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国の原子力政策、そして東京電力に、孤独で愚直な戦いを挑む!(星の金貨プロジェクト) 
http://www.asyura2.com/13/genpatu35/msg/856.html
投稿者 赤かぶ 日時 2014 年 1 月 21 日 00:51:01: igsppGRN/E9PQ
 

国の原子力政策、そして東京電力に、孤独で愚直な戦いを挑む!
http://kobajun.chips.jp/?p=16161
2014年1月20日 星の金貨プロジェクト


【 政府の命令より、汚染されてしまった生き物たちの命を守れ 】《前篇》

福島で起きたことの記録と記憶を消し去り、原発行政を事故発生以前の状態に戻したい、それが政府の本音

マーティン・ファクラー / ニューヨークタイムズ 1月11日


福島第一原発の事故の不都合な真実について、日本政府はその存在を一切認めようとはしない、そう考えている吉沢正巳さんは、怒りを抑えかねています。
彼は、破壊された福島第一原発の周囲に広がる、汚染されてしまった挙句無住の地と化した場所にある自分の牧場に帰ってきました。

彼にはたった一人の隣人もいませんが、数百を数える仲間がいます。
吉沢さんがその命を守りきると誓った、そして日本政府が殺すことを命じた、捨てられてしまった数百頭の牛たちです。

新たに『希望の牧場』と名づけられた牧場の入り口には農政当局者の立ち入りを拒絶するため、大きなブルドーザーが物言わぬ番人として鎮座しています。
その脇には真っ白な牛の頭蓋骨がこちらを見つめ、抗議文が書かれた手書きの看板が所狭しと並んでいます。
中のひとつにはこう書かれています。
「希望の牛たちを生かして!」
そして牛の頭蓋骨には黄色いペンキでこう書かれています。
「原子力への反攻」

牧場内はすでに牛たちであふれ、牛小屋に入りきれずに鳴き声をあげながら草も生えていない牧草地を行き来する牛もいれば、中には農家の陽だまりの暖かそうな庭を踏み荒らしている牛もいました。

「この場所にいる牛たちは、ここ福島での人間の愚劣な行いの生きた証拠なのです。」
吉沢さんは今年59歳、一見荒々しい、しかし雄弁な男性であり、事故発生以来一貫して日本政府の対応に抗議を続けてきました。

「ここで起きたことの記録と記憶を消し去り、日本を福島第一原発の事故発生以前の状態に戻すため、日本政府はここにいる牛たちをすべて殺処分してしまいたいのです。私はそんなことを許すつもりはありません。」

吉沢さんは感傷に浸っている訳ではありません。
災害以前、彼は牛を殺して食用にするために牧畜を営んでいました。

しかし食用にするために牛を殺すのと、飼われていた場所が汚染されてしまい、最早食用にすることはできないから殺してしまう事には、大きな違いがあると吉沢さんが語りました。

吉沢さんは事故発生によりこの地を避難させられ、2年半以上もの間別の土地で生活することを強いられている83,000人の避難住民同様、事故によって吉沢さんや他の酪農家からすてられてしまった牛たちもまた、今回の事故の被害者であると信じています。

彼は自身の健康について心配しています。
牧場のそばにある自宅の放射線量は、日本政府が避難基準に定めた値の1.5倍を記録しています。

しかし吉沢さんがもっと心配していることがあります。
長く停滞していた日本経済に回復の兆しが見え始め、2020年にはオリンピックの東京開催が決まり、日本の人々の意識の中から福島第一原発の事故のことがどんどん薄れていくことです。
彼は自分の活動が政治的意味を持つ以上に、人道的意味を持っていることに触れました。
「もし政府が牛たちを殺すことを命令して来たら、私は牛たちの命を守ることで、日本政府のやり方に反対を貫く決心です。」

現在吉沢さんの『希望の牧場』にいるのは、かつては福島第一原発の周囲で繁栄を誇っていた牧畜業者によって捨てられてしまった牛たちです。

事故の後住民たちが避難し、世話をしていた人々もいなくなり、数週間のうちに大量の牛たちが餓死しました。
生き残った牛たちは食べるものを探すために牧場から逃げ出し、誰もいない通りや無人の家の中を徘徊しました。
そのため作業員を乗せて福島第一原発と宿舎の間を往復するバスや、物資を運び込むためのトラックの交通障害になり、危険な状態が続きました。

