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アベノミクスの最大の過ちとは?さらなる円売り余地はなぜ限られるのか?
■日銀会合の結果まずは円買いとなったものの…
市場関係者が固唾をのんで待っていた日銀会合は、結局安倍政権の要求どおりに2%のインフレターゲットと「無制限緩和」を決定したが、 マーケットの反応はまず円買いだった。
米ドル/円は一時88円の節目に迫った。
しかし、昨日(1月24日)、円売りがまた再開され、米ドル/円は約215pipsの値幅を達成。 上昇幅にしてあの2011年10月31日の日銀介入日以来、最大幅を記録した。
米ドル/円 1時間足
執筆している現時点では、 米ドル/円が一時90.69円を打診、ユーロ/円も121.30円まで上昇し、日銀会合前の高値を再度更新した。
日銀会合の直後、円買いを生じさせたのは「ウワサで買い、事実で売り」といったところもあるものの、肝心なのはやはり、マーケットの期待が大きすぎたところではないかと思う。
前回コラムでの筆者の「無責任トーク」が間違っていたことは証明されたが、日銀の「抵抗」により、安倍政権の思いどおりにはなっていないと思う。
■アベノミクスの理想どおりにいっていない3つの理由
本日(1月25日)まで、今回の日銀の決定に関してマスコミによるいろいろな解釈が行なわれているので、すでに周知の事実だと思うが、あえて挙げるなら、アベノミクスの理想と距離がある理由は、以下の3つのポイントに帰結できるのではないかと思う。
まず、インフレターゲットの達成に時期の制限を設けていないこと。
次に、購入資産は従来の国債中心、かつ短期国債に比重を置いていること。
最後に、開始時期(2014年から)にしても、規模(現在の101兆円から111兆円に増えるに過ぎない)にしても、 即効性が薄いことだ。
したがって、日銀会合後のマーケットの失望は納得できる。アベノミクスの支持者はもちろん、マーケット関係者(アベノミクス支持云々ではなく、便乗してひと儲けしたい者が多い)の多くが、がっかりしていたと思う。白川日銀総裁の「老獪」を罵倒する声も聞こえるほどだ。
■アベノミクスの最大の過ちは「景気と物価の混同」
一方、日銀の苦悩も理解できる。物価上昇率に関して アベノミクス(※)の最大の過ちを挙げるとすれば、景気と物価を混同しているところではないかと思う。
デフレという現象は不況の原因ではなく、結果にすぎないのに、結果から見直すのには限界がある。
物価が上がったからといって、増税されて手取りが減るサラリーマン(要するに中間層)たちの消費意欲を期待すること自体が、滑稽に聞こえる。また、企業の競争力強化なしに、インフレを期待するだけで、日本の産業がかつての栄光を取り戻すというのも、夢にすぎない。
何だかエコノミストのような口調ですまないが、要するに今回の日銀会合の結果は本当は斑模様で、アベノミクスの理想どおりにはなっていない。
これを承知でマーケットを牽制するかのように、昨日(1月24日)は政府高官の口先介入が効き、また、米株高といった外部環境の支援もあって、円売りが再開されたわけだ。
では、前回のコラムの結論、つまり、「さらなる円売りの余地は限られる」といった考え方は間違っているのだろうか。このあたりを再検討しておきたい。
■RSIの数値は相当な「行きすぎ」を示唆
前回申し上げたように、日銀政策の如何を問わず、高値からさらに3円、5円の上値余地があるとは考えにくい。(チャート略)
まず高値を更新してから頭打ち、といったシナリオのほうが現実的であると思う。
■今後は日銀政策の中身を吟味した相場に
ここで、「テクニカルアナリシスの観点を証左する材料が、必ず実際の値動きのあとを追う形で発生してくる」といった相場の習性から考えてみたいことがある。仮に米ドル/円がこれから調整してくるとすれば、そのときに出てくるファンダメンタルズにおける材料とは何だろうか?
まず考えられるのは、前述したように、 日銀政策に対する吟味ではないかと思う。
目先は高官らの口先介入で円売り意欲が刺激されているが、落ち着いてくれば、肝心の政策の中身が再考されるだろう。
目標の提示は簡単だが、それを達成する手段を講じなければ、絵に描いた餅にすぎないから、一本調子の円売りとはいかないだろう。
■さらには「法人様為替予約済相場」へ発展か?
さらに、より重要なのは、2013年年頭から話してきたように、「法人様踏み上げ」相場と勝手に名づけてきた今回の円売り相場は、投機筋ではなく、実需筋が主導してきた疑いが濃厚だ。
要するに、生保から一般事業会社まで、円高トレンドに対抗するために為替ヘッジをたくさんかけていた分、円安トレンドの進行によって彼らは狼狽し、あわててそのヘッジを解消したのだろう。
こういった動きが日本企業だけでなく、海外企業も同様だったので、結果的には年末年始を始め、本日に至るまでの急速な円安を推し進めてきた。
一方、ここまでくると、まだ推測ではあるが、 為替予約を通じて企業の多くが円安トレンドに賭けるヘッジも、だいぶ完成したのではないかと思われる。
生保の運用部長にしても、企業の財務部長にしても、所詮はサラリーマンだから、円安に対応する手を今のうちに打たないと、あとで責任逃れをするのは困難であることを承知している。
また、仮にこれからまだ円高トレンドに復帰したとしても、アベノミクスという最大の材料をもって言い訳がいくらでもできる。
したがって、「法人様踏み上げ」相場から 「法人様為替予約済」相場に発展してきた足元では、円売りの余地が逆に限られると思う。(陳満咲杜)
◆日本株の売買で、外国人投資家は悪戦苦闘中?・・日本人投資家イケイケどんどんの危うさ!
http://blog.livedoor.jp/mkubo1/archives/51380450.html
先ほど、為替のことを書きましたが日本の株式市場も、外国人は悪戦苦闘中のようですね。その証拠に、日本株の投資主体別動向を見ますと、実に面白い傾向があります。
委託取引に占める外国人、個人、金融機関の売買シェア(売り買いの合計)を見てみます。
外国人 個人 金融機関 (単位:%)
10月 70.3 17.6 6.8
11月 65.2 22.2 6.5
12月 60.3 26.1 7.0
1月2週 56.2 32.5 4.9
1月3週 59.9 29.3 4.9
いかがでしょうか。
外国人は10%以上売買シェアを落としています。
逆に個人は10以上増えていますね。
つまり、個人投資家は、回転が効いていて、売買シェアが大きく増えているのですね。
外国人は、円安もあり、なかなか、(為替を含めた損益で)儲かりにくい環境ですから、イケイケどんどんには、なっていないようです。
そして、ちょっと残念なのは、日本の金融機関でしょうか。
もともと、売買シェアは少ないのですが、さらに減っていますね。
これは、何か、問題があるのでしょうね。
こんな調子ですから、証券会社、特に、内外の機関投資家を相手にしている外資系証券会社のいくつかで、今週に株式部門や調査部門を中心にリストラ(人員整理)があったようですね。
この時期に人員整理するということは、11月以降の大フィーバー相場でも、収益が改善していないということなのでしょうね。
マーケットは上がれど、懐は温かくならずですかね。
上手くいっているのは個人投資家ということのようです。
注意点としては、個人投資家は、短期の回転売買が多いはずですから、売買シェアが落ちるということは、回転が効かなくなる=含み損の銘柄増えるですから、マーケットの調整入りを示唆する可能性があります。
そんな点も見ておくと、いいかもしれません。
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