方で」達成するには、「今よりもはるかに積極的な金融緩和が必要不可欠だろう。しかし政府も、構造改革の面で約束を果たす必要がある」という。 日本「崩壊」シナリオは後退気味 モルガン・スタンレーMUFG証券の債券ストラテジスト、レーゴック・ニャン氏も同意見で、日本がデフレから回復しつつあることが経済指標に表れ始めるまで債券価格は「ボックス圏に」とどまる見通しだと述べている。 また、海外のヘッジファンドの中には長期債の利回りが6〜7%に跳ね上がると予想してストライクプライス(権利行使価格)の高いオプションを買い続けるところもあるだろうが、その勢いは1年前ほど強くないという。「日本『崩壊』シナリオはもう流行の戦略ではない」そうだ。 By Ben McLannahan
「安倍トレード」の次は「カーニー・ショート」か 英ポンドに狙いを定める有力ヘッジファンド 2013年02月20日(Wed) Financial Times (2013年2月19日付 英フィナンシャル・タイムズ紙) いくつかの世界最大級のヘッジファンドに、世界市場で次に大きな変化が起きる場所として注目しているのはどこかと聞けば、多くのファンドが同じところを指すはずだ。英ポンドである。 昨年11月以降、円売りに成功して巨額の利益を上げた世界トップクラスのグローバルマクロファンド――ソロス・ファンド・マネジメントやチューダー・インベストメント・コーポレーション、カクストン・アソシエーツ、ムーア・キャピタルなどのファンド――は今、ポンドへの関心を強めている。英国の窮状と日本のそれの間に強力な類似性を見いだしているからだ。 経済見通しの悪化を受けて、ポンドは既に他通貨に対して下落してきた。輸出は弱く、生産性は比較的低く、政府の財政は逼迫している。 イングランド銀行新総裁の研究に勤しむファンドマネジャー マーク・カーニー氏は今年7月、初の外国人としてイングランド銀行総裁に就任する〔AFPBB News〕
だが、ことヘッジファンドに関しては、本当に彼らの興味をそそるのは、現在、カナダ銀行(中央銀行)総裁を務めるマーク・カーニー氏が間もなくイングランド銀行(同)総裁に就任することだ。 カーニー氏は英国で、前任者のマーヴィン・キング現総裁よりも高いインフレ率を容認する意思があることを明確にしている。実際に就任したら、同氏はもっと踏み込むと見る向きもある。 多くの人は、「アベノミクス」――日本の新首相の安倍晋三氏が推進する、経済成長を目的とした積極的な金融緩和政策――と似た響きが聞こえてこないかどうか、耳をそばだてている。 「今年は劇的なポンド安が起きるかもしれない」。世界トップクラスのマクロヘッジファンドの運用担当者は、自分の会社のポジションを公にしたくないことから匿名を希望しつつ、こう語っている。 この担当者いわく、カーニー氏はイングランド銀行の運営方法とイングランド銀行が自らに課す目標について足跡を残そうとしている。実際、唯一の問題はタイミングだという。 このため、カーニー氏が過去に書いたすべての論文と調査報告が、メイフェア地区に集中する多くのヘッジファンドにとって必読書になった。 「Future of Central Banking Under Post Crisis Mandates(危機後の使命の下での中央銀行の未来)」から「Whither Monetary Policy?(金融政策はどこへ行く?)」「Dutch Disease(オランダ病)」に至るまで、どんなに古い論文もひっくり返され、どんなに長い講演の記録も捨てられずに読まれている。 ヘッジファンドへの投資で世界最大規模を誇る資産運用会社パーマルの最高投資責任者(CIO)、ロブ・カプラン氏は「(ヘッジファンドは)今、ポンドで何ができるか綿密に検討している」と言う。「カーニーの着任により、ポンド売りや、ポンドのボラティリティー(変動率)上昇に賭けるオプション取引などで面白い機会が生じている」 一方、ステート・ストリート・グローバル・アドバイザーズで債券担当のグローバルCIOを務めるケビン・アンダーソン氏は「イングランド銀行はこれまで非伝統的な金融政策をためらわなかったし、カーニーはその路線を継続するだろう」と話している。 