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「通貨安戦争」で日本が批判を浴びているが、本日、大御所が牙を向いたようだ。
■米著名投資家ソロス氏、通貨戦争は「最大の危険」
米著名投資家のジョージ・ソロス氏は、米国の金融緩和策を評価したうえで、通貨戦争が経済にとり最大の危険、との考えを示した。CNBCテレビとのインタビューで語った。
ソロス氏は米連邦準備理事会(FRB)による月額850億ドルの債券購入プログラムについて「バーナンキ議長が行っている措置は基本的には適切な政策だ」と評価した。
一方、緊縮財政を実施することで財政赤字に対処するドイツの方針は、金融緩和を目指す他国の方針と衝突すると指摘。「最大の危険は通貨戦争だ」との見方を示した。そのうえで「他国はドイツと異なった方針を目指している。ドイツは緊縮財政を確信しているが、他国は金融緩和を確信している」と語った。【ロイター 8:45】
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名指しはしてないが、この「通貨戦争」に最後に加わってきた日本を暗に警告を発しているように見受けられる。
ドイツのメルケル首相も、"為替操作国"として、アベノミクスが人為的な円安をもたらすとしているとして不快感を表した。
他方、IMFの首席エコノミスト、オリビエ・ブランシャール氏は、
<先進国の緩和的な金融政策と財政政策により「通貨戦争」が発生するリスクがあるとの考えは誇張されたもので、現時点では適切ではない>との認識を示している。
一方の日本は、麻生財相が<金融緩和はデフレからの脱却が目的であり、為替操作との批判はあたらない>と反論し、<リーマンショック後に初めて開かれたG20会合時には110円だったことなどを挙げ「これまでに一方的に行き過ぎた円高の動きが、明らかに修正される動きにある」>と述べた。(ロイターより)
このような議論は、自国の利害関係を背景にし、世界経済や金融安定のためではない。保護主義的政策の兆候であり、通貨システムの末期的症状といえよう。
ソロスが「最大の危険」と言っているのは、まさにそのことであり、
通貨システムが破綻する方向へ向かっていることを警告(予告)しているのである・・・。
◆来るべき通貨戦争で利益を上げる方法
http://jp.wsj.com/article/SB10001424127887323355204578263102468965008.html?mod=WSJJP_Market_LeadStory
【ロンドン】世界中の中央銀行が、自国経済をリセッション(景気後退)から引きずり出そうとあらゆる手段を尽くしている。金利を3世紀ぶりの低水準にまで引き下げ、大量の紙幣を増刷し、ソフトローン(緩やかな条件の融資)で銀行に資本を注入している。
BOEのキング総裁は通貨戦争が迫っていると警告
だが現在までのところ、大した成果は上がっていない。となると彼らに残された武器はあと1つしかない。通貨切り下げだ。
今や全面的な通貨戦争が差し迫っている。
大国も小国も各国中央銀行が相次いで自国の景気浮揚の手段の1つとして、為替レートの引き下げに動き始めた(参考:独連銀総裁、日本の為替レート「政治化」を警告)。
その効果はまだ分からない。だが、投資家にとって重要なのは、どの国が通貨切り下げに成功するかや、全面的な通貨戦争に発展した場合、どの資産の価値が上がるかを見極めることだろう。
2008年〜09年の金融危機の直後、政治家らは通貨切り下げ競争に参加しないことで合意した。
近隣窮乏化政策(為替レートの切り下げ等により自国の経済回復を図ろうとする政策)と言えば30年代の大恐慌が思い出されるが、当時と同じ過ちを繰り返すことは誰も望んでいなかった。
英国はほとんど誰にも気づかれることなくポンドを25%下落させることに成功した(これはポンドの重要性が世界で薄れていることを示す証拠かもしれないが)。
だがそれ以外の通貨はおおむね危機発生前と変わらない状態で推移してきた。実際、過去5年の外国為替市場で最も際立っていたのが異常なほどの安定性だ。その他のあらゆる資産の価格が大きく変動しているにもかかわらず、大半の通貨は以前とほとんど変わらない水準にあった。
通貨切り下げ競争をする意思はない=中尾財務官
フラン相場、依然強すぎる=スイス中銀理事
アルプスに差し迫る通貨戦争の脅威
だが、そうした状況が今、変わろうとしている。