これらの動物たちは「歩く交通障害」と呼ばれ、農林水産省はこれらの動物たちをかり集め、まとめて殺処分するよう命じました。
彼らの死体は他の放射性廃棄物と一緒に焼却処分されるか、土の中に埋められるかしました。

この措置を見て怒りを発した吉沢さんはすぐに自分の牧場に戻り、生き残っていた自分の牛たちにエサやりを再開したのでした。
最終的に吉沢さんは、生き残った牛たちに出来る限りの世話ができるよう、ずっと牧場で暮らす決心をしました。

彼の80エーカー(約32ヘクタール強)の牧場にいる約360頭の牛のうち、半数以上は一度彼が『捨ててしまった』牛たちです。
吉沢さんは危険を顧みず汚染のひどい場所で取り組みを続けていることについて政治的な意義を強調しますが、その言葉の端々に人としての感情が見えかくれします。

彼は捨てられた農場の中で、多数の餓死した牛の死がいを見つけた際の恐怖について語りました。
死んだ牛たちはエサを与えられるのを待つかのように、エサを入れる大きな樋の中に頭を並べていました。
納屋のひとつでは、生まれたばかりの子牛が餓死した母親の脇で、力なく鳴き声をあげていました。
彼はすぐさま『イチゴ』と彼が名づけた、その子牛を救い出す決心をしました。
その出来事が彼がこの地に戻って、生き残った牛たちの世話をする決心に導いたと語りました。

〈後編に続く〉

http://www.nytimes.com/2014/01/12/world/asia/defying-japan-rancher-saves-fukushimas-radioactive-cows.html

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国の原子力政策、そして東京電力に、孤独で愚直な戦いを挑む!
http://kobajun.chips.jp/?p=16184
2014年1月21日


【 政府の命令より、汚染されてしまった生き物たちの命を守れ 】《後篇》

なぜ日本人は、権力に対してこうも従順なのか?

日本にはまだ変わるチャンスはある、その事を訴え続けたい

マーティン・ファクラー / ニューヨークタイムズ 1月11日


吉沢さんは時々、他にも飢えて骨と皮ばかりになった牛がさ迷い歩いているのではないかと、避難区域一帯を見て回ります。
迷い牛を見つけたら、吉沢さんはその耳を引っ張って自分の牧場に連れて帰ります。
その際、吉沢さんはできるだけ警察の検問所を避けるようにしています。

避難区域内に入ることは基本的に違法行為です。
彼はこれまで6回ほど警察に捕まり、あらかじめ用意されている謝罪文に署名するよう求められました。
文書の中の『二度としません』という部分を線で消さない限り、吉沢さんが署名することはありません。

吉沢さんが権力に抵抗姿勢を示すのは、これが初めてではありません。
以前は反原発の闘士でした。
彼は福島第一原発の事故が発生し、父親から受け継いだ牧場を永遠に失ってしまうかもしれないという状況に追い込まれた時、その思いは一層激烈なものになったと語りました。

浪江町の人々がこの国の原子力行政の高級官僚や東京電力の経営陣、あるいは政治家に騙されていたことがその理由ではありません。

吉沢さんの自宅の台所の窓からは、福島第一原発の煙突とクレーンが見えます。
吉沢さんは3月11日、自宅にいるときに大きな爆発音を耳にしました。

このとき日本政府は事故に関する重要な情報を明らかにせず、吉沢さんも含めた浪江町のたくさんの人々が、放射性物質が飛散している方向に向かって避難してしまったのです。

「私は生き続けるためには、新たな哲学を身に着ける必要があったのです。」
結婚せずに独身のまま、牧場を守り続ける吉沢さんがこう語りました。

「そして私は、この疑問に突き当たったのです。
『なぜ日本人は、権力に対してこうも従順なのか?』と。」

「私は決めたのです、たったひとりの抵抗勢力になると…」

吉沢さんの牧場には、通常世話することが出来る数の2倍から3倍の数の、食用の霜降り肉を提供することで名高い黒毛和牛がいます。
つい最近のある寒い朝、吉沢さんは小型ブルドーザーを使って、牛のえさにするため黄色い米俵を運んでいました。
飢えている牛たちは一口でもエサを口にしようと、互いに押し合いへし合いしながら鳴き声をあげていました。