高まるポンド売り圧力、魅力増すインフレ連動債 ポンドに対する売り圧力は既に高まっている。米商品先物取引委員会(CFTC)のデータは、先物契約のポジション(ネット)が、2月第1週の1174枚の買い持ちから、2月半ばの1万6776枚の売り持ちに転じたことを示している。売買高で見ると、ポンドは現在、円の次に空売りされている通貨だ。 また、ファンドマネジャーが英国の経済不振とより積極的なイングランド銀行から利益を上げるチャンスを嗅ぎ取っているのは、外国為替市場だけではない。 ここ数カ月、英国を避難先として魅力的に見せていたユーロ圏の債務危機を巡る懸念が薄れるにつれ、英国債の利回りは大幅に上昇してきた。大方の人がカーニー氏はインフレ目標の緩和を支持していると見ていることから、インフレ連動債はとりわけ魅力的に映る。 「ポンドはさらに弱くなり、インフレ連動債への買い意欲が高まるのではないか」。米国の銀行で国債売買を担当するあるシニアトレーダーはこう話す。 「すぐに思いつくのは、利回り曲線のスティープ化を手がかりにした売買だ。短期の金利が近く上昇することはあり得ない半面、インフレ率の上昇と信用格付けの引き下げが長期の金利を一段と押し上げる可能性があるからだ」 一般的な英国債とインフレ連動型の英国債の価格差から推計される「ブレークイーブン」レートによれば、投資家は今、今後10年間の年間インフレ率が3.2%を超えると予想している。主要経済国の間では最も高い水準だ。 円相場の下落と連動した日経平均株価の上昇で利益を上げた一部の投資家は、ポンドの下落は英国企業にも波及効果をもたらす可能性があると指摘する。ただし、マクロ経済的な投資の代理指標として使うには、FTSEは難しい市場だ。というのも、株価指数を構成する企業がより国際的だからだ。 8年ある総裁任期、対応には時間も しかし、慎重な関心はまだ激しい投機にはなっていない。 カーニー氏は今のところ、慎重に言葉を選んでいる。また、イングランド銀行総裁としての任期が始まるのはまだ数カ月先で、同氏が劇的ないし衝動的に行動するという印象を受けた人はほとんどいない。 資産運用大手ピムコのポンド建てポートフォリオの責任者、マイク・エイミー氏は「カーニーは恐らく、先行き見通しを公表し始め、インフレ目標を1〜3%のターゲットバンドに変えようとするだろう。だが、いずれも徐々にやっていくはずだ」と指摘する。任期は8年あることから、カーニー氏には時間がたっぷりある。 「英国と同じくらいひどい状況の場所はいくらでもある。他国の状況が好転し始めたら、英国で圧力が高まり始める可能性はあるだろう」とエイミー氏。「けれども私には、それが起きるとは思えない」 By Sam Jones and Robin Wigglesworth
イタリア総選挙:誰がイタリアを救えるのか? 2013年02月20日(Wed) The Economist (英エコノミスト誌 2013年2月16日号) 欧州で最も経済が低迷しているイタリアには、マリオ・モンティの改革がもっと必要だ。 欧州の単一通貨の危機は薄らいだように見える。ユーロ圏周縁国の国債利回りは低下し、離脱を強いられる加盟国が出るのではないかという懸念は収まった。財政赤字も縮小し、アイルランド、さらにはスペインでも経済に回復の最初の兆しが見え始めている。 それでも、ユーロ圏の危機が去ったとはとても言えない。むしろ、急性期から慢性期に移行しただけだ。懸念の対象は、財政の破産や銀行の破綻といった問題から、失業や低成長に移った。 競争力の喪失、高い失業率、経済の停滞は、欧州の単一通貨ユーロにとって常に最大の長期的リスクだった。これらのリスクが最も顕著なのは、ギリシャやスペイン、ポルトガルといったお馴染みの周縁国かもしれないが、問題はこれらの国々にとどまらない。 ユーロ圏はいまだ景気後退局面にある。ドイツとフランスの経済は、2012年第4四半期に縮小した。フランスはなかなか改革できずにいる。しかし、ユーロ圏で最悪の状態にあるのはイタリアだ。 目立たないが最悪の状態にあるイタリアの窮状 イタリアでは、ユーロ創設時より1人当たり実質GDPが小さい(写真はイタリアの商都ミラノの大聖堂)〔AFPBB News〕
