http://www.asyura2.com/13/hasan79/msg/173.html
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http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/36987
日本のメディアではあまり取り上げられていないが、ここ数年猛烈な勢いでシェアを伸ばしてきた韓国の現代自動車が窮地に陥っている。
原因は、米国市場での燃費性能の水増しだ。同国では同社の対応に不満を持つ消費者が集団訴訟を起こすなど、事態が深刻化している。
不正に厳しい米国市場特有の現象だが、これは視点を変えると日本の消費者にも同じ問題が当てはまるのではないだろうか。
■シェア拡大を焦り、禁じ手を犯した現代自動車
外電等々で伝わった現代自の燃費水増しの概要は次のようなものだ。日本経済新聞は特集記事で以下のように報じている。
現代自が傘下の起亜自動車とともに販売した中型セダンなど13車種、約90万台について、燃費性能を水増ししていた事実が、米環境保護局(EPA)の調査で発覚した。燃費性能は最大で燃料1ガロン当たり6マイル(9.6キロ)が水増しされていた。
現代自側は誤りを認め、ユーザーに対して過去にさかのぼって余分に払った燃料代を支払うことを決めた。
日本車のシェアを駆逐し、かつ欧米メーカーの牙城を切り崩そうと、現代自が焦りを感じていたのではないか、などと日経や外電は分析している。
米国では、ニューヨーク市など一部の大都市を除けばクルマは日常生活の足として欠かせない存在。また、リーマン・ショック後の不況、はたまたガソリン価格の上昇傾向とも相まって“燃費性能”は自動車販売での重要なファクターになっている。
過剰とも言えるほどの保証サービスを付帯して新車を販売していた現代自については、「やり過ぎの感は否めなかった」(米系証券アナリスト)との声も根強かっただけに、同国消費者の怒りは凄まじかった。
かつて日本メーカーも同様の問題を抱え、訴訟に発展した経緯があるだけに、現代自は当局の指摘から素早く動いた、と見ることもできる。
■日本のユーザーは寛大すぎる
一連の現代自の問題をチェックするうち、私は首を傾げた。米国の消費者と同じように、日本のユーザーも怒りを露にすべきでは、との疑問が湧いたためだ。
2012年11月の当欄(「クリーンディーゼルが世界のエコカー市場を席巻する日 米国燃費基準で見えてきた本当の実力」)で、私は米国市場の燃費基準でストップ・アンド・ゴーが繰り返される「シティーモード」、一定の速度で長時間の巡航を行う「ハイウエイモード」の2つがあると触れた。
信号待ちや渋滞で発進と停車を繰り返せば、低燃費がウリのクルマでもガソリン消費量は多めとなる。一方、80〜100キロ程度で巡航すれば、発進時にかかる負荷が大幅に軽減されることから、燃費は向上する。こうした自動車エンジンの特性を加味したのが米国の2つの燃費基準だ。
一方、日本はどうなのか。メーカーのテストドライバーが国の示した一定条件の下で計測する10.15基準や、JC08基準がいまだに主流。詳しくは2009年に当欄で記した記事(「燃費5キロ、それでも『エコカー』を名乗る不思議 エコカー減税措置と低燃費競争の裏側」)を参照していただきたいが、要するに日本の燃費基準は、消費者が実際に自分のクルマを運転して得られる実感とはかけ離れているのだ。
もう一度、先の項目の現代自と米国ユーザーの事情を振り返ってほしい。水増しされた燃費に怒った消費者は、集団訴訟という手段に打って出た。
日経報道によれば、米格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・サービスが試算した現代自の補償費用は約1億ドル、さらに膨らむ公算もあるとされる。
2012年11月の記事を書くに当たり、私は米国のアナリストからこんなことを聞いた。「日本の燃費基準は全く実態を反映していない。なぜ日本の消費者はメーカー、あるいは基準を作った国を訴えないのか」・・・。
当欄でも触れたが、インターネット上では、メーカーが販売時にウリとする燃費と、実際にユーザーが計測した“誤差”を扱ったサイトが多数存在する。当然のことながら、カタログに載るピカピカの数値と、ユーザーたちが計った実燃費の間の落差は大きい。日本の燃費基準が、大まかに言えば、「市街地走行」「高速走行」を同一のカウンターの中で計測しているためだ。一部のユーザーは、メーカー、あるいは国の基準などもはや信用していないのが実状なのだ。
米国ユーザーがシビアすぎるのか、日本の消費者があまりにも寛大なのか。現在、米国で問題となっている現代自の“水増し騒動”。日本のユーザーの怒りの導火線に着火することになると、日本のメーカー、あるいは国はどう言い訳するのか。
日本のユーザーは、寛大すぎると筆者は見る。そろそろ立ち上がる時期なのではないか。
(関連記事:)
■日本の先端技術“から攻める”韓国サムスンに駆逐される日本企業?
http://biz-journal.jp/2012/10/post_806.html
−−以下抜粋
★サムスンは技術革新を起こしていない
経済用語で言う「後発効果」である。後発効果とは、先進国あるいは先発企業が試行錯誤を重ね、時間とコスト、そして智恵を絞ってようやく手に入れた成果を、後発国あるいは後発企業が先行者の努力や多大な投資を横目に、結果だけを見て効率的に量産化し、先発企業に追いつくことを指す。
韓国企業が一時期、日本製家電製品を買い込み、バラバラにしてその技術を手中にしたといわれているが、倫理的行為かどうかは別にして、それもまた「後発の優位性」を示すものではある。ともかく韓国や台湾、あるいは中国メーカーの技術面の伸張は、このことである程度説明がつく。開発コストをかけなくてすむメリットもある。
東京大学大学院ものづくり経営研究センター特任研究員で、かつてサムスン電子で常務を務めたこともある吉川良三氏は「サムスンでは、イノベーション(技術革新)はほとんど起こっていない」としたうえで、製品開発の特徴をについて、
「サムスンの場合、世界中から最新の技術やパーツを導入して、モジュール型の製品開発を行ない生産するので、非常に短時間で(先行企業を)キャッチアップして安価に大量生産でき、グローバル市場で地歩を築くことができる」
サムスンの方式を「リバーシブルエンジニアリング型」と呼び、次のようにその実態について語る。
「構造調査で日本の製品を分解して、機能と性能、部品などを徹底して調べ上げて、日本が到達した最新のイノベーションの成果からスタートする。これをベースにして、グローバルな視点から商品を企画して、機械設計・製品設計を行ない、既存の部品であるオープンなモジュラー部品を多用して最新の製品を生み出すのである」
となると、世界各国のニーズの異なる市場にフィットして、商品を安価に、効率的に、スピーディに提供できるのは当然の理である。
対して、日本企業はどうか?「日本のモノづくりは、これとは逆の『フォワード型』で、マーケティング・商品開発・構想設計、R&Dに時間をかけて、構造設計でサプライヤーと部品・金型をすり合わせて生産準備に入るので、独創的で革新的なものは生まれるが、非常に時間とコストがかかる。その上、すぐに追随者にキャッチアップされ、グローバル市場でモジュラー化・コモデティ化(汎用化、共通化)されてしまい、急激な価値の下落に見舞われて、価格競争力の面で自滅に追い込まれ失速してしまう」
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