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福島原発からの燃料取り出しについて
http://takedanet.com/2013/11/post_cd4c.html
平成25年11月4日 武田邦彦(中部大学)
多くの人が心配し、メディアも大きく取り上げている福島4号機の燃料取り出し開始について、速報として私の見解を書きました。今、しっかりしたものを「まぐまぐ」に書いています。
【結論】
経過に注意する必要はあるが、緊急に逃げなければならないということはない。また、引上げ中に事故が起きても緊急な事態にはならない。
【理由】
4号機は事故の起こった2011年3月の半年前に停止しており、すでに早期に崩壊する危険な放射性物質が少なく、発熱量も低いこと。
それに加えて、2011年3月に漏れた約100京ベクレルがものすごく多いので、たとえば数兆ベクレル漏れても、その1万分の1以下になる。つまり、2011年の影響の方が大きいと予想される。
【不安点】
東電や政府が3号機(4号機爆発に関連している)、4号機の爆発の映像、解析、現在の核燃料貯蔵状態などを公表していないので、専門家として解析できない。
この不安点の問題は、日本社会には一般の人と原子力の専門家がいる。一般の人は「結局、危険か安全か」という情報が必要だが、専門家は「データを出してくれれば自分で計算し、判断する」ことができる。しかし、事故以来、新聞記者などの一般人向けのものしか出ていないので、専門家として自ら計算して危険か安全かを判断するデータがない。
たとえば、小型の核爆発が起きるかどうかを判断するためには、貯蔵施設の状態、ホウ素の有無など基本的なデータが必要である。
【危険である基本的なこと】
現在の福島の事故処理は基本的に危険である。理由は原子力に絶対必要な「固有安全性」と「多重防御」がないままに進んでいるからだ。これは「事故があったから仕方がない」という理由と思うけれど、事故があってもなくても危険な状態であることは間違いない。
日本社会に原子力の専門家が多いのだから、事故後も固有安全性を求める発言をしてもらいたい。いずれにしても注視はしておかなければならないが、新聞や雑誌が大きく取り上げているときにはそれほど危険ではないという例でもある。
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