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<東電を破たんさせないのは?>「国が前面に出て銀行に全部借金を返してあげます」12/31報道するラジオ・古賀茂明氏(文字起こし)
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2014-01-01(11:14) みんな楽しくHappy♡がいい♪
進まない原発問題
報道するラジオスペシャル2013
2013年12月31日
水野:
ここからの特集は進まない原発問題です。
元経済産業省官僚でいらっしゃいます古賀茂明さんにお話を伺います。
古賀さんはこの1年もビシビシと、ね、政権の政策の裏についても教えて下さっていたんですけれども、
今日のテーマはね、「求めていたのに進まないこと」、
あるいは「求めてもいないのに勝手に進んでしまった事」ってあげているんですよ。
古賀さんからご覧になると、これはどんなことにそれぞれなるでしょう?
古賀:
そうですね、まず原発の問題といのは両方の面があると思うんですけど、
やっぱり復興とか事故処理とか進めなくちゃいけないのに進まない。
一方で原発を推進するっていう話は進めて欲しくないのにどんどん進んでいるという、
両方の面がありますよね。
水野:たしかに。
古賀:
それから先ほどちょっと話が出ていた秘密保護法の話も私は進めて欲しくない事なんですけど、
一方で、進めなくちゃいけない情報公開ですとか、そっちの方は進まないという、
なんかそれぞれ両面があるなという感じです。
水野:
たしかに。
古賀さんがおっしゃるようにね、求めてもいいひんのに進んじゃうことがある一方で、
もう本当に原発の事故処理というのは一向に進んでいないどころか、
いまになって汚染水がこんなに溢れているという事をですよ、今ごろ言うか!っていう、
そ、それもありましたよね。
古賀:
そうですね、これはもう何で被災者への補償とかね、
それからいろんな事故の処理が進まないのか?っていうのはみんな不思議に思うと思うんですけど、
水野:なーんでこんなに進まないか?
古賀:
あの、一番の原因はですね、東京電力を最初の事故直後にですね
「破たんさせちゃダメだ」と言うことを決めちゃったのが一番大きいと思うんですよ。
水野:
私はね、3.11直後「東電はもちろん破たんするんだろう」と思っていました。
だってこれほどまでの事を起こしてですよ、破たんしないわけがないと思ったのに、
どうして直後に、実は破たんさせないという事を政府は決めてしまったんで…、
そんな事がなんで続いているんですか?
古賀:
これは二つ理由があると思うんです。
一つはよく言われる癒着の問題ですね。
水野:癒着。
古賀:経済産業省と、あるいは専属族議員ととかですね、
水野:今もですか?
古賀:今もあります。
水野:今もですか!?
古賀:
ええ。
電力会社、それから銀行や保険とか、まァ、お金を出しているところですね。
それから関連のメーカー。
これらすべてとですね、経産省ってものすごく癒着をしていて、
一番端的にわかるのがものすごい数の天下りとかがあるんですね、そういうところにそれぞれ。
水野:あ、電力会社に経産省から天下るんですか?
古賀:
天下っています。
今でも天下っていますし、
水野:今でもですか?
古賀:
あります。
それから銀行とか保険とかですね、
関連のメーカーにも沢山あります。
水野:天下り
古賀:
ええ。
もう銀行なんか本当にいい天下り先なんで、
次官級のですね、本当に一番偉い人たちが行くんですね、顧問として。
水野:あ、一番偉い人は銀行に天下るんだ。
古賀:
そう、銀行とか保険会社ですね。
なんででかと言うとと待遇が非常にいいんですよ。
給料が高いだけじゃなくて、
だいたい顧問という形で行くので仕事が無いんですね。
水野:
あの、顧問って大体どれぐらいの仕事をしますの?
