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【栃木】「線量低下」誤解の懸念 那須塩原モニタリングポスト数値 周辺と落差
http://www.tokyo-np.co.jp/article/tochigi/20131211/CK2013121102000156.html
2013年12月11日 東京新聞
「この近辺で、こんなに低い数字はどこにもないですよ」
那須塩原市関谷地区にある市役所出張所「ハロープラザ」。地元の自治会組織「関谷・下田野地区 未来を考える会」の高田昇平会長(64)が、敷地内に設置された空間放射線量を測るモニタリングポストの前で、こうつぶやいたのが印象的だった。
東日本大震災の発生から千日が経過したが、同地区には今も多くのホットスポットが残っている。これまで取材した住民の話では、地域の放射線量はこの数値よりも高く、以前から違和感を抱いていた。そこで、今月初旬、高田さんらと一緒に現場へ向かった。
ハロープラザのモニタリングポストは、敷地内の南側にあった。敷地の外側には、あちこちに木の切り株があり、その奥にスギ林が広がっている。同会事務局長の平山徹さん(36)が「以前は敷地のすぐそばまで林が迫っていた。線量を下げるために伐採されたんです」と教えてくれた。敷地の地面も、線量低減を狙い、アスファルトの上から新しいアスファルトで覆っていた。
これらは市の除染による措置。市除染センターによると、ハロープラザには多数の人が出入りするため、昨年二月にアスファルトを上塗り。同三月にモニタリングポストが設置された後、同十二月にスギを伐採した。
記者が訪れた時、モニタリングポストの表示は毎時〇・一二九マイクロシーベルト(地上一メートル)と、国の基準値〇・二三マイクロシーベルトを下回っていた。
電光掲示板で赤く光る数字を見つめながら、ここへ来る途中に立ち寄った公民館での計測値を思い出した。
ハロープラザから小さな林を隔て、約百メートル東にある元町公民館。平山さんが、玄関前を地上一メートルの高さで線量を測ると、国基準の約二倍に当たる〇・四五マイクロシーベルトを計測。玄関脇の雨どい脇では、高さ五十センチで〇・七四マイクロシーベルト。雨どい直下の地表面では、一〇・三マイクロシーベルトもあった。「この地区はだいたい一緒。これが現実なんですよ」。平山さんの言葉が耳に重く響いた。
高田さんは「モニタリングポストの数値を基に『関谷地区は線量が低くなった』と思われ、住民の関心がなくなることが心配だ」と語る。県原子力災害対策室は「あくまでも、原発で再び事故などがあったときの線量の上がり下がりを見るためのもの。周辺地域一帯を代表する数値ではない」と説明している。
実態を反映しているとはいえないモニタリングポストの数値で、高田さんが心配するような誤解を招く側面はありそうだ。
ただ、そこから導かれる確かな事実も一つある。それは、除染をすれば、確実に線量は下がるということだ。
同地区は、小学校の敷地内や通学路でさえ、ホットスポットが残っている。これまでの取材で、観光地のため、放射能への不安を口にしにくい雰囲気があるとも聞いた。住民の関心を低下させるのではなく、「あの数値を目指そうよ」と、地域社会がまとまるための数値になることを願いたい。 (石井紀代美)
モニタリングポスト 主に東京電力福島第一原発事故後、空間放射線量を監視するため国や県が設置。県内は宇都宮、那須塩原、日光3市に2カ所ずつ、それ以外の市町に1カ所ずつ、計29カ所に置かれている。宇都宮市の1カ所のみチェルノブイリ原発事故後に設けられた。
数値は常時、原子力規制委員会のホームページで確認でき、新聞やテレビでも使用されてきた。
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東日本大震災、東京電力福島第一原発事故の発生から千日余りが過ぎた。県内では、多くの福島県民が避難生活を続け、放射線量の高い地域もいまだに残る。「3・11を決して忘れない」。そんな思いを胸に、記者が見たこと、聞いたこと、考えたことを、毎月十一日に伝えていく。
<モニタリングポスト> 主に東京電力福島第一原発事故後、空間放射線量を監視するため国や県が設置。県内は宇都宮、那須塩原、日光3市に2カ所ずつ、それ以外の市町に1カ所ずつ、計29カ所に置かれている。宇都宮市の1カ所のみチェルノブイリ原発事故後に設けられた。
数値は常時、原子力規制委員会のホームページで確認でき、新聞やテレビでも使用されてきた。
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