http://www.asyura2.com/13/genpatu34/msg/738.html
Tweet |
福島4号機「クレーン」と「東京スカイツリー」
http://www.janjanblog.com/archives/103734
2013年 11月 17日 22:53 成瀬裕史
■全世界が心配!?4号機「核燃料プール」
全世界(日本を除く!?)が心配していた福島第1原発4号機の核燃料プール。
第1原発内で一番損傷の激しい建屋が、もしも更なる地震で損傷し1500体の核燃料棒がむき出しになれば、広島型原爆の4000倍から5000倍の放射能が飛散。首都圏を含む4000万人が避難を余儀なくされる人類史上最悪の事態になると、内外の専門化が警鐘を鳴らしていた。
それがやっと(?)、この18日から東京電力により、燃料プールからの燃料取り出し作業が始まる。
これで、全世界が(?)「ひと安心」と言いたいところだが、そこは「東電さま」のやること。
その作業を詳しく見ると、心配は尽きない…。
■意外と原始的?「人類初」の作業…
実は、事故で破損した原発建屋から、このような大量の核燃料を取り出すという作業は「人類初」という…。(他にはチェルノブイリとスリーマイルしかなく、当たり前といえば当たり前なのではあるが…)
しかし、その作業は「クレーンゲーム」に例えられるように、極めて「原始的」(?)である。
4号機建屋上部に設置したクレーンを使い、プール内で「キャスク」と呼ばれる金属製容器に最大22本の使用済燃料を収納して引き上げ、一旦、建屋上部に降ろして除染。その後、建屋横に待機するトレーラーに降ろし、100m離れた共用プールへ移送する。
しかし、新聞報道や東電のHPなどを見ると、特に容器の通り道の下部や側面には「ガード」するレールなどはなく、ひたすら「ぶら下げて運ぶ」だけのようだ…。
http://www.tepco.co.jp/nu/fukushima-np/f1/genkyo/fp_reactor/fp_no04/index.html
■クレーン作業時に地震があったら?
この作業を一行程には約1週間かかり、すべての燃料を取り出すには、来年の年末までかかるという…。
心配なのは、作業中の「地震」などのアクシデントである。
建屋の上部は、地上からは50m以上ある。万が一、吊り下げ中に激しい地震が起きて落下した場合、容器や中の燃料棒は、果たして無事であろうか?
東電は、試験用の燃料に重さ100kgの鉄の塊を5mの高さから落とす実験を行い、つり上げのための機能が損なわれないことを確認したという。
しかし、これは、容器が落下したケースの実験ではない。
更に東電は、クレーンは地震等で停電した場合、フックにロックがかかり燃料を落とさないよう対策が取られ、取り出し中に設定以上の荷重がかかった場合にも停止し、強引につり上げて燃料が破損するのを防ぐ対策が取られている、としている。
しかし、このような対策は、クレーン作業としては「当たり前」のことなのではあるまいか?
どうも東電には、「人類史上最悪の事態」を回避するための「人類初の作業」に臨むに当たっての“厳粛な姿勢”が、ほとんど感じられないように思えるのだが…。
これは「何時ものこと」なのではあるが…。
■“威信”を賭けた「スカイツリー」とは対照的!?
こんな東電の“姿勢”(?)と全く「対照的」だと感じられたのが、高さ634mの世界一の電波塔「東京スカイツリー」の建設を請け負った、大林組の“姿勢”である。
本日の地方紙に、大林組社員の講演会の要旨が載っていたが、
世界有数の地震国で台風もやってくる日本の、しかも巨大都市・東京で、世界一の高さの塔を建てるには、多数の技術的問題を解決する必要があったという…。
例えばクレーンでは、従来は高さ300mが限界だっため、420mのクレーンを製造したという。
また、吊り荷が揺れないよう、“こま”が安定する「ジャイロ効果」に着眼した制御装置も開発したという。
工事中に東日本大震災に遭遇した際、地上600mの高さまで、塔の上の部分を引き上げる作業中だったが、工事に影響するような被害はなく、図らずも技術力と安全管理の成果を実証することとなった、という。
同じように、東京電力にも、今回の「クレーン」において、“技術力”と“安全管理”の両面で、「胸を張って」欲しいものなのだが…。
■東電に「任せっ放し」の我が国政府の“気概”とは!?
東電によると、4号機の燃料取り出し作業では、被曝線量の関係から、作業員計36人を6班・6人ずつに分け、1班当たり連続作業を2時間に限定するという。
東電では、作業が円滑に進むよう、実物と同じクレーンを使い、作業の訓練を繰り返してきたという。
しかし、被曝線量との兼ね合いがあるものの「1班6人」体制というのは、何とも心許ない…。
「東京スカイツリー」建設の際は、日本の「ものづくり」の技術力を「世界に発信」する“気概”があったと思うが、
「人類史上最悪の事態」を回避するための「人類初の作業」を、「1班6人」体制で行おうとする東電には、どんな“気概”があるのだろうか…?
そして、“国策”として進めてきた“原発”に、「重篤事故」が発生したというのに、その「困難極まる」であろう“収束”作業を、いち私企業の東電に「任せっ放し」という、我が国政府にも、どんな“気概”があるというのだろうか…?
せめて、「東京五輪」並みの“気概”があって欲しいのだが…。
それでも、全世界からは「非難轟々」ではあろうが…。
成瀬裕史記者のプロフィール
1960年生まれ。北日本の一地方在住。一次産業を主とする“地方”の復興のため、明治維新から続く中央集権・官僚主導の国家体制の“CHANGE”を志す。
▲上へ ★阿修羅♪ > 原発・フッ素34掲示板 次へ 前へ
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。