1日何時間とか、週にどのくらいとか、
古賀:
私、先輩に時々ご飯に連れていってもらうんですけど、電話がかかってきてですね。
そうすると
「明日は誰と食べよう、明後日の夜は何処に行ってなにを食べようとか、それが一番大切な仕事なんだよな」
なんて言っている位ですね。
電力会社にいた人なんかは経産省と関係が深いので、
「経産省との間で板挟みになって大変でしょ?」なんていう話をすると、
「いや、そういう大事な話は経産省ともっと仲人達が電力会社には沢山いるので、
その人たちがやってくれるから僕は本当に申し訳ないけれど仕事が無いんだよね」なんて言っていましたね。
近藤:
あの、古賀さんね、僕が政治なんかに関心を持ち始めた新聞記者でしてね、
そのころ盛んに言われていたことは
「政財官の癒着」このトライアングルの構造を叩きつぶさない限り日本は良くならないんだということを
しょっちゅう言っていましたよね。
水野:それは何十年前ですか?
近藤:ん、もうずーーっと言ってきてた。
古賀:ずっと言っていますけれども、やっぱり結局変わっていませんね。
近藤:もっとひどくなってきているんじゃないですか、そしたら。いま。
古賀:
そうですね、なんというか癒着の構造というのは、権限関係とかがないとつくりにくいんですね。
で、いろんな規制改革が進んで、いろんな権限がみんな小さくなっているんです、役所もですね。
そうすると、もう経産省なんて本当に電力ぐらいしかないんですよ。
そういう権限をふるえる所が。
だから安心して天下りを確保する分野っていうのは電力っていうのは圧倒的に大きいんですね。
近藤:
大きいね。
電力族の甘利さんなんていうのはこういう形で出てくるなんて思いもよらなかったですが、
古賀:
そうですね、あの方も本当は政策面でいろいろ非常に高いレベルの物を持っておられるんですけれど、
どっちかというと、もう電力族の顔になってきちゃって、非常にちょっと残念な感じなんですけれどね。
近藤:うん
古賀:
それからさっき「何で東電を破たんさせないんだ」っていうのは一つは癒着だって言ったんですが、
もうひとつ、実はけっこう見逃されている事があってですね、
それはなにか?って言うと、
経産省の役人が「破たん」ということについてどうしたらいいのか?という知識とか能力が無かったんですよね。
ま、今でも無いんですけど。
ですからもう、「破たん」って言うと「大変だー」っていうね。
実は「破たん」というのは「破たん処理をすると東京電力が消滅する」っていう事ではないんですよね。
日本航空の事を思い出していただければわかると思うんですけれど、
日本航空はやっぱり破たん処理をしたんですよ。
だけど、飛行機はちゃんと飛んでたし、
それからもう、あっという間によみがえってね、
今やもう全日空よりも経営状況が良いなんていうふうになっちゃっていますけれども、
そういう事なのに、なにか「東京電力が破たんされると日本は破滅する」みたいな、
そんなふうに思っていたんですね、当時。
水野:
当時、やっぱり東電が破たんしたら、
なんか、電力が無くて真っ暗になっちゃうみたいなね、そんなイメージが言われてましたね。
古賀:
ええ。
僕はよく覚えているんですけれど、当時、事故直後って節電でもうみんな真っ暗だったじゃないですか。
水野:ああ、東京とかはね。
古賀:
で、経産省のエレベーターホールとかも真っ暗だったんです。
そこでたまたま会った電力担当の担当課長に、
「とにかく早く東電を破たん処理して、思い切ってやらないとダメだよ」って言ったら、
もう暗いんですよ、ほとんど顔が見えない位に暗いんですけど、
その人がなんか驚いたようにね、もっと暗いところに、真っ暗なところに私を引っ張っていってですね、
「古賀さん、そんな事を言っちゃダメですよ」って。
「破たんなんて言ったらね、もう、日本は終わりですよ」なんて本気で言うんですね。
だけど本当は東京電力なんていうのは実は破たん処理に一番適していて、
なぜか?というと、競争相手がいないじゃないですか。
