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【 廃炉のための専門技術者、福島第一原発で完全に不足 】《前篇》
http://kobajun.chips.jp/?p=15581
2013年12月21日 星の金貨プロジェクト
また福島の[闇]が明らかに!決定的に不足する熟練の廃炉経験者
原子力規制委員会の廃炉作業の経験者、日本はゼロ、アメリカは10名
影山ゆり / AP通信 / 米国FOXニュース 12月15日
日本にはもはや単独で福島の事故収束・廃炉作業を継続するだけの能力は無く、必要な技術者を世界中から集めて対処しなければならなくなっていると、複数の専門家が指摘しています。
にもかかわらず日本政府も東京電力もその事実を受け入れようとはせず、危険なままにこう着状態に陥っています。
アメリカやヨーロッパ諸国とは異なり、日本はこれまで、耐用年数に達した原子炉を廃炉にした経験を持っていません。
しかし今、日本は福島第一原子力発電所の廃炉を完遂しなければならない立場に追い込まれました。
2011年3月に発生した巨大地震と津波によって発生した事故により、6基ある原子炉の内3基でメルトダウンが発生、ただでさえ難しいと言われる原子力発電所の廃炉作業を、一層複雑で困難なものにしてしまいました。
福島第一原発を廃炉にするためには数十年の歳月を要するという事実、そして日本にはそれを完遂させられるだけの能力はあるのだろうかという疑問は、原子力発電に対する一般市民の印象をさらに悪いものにしました。
世論調査の結果は、定期安全点検その他の理由で福島第一原発の事故発生以来停止している日本国内の50基の原子炉について、国民の半数以上が再稼働に反対していることを明らかにしました。
日本は電力需要を満たすため、火力発電用の原油や天然ガスの輸入を増やさざるを得なくなり、停滞が続いていた日本経済は一層の負担を強いられることになりました。
「アメリカの原子力産業界にとってすら、そのような事故収束・廃炉作業は、大きな苦痛が伴う困難な作業なのです。」
福島第一原発の事故現場に、国際規模の作業チームを送り込むことを訴える専門家の一人、機械工学、原子力技術を専門とするアイダホ大学のアキラ・トクヒロ教授がこう語りました。
通常行なわれる原子炉の廃炉は、まず炉心を完全停止させた上で核燃料を取り出し、長期に安全に保管する処置をとるところから始められます。
これだけで数年間という時間がかかる作業なのです。
その間、作業現場の放射線量と作業員の被ばく線量は厳密に管理されなければなりません。
福島においてはメルトダウンし、格納容器を突き破って基礎部分にまで達している核燃料を、きわめて放射線量の高い場所で取り出すという、果たしてそれが可能なのかどうかという、気の遠くなるような作業が待ち受けています。
まさに原子力発電所の事故としては、最悪の部類に入る事故収束・廃炉作業を行わなければならないのです。
福島第一原発においては各原子炉内部の状態について、正確な状況が把握されておらず、作業を行うためには、その正確な把握と分析が不可欠です。
その作業を放射線量が高い場所で迅速・正確に行うためのロボットを、どうしても開発しなければなりません。
専門家が不足している問題は、監査機関の側においてより深刻です。
結論から言えば、ゼロです。
日本の原子力規制委員会の広報担当の山田氏は、現在福島第一原子力発電所の4号機で専門技術者による核燃料アセンブリの取り出し作業が行われていますが、同委員会側には原子炉の廃炉作業を経験した人間は一人もいないと語りました。
原子力規制委員会の前身である原子力安全・保安院は、原子力産業界と癒着していたことが福島第一原発の事故後明らかになり、国内外から厳しい批判を受けました。
そのため昨年末に原子力安全・保安院は解体され、その後身として発足した原子力規制委員会の委員には、独立性を保つため原子力産業界と直接関わりのある人間は選ばれてはいません。
政府資金による原子力基盤安全機構は、安全確保に関する情報の収集、整理及び提供を行い、その専門性を強化する役割を担う日本の監査機関のひとつですが、ここには海外において各過程においてどのような管理監督を行うべきかを学んだ原子炉の廃炉に関する専門家が1名います。
原子力基盤安全機構は原子力発電所の定期点検の際に、監査業務の一部を行ってきましたが、2011年に福島第一原発の事故が発生してからは、事態の安定化に向けた取り組みの一端を担い続けています。
これとは対照的に、アメリカの原子力規制委員会は、10人の廃炉の専門家を擁しています。この中には4名の作業の監督責任者り、4名の健康医療分野の科学者、そして1名の水文質学者が含まれています。
※水門地質学 : 地球の地殻を構成する土壌や岩石(一般的には帯水層)に含まれる、地下水の振る舞いおよび分布を対象とする地質学の一分野(Wikipedia)
アメリカの原子力規制委員会はこれまでの廃炉経験が商業用原子炉が11基、実験用原子炉が13基に上り、廃炉監督の延べ年数は200年以上に達していることを明らかにしています。
〈後篇に続く〉
http://www.foxnews.com/world/2013/12/15/japan-lacks-decommissioning-experts-for-fukushima-nuke-crisis-with-none-at/
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日本の原子力行政が、その出口部分において如何にめちゃくちゃなものであるか、その事を伝えています。
折しも、国内でも六ヶ所村の再処理工場で何と『21回目の工期変更』が行われたという報道がありました( http://www.kahoku.co.jp/news/2013/12/20131220t23010.htm )。
廃炉、核廃棄物、それをどうしようもないまま原子力発電だけは続けようというエネルギー政策を、つい先ごろ安倍政権がまとめました。
それが『美しい日本』姿なのでしょうか?