イタリアの問題は、他の国ほどはっきりとは見えにくい。 公的債務は国内総生産(GDP)の130%近くまで膨れ上がっているが、財政や銀行はギリシャやポルトガルより健全な状態にある。イタリアは、スペインやアイルランドに大打撃を与えた不動産バブル崩壊も回避している。 しかし、ユーロ創設時より1人当たりの実質GDPが下がった国は、イタリアともう1カ国しかない。全世界のランキングを見ても、2000年以降の1人当たりのGDP成長率は179カ国中169位だ。下にはハイチ、エリトリア、ジンバブエといった極度の貧困国しかない。 そして現在、イタリアは近隣諸国にも後れを取る恐れがある。ユーロ創設以降、ユーロ圏に属する大半の地中海諸国では単位労働コストがドイツをはるかに上回るレベルで上昇したが、ユーロ危機が始まって以降は、大部分の国で急激に低下している。 ところが、イタリアの製造業では2008年以降、フィンランドを除くユーロ圏のどの国より単位労働コストが上昇している。 イタリアがこうした経済問題を抱えているため、2月24〜25日に実施される同国の総選挙の影響はアルプス山脈を超えてはるか広範囲に及ぶ。 ユーロ圏3位の経済規模を誇り、この地域で最大の公的債務を抱えるこの国が再び成長に転じ、新たな雇用を創出できなければ、イタリア国民が最終的に希望を失うか、さもなければ北の国々がしびれを切らすだろう。いずれにせよ、そうなればユーロ圏は崩壊してしまう。 ウィン・ウィンは可能 首相に就任して改革を進めてきたマリオ・モンティ氏〔AFPBB News〕
幸い、イタリアが進むべき道筋はある。それは、規制過多の経済を広く深く改革することだ。 2011年11月、シルビオ・ベルルスコーニ氏の首相退陣に伴って政権を引き継いだマリオ・モンティ氏率いる実務家内閣は、就任以来この道を歩み、年金、規制、労働市場の改革を実行した。 複数の試算によれば、これらの施策により既にイタリアの潜在成長率は0.5%近く上昇しているという。しかし、さらなる大幅な改革が必要とされている。 イタリアでは公証人から薬剤師、タクシー業からエネルギー供給業者まで、保護の対象となっている経済的権益があまりに多い。行政も階層が多すぎる。州、県、自治体の行政は中央政府の業務を肩代わりすることが少なく、むしろ重複しているケースが多い。 硬直化した司法制度により契約に関する紛争はあり得ないほどに長引き、費用も高くつくうえに、結果も予測がつかない。イタリアの民事裁判は平均で1200日もかかる。これに対し、フランスは331日で終わる。雇用関連の税金は非常に重く、公共支出は今後への投資よりも所得移転に向けられるものが多い。 だが、これは裏返せば改善の余地があるということだ。国際通貨基金(IMF)が最近行った調査では、他国での事例も参照し、イタリアが製品市場と労働市場を改革すれば、1人当たりのGDPを5年間で5.7%、10年間で10.5%引き上げられると結論づけている。 もし両方の改革を同時に実施し(既得権益にまとめて対応する方が1つずつ当たるより容易かもしれない)、理になかった財政改革でこれを補完すれば、10年後のGDPは20%以上の大幅な成長を遂げる可能性もある。 これは次期政権にとって明確な目標設定となるはずだ。 最良の選択肢とその他の選択肢 イタリア国民には良い道、悪い道、概ね受け入れられる道という3つの選択肢が用意されている。 最良の結果は、モンティ氏が首相の座にとどまることだろう。モンティ氏は複数の中道政党からの支持を受け、改革の推進を掲げている。残念ながら、もとは学者のモンティ氏は行政の実務は得意だが、選挙活動は不得手だ。同氏の支持率はめったに15%を上回ることがなく、立候補者の中では4位に甘んじている。 イタリアにとって最悪の結果は、シルビオ・ベルルスコーニ氏の返り咲き〔AFPBB News〕