JALなんかは破たんするとなんか不安だなとか言って、全日空に流れるんですね。
でも東京電力の場合はどこかに流れようと思っても流れられないから、
もう絶対に電力収入というのは減らないんです、破たんさせても。
だからゆっくり処理できるので、本当は出来るんですけれどそれをしなかった。
それは、電力会社と銀行にものすごく脅されたんです。
「電力が止まるぞ」とかね、
それから「金融不安が起きるぞ」と、これはJALの時も全く同じでした。
JAL飛行機が止まって、海外に日本航空の切符を持って行っている人が何万人もいるんだけど、
「この人達が全部戻れなくなるんです」って言ってたんですよ。
それで民主党も最初怖くてできなかったけれども、結局やってみたら何の問題も無かったということなんで、
そういう事を、やっぱりちょっと脅されてですね、最初の判断を間違えちゃった。
だから「破たんさせない」
「破たんさせない」というのはなにか?というと、
「破たん」というのは要するにお金を、払うべき物が払えなくなるという状態ですね。
それを避けるっていうことにすると、
ま、入ってくるものは同じじゃないですか、電力料金なんていうのは、だいたい毎年同じですから。
そうすると、出ていく物を減らすしかないので、
だから「損害賠償はなるべく小さくしましょう」
それから汚染水の対策「あ、先延ばししましょう」
山とか林「そんな所やったらお金がかかるからやめましょう」
全部そういうふうに、対策を小さくしたり先送りするということに、全部なっちゃったんですよ。
だから汚染水も、今とんでもない問題になっちゃっていますけれども、
これは、本当は2年半前にあそこに遮水壁をつくろうっていう設計まで始めていたのに、
結局「それすると破たんになっちゃうからやめてくれ」って東電に言われて、
民主党政権は当時止めちゃったんですね。
水野:
しっかりした遮水壁をつくるのにお金が沢山いると。
それをつくったら東電が破たんするからってやめたら、
そうしたらもうずーっと大量の汚染水が溢れかえっている状態に今なっている訳ですね。
古賀:
なっているんですよね。
で、結局「電力が止まる」とか「金融不安」とか、
金融不安なんていうのは2兆3兆銀行の、
ま、破たんさせた場合の最大の違いというのは、破たんするしないの、なにか?というのは、
破たんしてもさせなくてもかかるお金は同じじゃないですか、事故処理に。
水野:そうですね。
古賀:
で、たとえば「20兆30兆かかります」っていう時に、
破たんさせた場合はですね、銀行の債権とかをカット出来るんですよね、ほとんど。
水野:棒引きっていうやつですか?
古賀:
棒引きっていうので、借金棒引きです。
ところが破たんさせないと、今我々の税金とかで電力料金をどんどん投入するという方向にいっていますけど、
これはある意味しょうがない部分もあるんですよ、絶対に足りないから。
で、「被災者のためだったら我々もお金を払ってもしょうがないな」ってみんな思っている訳ですけど、
実は払っているお金がそういうところだけじゃなくて銀行の借金を返す所にどんどん使うことになるんですよ。
水野:
えーっ!ちょっと待って下さいよ。
私たちは被災者の方の所に届くと思うから、「ちょっとしょうないか」と思っているわけで、
銀行を助けるなんて、もうもう、ずっと前に金融不安の時に死ぬほどそれもやりましたやん。
古賀:そうです、だから
水野:まだやらされているんですか?
古賀:いや、それを今やっているんですね、一生懸命。
水野:はーーっ!
古賀:
ですから銀行の債権をたとえば3兆円位ですね、
本当はカットできるのにカットしないということになると、
「その3兆円は国民が払います」という事なんですよ。
水野:まわりまわって、「私たちが助けているのは銀行だ」っていうことになるわけですね。
古賀:
そうです。
東京電力を助けてるっていうよりは、どっちかというと銀行を助けているっていう性格の方が強いんですね。
水野:はぁ〜〜。
古賀:
だからそれを、それをもしカットするとですね、
法律的には一緒に賠償損害債権とかもカットされちゃうんですよ、
被災者がお金を払ってくれっていうのもカットされちゃうんですね。
だからそれをまた自民党とかは「そんな事していいのか」とかって言ってるんですけど、
それはでも国民はみんな「それは払ってもいいよ」と思っている訳ですよね。
水野:被災者にはね。
古賀:
だから、破たんの手続きの中ではカットされるけれど、それは別に一本法律をつくってですね、
そこはもう「国がちゃんと税金と電力料金で面倒見ますよ」という法律を一本作って予算措置を取ればですね、
そしたらもう多分数日で通る法律ですよ。
誰も反対しないじゃないですか。
だけどそれを何かあたかも「破たん処理すると被災者が困るんです」みたいな変な宣伝をしてですね、
ま、破たんを避けてるという事で、
結局安倍さんがよく言う「国が前面に出ます」というセリフを言って
「なんかかっこいいな」、「ああ、やっと国がやってくれるんだ」みたいなー。
水野:そんなふうに聞こえましたね、「国が前面に出ます」は。
古賀:
そうなんですけど、それはなにか?っていうと、
「前面に出て銀行に全部借金を返してあげますから、銀行は安心して下さいね」っていうことなんですよ。
水野:そうか…、銀行を助けるんだ。
古賀:そうなんです。
近藤:しかし東電は、前面に出たってどうにもならないことがいっぱいあるじゃないですか。
古賀:
そうなんですよ、だってもともとね、東電の支配株主はもう国ですよね。支出しちゃって。
だから今までも政府が「こうしろ」といえば東電は言う事を聞くしかなかったので、
要するに今まで東電がちゃんとやっていなかったということは、国がちゃんとやってなったという事ですね。
それなのにあたかも、東電は悪くて国は良いもので、
今までちょっと後ろに控えていたけどついに前に出てきましたという、
それを言われると私からみるとですね、
「いや、今まで何やってたんですか?」っていうふうにすごく言いたくなるんですね。
水野:その上ね、東電って、黒字になったんでしょ?
(※なぜ黒字?なぜ東電に1000億円超の経常利益がでるの?)
古賀:
ええ、だから黒字にしないとですね、
銀行はこれからまた追加融資もするんですけど、
それは全部もう国が全面的に面倒見ますよという事で全く危なくないということになるんですが、
その証として「ちゃんと黒字になりますよ」というのを見せないといけない訳ですよ。
だから、赤字赤字が続いているところに、もし銀行が融資するということになると、
これ普通は出来ないですよね、無担保融資なんて特に。
水野:そんな事ね、銀行はそんな、潰れるかもしれないところには貸せませんよね。
古賀:
もしね、融資するってなったら、これは普通は、特別背任罪にさえなりかねない。
あとで代表訴訟をやられるかもしれない、
非常に危険な融資なんですけど、
それを国が「絶対大丈夫ですよ、見て下さい。東電は黒字ですよ」というふうに言うことによってですね、
それを続けさせる。
で、銀行からみると、国が「絶対安全ですよ」と言ってくれれば、これはもう、こんなにおいしい融資はないです。
「絶対に潰れない融資」って普通はないですから。
◇
<小泉さんの脱原発って?> 「夢のある再生エネルギーの成長戦略、それが結局は経済成長の大きな戦略になる」12/31報道するラジオ・古賀茂明氏(文字起こし)
http://kiikochan.blog136.fc2.com/blog-entry-3490.html
2014-01-02(09:21)
14:10〜文字起こし部分Youtube→http://youtu.be/QBj9v-4Sg3A?t=14m10s
近藤:
古賀さんね、そんな中でね我々も注目もし、気にもするんですけれども、
小泉さんのいろんな脱原発の発言がございますでしょ、
あれは、古賀さんなりにいろんな情報を得ていると思うんですけれども、
この流れって、これからどんなふうになると予想されています?
