02. 2013年1月30日 09:33:48
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循環出資規制で韓国の財閥はどうなる? http://business.nikkeibp.co.jp/article/world/20130124/242747/zu01.jpg 2013年1月30日(水) 高安 雄一 韓国の新大統領は、脱・財閥支配を実現させるでしょうか? そして、韓国経済の強さが損なわれる可能性があるでしょうか? 隣りの国の真実 韓国・北朝鮮篇 昨年の12月19日に韓国では大統領選挙が行われました。その結果、セヌリ党の朴槿恵(パククネ)候補が勝利し、来たる2月25日に大統領に就任します。
現在の李明博(イミョンバク)大統領もセヌリ党(注1)であるので、政権交代とは言えませんが、韓国では大統領の権限が極めて強く、大統領個人の主張が政策に現れます。さらに付け加えれば、朴槿恵次期大統領(以下では少し気が早いですが「朴槿恵大統領」とします)のセヌリ党における位置は、与党内野党と呼ばれるほど大統領から遠くにありました。 よって政権が交代しなくても政策が大きく変化することが考えられ、経済政策も例外ではありません。そこで朴槿恵大統領が講じようとしている経済政策を、選挙前に発表した政権公約から読み解いていきましょう。 まず取り上げる政策は財閥規制の強化です。これは政権公約に掲げられ、選挙で重要な争点にもなりました。ただし、与野党の両候補とも財閥規制強化の方向を打ち出したため、焦点は規制強化の是非ではなく、程度でした。 韓国では、経済が成長しているにもかかわらず実感が得られない理由として、「財閥をはじめとする大企業が利益を独占する一方で、庶民は利益の分配を受けることができず、格差が拡大した」といった点が挙げられるようになりました。「財閥=悪」との構図は分かりやすく、両候補とも選挙に勝利するために、財閥に対する規制強化を公約とせざるを得なかったと考えられます。 財閥規制強化はピンぼけな経済政策 実は筆者は、「財閥に対する規制強化は、経済政策としては的外れ」だと考えています。その理由としては、 (1)「規制を強化しても期待される効果は得られない」 (2)「格差拡大の原因は財閥への利益集中にあるわけではない」(規制強化の大義名分がない) ことが挙げられます。また財閥に対する規制強化は、李明博政権の財閥優遇政策を転換するものであり、財閥を取り巻く環境は厳しくなるとの懸念もあります。しかし、 (3)「李明博政権において財閥が特段優遇されていたとは言えない」 ため、朴槿恵政権下でも財閥が置かれる環境に変化はないと見ています。 今回から3回に分けて、(1)〜(3)について順を追って説明していきますが、これらの説明を理解していただくには、そもそもの「財閥の定義」が分かっていないといけません。日本のふんわりとした「財閥」のイメージで捉えると、韓国財閥の強さや特異性は見えてこないのです。 韓国の「財閥」は、「独占規制及び公正取引に関する法律(以下「公正取引法」とします)」に位置づけられている「相互出資制限企業集団」(2002年までは「大規模企業集団」でした(注2)。以下では「財閥」とします。)のことを指しています。 まず公正取引法は「企業集団」を、「同一人が事実上、事業内容を支配している企業の集まり」である旨、定義しています。「同一人」は、自然人あるいは法人ですが、総帥(=財閥のトップ)がいる財閥は自然人たる総帥が、総帥がいない財閥は主力企業たる法人が「同一人」です(注3)。 (注1)=1997年に結党したハンナラ党が2012年2月に改称して、セヌリ党となった。本稿では改称以前の党名もセヌリ党と表記する。 (注2)=2002年の法改正で「大規模企業集団」が「相互出資制限企業集団」及び「出資総額制限企業集団」、2009年の法改正で「相互出資制限企業集団」になった。本稿では馴染みのある「財閥」と表記する。 (注3)=コゴンホ(2011)123ページを参照。なお「実質的な支配」の基準は、公正取引法及び施行令に示されている。 