最悪の結果は、ベルルスコーニ氏の右派連合が勝利を収めることだ。 本誌(英エコノミスト)は同氏個人の資質、さらに政治的な数多くの理由から、メディア王のベルルスコーニ氏は政権を率いるのに不適当だというこれまでの見解を持ち続けている。 ベルルスコーニ氏は8年以上も政権の座にありながらイタリアを改革できず、同氏が率いる党も、他の問題国で活動する同種の中道右派政党と異なり、いまだに選挙運動では改革を無視した政策を掲げている。 国を犠牲にし、自らの利益を優先してはばからないベルルスコーニ氏の態度を見ると、いまだに同氏を支持するイタリア国民が存在すること自体が驚きだ。 ところが世論調査では、ベルルスコーニ氏はピエル・ルイジ・ベルサニ氏率いる中道左派の陣営を追い上げている。この勢いだと、代議院(下院)で多数派となる可能性はある。ただし、(組閣に必要な)元老院(上院)での多数派確保は難しそうだ。 それでも、ベルルスコーニ氏は政治システムを麻痺状態に追い込むことはできる。そうなれば恐らく、議会はまたしても選挙に追い込まれ、市場は警戒を高め、ユーロ危機が再燃するだろう。ベルルスコーニ氏の基準からしても、これは目を覆いたくなるような惨状だ。 世論調査でリードするピエル・ルイジ・ベルサニ氏〔AFPBB News〕
残る選択肢はベルサニ氏だ。ベルサニ氏を擁する中道左派の陣営は選挙の実施が決まって以来、世論調査でトップを走り続けている。 ベルサニ氏の支持勢力にはかつての共産党支持者も含まれ、陣営には極左政党も参加している。とはいえ、ベルサニ氏は過去の政権で改革者としてそれなりの実績を残している。 仮にベルサニ氏が選挙に勝利し、なおかつ元老院での多数派獲得に至らなければ、モンティ氏と連立を組まざるを得なくなるだろう。そうなれば、モンティ氏は自らの交渉力を発揮し、経済分野を統括するスーパー大臣の座を要求することもできる。 市場と国際機関の信任を維持するために ベルサニ氏が率い、モンティ氏が経済を担当する政権はイタリアにとってまずまずの結果だ。イタリア経済の破綻を回避するためには市場や国際機関の信任が不可欠であり、この形であれば彼らの信頼を勝ち取れるはずだ。 そして何より、経済改革に本腰を入れることが期待できる。もしベルルスコーニ政権の時代と同じ道をたどれば、いずれイタリアの経済は破綻し、ユーロも道連れにされるだろう。
2月独ZEW景気期待指数が急伸、3年弱ぶり高水準 2013年 02月 19日 22:36 JST
アングル:中東で高まる無人偵察機への需要、地域の不安定化背景に 外債購入への発言控える、日銀法改正の議論は有意義=首相 高松に緊急着陸したB787型機、APUバッテリーに膨らみ 米機関などへのサイバー攻撃、中国人民解放軍が関与か [マンハイム(ドイツ)/ロンドン 19日 ロイター] ドイツの欧州経済センター(ZEW)が19日に発表した2月の独景気期待指数はプラス48.2となり、前月の31.5から大幅に上昇、2010年4月以来の高水準となった。 ロイターがまとめたエコノミスト予想中央値35.0も大幅に超えたほか、予想レンジ上限も上回った。 現況指数は5.2で、1月の7.1から低下。予想は9.0だった。 調査はアナリストや投資家など272人を対象に2月4日─18日に実施された。 ZEWのアナリスト、ミヒャエル・シュレーダー氏は、「上昇要因は2つある。ひとつはユーロ危機の後退で、資本市場関係者の多くが最悪期は過ぎたと考えている。金利がこの10年で最低水準にあることとあわせて、ドイツと欧州の経済成長促進につながっている」と述べた。 今後6カ月では、インフレ期待はごく緩やかに上昇する程度と見込まれている。 回答者のうち、今後6カ月間で欧州中央銀行(ECB)が利上げすると見込んでいるのは31.7%で、3分の2は据え置きを予想している。 