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原発は無限に被曝者を生む
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2013年11月23日 鎌田慧ブログ〜その仲間たちが作る
■被曝量までウソ
1999年9月30日、茨城県東海村の核燃料加工会社「ジェー・シー・オー(JCO)東海事業所」で、核分裂反応が連続する臨界事故が発生した。
青い閃光が走った、という。
この事故で2人の労働者が放射能被曝で死亡した。
被曝したのは従業員だけではない。この事故による被曝者を、国は周辺住民も含めて667人と認定した。ただ住民らの健康被害については、「急性の身体的な影響はなく、発ガンなどの長期的な影響も検出されない」と、国の健康管理検討委員会は結論づけた。
ところが大阪府松原市の阪南中央病院が独自に220人を調査した結果、国の調査より高い線量が検出されたことがわかった。その値は最大で181ミリシーベルト、50ミリシーベルトを上回る人も5人いた。
181ミリシーベルトとなれば、福島原発の事故前の作業員の被曝線量上限である、100ミリシーベルトを上回っている。
検査した医師は朝日新聞の取材に「国の調査は被曝を意図的に過小評価している。心的外傷後ストレス障害(PTSD)なども含め、住民らは明確な被害者だ」(02年9月2日)と答えている。実際に原因不明の健康被害に悩む地域住民がいるのだ。
そもそも、これだけの人数の被曝者を出したのは、国や地方自治体が住民への避難指示を出さなかったからだ。施設から350メートルの住民に避難の指示がでたのは、事故が起こってから約4時間半後。半径10キロ以内の住民に、自主的な屋内待避を求めたのも、事故後12時間を経過してからだった。
しかも、この事故から10年目の09年5月、被曝による健康被害を受けたとしてJCOを訴えた夫婦に、東京高裁は、「被曝により悪化したという高度の蓋然性はない」と、下痢や口内炎などの身体不調はもちろん、PTSDまで一切を認めなかった。
その4ヵ月後の10年5月には、最高裁が上告を棄却して判決が確定した。
住民への避難指示の遅れ、被曝量の測定の操作、健康被害を認めない裁判など、福島原発の事故でも繰り返される可能性は高い。この国家の姿勢は許せない。
このJCO事故で大量被曝した労働者の大内久さんは、99年暮れに、ついに多臓器不全で死亡した。この報道を子細に読むと、大内さんは苦痛を和らげるために鎮静剤で意識をもうろうとさせられていたことがわかる。熱で傷をうけた皮膚からは大量に体液が流れだし、そのために輸血や輸液、さらに弱った心臓の機能を維持するための処置をつづけながら、かろうじて生命を維持していた。
そして、ついに被曝から83日目、12月21日に死亡した。
旧ソ連のチェルノブイリ原発事故の治療にあたった医師など、各国の医師を集めた医師団による世界的規模の治療は、事故のほとぼりがさめるまで、大内さんの死の瞬間をただ先延ばしにしていたようなものだった。しかもそれは被曝者の治療の実験場でもあった。(注)
45年のヒロシマ・ナガサキへの原爆投下、54年の第五福竜丸事件と、核兵器のおそろしさを日本人はイヤというほど味わった。
そのあとに「平和利用」といわれて登場した原発だが、ついに日本の原発でも死亡事故が「公式」に発生、さらに04年8月、福井県美浜原発3号炉の復水管が破断、熱蒸気噴出で5名死亡、6名重大傷、そしてフクシマですでに2名死亡、3名重傷、これからの被曝労働者はどれほどになるか、まったく不明である。
もちろん原発関連の死者は、大内さんがはじめてではない。慢性被曝によって、これまでも原子炉の定期点検に従事した下請け労働者が大量に被曝し、その因果関係を明確にできないまま死亡している。
おそらく、これからフクシマでは、多くの被曝労働者が、労働災害認定の訴えを起こすことになるだろう。
『原発暴走列島』ASTRA,2011年5月
写真= 日本原子力研究開発機構の大洗研究開発センターにある「常陽」Copyright © 国土画像情報(カラー空中写真) 国土交通省
(注)……大内さんの治療にかんしては、以下のアドレスを参照してください。
http://kiikochan.blog136.fc2.com/blog-entry-649.html
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