「企業集団」は数多く存在しますが、「財閥」に指定されているのはその一部です。指定は毎年4月に行われますが、基準は「直前事業年度の資産総額が5兆ウォン以上であること」です。 そもそも財閥の指定は1986年に始まりましたが、基準は数回変更されています。指定導入時は、資産総額が4000億ウォン以上の企業集団でしたが、1992年には資産総額が上位30位の企業集団に変更されました。後述するように、財閥に指定されると追加的な規制が課されますが、韓国では規制の対象となる企業集団を相対的なものさし、すなわち資産の順位で決めていた時期がありました。 この方法では、30位と31位の企業集団の資産総額にわずかな差しかなくても、前者には規制がかけられ、後者にはかけられません。 この後、基準が総資産額の順位から絶対額に戻りました。2002年には資産総額2兆ウォン以上が「財閥」とされ、、2009年には5兆ウォン以上に引き上げられました(注4)。財閥は、総帥が君臨して、数多くの事業を手掛けているイメージがありますが、実際は、総帥がいるかいないか、手がけている事業数は関係がありません。財閥に指定されるか否かは、時代によって絶対額あるいは相対的な順位との差はあるにせよ、総資産額の大きさのみで判断されるのです。 財閥指定で受けるさまざまな「デメリット」 ちなみに財閥の数を見ると、1987年は32、1993〜2001年までは30(これは30位までが指定されていたため当然です)、2002年には43、2012年は63です。2012年の財閥を見ると、三星、現代自動車、SK、LGといった総帥のいる財閥が43、ポスコ、KT(日本のNTTに相当)のような総帥のいない財閥が8、韓国土地住宅公社、韓国電力公社といった公企業・準政府機関が12です(上位10財閥は表1を参照)。 (表1)財閥ランキング 財閥形態 同一人 系列企業数 資産総額 (兆ウォン) 三星 総帥 李健熙(イゴンヒ) 81 256 韓国電力公社 公企業 韓国電力公社 17 166 韓国土地住宅公社 公企業 韓国土地住宅公社 4 159 現代自動車 総帥 鄭夢九(チョンモング) 56 155 SK 総帥 崔泰源(チェテウォン) 94 137 LG 総帥 具本茂(グポンム) 63 101 ロッテ 総帥 辛格浩(シンキョクホ) 79 83 POSCO 総帥不在 (株)POSCO 70 81 現代重工業 総帥 鄭夢準(チョンムンジュン) 24 56 GS 総帥 許昌秀(ヒョチャンス) 73 51 (出所)韓国公正取引委員会資料により作成。 さて財閥に指定されると、政府の優遇措置を受けることができるのでしょうか。実は全く反対で、指定されると通常の企業や企業集団には課されない規制が別途課されることになります。 これら規制の根拠は公正取引法ですが、1:相互出資禁止、2:債務保証禁止、3:金融・保険会社議決権制限、4:出資総額制限(2009年に廃止)を見ていきます(注5)。 相互出資禁止は、財閥に所属する企業は、自分の株式を所有する企業の株式を持つことができない規制です。A社とB社が同じ財閥に属するとします。相互出資規制に基づいて、A社がB社の株式を有している場合、B社はA社の株式を所有できません。つまり同一財閥での株式持ち合いが許されていないのです。これは古くからある規制で、1986年から一貫して変わっていません。 債務保証禁止は、同じ財閥に属する企業の債務保証ができない規制です(注6)。債務保証は簿外債務であり、貸借対照表の上では健全でも、大きな爆弾を抱えている場合が少なくありません。この問題は1990年代初頭から認識されており、1992年には自己資本の200%まで債務保証額が制限されました。1996年にはこれが100%に引き下げられましたが、通貨危機直前に1997年に債務保証による財閥の破綻が頻発するなど、問題が一気に顕在化しました。そこで1998年には債務保証が禁止され、現在に至っています。 (注4)=正確には、2002年に資産総額5兆ウォンの企業集団が「出資総額制限企業集団」、2兆ウォン以上が「相互出資制限企業集団」となった。そして2009年には「出資総額制限企業集団」が消え、「相互出資制限企業集団」は5兆ウォン以上に基準が引き上げられた。 (注5)=規制の説明はコゴンホ(2011)、高安(2005)、全国経済人連合会(2001)を参照した。 (注6)=ただし金融・保険業に属する企業は債務保証が可能である。 金融・保険会社の議決権制限は、財閥に所属する金融・保険会社は、所有している系列会社に対して原則的に議決権を行使できない、という規制です。1986年から2001年まで議決権行使が全面的に禁止されてきましたが、2002年の法改正で一部許容されました。これは役員任命、定款変更、他の会社との合併や営業譲渡に対する議決については、他の企業などが所有する株式と合わせた上で、その30%まで議決権を行使できるようになりました。2004年にはこれが15%に制限されるなど再び規制が強化され現在に至っています。 さて最後に出資総額制限です。これは財閥に属する企業は純資産額の一定比率を超えて、国内企業の株式を取得できない規制です。このような規制がある理由の一つとして、相互出資の抜け道として循環出資により株式の持ち合いを行うことが横行したことを挙げることができます。つまり、A社→B社→C社→D社→A社のように株式を持てば、相互出資をしなくとも事実上、株式の持ち合いが可能となります。 政府は循環出資を直接規制するのではなく、出資額を総量規制することで歯止めをかけました。この規制の歴史も古いのですが、紆余曲折を経て2009年には出資総額制限は廃止され、相互出資さえしなければ、財閥企業の出資額の大きさは問われなくなりました。 なお出資総額制限は、2012年12月の大統領選挙の争点となり、野党の候補が既存の循環出資を含めその解消を、パククネ候補も新規の循環出資を禁止することを公約に掲げたことから注目されました。 循環出資を止めても支配体系は壊せない さて、いよいよここから、筆者の第一の主張である「規制を強化しても期待される効果は得られない」について説明していきます。 朴槿恵大統領が掲げた公約のうち、財閥の規制強化に関係するものとして、(1)財閥の新規循環出資禁止、(2)金融・保険会社が保有する非金融系列社に対する議決権上限を単独金融会社基準で5%まで引き下げ、(3)産業資本の銀行持ち分保有限度縮小、(4)銀行や貯蓄銀行にのみ課されている大株主適格性審査を全金融機関に拡大、を挙げることができます。 この他にも、「特定経済犯罪加重処罰法上の横領等に執行猶予が付かないように量刑を強化」、「大企業支配株主・経営陣の重大犯罪に対して赦免行使を厳格に制限」などがありますが、これは経済政策というよりは、刑事政策の範疇に入ります。 経済政策としての財閥規制の中でも最も注目されているものが循環出資制限です。なぜなら、循環出資が財閥総帥一族による不透明な支配体系構築の手段と見なされているからです。そしてマスコミ報道の影響などもあり、循環出資の根絶が財閥解体につながるとの期待が高まっているように見受けられます。そこで以下では、循環出資規制に絞って財閥規制の効果について見ていきます。 まず循環出資の現状です。循環出資を行っている財閥は少なくありません。公正取引委員会によると、2012年4月に、三星、現代自動車、ロッテ、現代重工業など15の財閥で、循環出資が形成されています。まずここからわかることは、総帥がいる財閥が43ありますが、循環出資が形成されているものは半数以下で、財閥=循環出資というわけではないことです。有名どころでも、LG、SKでは循環出資がなされていません。 次に循環出資は不透明な支配体系構築の手段になっているのか確認してみましょう。 どのような場合「不透明」とされるのか明確な定義はありません。「不透明」が「把握できない」ことを意味するのであれば、循環出資は公正取引委員会に把握されていることから、不透明な支配体系構築の手段とは言えません。出資関係の複雑さが問題とされることもあります。確かに一部財閥の出資関係は素人目には複雑ですが、企業会計を扱う人が見れば出資関係の把握は容易であり、不透明と断じることはできません。 結局のところ「不透明」な支配体系とは、総帥やその一族が所有する株式が少ないにもかかわらず、財閥全体を支配していることを意味していると考えられます。