チェコの中銀は先週、景気浮揚のため通貨切り下げに動く意向を明らかにした。スウェーデンのボルグ財務相は、スウェーデンクローナの強さが自国の輸出産業に悪影響を及ぼしているとした。また、ユーロ危機からの資金の逃避先となってきたスイスは、フラン上昇をコントロールしようと数年前から対ユーロの為替レートに上限を設けている。また日本の新政権は円引き下げに必死のようだが、そのかいあって日経平均は大きく反発している。
スウェーデンのボルグ財務相はスウェーデンクローナの強さが自国の輸出産業に悪影響を及ぼしていると指摘
欧州のリセッションの高まりを緩和するためユーロを引き下げるべきとの声も多く聞かれる。ユーロ圏財務相会合(ユーログループ)のユンケル議長はユーロは「危険なほど高水準」にあると言及し始めている。さらに米連邦準備制度理事会(FRB)が米国の景気刺激に乗り出すとともに、ドル引き下げに動いても驚くべきことではない。
金融政策当局高官も気づき始めている。積極的な発言で知られるイングランド銀行(BOE、英中銀)のキング総裁は、経済的安定に対する主な脅威の1つは通貨戦争だと既に警告している。「2013年は、国内金融政策の代替手段として為替レートの積極的な管理が拡大することを懸念している」。キング総裁は先月米ニューヨークで行った講演で語った。
そもそも為替操作は有効なのかどうかについては議論の余地がある。通貨の過大評価が経済に悪影響を及ぼしかねないことについては疑問の余地はほとんどないが、通貨切り下げが、短期的には別として、何らかの競争力強化につながることを示す証拠はほとんどない。賃金と物価上昇でその効果が薄れてしまうのが通常だ。
だが、だからと言って投資家が通貨戦争で利益を得られないわけではない。1つ確かなことは、中銀が価格操作に踏み切れば、何らかの影響が出るため、正しい方に賭ければ利益を上げられるはずだ。
★では、具体的にどうすればいいのか。ポイントを3つにまとめた。
・まず1つは小国に注目すること。円やユーロのような主要通貨を動かすことは非常に難しい。それらは貿易や準備通貨として非常に広く保有されている。そのため価格誘導には巨額の市場介入が必要になるが、それでも必ず効果が得られるとは限らない。たとえ成果があっても、他国が対抗に乗り出す可能性がある。
例えば、日本銀行が円安誘導に成功したとしても、自国の産業に日本が打撃を与えるのを欧米が見過ごすとは思えず、対抗措置に出るはずだ。だが、非主要通貨であれば誰も大して気に懸けない。したがって、例えば、チェコやスウェーデンの中銀が通貨引き下げに乗り出せば、恐らく成功するだろう。つまり、それら通貨をショート(売り持ち)すれば、他を出し抜けるはずだ。
・2つ目は、トレンドに従うこと。多くの中銀が何年にもわたって現実と戦ってきたが、やはり打ち勝つことは難しい。ファンダメンタルズ(経済の基礎的条件)が弱ければ、中銀が通貨を引き下げられる可能性ははるかに高くなる。
欧州中央銀行(ECB)が十分な紙幣を増刷すれば、ユーロを引き下げられるかもしれない。ユーロ圏はいずれにしろ深刻なリセッションに突入しつつあり、ユーロを売るべき理由は既にある。FRBにとってはドル引き下げはもっと難しいだろう。米国は多くの先進国と比較して経済状況が良好だからだ。
したがって、ショートする前に、中銀が何をしようとしているかだけでなく、ファンダメンタルズを見ることが重要だ。いずれにしろファンダメンタルズが弱い通貨を売れば、問題はないはずだ。
・3つ目は金に乗り換えること。操作に乗り出す中銀が増えれば増えるほど、通貨に幻想を抱き始める投資家が増えるだろう。だが、誰も切り下げしようとしない、というよりは切り下げられない準通貨がある。金だ。中央銀行間の切り下げ競争が始まれば、どの通貨にしろ金換算の価値は上昇する一方だ。
通貨戦争は世界経済をさらに悪化させる可能性が十分ある。過去に通貨戦争が成果を上げた例はない。また、どこかの国が得をすれば、別の国が損をするため、世界の総生産の改善には役に立たない。
だが、通貨戦争が避けられないとすれば、自らの資産を保護することが必要だ。上述の戦略はいずれも利益を保証するものではないが、中銀が競って通貨引き下げに乗り出した場合、少なくとも富の一部は保全できるはずだ。
(マシュー・リンはロンドン在住の金融ジャーナリスト。著書には『Bust: Greece, the Euro and the Sovereign Debt Crisis』がある。また、マット・リンのペンネームで冒険スリラーも執筆している)
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