古賀:
これはね、非常に小泉さんはいい事を言われたと思うんですよね。
やっぱり、特にゴミの問題を挙げてね、
「もう、こんなエネルギーに頼るっていうのはおかしいじゃないか」って。
「そんな事よりももっともっと再背可能エネルギー、自然エネルギーに、
日本はそっちへ行けばいいじゃないか。夢のある事業になるよ」と、
「みんな国民の心に合わせた、今日本の進む道はそっちに変えようよ」というね、
非常に大きなテーマとして原発を扱って、言っていただいたんですけれども、
ただ、小泉さんは昔の総理の時にね、そう言ってもらえれば良かったんですけど、
水野:そうですね。
古賀:
今は本当に、一民間人ですから、何の権限もないですね。
小泉さんが何か言ったからといって、自民党、安倍さんがパッと変わるという事はないんです。
で、結局、我々は小泉さんが言ってくれたらうれしいけれども、
小泉さんに頼ってもダメなんですよね。
だから小泉さんはひとつのきっかけを与えてくれたかもしれないけれど、
小泉さんも、もしかしたら見ているんじゃないかなと思いまして、
それは、国民の中に本当に脱原発を求める運動というのがちゃんと起きていくのか?と。
ひところね、随分と官邸前のデモとかいろいろ盛り上がったんですけど、
それが大分水かけられて、ちょっと停滞気味になっているところもあるんで、
これがやっぱり国民全体が盛り上がって、動かそうというふうにならないと。
要するに政府を変えていかないとならないんですからね。
それは最後は国民世論なので、
ま、そのきっかけはつくれるけれども、あと本当に盛り上がるかというのを見ていると思うんですけれども、
冬の間というのは寒くてですね、
ちょっとこれは冗談みたいな話ですが、結構大きな要素としては、
寒過ぎるとですね、デモって盛り上がりにくいんですよ。
特に小さいお子さんを連れたお母さん達とかがなかなか参加しにくくなるので、
でも春になるとまた盛り上がる可能性がある。
近藤;そうでしょうね。
古賀:
それから、春に消費税の増税もあるじゃないですか。
そこで気が付いてみたら、アベノミクスでね、浮かれていたけど、
良く考えてみたら自分立ち全然給料も上がっていないし、消費税上がってすごい苦しくなったなって、
そういう不満の声も出てきて、しかも、夏に向けて原発の再稼働の話が出てきますよ。
伊方とか玄海とか、ああいうところの。
そうするとまた脱原発の運動というのが盛んになる可能性があるので、
そこで非常に大きな盛り上がりというのが出てくれば、
小泉さんが何か次のステップに送りだしてくれるんじゃないかなっていうですね、
近藤:その次のステップっていうのは、なんか、古賀さんなりに想像できる事ってありますか?
古賀:
ええ、まぁ、小泉さんがもう一回政治に戻るというのは可能性は殆ど無いと思うんですけれども、
小泉さんの声にこうして、自民党の中でたとえば、河野太郎さんとかいろいろいますけれども、
そういう若手中心にですね、立ち上がる人たちが出てきた時に、
それを小泉さんが「支持しますよ」と。
「彼らの運動を指示しますよ」って言うと、やっぱり、まだちょっと先ですけど、
でも15年には統一地方選もあるし、
それからその先に、安倍さんの総裁選。
任期というのは3年できますのでね。
その時の総裁選候補としてですね、脱原発を掲げる候補が出るかもしれない。
出た時には小泉さんが応援してくれるというのが分かればですね、かなり勢いが出てくる可能性があるんです。
近藤:あのー、再稼動反対っていうのは7割ですよ、まだ。
古賀:そうですね。
近藤:で、秘密保護法よりも高いですよ。
古賀:
そうですね。
だっていまゼロじゃないですか、もう。
いまゼロで、でも経済はまァまァいいですよね。
で、これから先のことを考えると、今より悪くならないんです、いまゼロですから。
マイナスにするっていう事はないわけですから、
ゼロで、いろいろ大変なこともあるけど、
でも毎年毎年たとえば、いろんな再生可能エネルギーの技術開発が進んで行くから、コストが下がりますし、
省エネの技術もどんどん進んで行きますし、
それからその再生可能エネルギーへの投資というのがどんどんどんどん強まればですね、
今日本は自然エネルギーも省エネも、実は遅れちゃったんですね、
「原発原発」って言っているうちに。
もう、風力発電とか、世界中ですごい増えていて、倍々で増えていくような感じで、
あと5年でね、風力発電だけで原発を抜くんですよ。
水野:えっ?もう一回言って下さい。
古賀:あと5年で風力発電だけで原発の許容量を超えるって言われているんですね。
水野:世界はー。
古賀:すごい伸びなんですよ。
水野:へぇっ!
