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復興を問う:消えた法の理念4 帰還促進、圧力強く
http://mainichi.jp/shimen/news/20131205ddm041040056000c.html
毎日新聞 2013/12/5
◇自主避難者向けの施策なおざり
「子ども・被災者生活支援法」の基本方針が閣議決定された10月11日の午後、根本匠(たくみ)復興相は記者会見を終えると、そのまま千葉市にある放射線医学総合研究所(放医研)に向かった。年間累積放射線量が20ミリシーベルトを下回った地域なら安心して暮らせると、避難者に説明できるよう「学習」する目的だった。
関係者によると、低線量被ばくを研究する放医研の酒井一夫・放射線防護研究センター長らが対応。根本氏は、支援法が年20ミリシーベルトを下回る地域からの自主避難者でも支援する根拠として「放射線の健康影響は科学的に十分に解明されていない」と条文に記していることに触れ、「低線量被ばくへの十分な理解が得られていない」と疑問を述べたという。
これに対し、酒井氏は低線量被ばくのリスクについて「統計学的に結論は出ていない。逆に言えば、リスクがあってもその程度ということだが、放射線防護の立場からは(線量と比例して)直線的にリスクは高まるという仮説を立てている」などと説明した。根本氏は釈然としない表情を浮かべ、30分ほどで放医研を後にした。
政府は来春以降、福島県の田村市都路(みやこじ)地区や川内村東部の避難指示を解除する方向で準備している。環境省は新型の個人線量計を約2万台購入し、帰還住民らに配布する予定だ。住民自身が1時間ごとに被ばく量を正確に把握でき、被ばくの低減につながるとされる。
この個人線量計ではある実験も行われた。9月17日、川内村の川内中学校。高さ約30センチのアクリル箱に線量計を取り付け、校長室と校庭に丸1日置いて累積線量を計測した。その実測値と、これまで避難指示などの判断の基となってきた空間線量からの推計値との差を比較する。
実験は内閣府原子力被災者生活支援チームと復興庁の指示で、日本原子力研究開発機構と放医研が川内村のほか、田村市と飯舘村でも実施した。今後データを公表予定だが、個人線量計の実測値は空間線量より低く出る。支援チームで担当する田村厚雄参事官は「住民の安心につなげたい」と期待を込める。
取り組みの背景には帰還が進まないことへの危機感がある。川内村のうち線量が比較的低い西部は2011年9月、緊急時避難準備区域指定を解除され、遠藤雄幸村長は12年1月、「帰村」を宣言した。だが今年10月1日時点で、住民2794人のうち避難先を引き払って完全に帰村したのは535人にとどまる。
支援法の基本方針で、自主避難者向けの施策は4件に過ぎず、条文の理念はうやむやになった。夫(41)や子ども2人と川内村から実家のある岡山市に避難している大塚愛さん(39)は、割り切れなさを感じる。避難指示解除後も「除染には限界がある。子どもの健康が心配」と帰村をためらう。「戻りたい人の支援は大事だが、避難を続けたい人の選択肢を奪わないでほしい」=つづく
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