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業績悪化に苦しむパナソニックが世界に向けて“脱テレビ”を宣言した。かつて中核だったテレビ事業では韓国勢に太刀打ちできず、大胆な戦略転換を決断した。
業績悪化に苦しむパナソニックが世界に向けて“脱テレビ”を宣言した。かつて中核だったテレビ事業ではサムスン電子、LG電子という韓国勢に太刀打ちできず、大胆な戦略転換を決断した。
代わって強化を目指すのは車載システムなどの法人向け事業。「将来は自動車メーカーになるかもしれない」とまで話す津賀一宏社長の決断の成否は、国内電機メーカー復権の試金石となる。
■GM、IBMと提携
「パナソニックの貢献は、リビングルームをはるかに超えて広がっている」
米国ネバダ州ラスベガスで今月上旬に開かれた世界最大規模の国際家電見本市「コンシューマー・エレクトロニクス・ショー(CES)」。開幕冒頭の基調講演を行った津賀社長は、世界中から訪れた聴衆を前にこう力説した。
テレビを中心としたデジタル家電事業は、パナソニックを支える中核事業だった。
だが、韓国勢の前にテレビや携帯電話の販売は低迷。不採算事業からの撤退などリストラ費用にくわえ、将来の利益を見込んで計上していた資産を取り崩す会計処理も迫られ、平成25年3月期に2期連続で7千億を超える最終赤字を見込む。パナソニックにとってデジタル家電事業は業績の足を引っ張る“お荷物”になった。
業績を立て直すには、デジタル家電事業のてこ入れか、新規事業への参入しかない。パナソニックが選択したのは後者だった。
反転攻勢に向けて、パナソニックはCESで、他業種との協業を通じて安定した収益が見込める法人向け事業を伸ばす構想を発表。米ゼネラル・モーターズ(GM)とは車載用情報システムの開発を加速、米IBMとはITを活用した家電事業を進めることで新たに合意した。
「将来、パナソニックは自動車メーカーになるかもしれません」。津賀社長はCESでの会見でこう述べ、自動車事業を拡大する意思を鮮明にした。
実際、CESでのパナソニックの展示ブースでは、車載システムなどのコーナーを中心に、説明員に熱心に質問を投げかける外国人の姿も多くみられ、新生パナソニックの未来に期待を抱かせた。
■見せつけた技術力
一方で、パナソニックはCESで自らが持つ技術力も見せつけた。フルハイビジョンの約4倍の解像度を持つ「4K」に対応した56型の有機EL(エレクトロルミネッセンス)テレビを発表したのだ。今年のCESで4K対応の有機ELテレビを発表したのは、ソニーとパナソニックの2社だけだ。
昨年のCESでは、55型の有機ELテレビの試作品を相次いで発表したサムスン、LGに圧倒されたパナソニック。だが、4Kでは抜き返し、津賀社長は記者団に「韓国メーカーに技術で負けていない」と胸を張った。
だが、この技術力を収益に生かせないことがパナソニック低迷の主因だ。その状況は変わっておらず、津賀社長はせっかく発表したにもかかわらず、4K対応の有機ELテレビについて商品化の時期を明言できなかった。
それどころか「今やテレビが(家電の)『顔』でしょうか」と述べ、もはや収益の柱としてテレビを中核に据えることはできないとの思いも口にした。
布石は打ったが
そんなパナソニックを尻目にサムスンは「テレビ業界にはもうライバルがいない」(同社幹部)と強気の発言を繰り返す。今年の販売台数は昨年よりも370万台多い5500万台を見込み、サムスンの背中は遠のくばかりだ。
それでもパナソニック社内には長年にわたり中核事業だったテレビへの思い入れは強い。
ある幹部は「テレビが主役ではないといっても、(脱テレビは)社内では反発の声が上がる」と打ち明ける。そうしたなかでの津賀社長の「自動車メーカー発言」は、意識改革を促す社内に向けたメッセージでもある。
パナソニックは車載用電池で高いシェアを誇った三洋電機を子会社化し、住宅設備などに強みを持つ旧パナソニック電工を合併するなど、企業向け事業の強化に向け布石を打ってきた。今では「家電部門の売上高は全体の3分の1しかない」(津賀社長)。
薄型テレビなどのデジタル家電は、どんなに新技術を開発しようと価格が低下する汎用(はんよう)化が避けられない。パナソニックが復活するには、残る3分の2の事業でいかに相乗効果をあげるかにかかっている。津賀社長の社内改革はまだ始まったばかりだ。
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