そこで以下ではこの前提で話を進めていきます。 循環出資が不透明な支配構造構築の手段であれば、総帥のいる財閥の中でも、循環出資が構成されている15の財閥については、総帥やその一族の持ち分比率(発行された株式全体に占める株式所有割合)が低い反面、系列企業まで入れた実質的な持ち分比率が高くなるはずです。他方、総帥のいる財閥で、循環出資が構成されていない28の財閥では、そのような傾向が見られないでしょう。 そこで資本金ベースで、それぞれの財閥類型の、1:総帥やその一族の持ち分比率、2:系列企業まで入れた実質的な持ち分比率(総帥が影響力を行使できる株式の割合)を見てみましょう。 まず循環出資が形成されている財閥ですが、それぞれ3.0%、57.2%です(注7)。確かに総帥および一族はあまり株式を所有していないにもかかわらず、実質的には過半数の株式を握っています。次に循環出資が構成されていない財閥ですが、それぞれ5.3%、55.0%です。両者に、それほどの差はありません。 ここからは、循環出資が形成されているか否かにかかわらず、総帥のいる財閥では、1は低く、2は高いといった傾向が確認できます。つまりデータによれば、「循環出資は不透明な支配体系構築に必要不可欠な手段とは言えない」ことがわかります。 朴槿恵大統領の公約では、「新規」との制約付きですが循環出資を直接規制することとされており、これまでにない規制です。野党候補は既存の循環出資も解消させるとしていたので、それよりは穏健ですが、もし循環出資が不透明な支配体系構築に必要な唯一の手段であれば、一定の効果は期待できるでしょう。しかし循環出資以外にも、総帥やその一族が実質的に財閥の支配権を握る方法はあります。財閥問題の専門家である仁荷大学のキムジンバン教授は、循環出資を行わなくても、行った場合と同じく、総帥が支配力を確保できることから、循環出資を禁止しても支配構造には変化がないとしています(注8)。 総帥にとっては兆単位の出資も痛くない 実際にキムジンバン教授にインタビューしました。教授によれば、循環出資を解消しても、持ち株会社を利用すれば、総帥による財閥支配の維持は可能です。実際にSK財閥については、(株)SKを持ち株会社に転換することで、自身の支配力を2.2倍(14.7%→32.1%)に強化しましたが、その際に会長や家族が追加的に投入した資金はありませんでした。 ちなみに斗山財閥は2007年に循環出資を解消し、持ち株会社体制に転換しました。その際には、循環出資の尻尾にあった複数の企業が所有していた、財閥の中核企業である(株)斗山の株式を総帥に関係する大株主が購入しました。その結果、(株)斗山の大株主→(株)斗山→斗山重工業→斗山建設、斗山インフラコアといった垂直的な支配構造に転換しました(注9)。2012年4月時点における総帥とその親族の持ち分比率は3.7%ですが、系列会社の持ち分を加えた実質的な持ち分比率は59.4%であり、支配構造には変化が見られません。 総帥の影響力を維持したまま循環出資を解消するためには、総帥やその一族は莫大な資金を投入する必要があるため、簡単ではないといった主張を耳にします。しかし、循環出資を行っている財閥の多くは、総帥など支配株主が最上位企業や中核企業を支配するのに十分な株式を保有しているため、循環出資解消のために準備しなければならない金額は8.5兆ウォン(約846億円。1ウォン=0.0846円で換算)であり、それほど大きくないとした研究もあります(注10)。 「8.5兆ウォンは少ない額とはいえないのでは?」と疑問を持つ人もいるかもしれませんが、財閥の総帥にとってならば十分に対処可能と考えられます。個別に見ると、循環出資が構成されている15の財閥のうち、9つの財閥では支配株主による追加的な株式購入は必要なく、1兆ウォン以上を必要とする財閥は、現代自動車、現代重工業の2つです。先述のキムジンバン教授によれば、これら2つの財閥が循環出資を解消しても問題はなさそうです。 (注7)=1は総帥及び総帥の親族の持ち分の比率、2は1に系列会社、親族を除く総帥の関係者(役員や非営利法人など)を加えた持ち分の比率である。 (注8)=申光滉(2000)による。 (注9)=毎日経済新聞インターネット版「斗山、循環出資の輪、完全解消」(2007年5月3日)による。 (注10)=チェチョンウク・チェイベ(2012)は、循環出資を解消した場合、安定経営のために追加的に必要な資金の合計を、8兆5000億ウォンと見積もっている。 現代自動車が循環出資を解消するためには、起亜自動車と現代製鉄が所有している現代モービスの株式を売却する必要があり、その株式総額は6兆ウォンを超します。しかし、会長(=総帥)およびその息子が所有している現代グルービスの株式を売却すれば5兆4000億ウォンが調達できます。そして足りない分は系列企業が買い取れば、総帥は支配力を維持できます。 現代重工業の場合は、現代尾浦造船が所有している、三湖重工業株を売却すれば循環出資を解消できます。そしてこの株式を、会長(=総帥)や他の系列企業が買い取らなくても、総帥の支配力は十分維持できます。以上の見解も併せて判断すれば、すべての財閥にとって、循環出資の解消は難しいことではなさそうです。 以上を勘案すると、循環出資に対する規制によって、総帥による実質支配構造を崩すことはできないと考えることが妥当です。経済を混乱させないという意味では、朴槿恵大統領の公約である新規循環出資の禁止の方が、野党候補が掲げた既存循環出資の解消よりましですが、効果がほとんど期待できない点では同じです。 効果を期待するなら総額出資制限 もし効果を求めるなら、循環出資を含め様々な出資形態を一括して規制できる総額出資制限の方がより効果があると思われます。図1では総帥の持ち分比率と系列企業の持ち分も含めた実質的な持ち分比率の推移が示されています。 (図1)総帥の持ち分比率および実質的な持ち分比率 (出所)公正取引委員会「2012年大企業集団株式所有現況および所有持ち分度分析結果」(2012年6月29日ブリーフィング参考資料)により作成。 ここからは、総帥の持ち分比率は低下している反面、実質的な持ち分比率は上昇しているといった傾向を見てとれます。また、一時的に総額出資規制が廃止された1998年以降の時期、そして、再び廃止された2009年以降の時期には顕著に高まっています。したがって、総額出資制限は効果を認められます。ただし、最も規制が厳しかった2000年から2006年の間においても実質的な持ち分比率が40%を下回ったことがありませんでした。よって総額出資限度も特効薬ではなく、限定的な効果しかなかったと判断せざるをえません。 次回は残りの主張のうち、「2:格差拡大の原因は財閥への利益集中にあるわけではない」(規制強化の大義名分がない)、について説明することとします。 <以下、次回> <参考文献> (日本語) 高安雄一(2005)『韓国の構造改革』NTT出版。 (韓国語) 申光滉(2000)『財閥改革の政策課題と方向』韓国開発研究院。 コゴンホ(2011)『公正取引法』イルジン社。 全国経済人連合会「財閥規制制度の変遷と示唆点」CEOレポート。 チェチョンウク・チェイベ(2012)「大規模企業集団の循環出資現況および解消持ち分価値」経済改革研究所。 高安 雄一(たかやす・ゆういち) 大東文化大学経済学部社会経済学科准教授。1990年一橋大学商学部卒、同年経済企画庁入庁、調査局、外務省、国民生活局、筑波大学システム情報工学研究科准教授などを経て現職。 著書に『TPPの正しい議論にかかせない米韓FTAの真実』(学文社)、最新刊は『隣りの国の真実 韓国・北朝鮮篇』(日経BP社) 知られざる韓国経済
韓国経済の真の姿を、データと現地取材を通して書いていきます。グローバル企業がめざましく躍進し、高い経済成長率を誇る韓国。果敢に各国と自由貿易協定を結ぶなど、その経済政策は日本でも注目されています。一方、格差、非正規、雇用、農業保護政策、少子高齢化などの分野では、さまざまな課題を抱えてもいます。こういった問題は日本に先駆けている部分もあり、韓国の政策のあり方は、日本にとって参考にすべき点が多くありそうです。マクロとミクロの両方から視点から描きだす、本当の韓国経済の姿がここにあります。 |