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特集・原発災害「復興」の影【 炉を廃する】1
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20131209-00010006-minyu-l07
福島民友新聞 12月9日(月)17時28分配信
作業員の質、力量低下深刻 放射線量加算で減る“熟練”
「これじゃあタンクは持たないだろうなと、建設当時から思っていた」。台風27号が接近し、東京電力福島第1原発は地上タンクから漏れ出た汚染水を海に流出させないための対応に追われる中、昨年12月まで同原発のタンク設置に携わった上地剛立(うえちよしたつ)(48)=沖縄県うるま市=はこう明かす。
1日のみの事前講習
上地は昨年7月から同原発に入った。以前の仕事はバス運転手。建設作業には素人だったが、事前講習は1日のみ、放射線に関する話が中心で、実際の作業の話はなかった。タンク底のコンクリート敷設、タンクの鋼板と鋼板をつなぐボルト締めや、ボルトの接合部の隙間を埋める防水、防さびの溶剤を塗り込む作業などを担当した。大まかなスケジュールは伝えられていたが、現場に行ってみると違う作業をやらされることも多かった。
土台部分に水たまり
タンクの土台となるコンクリートの敷設作業は、上地のような経験の浅い作業員が多かった。「こてを使い手作業でコンクリートの表面を平らにしていくが、実はでこぼこ。夏場はすぐにコンクリートが乾くため、むらがある部分にはひびも入った」と振り返る。作業当初、雨が降って土台部分にいくつもできた水たまりは今も脳裏を離れない。
経験の浅い作業員がタンクの内と外で働いているためトラブルも起こる。忘れられないのは8月22日の作業だ。タンク底部にコンクリートを敷設する作業をした。早朝からの作業で気温は30度を下回っていたはずだが、全面マスクに防護服で鋼板製のタンクに入ると、蒸すような暑さだった。作業を始めてすぐに、突然タンク内に「ガン、ガン、ガン」と爆音が響いた。上を見ると、タンクにふたを載せるためのピンを大型ハンマーでタンク上部に打ち付けている。音は鋼板の内側で何度も反響した。上部の人間に作業をやめるよう伝えようとしたが、全面マスクが邪魔をした。上地はこの日から、人の声が聞こえにくくなり、耳鳴りに悩まされるようになった。騒音による感音性難聴と診断され、5カ月で現場を離れた。
「現場がおかしい」という上地の思いは、大熊町出身で、事故前から全国の原発を転々としてきた佐藤重朋(34)=仮名=も同じだ。佐藤は作業員の質、力量の低下が深刻と指摘する。
地上タンク「漏れるよね」
作業員の年間被ばく線量の上限は50ミリシーベルトで、これを超えると現場で働けない。事故前からの作業員は技術が高く、現場で重宝がられるため、放射線も多く浴び、働けない時期が生じる。このため自然と廃炉の現場からはベテランが減り、素人が増える。「タンクの鋼板をつなぐボルトは何本かを交互に締めて調整するのが常識。しかし今の人たちは一本一本、順番にきつく締めちゃう。そりゃあ隙間ができるし、水も漏れるよね」(文中敬称略)
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福島第1原発事故は、汚染水問題の深刻化で迷走の度を深めている。作業員や東電、関係機関など同原発をめぐる人々の思いを通して廃炉の現在を考える。
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