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「原発引っ越し」という本が「東京のイメージダウンにつながる」と出版を断られていた!!
http://blog.livedoor.jp/home_make-toaru/archives/7455842.html
とある原発の溶融貫通(メルトスルー)
東京からの避難者が出版しようと思った著書「原発引っ越し」が,「東京のイメージダウンにつながる」と出版社から断られ、自費出版しました。
出版したのは福島原発事故をきっかけに、東京から昨年7月に広島県呉市に家族で移住した神原将さんで、震災直後の緊迫した東京の様子、放射線におびえて外出を控えるなどの体験を率直につづりました。
友人の勧めで昨年8月に、執筆を始めた「原発引っ越し」ですが、「東京のイメージダウンにつながる」と出版社からは断られ、自費で発売する運びとなったようです。
以下は,“原発引っ越し”【立ち読み版】からの一部引用です。
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(東京から移住した家族の記録 私小説)“原発引っ越し”
「東京から西へ逃げます」
インターネットで移住の告白をした時、周りの反応は様々だった。なかでもツイッターを通じて受け取ったメッセージは賛否両論だった。
ツイッターとは、インターネットを利用したコミュニケーションツールのひとつで、百四十文字までの文章を書いたり写真をくっつけたりして、世界中の人たちと言葉を交わし合うことができるサービスだった。
「無事引っ越しができるといいですね」
「できるだけ東京から遠くに逃げたほうがいいですよ」と引っ越しに賛同し、励ましてくれる人は多かった。
しかしまた、その逆に、「フリーランスだから簡単に東京から逃げることができるんです。会社勤めのうちのような家庭では無理です」,「本を出すような仕事をしているから余裕があるんでしょうね。貧乏な我が家はしたくてもできません」と不満の気持ちを投げかけてくる人もいた。
もっとすごい人になると、引っ越しを嘲笑して、なぜか引き留めようとする人もいた。
「引っ越しは大げさ。心配しすぎ。引っ越しする方が家計負担が増えてストレス過多で影響大! 現状維持をおすすめ」
人にはそれぞれの立場や環境、生き方がある。だから、放射能から逃げたいと思った時に、すぐに行動に移せる人と、できない人がいる。
「健康に影響を与える放射能のしきい値」への考え方も千差万別だった。逃げるか、止まるか、判断は難しい。
僕の本音を言えば、もっと早い時期に引っ越したかった。原子力発電所の事故の影響で、放射能が東京にも飛散していると分かった時点で、真っ先に子供の将来や健康を考えた。今すぐにでも引っ越したいと思った。
4月の終わり頃に、チェルノブイリ事故と比べても数倍の放射能漏れになっていると耳にした時には、躊躇している場合ではないと思った。
しかし実際問題として、引っ越しには資金が必要だ。家族四人の引っ越しとなると、一人暮らしのように簡単にはいかない。
原稿書きや編集仕事で生計をたてている我が家は、収入が安定しない。サラリーマンのように毎月決まった給料があるわけではない。
ましてや、週刊誌や月刊誌の取材や原稿書きの仕事は、いくらギャラがもらえるのか、実際に記事となって売り出され、口座に振込みされるまで分からないことがザラだった。
だから、この先三か月分の収入から、十万円ずつ貯金して引っ越し資金を作ろう……といったような計画はそもそも立てられないのだ。
ましてや5月も6月もカツカツ、生活するだけでやっとの状況が続いていた。
デスクトップのパソコンがあるという理由で、仕事で愛用していたノートパソコンを中古で売った。それだけでは間に合わず、持っている中で価値のあるカメラを質屋に入れなければならなかった。そうやってなんとか食いつないでいる状況だった。
だから放射能から一日でも早く逃げ出して、西へ引っ越しをしたいと思っても、行動に移せなかったのだ。しかしまた、苦しい家計のなかにあっても、引っ越しを諦めたわけではなかった。
6月に入ってすぐのことだった。5月に出版された本のギャラが、ある程度まとまった金額で7月のはじめ頃に入金されることが分かった。一筋の光が雲間から差し込むとは、まさにこのことだと思った。
新しい家の賃貸契約、引っ越し荷物の運搬費用、粗大ゴミの廃棄費用や家族四人の交通費など、引っ越しをした途端にギャラはすべてなくなってしまうけれど、引っ越しをするなら今しかないと思った。
引っ越しさえしてしまえば、後はどうにかなるはずだ。家族が健康でいてくれさえすれば、なんとかやっていけるだろうと思った。
僕にしてみれば、このまま都内で放射能に怯えて暮らしていくことは、まるで家族を人質にとられることのように思えた。