古賀:
中国なんかの風力発電は、1年間につくる量はですね、
建設している風力発電所の発電量で換算すると、日本のだいたい150倍ぐらい。
で、累積で今ある全体の発電能力というのも日本の30倍ぐらいあるんですね。
もう、だから中国はどんどん原発つくりますよとか言っているけれど、
そんなんじゃなく、そんなものの遥か上のレベルで風力でもう日本は差をつけられている。
ドイツなんかは脱原発を進めながら風力発電を特に各地でどんどん進めています。
住民が出資をしてですね、住民に配当が入るというような仕組みで、
過疎地がそれでよみがえるという様な事をしているんで、
これは本当に日本もね、そういう道をなんか進んで欲しいな〜って思うんですけど。
近藤:
古賀さんね、小泉さんの脱原発は核のゴミをもっぱら言っているわけですけれどもね、
そもそも福島原発というのは地震津波じゃないですか。
そこのところは日本からは絶対に逃げ去ることはないわけで、
古賀:そうですね、一番向いてない国ですね。
近藤:そこの議論をですね、私はいつも忘れちゃダメだよって思うんですけれどもね。
古賀:
そうですね、ですからもうゴミはね、将来世代につけ回しだし、
それから事故が起きたらどうなるか?っていうと、
それは原発電力の恩恵を受けていない世界中の人々に影響を与える。
もう他人に迷惑をかけるという事で、
これは普通に考えると自分のために他人に迷惑をかける、
あるいは自分のために将来世代に迷惑をかけるって、
こんなのは、昔の日本人の感覚で言えばね、これは「道徳的にダメでしょう」ということで、
「じゃあやめましょうよ」というまず結論があって、
「それをどういうふうに止めますか?」という議論に入っていくというのが本来のあり方なんです。
近藤:他人のことを考えないのは、サルの社会がそうらしいですよね。
古賀:
だからそれってね、やっぱり生き方の問題なんですよ。
ぼくは原発の倫理学っていう本を出したんですけれども、
要するに倫理の問題だと単純に考えてですね、
後はみんなで協力してそれをどうやって実現するかっていう事をやればですね、
これは「世界中に誇れる夢のエネルギーで日本を再生しましょう」という、
良い事業になっていくだろうなと思うんですけれどね。
ちょっとね、今のままで行くと「世界中に原発を売り歩く」という、
「日本の中では事故処理もできない」というですね、
なんかまるで私は「死の商人になるな」と。
武器輸出も始まるみたいですし。
非常に残念な方向に進んでいると思うんですよね。
水野:
そうですね。
神戸のリスナーの方は
「今年求めていたのに進まなかった事というのは、
原発メーカーなどからもっと新しい形でのエネルギー開発が出てくるかと思っていたんですけど、
そこが進んでないように思うんです。
安全でクリーンなエネルギーが得られると信じていたのに」って。
これは何で進まないんですか?
古賀:
これは結局、日本は潜在的にはいろんな技術は持っているんですね。
個別の技術は。
ところが、たとえばドイツみたいに「もう原発は絶対にやめるよ」というのをはっきり出しちゃえば、
シーメンスというドイツ一の重工メーカーですね、
日本の日立とか三菱とか東芝に当たるような大きな企業は、「原発やーめた」って言ってですね、
それでもう他のエネルギー、特に風力とか
そうすれば風力発電の技術というのがどんどん発達して言って、コストがどんどん下がっているんですね。
それで、世界中の風力発電機を受注して、今は2年分受注残があるって。
だからもうこれから頼んでも2年先ですよっていう位に
それは夢のある再生エネルギーの成長戦略になるんですね。
水野:国が止めると決めれば、技術力は日本でも十分民間であるっていう事ですね。
古賀:
そうです。
ところが日本の場合は原発がどうもこれはまた復活しそうだということになっているじゃないですか。
そしたらそこに思いっきり投資してもですね、後で原発が全部動きますっていうことになったら、
電力ジャブジャブで当分発電所なんかいりませんよということになっちゃうんですね。
そしたら、思いっきり投資したのが大損になるかもしれないから、そんなことできないと。
あの、ソフトバンクの孫さんがね、ものすごくそういう事を言われていました。
「自分もやっぱり経営者としてね、
資本家としては電力の世界というのはこれからいろんな事が起きる面白いマーケットだけど、
『いつ原発に戻るかわかりません』と言われている中では思い切った投資が出来ないだろ」と。
「それがはっきり脱原発だと、絶対に大丈夫だと。
これから発送電分離もしてもらってですね、
新しい発電所をつくってもそこで差別をされたりしないということがはっきりわかれば、
相当思い切った投資が出来るはずだよ」
と言う事をおっしゃっていましたね。
水野:それが結局は経済成長の大きな戦略になるんですね。
古賀:
なるんです。
成長戦略の大きな柱になるはずなんですけど、
そこはどんどんしぼんで行って、
どんどんどんどん水をあけられてですね、世界にですね。
それで何をやるか?って言うと、
「原発を輸出します」とか「武器を輸出します」とか、
「これが成長戦略の柱です」とか言い始めているんですよね、自民党が。
だからちょっとね、これ。
「日本を取り戻す」って安倍さんが言うじゃないですか。
でも「その取り戻す日本ってなんなのかな?」と。
近藤:なんなのかな?
