アメリカNRC最高決定機関・時系列議事録

日本政府にない福島第１事故の議事録、米国が保有 アメリカ情報公開法で公開
http://echo-news.net/japan/usnrc-disclosed-fukushima-criss-proceedings
2013年11月19日12時17分　エコーニュース

福島事故直後に、日本政府が作成していないと発表していた議事録を、米国政府が作成していたことが判明しました。アメリカ連邦情報公開法に基づく開示決定で、本紙編集長の江藤貴紀などに公開しました。
http://www.asahi.com/special/10005/TKY201201240551.html

さらに、米国NRCは、別の文書も情報公開。近藤駿介氏の１５３５本の燃料棒が溶融するとされる最悪シナリオよりも多い２０００本以上の燃料棒が９６時間以内に溶ける事態を想定していたことも判明。加えて、同心円上ではなく風向きまで考慮したより危険な内容となっています。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/feature/nucerror/list/CK2012011202100005.html

http://echo-news.net/wp-content/uploads/2013/11/%E3%82%B9%E3%82%AF%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%83%B3%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%83%E3%83%88-2013-11-19-0.52.03.png
（この画像全文は、ここをクリックしたリンク先の７、８ページ目を参照してください）

加えて、同文書によると米国NRCは、３月１８日時点ですでに１号機から６号機まで全ての炉心が損傷中と認識しており、９６時間の経過後にも福島第一にある約１５０００本の燃料棒から、放射性物質の放出が続くことを予想していたと思われます。

http://echo-news.net/wp-content/uploads/2013/11/%E3%82%B9%E3%82%AF%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%83%B3%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%83%E3%83%88-2013-11-16-22.39.43.png
（当時のNRCによる炉心状況の認識。全ての炉心が「dameged」（損傷している）との記載です。）

これには　「OFFICIAL USE ONLY」（部外秘） と記載されており、極めて重要な文書として取り扱われていたことが分かります。

そして懸案の議事録は３月１１日の事故発生直後から３月２０日までを詳細に記載した内容で、全文は４３ページ。情報源とその入手時間が秒単位で記載されて、細部まで事細かに記述された内容となっています。

http://echo-news.net/wp-content/uploads/2013/11/%E3%82%B9%E3%82%AF%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%83%B3%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%83%E3%83%88-2013-11-16-22.41.51.png

（議事録全文の参照にはこちらのリンクをクリックしてください）
http://pbadupws.nrc.gov/docs/ML1212/ML12122A950.pdf

ここでは、さらに強調して文書に大きなスタンプで NOT FOR PUBLIC DISCLOSURE （絶対に公開禁止）と記載。米国政府、原子力規制委員会の中でも極秘クラスの文書として慎重に取り扱われていたことがうかがえます。

注：２０００本という計算は日本政府がIAEAに出している報告書にある燃料棒の数（下）と、２枚目の画像にある燃料棒の溶融率の式で求められます。

http://echo-news.net/wp-content/uploads/2013/11/%E3%82%B9%E3%82%AF%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%83%B3%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%83%E3%83%88-2013-11-18-2.34.06.png

しかし、この議事録問題は日本政府や原子力産業の「隠蔽体質」のみが問題なのでしょうか。ちょっと次のページで考えてみましょう。

日本政府にない福島第１事故の議事録、米国が保有 アメリカ情報公開法で公開
第三国の記録の方が、歴史上一般に信用できる

一般にですが、国家規模の事件になるとその国の記録は余り信用できないことがままあります。これは、当事者であるので責任問題やその他の考慮が働いて、中立的な証拠が残し難くなる訳です。ちょうど裁判で、原告や被告、あるいは刑事の被告人・本人の証言よりは中立的な第三者の目撃証言の方が当てになって証拠としての価値があるのと同様です。（もっとも第三者といっても思惑が色々あって証言をねじ曲げることはありますが）

