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【原発】汚染された排気筒倒壊の危機 〜「アウターライズ地震」〜
http://blog.goo.ne.jp/humon007/e/a3cd180394bf63caf5b6c53f62eb466d
2013年11月05日 語られる言葉の河へ
(1)三陸沖から千葉県沖にかけては、今後も大地震発生が危惧されている。
3・11を引き起こした日本海溝のプレート境界では、海溝外側で「アウターライズ地震」が繰り返し起きている。今後も発生するだろう。<例>10月26日の福島県沖を震源地として発生した地震。
(2)M8.1の大地震だった昭和三陸地震(1933年)は、明治三陸沖地震(M8.5)に連動した「アウターライズ地震」だった。
揺れそのものは、震源が沖合200kmの太平洋プレートだったことで最大震度5程度だが、大津波が起きた。気仙沼市や宮古市を中心に、3,000人以上が死亡した。
(3)(2)と同様の「アウターライズ地震」が発生するならば、福島第一原発は再度大きな揺れと津波に襲われる可能性がある。
これまでの例からすると、数年から数十年のうちに巨大地震が再来するか、プレート境界型地震が起こる可能性がある。
2010年の耐震性の確認、「耐震バックチェック」時に想定していた「塩谷埼隠岐地震」よりさらに原発に近い震源域を持つM8級の大地震が発生する可能性もある。
「アウターライズ地震」も境界型地震も、M8級だと、大きな破壊面積を持つ。よって、震動継続時間が長く、遠方に伝わる長周期揺れが襲う。長周期揺れは、高層建築物の長い固有振動周期に共振しやすい。耐震設計で予測された力よりも大きな力が構造物にかかる。
(4)3・11でも、東京タワーが長周期の大きな揺れによって先端部を破損した。はるか遠く離れた大阪府庁舎さえ、被害を受けた。
フクイチの排気筒は高さが120m以上ある。大きな揺れに遭遇すると、高さ66m付近に力が集中する。その結果、主排気管を支える構造材が破損した。
排気筒の鋼鉄材のうち、8本までが破損するか、その疑いが強い状態であることが分かった。【東京電力が望遠鏡で調査】
8本の破損が全て耐震機能を発揮しない・・・・という前提で再計算すると、想定地震動に対して「0.98」という数値が出る。
1.0以上になると排気筒が破損し始める。
「0.98」とは、ぎりぎりの強度しかないことを示す。
(5)この排気筒は、事故当時、格納容器ベントを行って大気中に放射能を放出した。ために、内部が激しく放射能汚染されている。
この事実は事故直後から分かっていた。しかし、汚染度があまりにも高く、今まで手を付けられないまま放置されてきた。周辺作業どころか、半径120mは作業禁止区域、半径28mは立ち入り禁止措置が取られている。排気筒の一番下では、最大で10Sv以上のきわめて高い放射線を出している。近づくだけで大量に被曝する。
この事実は、以前から認識されていたが、排気筒に大きな損傷があることが分かったのは今年8月だ。2年半も実態を把握していなかったわけだ。これまで崩落しなかったのは奇跡に近い。
(6)排気筒と、それにつながる配管の高濃度汚染は、各電力会社に重大な問題を課す。
規制基準で要求している格納容器ベントを設置して稼働させた場合、その系統全部が高濃度汚染を免れない。取り付けたベントラインや減衰タンクそのものが高濃度汚染される。よって、損傷が見つかっても近づいて修理できない。事故後、復旧作業に大きな影響が出る。
問題はこれだけではない。解体撤去するにも、莫大な費用と人手が必要になる。
ベントラインがない原発の場合、格納容器の排気系統が同じ問題を有することになる。
□山崎久隆(たんぽぽ舎)「汚染された排気筒倒壊の危機 福島原発は「アウターライズ地震」に耐えられるか」(「週刊金曜日」2013年11月1日号)
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