水野:なんなんでしょうね?なにを取り戻すんですかね?
古賀:
僕からみるとね、要するに明治から戦前までの、とにかく富国強兵、
企業中心、軍隊中心で、「なにかあったら戦争で解決してやるぞ」という、
そういう日本をなんか夢見てね、一生懸命「取り戻す」って言ってるんじゃないかと思うんですけど、
やっぱり、本当は日本人の生き方って言うのは
「もっと自然を大事にして自然と共に生きます」っていうね、
こういうのが、むしろ今の「おもてなし」というのもそうですけれども、
日本の良さというのが世界中に認められ始めているんですけど、
その良さというのは、なんか昔みたいに
「テレビが安いですね」とか「車が壊れませんね」とか、そういう話じゃなくて、
やっぱり生き方として日本食、和食がああいう素材を生かしながら美しい料理とか、
それから可愛いファッションとか、アニメとかね、
そういうものにみんなが惹かれて日本に集まってきている。
そこでなんか、どくろマークを背中につけて「原発を輸出するぞー」とかね、
それっていうのは世界が日本に求めている役割と全然違うんじゃないかなというふうに思えてならないんですよ。
なんとか昔のようにね、昔の日本の山村というのは実はもっと全然豊かだったんですよね。
何でかというと、エネルギー産業があったんですよ。
それはなにか?っていうと薪と炭ですよね。
水野:なるほど、自立してるわけですね、エネルギーで。
古賀:自立っていうより輸出しているんですけど、
水野:輸出も、あぁそうですね。
古賀:
だって日本中が薪と炭に頼って生きていた訳ですから、
もう、巨大な産業があったんです。
でも無くなっちゃったんですね、一切。
そうしたら半分ぐらい収入が無くなっちゃったので貧しくなるのは当たり前なんです。
だけど、今またバイオマスとか風力とか太陽光とか、いろんな技術が出てきているじゃないですか。
それを使えば実は立地地域なんかは貧しい貧しいと言われているんだけど、
それでよみがえられる可能性があるんですね。
ですから、なんか、原発を止めて自然エネルギーっていうと、
「電気を暗くしていばらの道を歩こうか」というね、なんかそういう世界だと思っている人たちがいて、
水野:いまだにね、まだね。
古賀:
そうじゃなくて、もうそういう事を乗り越える新しい技術が出来て、
世界中もそれで進んでいるんだから、日本もちょっと遅れちゃたけれど、これから追いついて追い越そうよ。
そういう夢のあるね、成長戦略、エネルギー政策というのをつくってほしいなと思うんですよね。
水野:
ねー、古賀さんのお話聞いていると夢が持てますよね。
「持っていいんだな」という、
古賀:そう思いますね。
水野:裏付けがあるんですもんね。
古賀:これは日本人に向いている生き方ですから。
水野:ねぇ。日本を取り戻すっていうのはそっちなんじゃないですかね。
古賀:そう思います。
水野:
本当の夢を取り戻せるのにね。
なんか今の行き方で取り戻されると、私たちがなにかを失うかもしれないんですね。
古賀:もうだって、もう一回事故したら、これは大変なことになりますから。
水野:大変なことですよね。
古賀:それはそれは、もう本当に大変なことですよ。
水野:
古賀さん、また来年も。
さっき伺ったように春夏といろんな動きが出てくるでしょうから、いろんな話を聞かせて下さい。
古賀:はい。
水野:今日はどうもありがとうございました。
古賀:はい、どうもありとうございました。
水野:古賀茂明さんに伺いました。
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