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原発「再稼働推進」を明記=依存度は低減へ―エネルギー計画原案・経産省
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20131206-00000158-jij-pol
時事通信 12月6日(金)19時16分配信
経済産業省は6日、政府の中長期のエネルギー政策の指針となる「エネルギー基本計画」の原案をまとめた。原発を電力安定供給で基礎的な役割を果たす「重要なベース電源」と位置付けた上で、安全確保を前提に「再稼働を進める」と明記。その上で、原発依存度は太陽光発電など再生可能エネルギーの導入を通じて「可能な限り低減させる」との方針を盛り込んだ。
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基本計画 原発再稼働に前向き
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20131206/n62313910000.html
12月6日 19時10分 NHK
経済産業省の審議会は政府が策定を進めている新しい「エネルギー基本計画」の素案をまとめ、この中で原子力発電については「重要なベース電源」と位置づけました。一方で、原発の新設や増設などについては言及しませんでした。
経済産業省で開かれている「総合資源エネルギー調査会基本政策分科会」で示された「エネルギー基本計画」の素案では原子力発電について、依存度を可能な限り低くするとしながらも安定供給、コスト低減、温暖化対策の観点から、安全性の確保を大前提に引き続き活用していく「重要なベース電源」と位置づけています。「ベース電源」とは電気を一定量、安定的に供給する電源を意味し、こうした文言を盛り込むことで原発の再稼働に前向きな姿勢を示しました。
去年9月に民主党政権がまとめたエネルギー政策では「2030年代に原発稼働ゼロを可能とするよう、あらゆる政策資源を投入する」としていましたが、素案ではこうした政策からの転換を明確にしています。
また、前の政権でまとめた政策では「原発の新設・増設は行わない」としていましたが、素案では原発の新設や増設、建て替えについては言及しませんでした。全体の電力供給に占める電源別の構成比率についても現時点で原発の再稼働が見通せないことから示しませんでした。
さらに、原子力発電所を運転したあとに残る高レベル放射性廃棄物、いわゆる「核のゴミ」の処分について、「国が前面に立って最終処分に向けた取り組みを進める」とし、最終処分場の候補地を自治体からの公募に頼るこれまでの方法を改め、科学的な根拠に基づいて処分場に適した地域を示すなど国が主導して問題に取り組む姿勢を明確にしました。
一方、太陽光や風力といった再生可能エネルギーについては、温室効果ガスを排出しない、有望な国産エネルギーだとして今後3年程度、導入を最大限加速していく、としています。
政府としては審議会での今後の議論や与党などからの意見を踏まえた上で、年明けに「エネルギー基本計画」を閣議決定することにしています。
【エネルギー基本計画とは】「エネルギー基本計画」は、法律に基づいて国の中長期的なエネルギー政策の基本的な方針を示すものです。
計画の策定に当たっては経済産業省の審議会、「総合資源エネルギー調査会」の意見を聴いたうえで、閣議決定します。
政府は少なくとも3年ごとにエネルギー基本計画の検討を行い必要な場合は計画を変更することになっています。
現在のエネルギー基本計画は、震災前の平成22年に閣議決定されたものですが、原発事故を受けて去年9月、(H24年)当時の野田政権が2030年代に原発稼働ゼロを可能とするよう取り組むと関係閣僚による会議で決定したあとは、計画策定に向けた審議会での議論が中断していました。その後、安倍政権に政権交代したことで、ことし3月から議論が再開し、エネルギー政策の見直しに向けた議論が続けられています。
【原発どう位置づけられてきたか】エネルギー政策基本法に基づく最初の「エネルギー基本計画」は平成15年に策定され、その後、2回改定されましたが原子力発電はそれぞれ「基幹電源」「基幹エネルギー」と位置づけられていました。
このうち、原発事故前の平成22年に閣議決定された今の「エネルギー基本計画」では、原子力は、供給安定性・環境適合性・経済効率性を同時に満たす中長期的な基幹エネルギーとされています。この計画では、安全の確保を大前提として、国民の理解と信頼を得つつ、原発の数を2030年までに少なくとも14基以上を増やすとともに、利用率を引き上げることで発電量に占める原発の割合を2030年に向けて当時のおよそ3割からおよそ5割に引き上げると見込むなど原発の積極的な推進を打ち出しています。しかし、原発事故を受けて、去年9月(H24年)、当時の野田政権は関係閣僚による会議で新たなエネルギー政策である「革新的エネルギー・環境戦略」をまとめます。