対ドルでユーロは小幅に上昇する程度との見通しで、通貨戦争は懸念していないことが示された。 ベレンベルグ銀行のクリスチアン・シュルツ氏は、「2012第4・四半期のマイナス成長の後、第1・四半期にV字回復している可能性が高いことが一段と示された」と述べた。 欧州債券市場では、独連邦債先物が発表直後は下落したものの、現況指数の低下を手がかりに上昇に転じた。 「最初は、予想を大幅に上回った期待指数に反応したが、その後、現況指数の低下に関心が向いた。発表直後の熱狂が急速にしぼみ、独連邦債先物は回復した」とバイエルン州立銀行の金利ストラテジストは指摘した。
ギリシャ経常収支、2012年は赤字幅が急減しユーロ導入後最小 2013年 02月 19日 19:19 JST [アテネ 19日 ロイター] 2012年のギリシャ経常収支は55億8000万ユーロ(74億5000万ドル)の赤字となり、赤字幅は前年から73%減少してユーロ導入後で最小となった。輸入と国債利払いの減少が寄与した。 ギリシャ中銀によると、11年の経常赤字は206億3000万ユーロ。国内総生産(GDP)比では9.9%から2.9%に低下、少なくとも1999年以降で最小となった。記録的な経常赤字を記録した2008年には14.7%だった。 政府は、緊縮財政策により2014年には赤字がゼロになると予想している。 2012年の石油製品を除く輸入は12%減の416億ユーロ。ソブリン債の利払いも債務減免により急減、所得収支は75%減の21億6000万ユーロとなった。 観光収支は100億2000万ユーロと前年から4.6%減少したが、引き続き最も経常収支に寄与している。 12月末の外貨準備は55億ユーロ。 関連ニュース
2月のNY州製造業業況指数は7カ月ぶりのプラス 2013年2月16日 ドル指数が上昇、1カ月ぶりの高水準=欧州市場 2013年2月11日 1月の米ISM非製造業総合指数は低下、新規受注が押し下げ 2013年2月6日 1月のユーロ圏総合PMI改定値は48.6、前月から上昇 2013年2月5日 伊銀モンテ・パスキ、追加損失1870億円計上か−デリバティブで 2月19日(ブルームバーグ):イタリアの銀行、モンテ・デイ・パスキ・ディ・シエナ はデリバティブ(金融派生商品)取引の会計処理修正で最大15億ユーロ(約1870億円)の追加損失を計上する可能性がある。同行救済に異議を唱える訴訟での提出資料から分かった。 世界最古の銀行であるモンテ・パスキは、デリバティブを使った損失隠しの疑いで監督・検察当局の調査・捜査対象となっている。株主に情報が十分開示されていなかったある取引では、融資に見せかけた仕組み取引でイタリア国債の動きを読み違えていたと、ブルームバーグ・ニュースが1月17日に報じている。 訴えを起こしている消費者団体のコダコンスの提出資料によると、モンテ・パスキはこの取引をクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)に分類し直す必要があり、契約成立後にイタリア国債が下落していることから損失計上が必要になる。 モンテ・パスキの関係者と監督当局のイタリア銀行(中央銀行)はコメントを控えた。 原題:Monte Paschi Accounts Questioned in Suit Opposing StateBailout(抜粋) 記事に関する記者への問い合わせ先:ミラノ Elisa Martinuzzi emartinuzzi@bloomberg.net;ミラノ Sonia Sirletti ssirletti@bloomberg.net 記事についてのエディターへの問い合わせ先:Frank Connelly fconnelly@bloomberg.net 更新日時: 2013/02/19 21:21 JST
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