ですので私は、今回の福島事故議事録問題が日本政府固有の隠蔽体質によるものだとは思いません。アメリカだってーーースノーデン事件を観れば分かる様にーーー各種の不正行為と秘密主義が政府機関と関連産業の内部にあります。だから日本だけが特別に酷い国と言う訳ではないのです。

ただ一般論に立ち返って、なるべく他国の証拠にも当たってみるというのはより的確なアプローチと考えて、アメリカ政府資料を弊社では重要視して収集している訳です。

（編集長　江藤貴紀）

コメント
01. 2013年11月21日 01:45:02 : pEJb7rR53o 秘密保護法案が通ればオレも苦手な英語その他の外国語は欠かせないな。 日本語では何も発表されなくなるからな。
02. 2013年11月21日 06:54:01 : ZRdJxdCUk6 01)の方、グーグルトランスレーションがありますよ。少し変な日本語にはなることがありますが大まかな要点は理解が容易です。そのうちに、翻訳機能も改善されて来ると思います。ドイツのテレビ局は福島について時折、確信をついた報道をしています。
03. 2013年11月21日 08:43:09 : heVtmrgEsA 政治家では、安倍普三、小泉純一郎、小泉進次郎、麻生太郎、中曽根康弘、浜田和幸、長島昭久、前原誠司、玄葉光一郎、長浜博行、樽床伸二、渡辺恒三、江口克彦がCIAだと知られている。 創価学会は、CIAからの政治資金を自民党に流すと同時に、創価会館に名を借りてCIAの事務所・拠点を建設している。 政府は、外国諜報機関の手先と化した日本政府の実態を覆い隠すために、秘密保護法案を成立させたいのであろう。 つぎのように、エリート公務員にも創価学会がたくさんいる。 検察官１００人／１０００人 裁判官１００人／１０００人 [１２削除理由]：重複コメント
04. 2013年11月21日 09:10:56 : Gq7D3YhekU 少し読んでみましたが、重要な文書だと思います。 エコーニュースでpngで示されている文書には、「２号機から２５％の放射性物質が大気中に放出された。また３号機使用済み燃料プールから５０％の放射性物質が大気中に放出された」とあります。 この投稿と合わせて読むと、３号機使用済み燃料プールで、即発臨界爆発が起きたことに疑いがなくなります。 ＞政府よ！これは≪核燃料棒≫ではないのか？！ （大山こういちのブログ）　 http://www.asyura2.com/13/genpatu34/msg/775.html
05. 2013年11月21日 09:59:36 : heVtmrgEsA 福島原発において、電気を必要としない「蒸気タービン駆動の非常用炉心冷却装置」は地震で破損していた疑いがある。 事故当時、２号機では３日間、３号機では1.5日間、「蒸気タービン駆動の非常用炉心冷却装置」で炉心に水を注入し続けていたが、それが機能しなくなり炉心メルトダウンに至っていた。 原発の安全性について、地震の少ないヨーロッパと地震大国の日本を同じ土俵で論じることは出来ない。 たとえ核廃棄物処分場が決まったとしても、地震大国の日本で原発を動かすことは、安全保障上も不可能である。 [１２削除理由]：重複コメント
06. 2013年11月21日 13:56:12 : vpmOF43VRA ＞05 原発の安全性について、地震の少ないヨーロッパと地震大国の日本を同じ土俵で論じることは出来ない。 たとえ核廃棄物処分場が決まったとしても、地震大国の日本で原発を動かすことは、安全保障上も不可能である。 全く同意する。 今年３月１２日の国会（予算委員会）において、田中原子力規制委員長が、みんなの党の杉本かずみ議員の活断層の定義に関する質問に対し「日本では原発の立地として欧米並みの基準を適用したら、動いていないところはない」と口を滑らした。 http://www.shugiintv.go.jp/jp/index.php?ex=VL&deli_id=42490&media_type=fp （７：１４：３０あたりから参照） IAEAの基準で容認されていると説明しているが、すなわち、この日本という地震の巣の上に、欧米に比し甘い基準で５４基もの原発を建設してきてしまったと言っていることに等しい。 この答弁について、メディア数社に報道を促したが報道されていない。
07. 2013年11月21日 16:10:57 : 3nxUU5BxsI 　日本政府が隠蔽したのはいつもの事だが、なぜアメリカが？　盗聴してたのか？
08. 2013年11月21日 16:19:20 : 3nxUU5BxsI 　日本政府が隠蔽したのはいつもの事だが、なぜアメリカが？　盗聴してたのか？ 　沖縄返還付帯の密約も、アメリカ公文書に存在するのに、日本政府は「無い」と言っている。 　嘘つきは日本政府の始まり。 　特定秘密保護法でその嘘もつく必要がなくなるのだな。
09. 2013年11月21日 18:05:01 : FfzzRIbxkp この議事録の全文が日本語訳できるといいのですが。 日付から疑問なんです。 ２０１１年３月１１日。　地震発生は午後14時46分。 この議事録の日付の始まりが、 ２０１１年３月１１日の　午前10時51分。 日米の時差ですか？ だけど日本時間の14時46分は、米国だと22時から深夜なんです。
10. 2013年11月21日 18:29:30 : t4MV3tdAT2 時刻は、米国東部時間で記録されています。 午前１０時５１分は、日本時間では、３月１２日、０時５１分です。 福島第一原発の吉田所長は、２号機の溶融核燃料が、３月１１日２３時５０分頃には、圧力容器を破ることを予測していた。 http://www.asyura2.com/13/genpatu32/msg/444.html#c3

