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ガラスで固めた高レベル放射性廃棄物を貯蔵する施設。黄色いフタの下で空冷されている=青森県六ケ所村で
【坂本龍一×東京新聞】<ポイント解説>核のゴミ
http://www.tokyo-np.co.jp/feature/sakamoto/list/131226_4.html
2013年12月26日 東京新聞
「原発ゼロへ」と行動する原点が、青森県六ケ所村の使用済み核燃料再処理工場だったと坂本さんは語った。
再処理工場は各原発から出た核燃料からプルトニウムとウランを取り出して再利用するための施設で、核燃料サイクルの要だ。しかし1993年に着工され、約2兆2000億円を投じながらトラブル続きで20年後の今も完成していない。
◆再稼働すれば数年で満杯
さらに新しい規制基準を受け、事業者の日本原燃は過酷事故や地震対策の追加工事を行う。完成時期は来年10月に延期されたが、安倍政権は早期の稼働を待ち望んでいる。
国内には使用済み核燃料が約1万7000トンあり、再処理工場と原発全体の冷却プールの7割が埋まる。原発を順次再稼働しても数年後にプールが満杯となれば原発を動かせない。それだけに年間約800トンの再処理さえ行われれば…と原発推進派は六ケ所頼みなのだ。
◆「1日原発1基1年分」放出
一方で、再処理の危険性や環境汚染が心配されている。核燃料を処理する際に放射性物質が大気や海に放出され、その量は「1日で原発1基の1年間分」と指摘される。分離したプルトニウムの大量保管は国際社会の疑念を生む。高レベル放射性廃液をガラスで固めた核のゴミの最終処分先も決まっていない。
国は300メートル以深に埋める地層処分を決定。02年から候補自治体を公募してきたが進展していない。今後は国が前面に出て火山活動や活断層、地下水の影響が少ない地域を複数選定していく方針だ。
とはいえ、日本は「地震・火山列島」だ。放射能の減衰は10万年にわたり、大地震や火山爆発による地層の変動がないことが建設適地の前提だが、日本学術会議は昨年9月、「万年単位の将来を確実に予測することは困難」と表明。地層に最終処分場を造ることの危険性を訴えている。
世界の国々も頭を悩ませている。英国やドイツは候補地が白紙撤回され、米国も凍結状態だ。唯一、フィンランドが地層処分場を建設中。再処理はせずに直接、金属製容器で収蔵する。日本のように地震はない岩盤だ。
国内処分が八方ふさがりのなか、核のゴミを地中でいつでも取り出し可能な状態で厳重に管理したり、地上の中間貯蔵施設で保管したりする議論も出ている。これらの候補地も難航は必至だが、地層処分よりは現実的だ。
もはや後始末に道筋を付けることなく、原発政策を維持することは許されない。全量再処理しない選択肢を含め、国主導によらない国民的な議論が急がれる。 (前特別報道部、千葉支局・野呂法夫)
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