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【 廃炉のための専門技術者、福島第一原発で完全に不足 】《後篇》
http://kobajun.chips.jp/?p=15602
2013年12月22日
フランスもすでに9基の原子炉を廃炉にした経験を持っています。
中央政府レベルでは7名の廃炉の専門家を擁し、地方レベルではさらに10名の専門家がいます。
アメリカの原子力技術者で、1979年にメルトダウンしたペンシルヴェニア州のスリーマイル島の原子炉の廃炉作業の経験を持つレイク・バレット氏が、コンサルタントとして東京電力に雇用されました。
彼は年1〜2回程度福島第一原発の現場を訪れ、助言を行うことになっていますが、恒常的に廃炉作業に関わる訳では無く、毎日仕事がある訳でもありません。
スリーマイル島の事故と比較した場合、福島第一原発の事故ははるかに深刻で複雑です。
スリーマイルでは1基のメルトダウンが起きましたが、核燃料が格納容器の外にまで溶け出すメルトスルーは起きていません。
これに対し、福島では3基の原子炉でメルトダウンに加えメルトスルーが発生、さらには複数回の大きな爆発が発生したことにより、事故現場の複雑さ、汚染の深刻さなどにおいて比較にならないからです。
バレット氏は、彼が福島第一原発における廃炉作業に参加することを決断した理由として、スリーマイルの廃炉作業には複数の日本人技術者が参加しており、彼らも今回の作業に当然参加するはずだと考えていたことを明らかにしました。
バレット氏は彼らの所在について尋ねましたが、返答は一切ありませんでした。
バレット氏はスリーマイルで働いた日本人技術者全員が引退してしまっているか、あるいは原子力産業界にはもう席を置いていないことを恐れています。
「最も重要かつ困難な課題は、熟練した原子力技術者の確保です。事故収束・廃炉作業の手順について具体的な計画を立案し、実際に作業を行う日本人技術者たちの中に溶け込み、充分に意思疎通できる人間が必要なのです。」
バレット氏がこう語りました。
日本の原子力発電はアメリカより遅れて始まり、これまで完全廃炉を完了した経験があるのは、小型の実験用原子炉1基のみです。
日本では現在、5基の原子炉が廃炉の様々な段階にあります。
内訳は実験用原子炉が2基、商業用原子炉が3基です。
廃炉の最も長い期間がかかると見られているのは、東海原子力発電所1号機です。
現在22年の予定期間の15年目に入っています。
約70人の専門技術者が廃炉作業に取り組んでいます。
しかし、日本の最も古い原子炉で積まれた経験を、直接福島で応用できる訳ではありません。
福島第一原発に類似した原子炉の廃炉作業は、東京の西にある浜岡原子力発電所にあり、ここでは現在2基の原子炉の廃炉作業が行われています。
しかしその作業は始まったばかりで、完了まではこれから30年という時間がかかることになっています。
事故の発生から2年半、日本は国内外から専門家を集め、原子炉の廃炉について研究する国際研究所を設立することになりました。
この研究所は福島第一原発の事故収束・廃炉作業の実際について、情報交換をする役割も担うことになります。
原子力発電所の設計と安全管理の分野で20年の経験を持つアイダホ大学のアキラ・トクヒロ教授は、その取り組みを福島第一原発の事故収束・廃炉作業について、初めて正しい第一歩を踏み出すものだと語りました。
しかし一方では、これから進めなければならない作業の巨大さと比べると、対応としては小さすぎるとも語りました。
あらたに設立される組織は、課題が山のようにある事を認識しています。
ロボット開発やその他の数多くの技術開発も含め、先例のない難しい問題がこれから待ち受けています。
トクヒロ教授は、チェルノブイリの事故処理問題を抱えるウクライナ、スリーマイル島の経験を持つアメリカを中心に、福島第一原発の問題解決のための国際的機関の創設を主唱しています。
「福島第一原発の完全廃炉という巨大な作業を完了させるためには、国際社会の取り組みが必要なことは明白な事実です。」
トクヒロ教授がこう語りました。
「世界の原子力産業界の連携と性根、それが試されることになるのです。」
〈 完 〉
◆ 掲載されている写真について(AP通信社)
技術研究組合・国際廃炉研究開発機構が公表したこの写真は、9月25日に国際専門家会議のメンバーが、福島第一原子力発電所内で東京電力の技術者と、事故収束・廃炉作業の進捗状況について打ち合わせを行いました。
国際専門家会議が福祉の事故に関する実況見分を行った(9月23日〜27日)のはこれが初めてです。
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