11. 2013年11月29日 22:50:57 : dtUCGvN8dY 自国の事を自分達でできない子供の国。 責任職に付いていて責任を取ろうともしない連中。 枝野　幸男は言った。緊急だったから議事録を取れる状況になかった、と。 個人商店じゃあるまいし。国家としての役割分担というものがあるだろうに。 >>日本政府が隠蔽したのはいつもの事だが、なぜアメリカが？　盗聴してたのか？ 日本、東電は日本人には知らせずに、アメリカには逐一報告していた、と言う事。 アメリカとIAEAに報告しておきながら、日本人の事など二の次だったわけよ。 あれだけ自民をこき下ろしていた民主党政権でだ。もちろん官僚どももグルだ。 なんとも腐った国だ。
12. 2013年11月30日 00:33:27 : dtUCGvN8dY >>アメリカだってーーースノーデン事件を観れば分かる様にーーー各種の不正行為と秘密主義が政府機関と関連産業の内部にあります。 たしかに。でも自称世界の警察官を名乗っているアメリカにとっては情報の量は日本の比ではない。アメリカの良い点は、何年かしたら情報を公開する、と言う事。 2000年5月25年間の秘密指定が解かれたアメリカ公文書類の中に、沖縄の密約を裏付ける文書を発見。アメリカの役人も「そうだよ」と気軽に喋っていた。 日本の当時の事務次官も認めた。日本政府はいまだに認めない。知らぬ存ぜぬだ。 この差なんだよ。年金だって同じだ。責任を取らないんだよ。誰も。
13. 2013年12月01日 16:24:23 : dtUCGvN8dY >>08 日本政府が隠蔽したのはいつもの事だが、なぜアメリカが？　盗聴してたのか？<< いや、日本政府は米国大使館と米軍に真っ先に連絡した。 状況と支援両方。 日本国民にはあいかわらず、ただちに、ただちに、だ。なんなのこの差は？ 議事録を取ってなかった、というのは嘘。　米軍からも専門家が行って、細かく 情報を収集し議事録を作っていた。それが今回発表されたもの。 議事録を取っていないなんてIAEAが黙っていないし、天野さんはIAEAの委員長だ。 ようするに、誰も責任を取りたくないから逃げているだけ。 国民を心底ばかにしている。自民も民主もない。

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