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たった40年50年しか使わなかった発電プラントのために、その後、10万年以上もまったくなんの関係もない人たちに脅威を与えつづけるのだ。
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秋場龍一のねごと
2013年11月2日土曜日
どうやら、原発って、人間のたましいを験すリトマス紙かもしれない、ね……。
ぼくは原発を推進するとか、賛成するとか、無関心であるとか、あるいは原発関連で利益を得る、ということが理解できない。
この世の問題、とくに政治的な問題に「絶対」はなく、「相対」として扱わなければならないことがほとんどだと思っている。
だけど、原発に関しては「絶対」に反対である。
反対しかあり得ないと考える。
その理由は、地球のほとんどの生物を絶滅させるポテンシャルを秘めているからである。その現実性はスリーマイルで、チェルノブイリで、フクシマで、嫌というほど覚えたはずだ。
たとえ原発が事故を起こさなくても、それが稼働することによって生み出される放射性廃棄物を10万年以上にわたって安全に管理しつづけなければならない。
後世にそんなとんでもなく危険なものを遺していいわけがないだろう。
ぼくたちが、たった40年50年しか使わなかった発電プラントのために、その後、10万年以上もまったくなんの関係もない人たちに脅威を与えつづけるのだ。
ぼくは、そんな事実に耐えられない。そんなものを自分が生きていた時代に存在させたことに、たとえその存在に反対を唱えたとしても罪の意識をおぼえる。
そして、こんなものを遺して死んでいくことに畏れがある。
ここのとこ、原発に推進、賛成、無関心、それで利益を得る人というのは、どう思っているのだろうか。
畏れって、ない?
もしかして、自分が死んだあとのことだから関係ないとでも考えているのだろうか。
でも、たとえば、わが子や孫に、そんなものを「積極的に遺した自分」と、どう折り合いをつけるのだろうか。
いま、オギャアと日本に産まれた、あなたの子どもや孫は、ひとりあたり1千万近い借金、それに「死の放射能汚染」と「死の廃棄物」という遺産を、生まれながらに背負わされている。
この「事実」に、あなたは堪えられるのか。
そんな人にわが子、わが孫がかわいいなどと言ってもらいたくない。子どもを愛している、また国を愛している、と思ってもらいたくない。
ほんとにかわいければ、ほんとに愛していれば、そんなものを遺して死んでいくことができるはずがない。
どうやら、原発って、人間のたましいを験すリトマス紙かもしれない、ね……。
原発に関する諸事は、現生の政治の問題だけに収束するのではなく、それは現生を越えた、はるか後世に及ぶ人類生存の問題なのだ。
だから、山本太郎さんが、原発にまつわる手紙をどんな人に渡そうとも、それは「政治的」には成り得ない。
その山本さんの行為は、現生の政治をはるかに超えた「人類普遍」のものだから。
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