この中では、「原発に依存しない社会の一日も早い実現」を掲げ、「2030年代に原発稼働ゼロを可能とするようあらゆる政策資源を投入する」と明記し、エネルギー政策を大きく転換させます。具体的には、原発の運転を開始から40年に制限し、原発の新設や増設は行わない、それまでの間については、原子力規制委員会が安全性を確認した原発については重要電源として運転を再開する、などとしています。
【再稼働の見通しは】国内の原発50基を巡っては、14基が運転再開の前提となる国の安全審査を受ける一方で、老朽化した原発の中には今後、廃炉を選択するものもあるとみられ、最終的に何基が稼働するのかは見通せない状況です。
原発の新しい規制基準がことし7月に施行されて以降、北海道電力の泊原発、関西電力の大飯原発と高浜原発、四国電力の伊方原発、九州電力の玄海原発と川内原発、それに東京電力の柏崎刈羽原発の合わせて7つの原発の14基が、原子力規制委員会の安全審査を受けています。
しかし、いずれも地震や津波の想定の甘さを指摘されたり、資料の提出に手間取ったりしているため、審査が終わるのは、開始から半年後となる来月半ばよりもあとになる見通しです。
一方で、ことし7月には、原発の運転期間を原則40年に制限し、一定の条件を満たした場合に限り20年までの延長を認める制度がスタートしました。ただ、延長する場合は、原子炉などの劣化状況を詳しく調べることが義務づけられているほか、運転開始が昭和54年より古い13基の原発は、全長2千キロにも及ぶとされる、施設内の電気ケーブルについて、安全性の確認や交換が求められ、延長は容易ではありません。
このため老朽化した原発の中には今後、廃炉を選択するものもあるとみられ、50基のうち最終的に何基が稼働するのかは見通せない状況です。
【新設・増設の具体的方針なく】今回の素案には、民主党政権がまとめた、「原発の新設・増設は行わない」という方針は盛り込まれず、今後の原発の建設に含みを持たせていますが、全体の電力供給に占める原発の構成比率が示されない中で、新設や増設の具体的な方針もなく原発の位置づけにあいまいさが残る計画になっています。民主党政権が3年前にまとめた前回のエネルギー基本計画では、「2030年までに全国で原発14基以上を新設したり増設したりする」となっていました。この中には、建設中の島根県の島根原発3号機や青森県の大間原発をはじめ、福井県の敦賀原発3号機4号機のほか、おととしの原発事故のあと計画が中止された、福島第一原発7号機8号機も含まれていました。
民主党政権は原発事故のあとの去年9月にまとめたエネルギー政策で、「2030年代に原発ゼロを目指す」として、「原発の新設・増設は行わない」という方針を盛り込みました。
これに対し今回の素案では、こうした方針は盛り込まれず、将来にわたる原発への依存度について、「必要とされる規模を確保する」としていて、今後の原発の建設に含みを持たせています。しかし、全体の電力供給に占める原発を含む電源別の構成比率が示されないなかで、新設や増設の具体的な方針もなく原発の位置づけにあいまいさが残る計画になっています。
背景には、経済界などに「一定の規模の原発を維持するためには建て替えが不可欠だ」とする意見がある一方、原子力規制委員会による審査でどれだけの原発の運転再開が可能になるか見通せないといった事情もあります。茂木経済産業大臣は、6日の会見で原発の構成比率の決定について、「原発依存度は可能な限り引き下げるという公約は変わらない。
今の段階で数字として具体的に示すのは難しいが、実現可能な状況が見えれば前倒ししていきたい」と述べ、比率の検討を急ぐ考えを示しました。
【核のゴミ処理実現は不透明】今回の素案では、高レベル放射性廃棄物、いわゆる核のゴミの処分について、国が前面に立って取り組みを推進するとしていますが、原子力を進めてきた国への信頼が揺らいでいるなかで、原子力最大の課題とも呼ばれる核のゴミの処分を実現する見通しは立っていません。
国は「核のゴミ」を、地下深くに造る処分場に埋める計画で、11年前(H14年)から公募で候補地を探していますが、現在、手を挙げている自治体は1つもありません。
今回の素案では、ことし5月から続けてきた専門家会議での議論を基に、国が前面に立って取り組みを推進するとし、その際、国が科学的に処分場に適した地域を示すことや、多様な立場の住民が参加する地域の合意形成の仕組みを作ることなどが盛り込まれています。しかし、専門家からは、地震や火山活動が活発な日本で、核のゴミの処分に必要な、数万年以上安定した地層を確認することは難しいという指摘もあります。また、東京電力福島第一原発の事故で、原子力をこれまで「安全だ」として進めてきた国への信頼は揺らいでいます。
素案では、国民や自治体との信頼関係構築に向けて、国がきめ細かな広報を行うことなどを挙げていますが、国民の合意を得て原子力最大の課題とも呼ばれる核のゴミの処分を実現する見通しは立っていません。
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