吉沢さんは、大きな懸念のひとつは牛たちに与えるエサが底をつくことだと語りました。
適正な数を大きく上回る数の牛たちは、牧場の牧草を食べつくしてしまった今、エサと運営資金の寄付に吉沢さんは頼らざるを得ません。

そしてもう一つの心配は、汚染された寒気用の中で暮らしている牛たち、そして吉沢さんが、環境中の放射性物質によってどのような影響を受けることになるのか、という問題です。

この2年間でだいぶその値は下がったものの、事故直後、吉沢さんの体内からは高い値の放射性セシウムが検出されました。
吉沢さんは生活用水はろ過したものを使い、食糧は避難区域以外の場所で購入することによって、これ以上の被ばくを最小限に留めようと努力しています。

吉沢さんの活動は少数の支持者を得ましたが、一方で政治的主張を行うため、人道的見地からは牛たちが適切ではない環境を強いられているという批判も集めることになりました。
「これは個人的な見解ですが、牛たちこれほど密集して飼われている現状はあまり人道的とは言えないと思います。」
今回牛たちに出来た白い斑点について検証をした東北大学・加齢医学研究所の病理学者である福本氏がこう語りました。

こうした批判に対して吉沢さんは、政府の命令通り殺処分されていたら、牛たちは生きることすら許されていなかった点について、皮肉を交えながら反論しました。

そして目下のところ、地元の自治体などは吉沢さんの抵抗運動について、非常に日本的な対処方法を選択しています、見て見ぬふりをすることです。

浪江町の職員は避難して区域内に人が住んでいるという事実は確認できていないと返答しました。
一方で町は吉沢さんの牧場の電気の供給と電話回線を復旧させました。

吉沢さんはそう簡単には自分を無視できないように、活発に動きつつけています。
しばしばニュースメディアに登場し、自身では牧場にウェブカメラを設置してネットで中継を行い、ブログの更新も怠りません。
そして時には東京まで行って東京電力の本社前で一人で抗議演説も行います。

「すべての日本人が、受け身の姿勢でいるわけではありません。」
吉沢さんがこう語りました。

「ここにいる牛たちと私は、それでも日本には変わるチャンスがある、その事を訴えるために生き続けるつもりです。」

〈 完 〉

http://www.nytimes.com/2014/01/12/world/asia/defying-japan-rancher-saves-fukushimas-radioactive-cows.html


 

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コメント
 
01. 知る大切さ 2014年1月21日 05:03:28 : wlmZvu/t95VP. : rXmQVSTR26
政府すら危険と言ってる地域で本来有った筈の経済
価値を捨て、動物を飼育しているなら貴重な学術調査と
してアコギナな制約を設けず国の予算を導入するのが良
い国家(放射能と動物の影響を調べる為)
現実はコッソリと国民に教えないで自分達だけ結果を
採取し国家安泰を主眼に対策を練る。
国民も家畜の牛さんと同じ扱い。
福島の一部地域の牛と福島の一部地域の国民が同じ扱いなのが
今のこの国。


希望の牧場HP
http://fukushima-farmsanctuary.blogzine.jp

福島中央TV(2014/12/20放送)
http://youtu.be/K6rhuMyNnjE

「なぜ日本人は、権力に対してこうも従順なのか?」
目先の利益。今、目の前の生活しか予測せず、その結果
訪れる将来を思考出来ないケ・セラ・セラな精神構造、
他者と本音で論議しない事を良しとさせる社会システム
誠に施政者側に都合の良い国家体制を世代を通じて国家
が作り上げ、今現在さらに縛りをキツくしかかっている。


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