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復興を問う:消えた法の理念3 裏会議、議論すらせず
http://mainichi.jp/shimen/news/20131203ddm041040065000c.html
毎日新聞2013/12/3
◇「支援法線量基準、政権に迷惑」
「できもしないことを勝手に書くな」。今年7月、内閣府原子力被災者生活支援チームが作成した資料に目を通した環境省の担当者はいら立ちをぶちまけた。資料は「追加被ばく線量年1ミリシーベルト以下」の目標に向け、東京電力福島第1原発事故による放射能汚染地域の除染の加速を強調した内容だった。会議室に集まっていたのは、「線量基準」という共通の課題を抱える関係省庁の課長・参事官級職員ら。「『除染を進めます』と書くだけでは格好つかないから仕方ない」。周りはそう言ってなだめた。
根本匠(たくみ)復興相が「線量基準とそれに応じて講じる防護措置」について「対策本部において議論し、年内をめどに一定の見解を示してほしい」と読み上げた3月の原子力災害対策本部会議後、同会議の裏でこの会合はひっそりとスタートした。避難指示解除担当の支援チーム、「子ども・被災者生活支援法」担当の復興庁、除染担当の環境省に原子力規制委員会が加わった。
毎日新聞は会合の議事録や資料を情報公開請求した。だが主催する復興庁は「議事録は作っていない」。開示されたのは4〜8月の計7回の出席者名と一部の議事次第だけで、配布資料約150枚は全て黒塗りだった。
「裏会議」では何が話し合われたのか。関係者によると、最初の頃はそれぞれの取り組みを紹介しただけだった。7月に入った頃からは冒頭のような言い争いが目立った。支援法で対象地域を線引きする線量基準など、議論もされなかった。
関係者は、避難指示基準(年20ミリシーベルト)を重視する国の立場から「新たな基準など作りようがなかった。政権に迷惑が及ぶので参院選(7月21日)終了を待って議論することになった」と明かす。
7月以降、この会合と別に関係省庁の上層部が話し合い、年20ミリシーベルト以下に線量が下がった地域では来春の帰還を避難者に促す一方、線量が高く帰還が難しい地域は明確に示すという「大方針」が固まった。年20ミリシーベルトを下回る地域でも避難するかとどまるかによらず等しく支援する支援法の理念は、この時点で骨抜きにされ、新たな基準作りの余地はなくなった。
支援策を盛り込んだ支援法の基本方針案が8月、関係省庁に届いた。規制委関係者は線量基準が具体的に示されていないのを確認し、ほっと息をついた。「これでうちはもう支援法と関係ない」
根本復興相は8月30日、基本方針案を公表した。支援地域は福島県内33市町村に限定され、全119施策中、自主避難者向けはわずか4施策にとどまった。
規制委の「帰還に向けた安全・安心対策に関する検討チーム」の初会合が9月17日に東京都内で開かれた。正面から向かって右側の席に並んだのは、関係省庁の課長たち。直後、関係者に「まだ裏会議をやっているのか」と尋ねた。「いや、もう表の会議が始まったからその必要はない」=つづく
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