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コメの全袋検査。早朝から深夜に及ぶこともあるという=福島県本宮市
福島・コメの全袋検査 「安全アピール」2年160億円、成果は?
http://sankei.jp.msn.com/life/news/131118/trd13111809180003-n1.htm
2013.11.18 09:13 産経新聞
東日本大震災前は全国4位のコメどころだった福島県(昨年は7位)。東京電力福島第1原発事故による風評被害は今も払拭されていないといい、出荷前に全てのコメ袋を検査し、安全性をアピールしている。検査費用は国や県の予算や東電からの賠償金で賄われ、事業者や消費者が負担するものではないが、2年間で160億円を見込む。これだけの費用をかけ、全袋検査をしないといけないのだろうか。(平沢裕子)
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◆99%は基準値内
「1粒たりとも(放射性セシウムの)基準値を超えるコメを出荷しないため、全てのコメを検査している。福島のコメは安全であることをしっかり報道してほしい」。先月開催された福島県の生産現場を巡るメディアツアーで、農業総合センター生産環境部の吉岡邦雄部長は訴えた。
同県は昨年から全てのコメを玄米の段階で検査する全袋検査を導入。生産者から集められたコメ袋(1袋30キログラム)を県内173カ所・202台設置のベルトコンベヤー式測定器で検査している。機器の購入や人件費など全袋検査のための昨年度の費用は約90億円。今年度は約70億円を見込んでいる。
背景には、原発事故後の平成23年産米の販売が、消費者のセシウム汚染不安から苦戦したことがある。水田畑作課は「モニタリング検査だった23年産は市場に出た後に基準値超のコメが見つかり、問題のない地域のコメも福島産だから、と扱ってもらえなくなった。一部しか調べないモニタリング検査では同様のことが起きる可能性がある。福島産を店頭に置いてもらうために全袋検査のお墨付きは必要」と打ち明ける。
昨年検査した約1033万袋中、国の基準値(1キロ当たり100ベクレル)超は71袋。検査したコメの99・99931%は基準値以内だった。基準値超の最高は同360ベクレルで現在の基準値超とはいえ、事故直後に設定された穀類の暫定数値(同500ベクレル)より低い。
◆あんぽ柿も全量
全袋検査で風評の影響はなくなったのだろうか。JA全農福島の24年産の契約進度(1月までに集荷された新米の売買契約の進み具合を表す)は40%。23年産の26%に比べると良くなっているが、事故前の22年産の89%には遠く及ばず、契約・出荷ともに進まない状況が続いている。
また、事故前にコシヒカリ(会津)は全国全銘柄平均価格対比が106〜108の水準だったが、23年産は104〜105、24年産は101〜103で24年産の方が悪かった。コメの価格はその年の出来具合にも左右され、全袋検査をしているから価格が上がるという状況にはないようだ。
福島県は全袋検査の人件費などの費用は東電に請求している。今年から特産のあんぽ柿もコメと同様に全量全箱検査を行う予定で、検査にかける費用はさらに膨らむとみられる。
食品リスクの経済分析が専門の近畿大学農学部の有路昌彦准教授は「食品の安全を担保するにはモニタリング検査で十分。東電が負担する費用は最終的には国か電気利用者が払うわけで無料ではない。国家予算は無尽蔵にわき出すわけではなく、実際は国債という借金を使ってやっている。風評対策は、検査を増やす前にまずリスクコミュニケーションでやるべきだ」と話している。
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■食品検査はモニタリングが基本
福島県でもコメ以外の野菜や水産物などの放射性セシウムの検査は、生産・出荷などの実態に応じて計画的に行うモニタリング(監視)検査がなされている。検査では食品を細かく切り刻んだりすることから検査したものは売り物にならないため、一部について調べる。
セシウム汚染の食品を避けるのは、将来のがんリスクを少しでも減らしたいためとみられる。ただ、全袋検査前の平成23年にコープふくしま(福島市)が実施した「陰膳(調査対象者が取った食事と同じものを科学的に分析し、摂取した栄養素や化学物質の総量を推定)調査」では、セシウムが最も多く検出された家庭の食事を1年間取り続けても内部被曝(ひばく)線量は年間0.14ミリシーベルト以下。がんになるリスクは野菜不足の食事よりも小さい。
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