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テレビ、視てますか?
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2014年1月1日 秋場龍一のねごと
新年明けましておめでとうございます、って素直に言えない気持ちが、ここ数年つづいている。
そう、あの原発事故以来。
大みそかの昨夜、ボクシングの世界タイトル戦が3つあって、それを観たくて数時間テレビをつけっぱなしにしていた。
以前なら、テレビを2時間、3時間と連続で視ることはいくらでもあったけど、あの事故以来、録画した番組以外、行き当たりばったりでテレビを視ることがなくなった。
この傾向はぼくだけではなく、ぼくの周囲でも、またネットやツイートなんかでも、この種のことをよく耳に眼にする。
みんな、テレビって、視ていないんだ。
で、久しぶりにテレビをつけっぱなしにして、リモコンであっちこっちと切り替えるのだが、NHKの紅白から民放のバラエティまで、同じチャンネルを10秒も視つづけていられない。
すぐに他局へ切り替える。
音楽も好きだし、お笑いも嫌いじゃない。
だけど、10秒以上、聴くに堪える、視るに堪える音楽もお笑いもやっていない。
じゃあ、この日本に、聴くに視るに堪える音楽もお笑いもないかといえば、けっしてそうではない。
ただ、テレビがそういう音楽もお笑いも放送していないだけなのだ。
ところで、福島原発事故処理は収束どころか、ほとんど何一つとして解決されていない。
被曝による放射線障害の増加や漏れ続ける汚染水など、むしろその被害は拡大している。
そして大みそかのテレビでは、そんな危機的状況など何もないように、音楽が、お笑いが、垂れ流されている。
いまある危機的状況に煙幕を張るように。
まるでこんなネガティブな使命感で、テレビ局が存在しているように。
だから視るに堪えない番組しか作れないのかな。
ところで、ぼくが生きているあいだに、新年を迎えた日、こころから「おめでとう」って言える日が来るのだろうか……。
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