日々の食べ物をはじめ、子供の幼稚園での安全、原子力発電所のさらなる事故の可能性、いよいよ起こると言われている東南海地震の不安。
何をするにも、心のどこかに家族のことがひっかかっていれば、そのストレスに押しつぶされるのは時間の問題じゃないかと思えた。そうならないためには、この場所から離れなければならない。
原発から逃げるなら、東京を捨てて、家族が安心して暮らせる土地に引っ越すのだ。チャンスは今しかないと思った。
(中略)
夕方になって、引っ越し作業を一休みしている時に、クロネコヤマトの配達員が荷物を持って来た。
「いよいよ引っ越しですか」世田谷区若林周辺の担当が長い赤嶺さんは、日に焼けた健康的な顔でニコニコ笑っていた。
どんなに暑い日も、嵐のような雨の日も、イヤな顔ひとつせずにせっせと荷物を運んで来る働き者だ。荷物を持って来るたびに、たわいのない世間話をすることも多く、お互いのことをよく知る仲だった。
「はい、ついに明後日には引っ越します」
「神原さんとは、十年くらいのつきあいになりますか?」
「ここに引っ越す前の家に十三年くらいいましたから、ここと併せてかれこれ十五年くらいのつきあいですよ。いつも無理言って、ギリギリの時間に荷物を集荷してもらったり、ありがとうございました」
「いいんです。それが私の仕事ですからね。最初の頃は、神原さんは独身で、朝お伺いすると徹夜明けでぐったりしていたり、二日酔いでフラフラしてることが多かったですけど、いつの間にか四人家族ですもんね。ちゃんとお父さんの顔になっていますよ」
「子供が生まれて子供に時間をあわせるようになると、徹夜とか二日酔いはしてられなくなりました。赤嶺さんも結婚して子供が生まれて、今では立派なパパじゃないですか」
受け取った荷物の伝票にサインをして、赤嶺さんに渡す。
「ではまた、向こうに行ってもヤマトをよろしくお願いします」
赤嶺さんはいつものように一礼して、軽快な足取りで階段を駆け下りて行く。彼の後ろ姿を二階の玄関先から見送る。何か言葉をかけようか迷った。
僕は赤嶺さんに、引っ越しの本当の理由を話していなかった。近所の人や、よく行く商店街の女将さんたちには「放射能から逃げます」とはっきり伝えたのに、赤嶺さんには言えなかった。
僕が放射能を恐れて、できるだけ外に出ないようにしている間も、彼はいつもと変わらず一日中外にいて、荷物を運んでいたからだ。
僕が家で閉じこもっていられるのも、赤嶺さんのように放射能が舞い降りているなか、仕事をしている人がいるからだ。そんな人に、放射能から逃げますなんて面と向かって言うことはできなかった。
赤嶺さんもまた、引っ越しの理由を僕に問いかけてこなかった。たぶん、理由は分かっているのだろう。
だからこそ、彼の方も聞いてこないんだと思った。彼にも大切な家族がある。放射能への不安な気持ちは、彼もきっと同じはずだ。
僕は放射能から逃げ出して東京を離れる。赤嶺さんは、今日も人々のために荷物を運び続ける。家族はきっと心配な毎日を送っているだろう。
赤嶺さんが社会人として責務を果たし、黙黙として働く姿に頭が下がった。そして、東京から逃げ出す道を選らんだ自分の臆病さに鼻白んだ。
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まさお(秘密保護法廃案!) @mark_n_sophia
東京からの避難者が「東京のイメージダウンにつながる」と出版社から断られた「原発引っ越し」を、自費出版 http://bran7.net/archives/24611
岡山県などは特に移住の受け入れを積極的に行っているよ。
時間が経てば経つほど累積被曝は増す。被曝の怖い所はじわじわ人を壊していく事。
2013年12月15日 6:34 PM
「イメージダウン」という語が「風評被害」という語と同じ意味で使われていますね。
つまり,「嘘がばれる」という意味。
3.11後、岡山が移住先ナンバーワンに選ばれた理由
http://blog.livedoor.jp/home_make-toaru/archives/7454357.html
東京23区の汚染状態 キエフを越える
http://blog.livedoor.jp/home_make-toaru/archives/7450231.html
追伸
戸谷真理子 @irukatodouro
あーら、放射能大丈夫大丈夫いってた唐木英明氏、11年年末に倉敷に移住されておられたんですわね。 https://www.facebook.com/hideaki.karaki?fref=pb&hc_location=profile_browser … @hanayuu @kikko_no_blog
2013年12月15日 8:50 PM
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