http://www.asyura2.com/13/genpatu34/msg/878.html
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大熊町のサイトに和解事例が公開されている。
http://www.town.okuma.fukushima.jp/?page_id=15641
文部科学省のサイトへのリンクだ。
それを見ると賠償の過酷さがよく分かる。
3つ例を上げて、その後に感想をつけます。
1.本件事故当時、埼玉県に居住し、転居予定の家屋を、いわき市に所有していた申
立人らが、精神的損害、放射線の検査費用の損害賠償を求めた事例。http://www.mext.go.jp/component/a_menu/science/detail/__icsFiles/afieldfile/2012/12/20/1329148_017.pdf
(1)損害項目
@ 精神的損害(ただし、申立人らがいわき市に所有する家屋を利用す
ることを控えざるを得ないことによる精神的損害に限る。)
A 検査費用
(2)期間
平成23年3月11日から本和解成立日まで
2 和解内容
(1) 被申立人は、申立人らに対し、前項(1)の損害項目@(ただし前項(2)の
期間に限る。)についての和解金として、金12万8000円の支払義務のあ
ることを認める。
(2) 前項(1)の損害項目Aの損害項目について、申立人らは、その請求を取り下
げ、今後当該費用を被申立人に請求しない。
2.本件事故当時、大熊町に居住していた申立人らが、避難費用、精神的損害、
財物損害(自宅建物・自動車)、ペット(猫)死亡の慰謝料等の損害賠償を
求めた事例。 http://www.mext.go.jp/component/a_menu/science/detail/__icsFiles/afieldfile/2012/12/20/1329148_001.pdf
2 和解金額
(1)被申立人は、申立人X1に対し、別紙一覧記載1の各損害項目に係る和解金
として、合計金21,388,822円の支払義務のあることを認める。
(2)被申立人は、申立人X2に対し、別紙一覧記載2の各損害項目に係る和解金
として、合計金1,738,228円の支払義務のあることを認める。
(別紙)
損 害 項 目 一 覧
1 申立人X1
(1) 交通費(避難費用) 金16,000円
(2) 交通費(一時立入費用) 金82,000円
(3) 宿泊費(一時立入費用) 金12,600円
(4) 治療費、薬代(生命・身体的損害) 金4,140円
(5) 引っ越しタクシー代(避難費用) 金6,720円
(6) 精神的損害 金1,420,000円
(7) 建物(区域内の財物) 金13,397,128円
但し、別紙物件目録記載の建物
(8) 家財(区域内の財物) 金4,750,000円
(9) 自動車 金550,000円
但し、別紙物件目録記載の自動車
(10)家財等生活用品購入費 金463,603円
(11)ペット(猫)死亡の慰謝料 金50,000円
(12)生活費増加分(避難費用) 金6,416円
(13)避難に伴う慰謝料等(避難費用) 金7,240円
(14)弁護士費用 金622,975円
2 申立人X2
(1) 交通費(避難費用) 金16,000円
(2) 交通費(一時立入費用) 金28,000円
(3) 宿泊費(一時立入費用) 金12,600円
(4) 給与等の減収 金135,000円
(5) 精神的損害 金1,420,000円
(6) 生活費増加分(避難費用) 金26,000円
(7) ペット(猫)死亡の慰謝料 金50,000円
(8) 弁護士費用 金50,628円
以 上
3.本件事故当時、福島市に居住していた申立人らが、避難費用、生活費増加
費用、精神的損害等の損害賠償を求めた事例。
http://www.mext.go.jp/component/a_menu/science/detail/__icsFiles/afieldfile/2012/12/20/1329148_012.pdf
1 和解の範囲
申立人らと被申立人は、本件に関し、下記の損害項目について和解するこ
ととし、それ以外の点については、本和解の効力は及ばないことを相互に確
認する。
記
損害項目 避難費用、生活費増加費用、就労不能損害、財物価値喪失・
減少損害及び精神的損害
期 間 本件事故発生から平成23年12月末まで
2 和解金額
被申立人は、前項記載の損害項目及び期間についての和解金として、申立
人X1及び同X2に対してそれぞれ金8万円、申立人X3及び同X4に対し
てそれぞれ金60万円の支払義務があることを認める。
**********************************
1.の例は埼玉県に住んでいて、いわき市に住宅を所有し、そちらへ引っ越す予定だった例だ。いわき市の住宅がどういう状況なのか書かれてはいない。しかし、多分、定年退職後の生活を田舎で過ごすことを予定していたというようなことのはずだ。埼玉の居住をそのまま何の支障もなく継続できているのかどうかも分からないが、ともかく、移住するという人生の一大プランを12万8000円でチャラにされている。しかも、「今後当該費用を被申立人に請求しない」という条件付きだ。
2.こちらは大熊町だから、地域全体が高線量汚染され、家屋敷全体が居住不能の例だが、2138万円と173万円だ。一家で2300万円程度だが、この中に建物と家財道具一式や車など動産がすべて含まれている。そして、どのような建物だったのかの内容は全く公開されていない。床面積とか築年数とか、または家電でどこのメーカーの何年前に購入したテレビはどの程度の賠償になるかなどは公開できると思うがどうなのだろう。賠償を受けた人によっては公開を嫌がる方もいるだろうが、積極的に公開をしてくれと言う方もいるはずだ。希望を取ってなるべく詳しく賠償額を公開することをやるべきではないだろうか。
3.これを見ると、福島県内から他県への避難がなぜなかなか進まないのかがよく分かる。多分、両親と子供二人と言うことだろうと思うが、3月から12月いっぱいまでの引っ越し費用や就労不能損害、精神的損害までを含んだ金額だ。これで一家4人が136万円。10か月と見てひと月あたり14万円弱だ。しかもこれは事故直後の金額だから、今後の期間はより減額されていくのだろう。
こういった賠償金額が妥当だとはなかなか思えない。更に、こんな損害が発生することが自分の地元で起こったらと考えると、原発は早急に廃炉にしていただくしかないと思う。
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